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公開番号2024175459
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023093256
出願日2023-06-06
発明の名称インクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法及び該方法を実施するインクジェットプリンタ
出願人ローランドディー.ジー.株式会社
代理人個人
主分類B41J 2/165 20060101AFI20241211BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】ワイパによるインク吐出面への洗浄液塗布工程の中途で洗浄液が液切れとなり、その状態でワイピングが行われてもインク吐出面の充分なクリーニング効果が得られない。
【解決手段】吐出面1a全域に対する洗浄液50の塗布が複数の領域に分けて行われることにより、各領域にそれぞれ充分な洗浄液50が塗布され、洗浄液50の塗布が不十分な領域の発生が回避されて充分なクリーニング効果が得られる。
【選択図】
図1
特許請求の範囲【請求項1】
インクを吐出するノズルの吐出口が下方に向けて並べられた吐出口列が所定間隔をもって配列されて設けられたインク吐出面を有するヘッドと、
該ヘッドの下方に配置され該ヘッドに対する相対的な移動動作によって前記インク吐出面への洗浄液塗布動作及びワイピング動作を行うワイパと、
該ワイパに洗浄液を供給可能な洗浄液供給機構と、
該洗浄液供給機構による前記ワイパへの前記洗浄液の供給、前記ワイパ及び前記ヘッドによる前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作を制御する制御部と、
を有し、
前記ワイパを待機エリアから前記インク吐出面への前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作の可能な位置へ移動させて静止させ、前記ヘッドと前記ワイパの前記相対的な移動動作により前記インク吐出面への前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作を行うインクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法において、
前記待機エリアに在る前記ワイパに前記洗浄液供給機構から前記洗浄液を供給する洗浄液供給ステップ(S1)と、
該洗浄液供給ステップの後、前記相対的な移動動作により前記ワイパを前記インク吐出面への洗浄液塗布動作の可能な位置へ移動させて静止させ、前記ヘッドの前記相対的な移動動作による前記インク吐出面への前記洗浄液塗布動作を開始する洗浄液塗布開始ステップ(S2)と、
該洗浄液塗布開始ステップ後、前記ヘッドを前記ワイパが前記インク吐出面の途中位置に在る状態で停止させる洗浄液塗布途中停止ステップ(S3)と、
前記ワイパを前記洗浄液塗布可能位置から前記待機エリアまで戻すワイパ戻しステップ(S4)と、
前記待機エリアに戻された前記ワイパに前記洗浄液供給機構から前記洗浄液を再度供給する洗浄液再供給ステップ(S5)と、
前記洗浄液の再供給された前記ワイパを前記洗浄液塗布可能位置へ復帰させるワイパ復帰ステップ(S6)と、
該復帰された前記ワイパにて前記途中位置より先の洗浄液未塗布部分について前記洗浄液塗布開始ステップを行うように前記ヘッドの前記相対的な移動動作を再開させるヘッド再移動ステップ(S7)と、を含み、
前記洗浄液供給ステップ(S1)と前記洗浄液塗布開始ステップ(S2)を行った後、前記洗浄液塗布途中停止ステップ(S3)、前記ワイパ戻しステップ(S4)、前記洗浄液再供給ステップ(S5)、前記ワイパ復帰ステップ(S6)及び前記ヘッド再移動ステップ(S7)を1回以上行い、その後、前記インク吐出面を前記ワイパによって前記ワイピング動作を行うワイピングステップ(S8)を実行することを特徴とするインクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ワイパ復帰ステップ(S6)における前記ワイパの前記洗浄液塗布可能位置への復帰動作は、
前記ワイパを前記インク吐出面に当接させてさらに上昇させて押し付ける動作と前記ヘッド再移動ステップ(S7)における前記ヘッドの移動動作を併せた複合動作であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法。
【請求項3】
前記ワイパ復帰ステップ(S6)は、
前記ワイパの先端部が前記インク吐出面の前記吐出口列に掛からない位置となる様に行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタのインク吐出面クリーニング方法。
【請求項4】
