TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024180675
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2024185457,2021531702
出願日2024-10-21,2019-12-03
発明の名称アンフィポール
出願人セントレ ナシオナル デ ラ ルシェルシェ シエンティフィーク,ユニヴェルシテ・パリ・シテ,UNIVERSITE PARIS CITE
代理人個人
主分類C08L 33/02 20060101AFI20241219BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】膜タンパク質と形成する複合体及び膜タンパク質を可溶化及び安定化する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、膜タンパク質の可溶化及び安定化を可能とする式I
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024180675000014.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">66</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">166</com:WidthMeasure> </com:Image> のポリマー化合物に関し、それは特にこの化合物を使用することを含む、膜タンパク質と形成する複合体及び膜タンパク質を可溶化及び安定化する方法である。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体であって、該両親媒性ビニルポリマーは、式Iであり、
TIFF
2024180675000011.tif
66
166
ここで、M

はアルカリ金属であり、


、R

、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、


、R

、R

はそれぞれ独立して、水素原子及び直鎖状又は分岐状(C1~C8)アルキルから選択された基であり、

10
は、直鎖状又は分岐状(C1~C5)アルキルから選択された基であり、


及びR

はそれぞれ独立して、
-水素(この場合Xは単結合である)、
-少なくとも6つの炭素原子の直鎖状若しくは分岐状アルキル、少なくとも6つの炭素原子の直鎖状若しくは分岐状アルケニル、又は少なくとも6つの炭素原子の直鎖状若しくは分岐状アルキニル(この場合Xは単結合である)、
-未置換の又は1つ以上の基によって置換された(C3~C10)シクロアルキル又は(C3~C10)(ヘテロ)シクロアルキルであって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、
-多価不飽和又は1価不飽和の、未置換の又は1つ以上の基によって置換された(C3~C10)シクロアルケニル又は(C3~C10)(ヘテロ)シクロアルケニルであって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、
-未置換の又は1つ以上の基によって置換された多価不飽和又は1価不飽和の多環式化合物であって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、又は
-未置換の又は1つ以上の基によって置換されたフェニルであって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、
から選択された基であり、


又はR

基のうちの一方が、少なくとも6つの炭素原子の直鎖状若しくは分岐状アルキル、少なくとも6つの炭素原子の直鎖状若しくは分岐状アルケニル、若しくは少なくとも6つの炭素原子の直鎖状若しくは分岐状アルキニル、又は水素原子であって、Xが単結合である場合、他方のR

又はR

基は、
-未置換の又は1つ以上の基によって置換された(C3~C10)シクロアルキル又は(C3~C10)(ヘテロ)シクロアルキルであって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、
-多価不飽和又は1価不飽和の、未置換の又は1つ以上の基によって置換された(C3~C10)シクロアルケニル又は(C3~C10)(ヘテロ)シクロアルケニルであって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、
-未置換の又は1つ以上の基によって置換された多価不飽和又は1価不飽和の多環式化合物であって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、又は
-未置換の又は1つ以上の基によって置換されたフェニルであって、前記1つ以上の基は、直鎖状、環状若しくは分岐状(C1~C8)アルキル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニル、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニルから選択され、この場合Xは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択され、
から選択され、
ここでw、x、y、zは、構成単位のそれぞれの割合に対応し、
-xは20~90%であり、
-yは0~80%であり、
-wは0~80%であり、
-zは0~60%であり、ただしw+x+y+z=100%であり、y又はwは少なくとも10%である
ことを特徴とする、水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、M

はLi

、Na

、K

から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項3】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、M

はNa

であることを特徴とする、請求項1に記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項4】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、w及び/又はyが25%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項5】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、R
10
がイソプロピル基であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項6】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、xが75%以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項7】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、w及び/又はyが25%~50%であり、zが0%~40%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項8】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、
-R

及び/又はR

が、請求項1に記載されたものから選択された(C

~C

)シクロアルキルであるか、又は
-R

及び/又はR

がフェニルであり、
ここでXは単結合であるか、又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C8)アルキレン、直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルケニレン、及び直鎖状若しくは分岐状(C2~C8)アルキニレンから選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項9】
式Iの前記両親媒性ビニルポリマーにおいて、
-R

