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公開番号2025007618
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023109140
出願日2023-07-03
発明の名称梁端接合構造
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類E04B 1/24 20060101AFI20250109BHJP(建築物)
要約【課題】H形断面梁を支持部材に接合する梁端接合構造において、スカラップにフィレット削り残し部が形成される場合でも外開先の溶接部を適切に形成する。
【解決手段】梁端接合構造は、H形断面梁の第1のフランジの材軸方向の端部に形成されウェブとは反対側に向けて開いた開先と、ウェブの材軸方向の端部の第1のフランジ側に形成されフィレットの削り残し部によって第1のフランジのウェブ側の面から離隔されたスカラップと、開先の底部を形成する裏当て金とを含む。裏当て金の第1部材は、第1面と第2面とを含み、第1面は第1のフランジのウェブ側の面に当接または近接させられ、第2面の第1面側の部分が削り残し部に当接または近接させられる。第2部材は、少なくとも一部が第2面に接触させられる第3面と、第1面とはウェブを挟んで反対側で第1のフランジのウェブ側の面に当接または近接させられる第4面とを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
第1のフランジ、第2のフランジおよびウェブを有するH形断面梁を、前記H形断面梁の材軸方向の端部に対向する支持部材に接合する梁端接合構造であって、
前記第1のフランジの前記材軸方向の端部に形成され、前記ウェブとは反対側に向けて開いた開先と、
前記ウェブの前記材軸方向の端部の前記第1のフランジ側に形成され、前記第1のフランジと前記ウェブとの間のフィレットの削り残し部によって前記第1のフランジの前記ウェブ側の面から離隔されたスカラップと、
前記開先の底部を形成する裏当て金であって、
第1面と、前記第1面と同じ側に形成されて前記第1面の長手方向端部に隣接し、かつ前記第1面に対して段下がりになった第2面とを含み、前記第1面が前記第1のフランジの前記ウェブ側の面に当接または近接させられ、前記第2面の前記第1面側の部分が前記削り残し部に当接または近接させられる第1部材、および
少なくとも一部が前記第2面に接触させられる第3面と、前記第3面とは反対側に形成される第4面とを含み、前記第4面が前記第1面とは前記ウェブを挟んで反対側で前記第1のフランジの前記ウェブ側の面に当接または近接させられる第2部材
を含む裏当て金と、
前記開先に溶接金属を充填または積層することによって形成される溶接部と
を備える梁端接合構造。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記第1部材は、前記第1面と前記第2面との間で前記フィレットの形状に対応する勾配面または曲面を形成する接続面をさらに含む、請求項1に記載の梁端接合構造。
【請求項3】
前記第2部材の長手方向の一方の端面は、前記フィレットの形状に対応する勾配面または曲面を形成する、請求項1に記載の梁端接合構造。
【請求項4】
前記第1部材は、前記第2面の幅方向の一方の端部に形成される側壁部をさらに含む、請求項1に記載の梁端接合構造。
【請求項5】
前記第1部材は、前記第2面の長手方向における前記第1面とは反対側の端部に形成される端壁部をさらに含む、請求項1に記載の梁端接合構造。
【請求項6】
前記第1部材は、前記第2面とは反対側の面から前記第2面まで貫通する貫通孔をさらに含み、
前記第2部材は、前記第3面を前記第2面に接触させたときに前記貫通孔に対応する位置で前記第3面に形成されるボルト孔をさらに含む、請求項1に記載の梁端接合構造。
【請求項7】
前記貫通孔は、前記第1部材の長手方向に延びた長孔である、請求項6に記載の梁端接合構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、梁端接合構造に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば柱に接合されるH形断面梁の端部には、フランジに接するウェブの一部分を切り欠いたスカラップが形成される。スカラップを形成することによって、H形断面梁の端部でフランジに形成される溶接部とウェブとの干渉を避けることができる。しかしながら、地震時に断面欠損部分であるスカラップにひずみが集中することによってき裂が発生し、き裂の進展によってフランジが破断することもあった。
【0003】
この問題に対し、例えば特許文献1には、フランジの外側にテーパープレートを接合することによってH形断面梁でスカラップが形成される部分を補強する技術が記載されている。特許文献2には、フランジの溶接後にスカラップを溶接で充填して補強する技術が記載されている。また、特許文献3には、スカラップを形成するときにフランジとウェブとの間のフィレットの一部を削り残し、スカラップのフランジ側の開口縁をフランジの内面から離間した直線状に形成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-7194号公報
