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公開番号2025000275
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2023100044
出願日2023-06-19
発明の名称精製されたジフルオロメタン(HFC-32)の製造方法、及びHFC-32を含有する組成物
出願人ダイキン工業株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C07C 17/386 20060101AFI20241224BHJP(有機化学)
要約【課題】ジフルオロメタン(HFC-32)を効率よく精製する方法を提供する。
【解決手段】ジフルオロメタン(HFC-32)と、成分Xとを含む組成物を溶媒Aと接触させ、前記組成物から前記成分Xが低減された組成物を得る抽出蒸留工程を含み、
前記成分Xは、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12)からなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記溶媒Aは、アミン、及びフッ素化エーテルの少なくとも一種である、
精製されたHFC-32の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ジフルオロメタン(HFC-32)と、成分Xとを含む組成物を溶媒Aと接触させ、前記組成物から前記成分Xが低減された組成物を得る抽出蒸留工程を含み、
前記成分Xは、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12)からなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記溶媒Aは、アミン、及びフッ素化エーテルの少なくとも一種である、
精製されたHFC-32の製造方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記抽出蒸留工程を経て抽出蒸留塔の塔底から得られる前記成分Xと前記溶媒Aとを含有する組成物を蒸留して、前記成分Xと前記溶媒Aとを分離する蒸留工程を更に含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記抽出蒸留工程を行う第1の蒸留塔を使用した前記抽出蒸留工程を0.05~5MPaG(ゲージ圧)の圧力下で行う、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記蒸留工程を行う第2の蒸留塔を使用した前記蒸留工程を0.05~3MPaG(ゲージ圧)の圧力下で行う、請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記抽出蒸留工程で使用した前記溶媒Aを回収し、回収した前記溶媒Aを前記抽出蒸留工程に再循環させる溶媒回収工程を更に含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記アミンは、一般式:NR





〔式中、R

、R

及びR

は、同一又は異なって水素又は置換基を有していてもよい炭素数1~3の炭化水素基を示す。但し、R

、R

及びR

が全て水素である場合を除く。〕
で表される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記アミンが、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ-n-プロピルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、モノ-イソプロピルアミン、及びジ-イソプロピルアミンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記フッ素化エーテルは、一般式R

-O-R

〔式中、R

及びR

は、同一又は異なってC





を示す。但し、n=1~20の整数であり、m+l=2n+1であり、m及びlは0以上の整数である。〕
で表される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記フッ素化エーテルが、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロ-4-メトキシブタン(HFE-7100)、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロ-4-エトキシブタン(HFE-7200)、及び1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロ-3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン(HFE-7300)からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
ジフルオロメタン(HFC-32)と、成分Xと、物質Aとを含有する組成物であって、該三成分の総濃度が前記組成物全体に対して99.5質量%以上であり、
前記成分Xは、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12)からなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記物質Aは、アミン、及びフッ素化エーテルの少なくとも一種であり、且つ
前記成分Xの含有量が前記組成物全体に対して0質量%超過0.4質量%以下であり、前記物質Aの含有量が前記組成物全体に対して0質量%超過0.1質量%以下である、
組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、精製されたジフルオロメタン(HFC-32)の製造方法、及びHFC-32を含有する組成物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
HFC-32は、冷媒、又は他の成分と組み合わせた混合冷媒(例えば、HFC-32とHFC-125との混合冷媒であるHFC-410A)の原料として有用である。
【0003】
本開示に関連し、例えば特許文献1には、HFC-32及びHFC-125を分離する方法が開示されている。詳細には、「塩化メチレンを含んで成る抽出剤を使用することによって第一混合物からHFC-32及びHFC-125を分離するための方法であって、前記抽出剤を第一混合物に添加して第二混合物を生成させるステップ、蒸留塔の抽出蒸留ゾーン中で第二混合物を抽出蒸留することによって第二混合物中のHFC-32及びHFC-125を分離しそしてそれによって塔の塔頂生成物としてHFC-125をそして塔底からHFC-32を回収するステップを含んで成る方法。」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-91762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、HFC-32を効率よく精製する方法、及びHFC-32を含有する組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、例えば、以下の項に記載の態様を包含する。
項1.ジフルオロメタン(HFC-32)と、成分Xとを含む組成物を溶媒Aと接触させ、前記組成物から前記成分Xが低減された組成物を得る抽出蒸留工程を含み、
前記成分Xは、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12)からなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記溶媒Aは、アミン、及びフッ素化エーテルの少なくとも一種である、
精製されたHFC-32の製造方法。
項2.前記抽出蒸留工程を経て抽出蒸留塔の塔底から得られる前記成分Xと前記溶媒Aとを含有する組成物を蒸留して、前記成分Xと前記溶媒Aとを分離する蒸留工程を更に含む、上記項1に記載の製造方法。
項3.前記抽出蒸留工程を行う第1の蒸留塔を使用した前記抽出蒸留工程を0.05~5MPaG(ゲージ圧)の圧力下で行う、上記項1又は2に記載の製造方法。
項4.前記蒸留工程を行う第2の蒸留塔を使用した前記蒸留工程を0.05~3MPaG(ゲージ圧)の圧力下で行う、上記項2又は3に記載の製造方法。
項5.前記抽出蒸留工程で使用した前記溶媒Aを回収し、回収した前記溶媒Aを前記抽出蒸留工程に再循環させる溶媒回収工程を更に含む、上記項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
項6.前記アミンは、一般式:NR