前記ワイパ復帰ステップ(工程6)における前記ワイパの前記洗浄液塗布可能位置への復帰動作は、
復帰時の前記ワイパの前記ヘッドに対する相対位置が前記洗浄液塗布途中停止ステップ(S3)にて途中停止した前記ワイパの前記ヘッドに対する相対位置よりも洗浄液塗布方向やや手前位置となるように前記ヘッドを移動させて行われることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク吐出面クリーニング方法。
【請求項5】
インクを吐出するノズルの吐出口が下方に向けて並べられた吐出口列が所定間隔をもって配列されて設けられたインク吐出面を有するヘッドと、
該ヘッドの下方に配置され該ヘッドに対する相対的な移動動作によって前記インク吐出面への洗浄液塗布動作及びワイピング動作を行うワイパと、
該ワイパに洗浄液を供給可能な洗浄液供給機構と、
該洗浄液供給機構による前記ワイパへの前記洗浄液の供給、前記ワイパ及び前記ヘッドによる前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作を制御する制御部と、を有し、前記ワイパを待機エリアから前記インク吐出面への前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作の可能な位置へ前記相対的な移動動作によって移動させて静止させ、前記ヘッドの相対的な移動動作により前記インク吐出面の前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作を行うインクジェットプリンタにおいて、
前記制御部は、請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク吐出面クリーニング方法におけるステップ(S1)からステップ(S8)までのステップを実行するように制御が行われることを特徴とするインクジェットプリンタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法及び該方法を実施するインクジェットプリンタ、特に、ヘッドに複数並列して設けられたノズルのインク吐出面をワイパによってクリーニングするクリーニング方法及び該方法を実施するインクジェットプリンタに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェットプリンタは、インクを吐出する吐出口を下面に有するノズルが複数並列して設けられたヘッドを備え、ヘッドの下方に配置されたシート状のメディア(印刷媒体)の上面にインクを吐出して印刷を行う。高精度な印刷を行うためには、吐出口におけるインクの状態、いわゆるノズルメニスカス(インク液面)が重要であり、例えば、吐出口に不要なインク滴が付着していると、吐出されるインク滴の飛行曲がりや着弾ずれ、着弾後のインクドットの形状不良などが生じてしまう。これらの結果、ノズルメニスカスの不良によって印刷画質が低下するおそれがある。そこで、インクジェットプリンタでは、ノズルメニスカスを整えることの他に、ノズルの吐出口が存在するインク吐出面を清浄にすることなどを目的として、インク吐出面をワイパで払拭(ワイピング)している。
【0003】
ワイパによるインク吐出面の払拭は、例えば、ノズルの設けられたヘッド(キャリッジ)の下側近傍でヘッドの走査方向と直交する方向に並んで設けられたノズル列のインク吐出面と同方向に伸長するブレード形状のワイパを設置しておき、ヘッドの走査動作やワイパの上下動作などによってノズル列のインク吐出面がワイパの上縁部に当接されて、付着したインクが払拭されるように行われている。
【0004】
例えば、下記特許文献1では、インク吐出面の一端に洗浄液を吐出する洗浄液吐出部を設け、この洗浄液吐出部を経由して払拭動作を行うことでワイパの上縁部付近に洗浄液を付着させ、インク吐出面を払拭する構成が開示されている。この様にワイパの上縁部付近に洗浄液が付着されていることで、洗浄液が的確にインク吐出面に塗布されながら、インク吐出面を清浄に払拭することが可能となっている。
【0005】
しかし、ワイパの上縁部に保持できる洗浄液の量は限られており、ワイパによるインク吐出面への洗浄液塗布工程の中途で洗浄液が液切れとなることもある(図8参照)。そして、洗浄液が切れた状態でワイピング(乾拭き)が行われても固着したインク等は容易に除去できず、したがってヘッド吐出面の充分なクリーニング効果を得るのは困難である。そこで、上記特許文献1においては、ワイパに洗浄液を供給する洗浄液吐出部を、ノズルの設けられているヘッドの両端に設けることで、ヘッドの一端からワイパが洗浄液を伴ってヘッドをワイピングし、ワイパをヘッドの他端まで移動させた後、この他端からもワイパが洗浄液を伴ってヘッドをワイピングすることで、インク吐出面払拭中における洗浄液の液切れを防止する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-25657
