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公開番号2024175717
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023093628
出願日2023-06-07
発明の名称金属含有膜形成用化合物、金属含有膜形成用組成物、金属含有膜形成用化合物の製造方法、及びパターン形成方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 79/14 20060101AFI20241212BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】従来の有機下層膜材料に対して優れたドライエッチング耐性を有するとともに、高度な埋め込み特性及び/又は高度な平坦化特性を併せ持つ金属含有膜形成用化合物を提供すること。
【解決手段】(A)金属含有膜形成用化合物であって、式(A-1)で示される金属化合物を加水分解もしくは縮合、または加水分解縮合して得られる金属含有化合物に由来する化合物であり、さらに下記式(1)で示される有機化合物に由来する配位子を持つものである金属含有膜形成用化合物。
M(OR1A)4(A-1)[MはTi、Zr、Hf]
R2ACOXCOOH(1)[R2Aは式(a-1)~(a-4)のいずれかで示される架橋基を少なくとも1つ以上含む2価の有機基、Xは2価の有機基]
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【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(A)金属含有膜形成用化合物であって、
前記(A)金属含有膜形成用化合物が、下記式(A-1)で示される金属化合物を加水分解もしくは縮合、または加水分解縮合して得られる金属含有化合物に由来する化合物であり、さらに下記式(1)で示される有機化合物に由来する配位子を持つものであることを特徴とする金属含有膜形成用化合物。
M(OR
1A


(A-1)

2A
COXCOOH (1)
(式中、MはTi、Zr、又はHfであり、R
1A
は炭素数1~20の1価の有機基であり、R
2A
は下記一般式(a-1)~(a-4)のいずれかで示される架橋基を少なくとも1つ以上含む炭素数が2~20の2価の有機基であり、Xは炭素数2~20の2価の有機基である。)
TIFF
2024175717000105.tif
30
138
(上記一般式(a-1)~(a-4)中、R

は水素原子または炭素数1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*は結合部を表す。)
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記(A)金属含有膜形成用化合物が、
前記式(A-1)で示される金属化合物のみの加水分解物、前記式(A-1)で示される金属化合物のみの縮合物、及び前記式(A-1)で示される金属化合物のみの加水分解縮合物から選ばれる1種類以上と、
前記式(1)で示される有機化合物と
の反応物である金属含有化合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
【請求項3】
前記式(1)中、R
2A
が下記一般式(B-1)で示される構造であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
TIFF
2024175717000106.tif
30
144
(上記一般式(B-1)中、R
A1
は上記一般式(a-1)で示される構造であり、R
A2
は上記一般式(a-2)または(a-3)で示される構造のいずれかであり、Zは酸素原子または2級アミンのいずれかであり、Lは炭素数1~10の2価の炭化水素基であり、R
A3
は炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基であり、tは1~6、sは0~5、t+sは1以上6以下であり、rは1~10であり、uは0または1であり、mは0または1であり、*はカルボニルの炭素原子との結合部を表す。)
【請求項4】
前記式(1)中、前記有機基Xが炭素数2~20の飽和炭化水素基または炭素数2~20の不飽和炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
【請求項5】
前記式(1)中、前記有機基Xが下記式(2)の何れかで示される基であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
TIFF
2024175717000107.tif
15
127
(上記一般式(2)中、R