〔式中、R

、R

及びR

は、同一又は異なって水素又は置換基を有していてもよい炭素数1~3の炭化水素基を示す。但し、R

、R

及びR

が全て水素である場合を除く。〕
で表される、上記項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
項7.前記アミンが、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ-n-プロピルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、モノ-イソプロピルアミン、及びジ-イソプロピルアミンからなる群より選択される少なくとも1種である、上記項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
項8.前記フッ素化エーテルは、一般式R

-O-R

〔式中、R

及びR

は、同一又は異なってC





を示す。但し、n=1~20の整数であり、m+l=2n+1であり、m及びlは0以上の整数である。〕
で表される、上記項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
項9.前記フッ素化エーテルが、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロ-4-メトキシブタン(HFE-7100)、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロ-4-エトキシブタン(HFE-7200)、及び1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロ-3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン(HFE-7300)からなる群から選択される少なくとも一種である、上記項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
項10.ジフルオロメタン(HFC-32)と、成分Xと、物質Aとを含有する組成物であって、該三成分の総濃度が前記組成物全体に対して99.5質量%以上であり、
前記成分Xは、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12)からなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記物質Aは、アミン、及びフッ素化エーテルの少なくとも一種であり、且つ
前記成分Xの含有量が前記組成物全体に対して0質量%超過0.4質量%以下であり、前記物質Aの含有量が前記組成物全体に対して0質量%超過0.1質量%以下である、
組成物。
項11.ジフルオロメタン(HFC-32)と、物質Aとを含有する組成物であって、該二成分の総濃度が前記組成物全体に対して99.5質量%以上であり、
前記物質Aは、アミン、及びフッ素化エーテルの少なくとも一種であり、且つ
前記物質Aの含有量が前記組成物全体に対して0質量%超過0.1質量%以下である、
組成物。
項12.ジフルオロメタン(HFC-32)と、成分Xとを含有する組成物であって、該二成分の総濃度が前記組成物全体に対して99.5質量%以上であり、
前記成分Xは、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12)からなる群から選択される少なくとも一種であり、且つ
前記成分Xの含有量が前記組成物全体に対して0質量%超過0.4質量%以下である、
組成物。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、HFC-32を効率よく精製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示における精製されたHFC-32の製造方法のプロセスの概要を示す図である。図中、成分Xを構成するHFC-125、HFC-143a、及びCFC-12は当該三成分の少なくとも一種を含むことを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示者らは、鋭意研究を行った結果、HFC-32と、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、及びジクロロジフルオロメタン(CFC-12)からなる群から選択される少なくとも一種(成分X)とを含む組成物を特定の溶媒と接触させ、前記組成物から前記成分Xが低減された組成物を得る抽出蒸留工程を含む製造方法によって、HFC-32を効率よく精製できることを見出した。
【0010】
本開示は、かかる知見に基づき、更に研究を重ねた結果完成されたものである。
(【0011】以降は省略されています)

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