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において開示されている構成では、各ヘッドの両端部に洗浄液吐出部を設け、両側から洗浄液を伴ったワイピングを行う必要があるので、洗浄液の供給手段を各ヘッドの2箇所に設けなければならず、製造工程の煩雑化と構造の複雑化を伴い製造コストが高くなるという問題がある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のインクジェットプリンタ構造を変更することなくインク吐出面の全体に亘って的確に洗浄液を塗布することができ、インク吐出面全体を清浄に払拭可能なインクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法及び該方法を実施するインクジェットプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るインクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法は、
インクを吐出するノズルの吐出口が下方に向けて並べられた吐出口列が所定間隔をもって配列されて設けられたインク吐出面を有するヘッドと、該ヘッドの下方に配置され、前記ヘッドに対する相対的な移動動作によって前記インク吐出面への洗浄液塗布動作及びワイピング動作を行うワイパと、該ワイパに洗浄液を供給可能な洗浄液供給機構と、該洗浄液供給機構による前記ワイパへの前記洗浄液の供給、前記ワイパ及び前記ヘッドによる前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作を制御する制御部と、を有し、前記ワイパを待機エリアから前記インク吐出面への前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作の可能な位置へ移動させて静止させ、前記吐出口列と直交する方向への前記ヘッドの移動動作により前記インク吐出面への前記洗浄液塗布動作及び前記ワイピング動作を行うインクジェットプリンタのインク吐出面のクリーニング方法において、
前記待機エリアに在る前記ワイパに前記洗浄液供給機構から前記洗浄液を供給する洗浄液供給ステップ(S1)と、
該洗浄液供給ステップの後、前記相対的な移動動作により前記ワイパを前記インク吐出面への洗浄液塗布動作の可能な位置へ移動させて静止させ、前記ヘッドの前記相対的な移動動作により前記インク吐出面への前記洗浄液塗布動作を開始する洗浄液塗布開始ステップ(S2)と、
該洗浄液塗布開始ステップ後、前記ヘッドを前記ワイパが前記インク吐出面の途中位置に在る状態で停止させる洗浄液塗布途中停止ステップ(S3)と、
前記ワイパを前記洗浄液塗布可能位置から前記待機エリアまで戻すワイパ戻しステップ(S4)と、
前記待機エリアに戻された前記ワイパに前記洗浄液供給機構から前記洗浄液を再度供給する洗浄液再供給ステップ(S5)と、
前記洗浄液の再供給された前記ワイパを前記洗浄液塗布可能位置へ復帰させるワイパ復帰ステップ(S6)と、
該復帰された前記ワイパにて前記途中位置より先の洗浄液未塗布部分について前記洗浄液塗布開始ステップを行うように前記ヘッドの前記相対的な移動動作を再開させるヘッド再移動ステップ(S7)と、を含み、
前記洗浄液供給ステップ(S1)と前記洗浄液塗布開始ステップ(S2)を行った後、前記洗浄液塗布途中停止ステップ(S3)、前記ワイパ戻しステップ(S4)、前記洗浄液再供給ステップ(S5)、前記ワイパ復帰ステップ(S6)及び前記ヘッド再移動ステップ(S7)を1回以上行い、前記インク吐出面を前記ワイパによって前記ワイピング動作を行うワイピングステップ(S8)を実行することを特徴とする。
【0010】
この構成では、洗浄液塗布可能位置の下方で静止しているワイパによってインク吐出面に洗浄液塗布をさせるためのヘッドとワイパの相対的な移動動作を途中で1回又は複数回中断し、その都度ワイパへの洗浄液の供給を行うようにしている。これにより、プリンタのヘッドに配列して設けられたノズルのインク吐出面全域に対する洗浄液の供給が複数回に分けて行われることとなり、分けられた各領域にそれぞれ充分な洗浄液が供給される。これにより、洗浄液が不十分な領域の発生が回避される。
したがって、最後のワイピング(払拭)動作により、インク吐出面に固着したインク等の付着物が、インク吐出面の全域に亘って的確に払拭され、ノズルの吐出口が存在するインク吐出面を清浄にすると共にインク吐出面のノズルメニスカスを従前より一層整えることが可能となる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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