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公開番号
2024180198
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023099698
出願日
2023-06-16
発明の名称
点字表示装置
出願人
個人
代理人
主分類
G09B
21/00 20060101AFI20241219BHJP(教育;暗号方法;表示;広告;シール)
要約
【課題】触察対象の物体の形状を損ねることなく、物体の各部位に関する情報を点字で表示する点字表示装置の提供。
【解決手段】触察対象の触察部と、前記触察部と重ならない位置に配置され、表面に点字表示部を複数有する、点字形成部とからなる点字表示装置。前記点字形成部において、前記触察部の部位に対応する情報を点字で表記する前記点字表示部と、前記触察部の部位に対応する位置を識別するための点字表示部識別部材とが、複数の前記部位に対してそれぞれ設けられており、前記部位と、それに対応する前記点字表示部識別部材との相対位置が、複数の前記部位とそれに対応する前記点字表示部識別部材の対において一定であり、前記部位に対応する前記点字表示部識別部材と、それに対応する前記点字表示部との対応関係が触知によって認識できる構成であるため、前記部位に対応する点字表示部が触知によって認識できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
触覚で触知可能な少なくとも一つ以上の触察部と、表面に触覚で触知可能な点字表示部を複数有する、少なくとも一つ以上の点字形成部とからなり、
前記触察部と前記点字形成部は、それぞれ重ならない位置に配置されており、
前記点字形成部において、前記触察部の部位に対応する情報を点字で表記する前記点字表示部と、前記触察部の部位に対応する位置を識別するための点字表示部識別部材とが、複数の前記部位に対してそれぞれ設けられており、
一つの前記触察部と一つの前記点字形成部の対において、前記部位と、それに対応する前記点字表示部識別部材との相対位置が、複数の前記部位とそれに対応する前記点字表示部識別部材の対において一定であり、
前記部位に対応する前記点字表示部と、それに対応する前記点字表示部識別部材との対応関係が触知によって認識可能な構成であることを特徴とする、点字表示装置。
続きを表示(約 290 文字)
【請求項2】
前記点字形成部において、前記触察部の部位に対応する触覚で触知可能な触知部材を少なくとも一つ以上有し、一つの前記触察部と一つの前記点字形成部の対において、前記部位とそれに対応する前記触知部材との相対位置が、前記部位とそれに対応する前記触知部材の対において一定であることを特徴とする、請求項1に記載の点字表示装置。
【請求項3】
利用者が触知する前記部位と、その利用者が触知する前記点字表示部識別部材とを、それぞれ前記部位と、それに対応する前記点字表示部識別部材とに限定できる構成であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、点字表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の表面を触知し、触知した物体に関する説明を点字で読み取ることができる点字表示装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
視覚障害者が物体の様子を知るには、物体を触って確かめる触察という手法が有効である。触察対象の物体からは、形状や重量、表面の肌触りなどの情報が得られる。加えて、点字による説明を設けることで、利用者に物体に関する詳細な情報を提供できる。
【0003】
特許文献1は、立体記号が設けられた触知地図である地図部と、点字で解説が表記された解説部が設けられ、解説部の情報を基に地図部の情報が得られる触知地図を開示している。利用者は、解説部上で表示された立体記号の説明を基に、地図部の記号が示された位置に関する情報が得られる。しかしながら、立体記号は地図部において点状に示されるため、立体記号で示される情報は、どの範囲まで及ぶか不明瞭となる。また、地図部のそれぞれの部位で表示する情報が、地名などのそれぞれの部位で異なる情報である場合は、情報を表示する部位の数に応じて立体記号の種類を増やす必要があるため、直感的に情報にアクセスできない。加えて、表面に複雑な起伏を持つ物体を触察対象とした場合には、立体記号を単純な幾何学的な形状としなければ、触知した部位が、触察対象の物体であるのか、その上に設けられた立体記号であるのかの判別が困難となるため、立体記号の種類の数にも制約がある。
【0004】
