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公開番号2025003920
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-14
出願番号2023103824
出願日2023-06-25
発明の名称繊維製品
出願人株式会社鈴木靴下
代理人個人
主分類D04B 1/02 20060101AFI20250106BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】本発明は防寒用として十分な保温性を得られる厚みを備えつつ実用的な耐久性をも備え、かつ、柔軟で装用感が良く、美観にも優れた繊維製品を提供する。
【解決手段】少なくとも一部に編地層とパイル層から成る厚地部を備え、該パイル層は第一のパイル糸によって構成された第一のパイルと、2本以上の第二のパイル糸によって構成された第二のパイルからなり、該第二のパイルは該第一のパイルの内側に構成する。該第一のパイル糸は吸湿性や肌触りといった機能に優れた糸とし、該第二のパイル糸は保温性に優れた糸とする。該第二のパイル糸は、ポリウレタン弾性糸を芯線にポリプロピレン中空糸を巻きつけたカバリングヤーンとすることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも一部に厚地部を備えており、
該厚地部は主糸と補強糸によって構成された編地層とパイル層から成り、
該パイル層は第一のパイル糸によって構成された第一のパイルと、2本以上の第二のパイル糸によって構成された第二のパイルからなり、
該第二のパイルは該第一のパイルの内側に構成されている、
ことを特徴とする繊維製品
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記第二のパイル糸は、10デニール乃至30デニールの太さの芯糸に170デシテックス乃至210デシテックスの太さ相当の鞘糸を巻き付けたカバリングヤーンである
ことを特徴とする請求項1に記載の繊維製品。
【請求項3】
前記第一のパイル糸は、2/24毛番乃至2/32毛番の太さである
ことを特徴とする請求項2に記載の繊維製品。
【請求項4】
前記第二のパイル糸は、ポリウレタン弾性繊維糸にポリプロピレン樹脂繊維糸又はナイロン樹脂繊維糸又はポリエステル樹脂繊維糸のいずれかを巻き付けたカバリングヤーンである
ことを特徴とする請求項3に記載の繊維製品。
【請求項5】
前記第一のパイル糸は、アクリル繊維及びウール繊維を含む混紡糸である
ことを特徴とする請求項4に記載の繊維製品。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の繊維製品である
ことを特徴とする靴下。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の繊維製品である
ことを特徴とするレッグウォーマ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の繊維製品である
ことを特徴とするアームウォーマ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の繊維製品である
ことを特徴とする胴体保温具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、編地で構成された繊維製品に関するものである。より詳細には、厚みが大きく保温性に優れた靴下、レッグウォーマー、アームウォーマーのような繊維製品であって、特にパイル編組織を備えたものに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来より低温環境下での作業時やスポーツ時の防寒用として靴下、手袋のような袋状に編成した繊維製品や、レッグウォーマー、アームウォーマーのような筒状に編成した繊維製品が広く利用されているが、近年では従来にないほど厚みがあって保温性に優れると同時に軽量で装用感の良い製品が製造され流通するようになっている。さらに、いわゆる室内履き(ルームスリッパ)のように利用することも可能な極めて厚手の靴下など、保温性に優れる繊維製品の用途は広がり続けている。近年の省エネ意識の高まりから室内の暖房温度を低めに設定することもしばしば行われる状況下、このような繊維製品は、今後ますます活用される機会が増えると予想される。
【0003】
