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公開番号
2024177825
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-24
出願番号
2023096174
出願日
2023-06-12
発明の名称
細胞容器用シート、細胞容器、および、細胞を培養する方法
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
C12M
3/00 20060101AFI20241217BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】細胞容器の他の部材への密着性が高く、かつ剥離性も高い細胞容器用シートを提供すること。
【解決手段】4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む密着層を有する、単層または多層の細胞容器用シートであって、下記測定条件で行う90°剥離試験により測定される剥離強度が0.010N/cm以上0.100N/cm以下である、細胞容器用シート。
(測定条件)
ガラス転移温度が30℃である4-メチル-1-ペンテン単独重合体から形成された厚さ1.0mmの基板の平面状の表面に、10mm×100mmの細胞容器用シートを、温度23℃、圧力1500kgw/m
2
で密着層が基板に密着するように押圧して5秒保持し、その後に引張試験機を用いて90°剥離試験を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む密着層を有する、単層または多層の細胞容器用シートであって、
下記測定条件で行う90°剥離試験により測定される剥離強度が0.01N/cm以上0.10N/cm以下である、
細胞容器用シート。
(測定条件)
ガラス転移温度が30℃である4-メチル-1-ペンテン単独重合体から形成された厚さ1.0mmの基板の平面状の表面に、10mm×100mmの細胞容器用シートを、温度23℃、圧力1500kgw/m
2
で密着層が基板に密着するように押圧して5秒保持し、その後に引張試験機を用いて90°剥離試験を行う。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記細胞容器用シートは、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件で行う動的粘弾性測定により求められる、動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を、10℃以上100℃以下の範囲に有し、かつ、
前記損失正接の極大値は、0.5以上3.5以下である、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項3】
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体は、4-メチル-1-ペンテンに由来する構成単位と、エチレンまたはプロピレンに由来する構成単位と、を有する共重合体である、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項4】
前記細胞容器用シートは、厚さが15μm以上3mm以下である、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項5】
前記細胞容器用シートは、23℃における酸素透過度が7500cm
3
/(m
2
・24h・atm)以上150000cm
3
/(m
2
・24h・atm)以下である、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項6】
前記細胞容器用シートは、40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度が10g/(m
2
・24h)以上100g/(m
2
・24h)以下である、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項7】
BS EN556-1:2001に準拠して測定される医療機器の滅菌保障レベル(SAL)が10
-6
以下である、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項8】
前記細胞容器用シートは、ウェルプレートに密着させたとき、ウェルの周縁部における厚みが、ウェルの中央部における厚みよりも薄くなる、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項9】
ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、およびポリアミド系エラストマーからなる群から選択される1種または複数の熱可塑性エラストマーを含むエラストマー層を有する多層のシートである、
請求項1に記載の細胞容器用シート。
【請求項10】
前記細胞容器用シートは、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件で行う動的粘弾性測定により求められる、動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を、10℃以上100℃以下の範囲、および-70℃以上-20℃以下の範囲に有し、かつ、
前記10℃以上100℃以下の範囲における前記損失正接の極大値は、0.5以上3.5以下であり、
前記-70℃以上-20℃以下の範囲における前記損失正接の極大値は、0.05以上1.0以下である、
請求項9に記載の細胞容器用シート。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞容器用シート、細胞容器、および、細胞を培養する方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞を増殖したり、成長させたり、保存および輸送したりするための細胞容器として、筒状の基材の底面に樹脂シートまたは樹脂フィルムを貼り付けて容器状にしたり、ウェルの上面に樹脂シートまたは樹脂フィルムを貼り付けて密閉容器としたりする構成の細胞容器が知られている。
【0003】
上記貼り付ける樹脂シートまたは樹脂フィルムは、酸素透過性などを考慮して材料が選択される。たとえば、特許文献1には、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムが好ましいと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-111975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らの知見によれば、ポリエチレンテレフタレートなどの従来の樹脂シートは、基材などの細胞容器の他の部材への密着性が十分ではなく、樹脂シートの隙間から容器内部の液体成分を揮発させることがあった。その結果、たとえば細胞培養ウェルであれば周縁部のウェルでは中央部のウェルよりも液体成分が揮発しやすくなり、これにより周縁部のウェルと中央部のウェルとで培養環境が変化してしまい、ウェルごとの培養環境を一定にしにくかった。また、樹脂シートの密着性が低いと、細胞容器が振動したときなどに、樹脂シートの隙間から容器内部の液体成分を容器外に漏出させたりすることもあった。
【0006】