また、特許文献2は、物体上に点字表示部を複数設け、点字表示部に表記された情報が及ぶ範囲をブロック状に区切ることで、模型のそれぞれの部位に関する情報を表示する組立地図を開示している。利用者は、ブロックを触知し、点字表示部からそれぞれのブロックの情報を読み取ることができ、ブロックの形状からその情報が及ぶ範囲を認識できる。したがって、この手段は、面的に広がりを持つ情報を示す場合に有効である。しかしながら、地域ごとの境界で区切られたブロックは、それぞれ面積に限りがある。したがって、特に小さなブロックの場合は、それぞれの部位について、情報を十分に提供できない場合が生ずる。また、点字表示部の直下は、起伏のない面としなければ点字を正確に読み取れない。したがって、ブロックの表面に複雑な起伏がある場合には、平らな面を設けて点字表示部を配置する必要があるため、点字表示部の大きさに応じて物体の起伏の形状が損なわれる。
【0005】
また、触察対象の物体に任意の点を指示して情報を表示する手段としては、物体上の位置を指示するための突起部と、その位置に関する情報が点字で表記された点字表示部とを連結させ、両者を物体上に配置する、突起部配置手段が挙げられる。利用者は、突起部の位置に関する情報を、連結された点字表示部から得られるため、複数の突起部がそれぞれ異なる情報を持っていたとしても、直感的に情報にアクセスできる。しかしながら、この手段では、特許文献1の技術と同様に情報が及ぶ範囲が不明瞭となる。加えて、表面に複雑な起伏がある物体の場合には、特許文献2の場合と同様に、点字表示部の大きさに応じて物体の起伏の形状が損なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-163929号公報
実開平02-067379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表面に複雑な起伏を持つ物体を触察対象とした場合において、物体の複数の部位にそれぞれ異なる情報を点字で表記するには、上記したいずれの手段を用いても達成できず、上記した手段を複数組み合わせた手段を用いても達成できない。なお、点字の直下を平面とせずに、直接物体に点字を配置した場合は、利用者が触知した凹凸が点字であるのか、物体の起伏であるのか識別できない可能性があるという問題が生ずる。
【0008】
また、特許文献2の手段は、上記技術において、面的な広がりを持つ情報について、情報が及ぶ範囲を明瞭に示すことのできる唯一の手段であるが、点字で示す情報の量が多くなるにしたがって、点字表示部がより広い面積を必要とするため、物体の大きさや点字で情報を表示する部位の数に応じて点字で表記する情報量を制限しなければならないという問題がある。また、前記突起部配置手段は、上記技術において、触察対象の物体に複数の任意の点を指示して情報を表示する場合に、それぞれ異なる情報を点字で表記できる唯一の手段であるが、物体の形状を損ねないよう点字で表記する情報量を制限しなければならないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
こうした課題を解決するために、本発明の請求項1の点字表示装置は、触覚で触知可能な少なくとも一つ以上の触察部と、表面に触覚で触知可能な点字表示部を複数有する、少なくとも一つ以上の点字形成部とからなり、前記触察部と前記点字形成部は、それぞれ重ならない位置に配置されており、前記点字形成部において、前記触察部の部位に対応する情報を点字で表記する前記点字表示部と、前記触察部の部位に対応する位置を識別するための点字表示部識別部材とが、複数の前記部位に対してそれぞれ設けられており、一つの前記触察部と一つの前記点字形成部の対において、前記部位と、それに対応する前記点字表示部識別部材との相対位置が、複数の前記部位とそれに対応する前記点字表示部識別部材の対において一定であり、前記部位に対応する前記点字表示部と、それに対応する前記点字表示部識別部材との対応関係が触知によって認識可能な構成であることを特徴としている。すなわち、本発明の請求項1の点字表示装置は、点字形成部において、触察対象である触察部の複数の部位に対応した点字表示部を設けることができる。
【0010】
また、本発明の請求項2の点字表示装置は、前記点字形成部において、前記触察部の部位に対応する触覚で触知可能な触知部材を少なくとも一つ以上有し、一つの前記触察部と一つの前記点字形成部の対において、前記部位とそれに対応する前記触知部材との相対位置が、前記部位とそれに対応する前記触知部材の対において一定であることを特徴とする、請求項1に記載の点字表示装置である。すなわち、本発明の請求項2の点字表示装置では、点字形成部において、触察対象である触察部の複数の部位に対して、点字表示部だけではなく、立体的な部材を設けて情報を提供することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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