、R

、R

、R

、R

、R

、R

が水素原子であり、
-R

及び/又はR

が(C

~C

)シクロアルキルであり、かつXは単結合であり、
-R
10
がイソプロピル基であり、
-xが35%又は50%であり、
-yが25%以上であり、
-wが0%又は25%であり、
-zが0%、15%又は40%であり、ただしw+x+y+z=100%である
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
【請求項10】
前記両親媒性ビニルポリマーが、
TIFF
2024180675000012.tif
232
154
TIFF
2024180675000013.tif
147
152
から選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の水溶性の膜タンパク質-両親媒性ビニルポリマーの複合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、「アンフィポール」と呼ばれる新たな両親媒性ポリマーに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
これらの両親媒性ポリマーは、界面活性剤を使用して膜タンパク質を膜から抽出したときに、水溶液中で膜タンパク質を安定化することができることが最新技術において知られている。
【0003】
膜タンパク質は、細胞ゲノムによってコードされるタンパク質の約30%を占め、多くの重要な細胞機能(シグナリング、分泌、遊走、接着、恒常性、エネルギ産生など)に関与する。膜タンパク質は、モノマー又はオリゴマーであり得る。その膜タンパク質は、膜に組み込まれることにより、膜脂質のアルキル鎖と相互作用する膜貫通部分のαヘリックス又はβシートへと高度に構造化される。
【0004】
膜タンパク質が呈する多数の機能及び酵素活性により、膜タンパク質は薬理的標的又は選択の生物工学的手段となっている。しかしながら、溶液中での膜タンパク質の機能及び構造の研究、並びに治療学的又は生物工学的手段の開発における膜タンパク質の使用は、膜タンパク質の大量生産、精製、及び活性立体構造の維持を伴い、更に膜タンパク質は膜から抽出されると一般に不安定である。このような水溶液中での不安定性は、膜タンパク質の凝集を防ぐために界面活性剤が必要となるので重要である。実際には、これらのタンパク質の膜外ドメインの表面は、主に親水性側鎖を有するアミノ酸で覆われ、またこれらのタンパク質の膜貫通ドメインは疎水性鎖を有するアミノ酸で覆われるため、膜タンパク質は、水分子間の水素結合ネットワークの崩壊を最小限にするために、膜タンパク質の溶液中での凝集を促進する疎水性効果により水に非常に不溶性である。
【0005】
十分な量の膜タンパク質を生成するための多くの方法や、これらの精製(収率は多くの場合に限定される)、可溶化、及び水溶液中での安定化のための化学分子の多くの選択肢が存在する。
【0006】
市販の界面活性剤は、タンパク質を可溶化することができるものの、上述したように、特に界面活性剤の解離力によって、程度の差はあるが急速なタンパク質の変性及び不活性化を引き起こす。更に界面活性剤は、溶液中で界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)を超える濃度に維持する必要がある。他方では、アンフィポール(特許文献1)などの界面活性剤は、タンパク質を可溶化することができるものの、提供する可溶化特性がかなり低い。アンフィポールは、膜タンパク質を、小さな複合体の形態でその天然の可溶性立体構造に維持することができるものとして定義される、両親媒性ポリマーである(非特許文献1)。最も一般的に使用及び研究されているアンフィポールはA8-35である。これは、オクチルアミン側鎖及びイソプロピルアミン側鎖とグラフト重合したポリアクリル酸バックボーンと、35%のグラフト重合していないカルボン酸基と、25%のオクチル鎖(オクチルアミン)とグラフト重合したカルボン酸誘導体と、40%のイソプロピル基(イソプロピルアミン)とグラフト重合したカルボン酸基とからなる。タイプA8-35アンフィポールは一般に、界面活性剤を用いての膜の事前の可溶化を必要とし、その界面活性剤はその後に、そのCMC下での界面活性剤の希釈(これはタンパク質も希釈するという欠点を有する)又はビーズへのその吸着によって、アンフィポールに置き換えられる。他の両親媒性ポリマーが開発されている。その中で、界面活性剤による事前の可溶化を行わずに膜分画から膜タンパク質を直接可溶化することができるという特徴を示す、SMA(スチレン-マレイン酸コポリマー、特許文献2)及びこれらの誘導体を挙げることができる。しかしながら、合成後に単純に精製されるアンフィポールとは異なり、SMAは、生物工学的用途についてタンパク質のその後の使用を不可能とする不純物を常に含有する。
【0007】
組み換えタンパク質であるかどうかにかかわらず、タンパク質、特に膜タンパク質を精製するための方法は一般に経験的なものであり、特にタンパク質、(微小)生物、又は膜の組成に応じて予測が困難であり、これらの条件下で最も有効な作用剤を特定するために、膜タンパク質を可溶化及び/又は安定化するための様々な作用剤の継続的な試験が広く実施されている。
【0008】
この状況において、高い生物工学的関心の対象である膜タンパク質の生成のための新たな別の手段の提供が望まれる。特に、膜タンパク質の可溶化特性及び安定化特性の両方を有するポリマーが特に有効であり、これは現在存在しない。本発明の対象である新たなアンフィポールは、この要求を満たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第98/27434号
国際公開第2011/004158号
【非特許文献】
【0010】
Zoonens & Popot、2014年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東ソー株式会社
延伸物
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
株式会社トクヤマ
樹脂組成物
1か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
2か月前
オムロン株式会社
電子部品
28日前
NOK株式会社
EPDM組成物
1か月前
株式会社スリーボンド
硬化性樹脂組成物
1か月前
住友精化株式会社
粘性組成物の製造方法
1か月前
アイカ工業株式会社
メラミン樹脂発泡体
2か月前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
2か月前
株式会社大阪ソーダ
熱可塑性材料用組成物
2か月前
日本ポリプロ株式会社
プロピレン系重合体
28日前
株式会社カネカ
硬化性組成物
2か月前
JNC株式会社
低誘電率樹脂形成用組成物
2か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
2か月前
第一工業製薬株式会社
熱可塑性樹脂組成物
2か月前
株式会社大阪ソーダ
ゴム加硫物の製造方法
1か月前
旭有機材株式会社
耐熱性重合体
21日前
国立大学法人信州大学
ポリマー
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミック酸水性分散体
22日前
東ソー株式会社
ポリカーボネート樹脂組成物
2か月前
花王株式会社
情報処理システム
1か月前
オムロン株式会社
樹脂組成物、及び部品
2日前
横浜ゴム株式会社
ゴム組成物
1日前
花王株式会社
熱硬化性樹脂フォーム
2か月前
ダイキン工業株式会社
硬化性組成物
2か月前
ダイキン工業株式会社
硬化性組成物
2か月前
東ソー株式会社
ガスバリア性を有する樹脂組成物
1か月前
横浜ゴム株式会社
ゴム組成物
14日前
株式会社コバヤシ
組成物及びその製造方法
2か月前
三菱ケミカル株式会社
組成物、硬化物及び積層体
2か月前
学校法人 関西大学
光学材料
2か月前
株式会社リコー
樹脂粒子の製造方法
2か月前
グラストップ株式会社
土木建築用形鋼
2か月前
続きを見る