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公開番号2024174732
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-17
出願番号2023092716
出願日2023-06-05
発明の名称操業条件決定装置、操業条件決定方法及びプログラム
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類B21B 37/00 20060101AFI20241210BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】上工程が実行された後、注文情報に応じた下工程における適切な操業条件を決定することができる、操業条件決定装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係る操業条件決定装置100は、鋼材の上工程及び下工程における操業条件を入力とし、鋼材の材料特性値の確率分布を出力とする材料特性値予測モデルを備え、鋼材の上工程における操業実績及び下工程における操業条件を、材料特性値予測モデルに入力したときに出力される鋼材の材料特性値の確率分布と、注文情報に含まれる鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、材料特性値予測モデルを逆解析することで、下工程における操業条件を決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上工程及び下工程を有する製造工程を経て製造される鋼材について、前記上工程が実行された後、注文情報に応じた前記下工程における操業条件を決定する操業条件決定装置であって、
前記鋼材についての前記上工程及び前記下工程における操業条件を入力とし、前記鋼材の材料特性値の確率分布を出力とする材料特性値予測モデルを備え、
対象鋼材についての前記上工程における操業実績及び前記下工程における操業条件を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記対象鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記対象鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記対象鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記下工程における操業条件を決定する、
操業条件決定装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記下工程における搬送順が予め決定されている複数の前記対象鋼材について、それぞれ算出される前記合格確率の何れもが又は前記合格確率の相乗平均が所定のしきい値以上となるように、前記搬送順による制約条件下で、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、複数の前記対象鋼材についての前記下工程における操業条件を決定する、
請求項1に記載の操業条件決定装置。
【請求項3】
複数の前記対象鋼材について、それぞれ算出される前記合格確率の何れもが又は前記合格確率の相乗平均が所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、複数の前記対象鋼材についての前記下工程における操業条件を決定した後、前記下工程における複数の前記対象鋼材の搬送順による制約条件を考慮した最適化問題を求解することで、前記下工程における複数の前記対象鋼材の搬送順を決定する、
請求項1に記載の操業条件決定装置。
【請求項4】
前記下工程における複数の前記対象鋼材の搬送順を決定した後、搬送順が決定された複数の前記対象鋼材について、それぞれ算出される複数の前記合格確率の何れもが又は前記合格確率の相乗平均が所定のしきい値以上となるように、決定された前記搬送順による制約条件下で、前記材料特性値予測モデルを再度逆解析することで、複数の前記対象鋼材についての前記下工程における操業条件を決定する、
請求項3に記載の操業条件決定装置。
【請求項5】
複数の前記対象鋼材について、それぞれ算出される複数の前記合格確率の何れもが又は前記合格確率の相乗平均が所定のしきい値以上となるように、前記下工程における複数の前記対象鋼材の搬送順による制約条件下で、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、複数の前記対象鋼材についての前記下工程における操業条件及び搬送順を一度に決定する、
請求項1に記載の操業条件決定装置。
【請求項6】
前記鋼材についての前記下工程における操業条件の範囲又は操業条件の狙い値を入力とし、前記鋼材についての前記下工程における操業条件の確率分布を出力とする操業条件予測モデルを更に備え、
前記対象鋼材についての前記下工程における操業条件の範囲又は操業条件の狙い値を前記操業条件予測モデルに入力したときに出力される前記対象鋼材についての前記下工程における操業条件の確率分布と、前記対象鋼材についての前記上工程における操業実績とを、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記対象鋼材の材料特性値の確率分布に基づき算出される前記対象鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記操業条件予測モデル及び前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記下工程における操業条件の範囲又は狙い値を決定する、
請求項1に記載の操業条件決定装置。
【請求項7】
前記材料特性値予測モデルは、ベイズ推定を用いたモデルである、
請求項1から6の何れかに記載の操業条件決定装置。
【請求項8】
前記材料特性値予測モデルは、分散不均一ガウス過程を用いたモデルである、
請求項1から6の何れかに記載の操業条件決定装置。
【請求項9】