厚みがあって保温性に優れる編成組織の代表としてパイル編成組織があげられる。パイル編成組織は、編地の面にリング状にわな(ループ)を出して編むことで編地の表面或いは両面をパイルで覆ったものであるから、その厚さにかかわらず非常に柔軟で装用感が良い。また、パイルに多くの空気を含むために保温性に優れており、防寒用の繊維製品として優れた特徴を有している。パイル編成組織においては、そのループを長くすることでよりパイルの厚みを増し、ここにより多くの空気を含むようになるのでさらに保温性を高めることができる。
【0004】
しかしながら、靴下やレッグウォーマー、アームウォーマーのような繊維製品は肌に直接装用されることが多く、このため、頻繁に洗濯されることが常である。こうなると、ループが長い、つまり、パイルの厚い編成組織では、パイルが寝てしまったりつぶれたりして詰まってしまい、厚みが薄くなってしまう。当然にパイルに含んでいた空気も少なくなり、保温性も低下する。また、頻繁な洗濯を要しない用途であっても、ループの長いパイル編成組織の繊維製品は梱包・輸送段階や、使用時の摩擦等によって同様の不都合を発生しがちである。とくに、靴下においては体重がかかることや強烈な摩擦にさらされがちであることからパイルが寝てしまったりつぶれたりし易い為、パイル編成組織の安定性や回復性を高めることは重要な課題である。
【0005】
この課題に対して、特開平5-247797号公報や特開2017-106146号公報には、パイルを構成するループを二重とし、これを高さの高い大ループと高さの低い小ループで構成する、二重パイル編成組織が開示されている。この構成では、最も編成組織の外側に現れる大ループの内側に小ループが形成され、これによって大ループが支持されることになるため、パイル長が長い厚みのあるパイル編成組織であるにもかかわらず、洗濯を繰り返されてもパイルが寝てしまったりつぶれてしまったりするという問題が大いに軽減される。
【0006】
しかしながら、前記先行技術文献に記載された発明では、さらに厚いパイルを構成して保温性を高めることは困難である。なぜなら、大ループの内部に小ループを設ける構成であっても、ループを長くする、つまり、大小それぞれのループが大きくなると、二重パイル編成組織であってもパイルが寝てしまったりつぶれたりし易くなる。また、技術的にはパイルを構成するループをさらに増やして大ループ、中ループ、小ループの三重ループ構成としてパイルを強化することも考えられるが、このようにすると編成組織の編地層(主糸と補強糸によっていわゆる平編またはゴム編によって編まれた編地層)の目付(密度)が高まり過ぎて編成組織全体として固く装用感に劣るものとなってしまう。
【0007】
また、厚いパイルを構成すると、最外層を構成する大ループが撓むことにより、内部の小ループが大ループの隙間から視認可能となってしまうことも問題である。二重パイル編成組織では、最外層になる大ループを構成する糸は肌触りの良い綿糸や美しい光沢の得られるウール糸のように、肌触りや意匠性を重視して選択することが多い。一方、人体との接触が無く視認もされない内層になる小ループを構成する糸は、パイル構造を維持可能な弾性等の強度や断熱性といった機能を重視して選択せざるを得ないことが多い。そうすると、最外層を構成する大ループが撓んで、内部の小ループが大ループの隙間から露出すると、意匠性に劣る小ループの構成糸が装用者から視認されるということになり、これは衣類としては誠に都合が悪い。もちろん、前記のような機能を優先して選択された糸で構成される小ループが皮膚に直接触れると装用感の低下をも招いてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平5-247797号公報
特開2017-106146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明が解決しようとする課題は、上記のような欠点が解消された繊維製品を提供することである。すなわち、従来の二重パイル編成組織では実現困難であったパイル層の安定性を確保し、より厚いパイル編成組織においても長期使用に耐え、かつ最外層を構成する大ループによって内層を構成する小ループがカバーされて優れた装用感や意匠性を保つことが出来る、繊維製品を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記説明した課題を解決するため、本発明においては、
少なくとも一部に厚地部を備えており、
該厚地部は主糸と補強糸によって構成された編地層とパイル層から成り、
該パイル層は第一のパイル糸によって構成された第一のパイルと、2本以上の第二のパイル糸によって構成された第二のパイルからなり、
該第二のパイルは該第一のパイルの内側に構成されている、
ことを特徴とする繊維製品としている。
(【0011】以降は省略されています)

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