及びR

は、水素原子または炭素数1から18の1価の有機基であり、R

は水素原子または炭素数1から17の1価の有機基であり、R

およびR

が結合し、環状置換基を形成していてもよい。*1、*2はそれぞれカルボニル基との結合部を表し、*1、*2はそれらが逆でもよい。)
【請求項6】
前記(A)金属含有膜形成用化合物が、下記一般式(m-1)で表される構造を有する化合物を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。
TIFF
2024175717000108.tif
41
105
(上記式(m-1)中、R
ae
~R
de
は、それぞれ独立して、上記式(A-1)中のR
1A
又は上記式(1)中のCOXCOR
2A
のいずれかであり、R
ae
~R
de
の少なくとも1つが、上記式(A-1)中のCOXCOR
2A
であり、nは1~20であり、Mは上記式(A-1)中のMと同じである。)
【請求項7】
前記(A)金属含有膜形成用化合物が、前記式(1)で示される有機化合物に由来する配位子以外に、下記式(3)で示される有機化合物に由来する配位子、並びに無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、およびシクロヘキサンジカルボン酸無水物の何れかに由来する配位子から選択される少なくとも1つ以上の追加配位子を更に含み、
前記追加配位子が、上記一般式(a-1)~(a-4)で示される基を含まないことを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用化合物。

3A
COOH (3)
(式中、R
3A
は炭素数1~20の1価の有機基である。)
【請求項8】
前記(A)金属含有膜形成用化合物が、以下に示す構造のいずれかを1つ有する化合物を含むものであることを特徴とする請求項7に記載の金属含有膜形成用化合物。
TIFF
2024175717000109.tif
97
141
(上記R
3a
は、上記一般式(a-1)~(a-4)で示される架橋基を含まない炭素数1~20の1価の有機基、または下記式の構造のいずれかであり、R
1A
は上記式(A-1)中のR
1A
と同じであり、R
2A
は上記式(1)中のR
2A
と同じであり、nは1~20であり、Mは上記式(A-1)中のMと同じである。)
TIFF
2024175717000110.tif
18
153
(上記式中、R
3b
は炭素数1~10のアルキル基であり、*はカルボニル炭素との結合部を表す。)
【請求項9】
金属含有膜形成用組成物であって、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の(A)金属含有膜形成用化合物及び
(B)有機溶剤
を含有するものであることを特徴とする金属含有膜形成用組成物。
【請求項10】
前記組成物が、更に、
(C)架橋剤、
(D)界面活性剤、及び
(E)酸発生剤
のうち1種以上を含有するものであることを特徴とする請求項9に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有膜形成用化合物、金属含有膜形成用組成物、金属含有膜形成用化合物の製造方法、及びパターン形成方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。その中心となったのは単層で使用するポジ型フォトレジスト組成物である。この単層ポジ型フォトレジスト組成物は、塩素系あるいはフッ素系のガスプラズマによるドライエッチングに対しエッチング耐性を持つ骨格をレジスト樹脂中に持たせ、かつ露光部が溶解するようなスイッチング機構を持たせることによって、露光部を溶解させてパターンを形成し、残存したレジストパターンをエッチングマスクとして被加工基板をドライエッチング加工するものである。
【0003】
ところが、使用するフォトレジスト膜の膜厚をそのままでパターンの微細化を行った場合、即ちパターン幅をより小さくした場合、フォトレジスト膜の解像性能が低下し、また現像液によりフォトレジスト膜をパターン現像しようとすると、いわゆるアスペクト比が大きくなりすぎ、結果としてパターン崩壊が起こってしまうという問題が発生した。このため、パターンの微細化に伴いフォトレジスト膜は薄膜化されてきた。
【0004】