上工程及び下工程を有する製造工程を経て製造される鋼材について、前記上工程が実行された後、注文情報に応じた前記下工程における操業条件を決定する操業条件決定方法であって、
前記鋼材についての前記上工程及び前記下工程における操業条件を入力とし、前記鋼材の材料特性値の確率分布を出力とする材料特性値予測モデルを用い、
対象鋼材についての前記上工程における操業実績及び前記下工程における操業条件を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記対象鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記対象鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記対象鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記下工程における操業条件を決定する、
操業条件決定方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から6の何れかに記載の操業条件決定装置として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、上工程及び下工程を有する製造工程で製造される鋼材について、上工程が実行された後、注文情報に応じた下工程における適切な操業条件を決定することができる、操業条件決定装置、操業条件決定方法、及び操業条件決定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
鋼板等の鋼材は、製鋼工程等の上工程、及び、連続焼鈍工程等の下工程を有する製造工程を経て製造される。
ここで、製造後の鋼材の引張強度等の材料特性値が注文仕様を満足しない(鋼材の材料特性値が不合格となる)ことによる製品歩留まりの低下を抑制するには、上工程における操業実績が適切な操業条件(鋼材の材料特性値が合格となる確率が高い操業条件)からずれた場合に、鋼材の材料特性値が合格となる確率が高くなるように、上工程における操業実績を踏まえて、これから実行する下工程における操業条件を適切に決定する(本明細書では、これを「材料特性値FF(フィードフォワード)技術」と称する)ことが重要である。
【0003】
従来の材料特性値FF技術としては、テーブル方式や線形回帰モデルに基づく手法が用いられることが多く、制御端の数も限られていることから、鋼材の材料特性値が合格となる確率を十分に高めることができないという問題があった。
【0004】
最近では、材料特性値FF技術として、例えば、特許文献1に記載のように、ニューラルネットワークを始めとする機械学習によって構築された材料特性値予測モデルの出力が所望の値に漸近するように、下工程における操業条件を決定する技術も提案されている。具体的には、特許文献1に記載の技術は、確定した上工程における操業実績(特許文献1では、製造実績データ)を操業条件(特許文献1では、製造仕様)の固定値として用いた上で、操業条件から材料特性値を予測する材質特性値予測モデル(特許文献1では、予測モデル)を逆解析することで、材料特性値の予測値が所望の値に漸近するように、下工程における操業条件を決定する技術である。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、材料特性値の予測値として期待値のみを出力する材料特性値予測モデルを用いているため、この予測される期待値を信頼して下工程における操業条件を決定すると、材料特性値のバラツキが大きな操業条件の領域では、材料特性値が不合格になるリスクが高いという問題がある。
【0006】
なお、非特許文献1、2には、分散不均一ガウス過程(分散不均一を考慮したガウス過程回帰)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-14878号公報
【非特許文献】
【0008】
Alan D. Saul, James Hensman, Aki Vehtari, Neil D. Lawrence, "Chained Gaussian Processes", Proceedings of the 19th International Conference on Artificial Intelligence and Statistics, PMLR 51:1431-1440, 2016
「ヘテロスケダスティック尤度と多潜在GP」, [online], [令和4年12月20日検索], インターネット<URL:https://gpflow.github.io/GPflow/develop/notebooks/advanced/heteroskedastic.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、上工程及び下工程を有する製造工程で製造される鋼材について、上工程が実行された後、注文情報に応じた下工程における適切な操業条件を決定することができる、操業条件決定装置、操業条件決定方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は、上工程及び下工程を有する製造工程を経て製造される鋼材について、前記上工程が実行された後、注文情報に応じた前記下工程における操業条件を決定する操業条件決定装置であって、前記鋼材についての前記上工程及び前記下工程における操業条件を入力とし、前記鋼材の材料特性値の確率分布を出力とする材料特性値予測モデルを備え、対象鋼材についての前記上工程における操業実績及び前記下工程における操業条件を、前記材料特性値予測モデルに入力したときに出力される前記対象鋼材の材料特性値の確率分布と、前記注文情報に含まれる前記対象鋼材の材料特性値の仕様とによって算出される前記対象鋼材の材料特性値の合格確率が、所定のしきい値以上となるように、前記材料特性値予測モデルを逆解析することで、前記下工程における操業条件を決定する、操業条件決定装置を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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