樹脂シートの粘着性を高めれば上記液体成分の揮発や漏出を抑制できる。しかし、密着性を高めると樹脂シートを細胞容器から剥離しにくくなる。そしてその結果、細胞容器からの樹脂シートの剥離に手間がかかって細胞培養の効率が低下したり、剥離しきれず細胞容器の他の部材に貼り付いてしまった樹脂シートのために細胞容器の再利用効率が低下したりすることがあった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、細胞容器の他の部材への密着性が高く、かつ剥離性も高い細胞容器用シート、当該細胞容器用シートを有する細胞容器、および当該細胞容器により細胞を培養する方法を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[1]~[17]の細胞容器用シートに関する。
[1]4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む密着層を有する、単層または多層の細胞容器用シートであって、
下記測定条件で行う90°剥離試験により測定される剥離強度が0.01N/cm以上0.10N/cm以下である、
細胞容器用シート。
(測定条件)
ガラス転移温度が30℃である4-メチル-1-ペンテン単独重合体から形成された厚さ1.0mmの基板の平面状の表面に、10mm×100mmの細胞容器用シートを、温度23℃、圧力1500kgw/m
2
で密着層が基板に密着するように押圧して5秒保持し、その後に引張試験機を用いて90°剥離試験を行う。
[2]前記細胞容器用シートは、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件で行う動的粘弾性測定により求められる、動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を、10℃以上100℃以下の範囲に有し、かつ、
前記損失正接の極大値は、0.5以上3.5以下である、
[1]に記載の細胞容器用シート。
[3]前記4-メチル-1-ペンテン系重合体は、4-メチル-1-ペンテンに由来する構成単位と、エチレンまたはプロピレンに由来する構成単位と、を有する共重合体である、
[1]または[2]に記載の細胞容器用シート。
[4]前記細胞容器用シートは、厚さが15μm以上3mm以下である、
[1]~[3]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[5]前記細胞容器用シートは、23℃における酸素透過度が7500cm
3
/(m
2
・24h・atm)以上150000cm
3
/(m
2
・24h・atm)以下である、
[1]~[4]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[6]前記細胞容器用シートは、40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度が10g/(m
2
・24h)以上100g/(m
2
・24h)以下である、
[1]~[5]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[7]BS EN556-1:2001に準拠して測定される医療機器の滅菌保障レベル(SAL)が10
-6
以下である、
[1]~[6]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[8]前記細胞容器用シートは、ウェルプレートに密着させたとき、ウェルの周縁部における厚みが、ウェルの中央部における厚みよりも薄くなる、
[1]~[7]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[9]ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、およびポリアミド系エラストマーからなる群から選択される1種または複数の熱可塑性エラストマーを含むエラストマー層を有する多層のシートである、
[1]~[8]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[10]前記細胞容器用シートは、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件で行う動的粘弾性測定により求められる、動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を、10℃以上100℃以下の範囲、および-70℃以上-20℃以下の範囲に有し、かつ、
前記10℃以上100℃以下の範囲における前記損失正接の極大値は、0.5以上3.5以下であり、
前記-70℃以上-20℃以下の範囲における前記損失正接の極大値は、0.05以上1.0以下である、
[9]に記載の細胞容器用シート。
[11]前記密着層の厚みと、前記エラストマー層の厚みと、の比率(密着層/エラストマー層)は、0.9以上5.0以下である、
[9]または[10]に記載の細胞容器用シート。
[12]前記エラストマー層は、少なくとも部分的に前記密着層に接して積層された、
[9]~[11]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[13]前記細胞容器用シートは、細胞容器からの剥離用のタブを周縁部に有する、
[1]~[12]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[14]前記タブは、前記細胞容器用シートを細胞容器の他の部材に密着させたときに、前記他の部材の周縁部からはみ出す位置に配置された、
[13]に記載の細胞容器用シート。
[15]細胞容器の他の部材に密着させるときに前記他の部材に接触させる面を示す表示部を有する、
[1]~[14]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[16]細胞容器の蓋材である、
[1]~[15]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
[17]細胞容器の底材である、
[1]~[16]のいずれかに記載の細胞容器用シート。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[18]~[19]の細胞容器に関する。
[18][1]~[17]のいずれかに記載の細胞容器用シートと、
貫通孔または凹部を有する基材と、を有し、
前記細胞容器用シートは、前記貫通孔の上面もしくは底面、または前記凹部の上面に密着している、
細胞容器。
[19]前記基材は、複数のウェルを有し、
前記細胞容器用シートは、前記ウェルの周縁部における厚みが、前記ウェルの中央部における厚みよりも薄い、
[18]に記載の細胞容器。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[20]の細胞を培養する方法に関する。
[20]貫通孔または凹部を有する基材に[1]~[17]のいずれかに記載の細胞容器用シートを密着させて細胞容器を形成する工程と、
前記細胞容器で細胞を培養する工程と、
前記細胞容器から前記細胞容器用シートを取り外す工程と、
を有する、細胞を培養する方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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