一方、被加工基板の加工には、通常、パターンが形成されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いつつドライエッチングにより基板を加工する方法が用いられるが、現実的にはフォトレジスト膜と被加工基板の間に完全なエッチング選択性を取ることのできるドライエッチング方法が存在しない。そのため、基板の加工中にフォトレジスト膜もダメージを受けて崩壊し、レジストパターンを正確に被加工基板に転写できなくなるという問題があった。そこで、パターンの微細化に伴い、レジスト組成物により高いドライエッチング耐性が求められてきた。しかしながら、その一方で、解像性を高めるために、フォトレジスト組成物に使用する樹脂には、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められてきた。そのため、露光光がi線、KrF、ArFと短波長化するにつれて、樹脂もノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、脂肪族多環状骨格を持った樹脂と変化してきたが、現実的には基板加工時のドライエッチング条件におけるエッチング速度は速いものになってきてしまっており、解像性の高い最近のフォトレジスト組成物は、むしろエッチング耐性が弱くなる傾向にある。
【0005】
このことから、より薄くよりエッチング耐性の弱いフォトレジスト膜で被加工基板をドライエッチング加工しなければならないことになり、この加工工程における材料及びプロセスの確保は急務になってきている。
【0006】
このような問題点を解決する方法の一つとして、多層レジスト法がある。この方法は、フォトレジスト膜(即ち、レジスト上層膜)とエッチング選択性が異なるレジスト中間膜をレジスト上層膜と被加工基板の間に介在させ、レジスト上層膜にパターンを得た後、レジスト上層膜パターンをドライエッチングマスクとして、ドライエッチングによりレジスト中間膜にパターンを転写し、更にレジスト中間膜をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより被加工基板にパターンを転写する方法である。
【0007】
多層レジスト法の一つに、単層レジスト法で使用されている一般的なレジスト組成物を用いて行うことができる3層レジスト法がある。この3層レジスト法では、例えば、被加工基板上にノボラック樹脂等による有機膜をレジスト下層膜として成膜し、その上にケイ素含有レジスト中間膜をレジスト中間膜として成膜し、その上に通常の有機系フォトレジスト膜をレジスト上層膜として形成する。フッ素系ガスプラズマによるドライエッチングを行う際には、有機系のレジスト上層膜は、ケイ素含有レジスト中間膜に対して良好なエッチング選択比が取れるため、レジスト上層膜パターンはフッ素系ガスプラズマによるドライエッチングによりケイ素含有レジスト中間膜に転写することができる。この方法によれば、直接被加工基板を加工するための十分な膜厚を持ったパターンを形成することが難しいレジスト組成物や、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持たないレジスト組成物を用いても、ケイ素含有レジスト中間膜(レジスト中間膜)にパターンを転写することができ、続いて酸素系又は水素系ガスプラズマによるドライエッチングによるパターン転写を行えば、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持つノボラック樹脂等による有機膜(レジスト下層膜)のパターンを得ることができる。上述のようなレジスト下層膜としては、例えば特許文献1に記載のものなど、すでに多くのものが公知となっている。
【0008】
一方、近年においては、DRAMメモリの微細化が加速しており、さらなるドライエッチング耐性の改善と、優れた埋め込み特性及び平坦化特性を有するレジスト下層膜の必要性が高まってきている。埋め込み特性及び平坦化特性に優れた塗布型有機下層膜材料としては、例えば特許文献2に記載のものなどが報告されているが、先端世代での適用を見据えた場合、ドライエッチング耐性に懸念があり、従来の塗布型有機下層膜材料の適用限界が近づいている。
【0009】
上記課題に対して、レジスト下層膜に金属元素を含む材料を用いた開発が検討されている。特許文献3では、Ti化合物を用いた材料がCHF

/CF

系ガスおよびCO

/N

系ガスに対して優れたドライエッチング耐性を示すことを報告している。
【0010】
一方、金属化合物をレジスト下層膜に用いる際の課題としては、埋め込み性が挙げられる。特許文献3では埋め込み性に関して言及されていないが、一般的に金属酸化物化合物は、ベーク時の熱収縮が大きく、高温ベーク後には充填性の著しい劣化を誘発するため、高度な平坦化特性・埋め込み特性と耐熱特性が要求されるレジスト下層膜材料としては不十分である懸念がある。特許文献4および5では、特定の配位子で修飾した金属化合物が埋め込み性に優れることを報告しているが、実施されている埋め込み性評価の焼成温度が150℃と低温であり、耐熱性(例えば、レジスト下層膜形成後に施されることがある熱処理に対する特性)が必要とされるレジスト下層膜としては不十分である懸念がある。また、加水分解性基をケイ素含有有機基で保護した金属化合物を用いているため、縮合反応が促進しにくく、焼成時に得られる金属膜の緻密性が不足し、ドライエッチング耐性が不十分である懸念がある。
(【0011】以降は省略されています)

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