特開2015-224427号公報
特開2020-133218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献3の技術によれば、フランジに接するスカラップ底部におけるひずみの集中や破断を抑制することができ、その中でも実施形態の一つとして挙げられているフィレット削り残し部を有するスカラップではより一層の破断抑制が期待できる。しかしながら、特許文献3にはH形断面梁のフランジ端部に形成される開先がウェブ側に開く、いわゆる内開先の場合について記載されている。例えば現場溶接の場合、下フランジ側は内開先となるが、上フランジ側はフランジ端部に形成される開先がウェブとは反対側に開く、いわゆる外開先になる。また、例えば工場溶接の場合などには、フランジの上下に関わらず外開先になる場合がある。外開先の場合は、開先の底部で裏当て金と特許文献3の一つの形態であるフィレット削り残し部とが干渉するため、特許文献3に記載されたフィレット削り残し部の構成を通常の一つで構成される裏当て金を用いて採用することはできない。
【0006】
そこで、本発明は、H形断面梁を支持部材に接合する梁端接合構造において、スカラップにフィレット削り残し部が形成される場合でも外開先の溶接部を適切に形成することが可能な梁接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]第1のフランジ、第2のフランジおよびウェブを有するH形断面梁を、上記H形断面梁の材軸方向の端部に対向する支持部材に接合する梁端接合構造であって、上記第1のフランジの上記材軸方向の端部に形成され、上記ウェブとは反対側に向けて開いた開先と、上記ウェブの上記材軸方向の端部の上記第1のフランジ側に形成され、上記第1のフランジと上記ウェブとの間のフィレットの削り残し部によって上記第1のフランジの上記ウェブ側の面から離隔されたスカラップと、上記開先の底部を形成する裏当て金であって、第1面と、上記第1面と同じ側に形成されて上記第1面の長手方向端部に隣接し、かつ上記第1面に対して段下がりになった第2面とを含み、上記第1面が上記第1のフランジの上記ウェブ側の面に当接または近接させられ、上記第2面の上記第1面側の部分が上記削り残し部に当接または近接させられる第1部材、および少なくとも一部が上記第2面に接触させられる第3面と、上記第3面とは反対側に形成される第4面とを含み、上記第4面が上記第1面とは上記ウェブを挟んで反対側で上記第1のフランジの上記ウェブ側の面に当接または近接させられる第2部材を含む裏当て金と、上記開先に溶接金属を充填または積層することによって形成される溶接部とを備える梁端接合構造。
[2]上記第1部材は、上記第1面と上記第2面との間で上記フィレットの形状に対応する勾配面または曲面を形成する接続面をさらに含む、[1]に記載の梁端接合構造。
[3]上記第2部材の長手方向の一方の端面は、上記フィレットの形状に対応する勾配面または曲面を形成する、[1]に記載の梁端接合構造。
[4]上記第1部材は、上記第2面の幅方向の一方の端部に形成される側壁部をさらに含む、[1]に記載の梁端接合構造。
[5]上記第1部材は、上記第2面の長手方向における上記第1面とは反対側の端部に形成される端壁部をさらに含む、[1]に記載の梁端接合構造。
[6]上記第1部材は、上記第2面とは反対側の面から上記第2面まで貫通する貫通孔をさらに含み、上記第2部材は、上記第3面を上記第2面に接触させたときに上記貫通孔に対応する位置で上記第3面に形成されるボルト孔をさらに含む、[1]に記載の梁端接合構造。
[7]上記貫通孔は、上記第1部材の長手方向に延びた長孔である、[6]に記載の梁端接合構造。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成では、裏当て金を第1部材と第2部材とに分割し、第1部材に形成される第1面と第2部材に形成される第4面とをそれぞれフランジのウェブ側の面に当接または近接させるのに加えて、それらの面に対して段下がりに形成された第2面をフィレット削り残し部に当接または近接させる。このようにして裏当て金とフィレット削り残し部との干渉を避けることで、外開先の溶接部を適切に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る梁端接合構造の例を示す図である。
図1のII-II線に沿った断面図である。
裏当て金の変形例を示す断面図である。
図1に示された裏当て金の斜視図である。
図4の例で溶接抜けを防止する効果について説明するための図である。
図4の例において側壁部を形成しなくてもよい場合を示す図である。
裏当て金の変形例を示す斜視図である。
裏当て金の2つの部分を連結する構成の例を示す図である。
裏当て金の2つの部分を連結する構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
(【0011】以降は省略されています)

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