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公開番号2025124214
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-26
出願番号2024020112
出願日2024-02-14
発明の名称H形鋼およびその製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250819BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高い強度および優れた靱性を有するH形鋼を提供することを目的とする。
【解決手段】フランジの厚さが40~100mmであるH形鋼であって、化学組成が、質量%で、C:0.130~0.190%、Si:0.05~0.50%、Mn:1.20~1.70%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Nb:0.005~0.050%、Al:0.001~0.070%、N:0.0010~0.0070%、O:0.0050%以下、B:0.0005%以下、残部:Feおよび不純物であり、Ceqが0.360~0.450であり、評価位置における金属組織が、ポリゴナルフェライトおよびパーライトの合計面積率が90%以上であり、かつ、ポリゴナルフェライトの平均結晶粒径が35.0μm以下であり、降伏応力が320MPa以上、引張強さが430MPa以上、0℃でのシャルピー試験の吸収エネルギーが100J以上である、H形鋼。
【選択図】 なし


特許請求の範囲【請求項1】
フランジの厚さが40~100mmであるH形鋼であって、
化学組成が、質量%で、
C :0.130~0.190%、
Si:0.05~0.50%、
Mn:1.20~1.70%、
P :0.030%以下、
S :0.030%以下、
Nb:0.005~0.050%、
Al:0.001~0.070%、
N :0.0010~0.0070%、
O :0.0050%以下、
B :0.0005%以下、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式によって定義される炭素当量Ceqが0.360~0.450であり、
前記H形鋼の圧延方向に対して垂直な断面において、前記H形鋼の高さと平行な方向を第1方向とし、前記圧延方向および前記第1方向に対して垂直な方向を第2方向としたときに、
前記フランジの前記第2方向における端からの距離が、前記フランジの前記第2方向における長さの1/6であり、かつ、前記H形鋼の前記第1方向における端からの距離が、前記フランジの厚さの1/4である位置における金属組織が、
ポリゴナルフェライトおよびパーライトの合計面積率が90%以上であり、かつ、前記ポリゴナルフェライトの平均結晶粒径が35.0μm以下であり、
降伏応力が320MPa以上であり、
引張強さが430MPa以上であり、
0℃でのシャルピー試験の吸収エネルギーが100J以上である、
H形鋼。
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15 ・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は、H形鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合は0を代入するものとする。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ti:0.025%以下、
V:0.050%以下、
Cr:0.20%以下、
Mo:0.20%以下、
Ni:0.30%以下、
Cu:0.30%以下、
W:0.30%以下、
Ca:0.0050%以下、および
Zr:0.0050%以下、
から選択される1種以上を含有するものである、
請求項1に記載のH形鋼。
【請求項3】
化学組成が、質量%で、
C :0.130~0.190%、
Si:0.05~0.50%、
Mn:1.20~1.70%、
P :0.030%以下、
S :0.030%以下、
Nb:0.005~0.050%、
Al:0.001~0.070%、
N :0.0010~0.0070%、
O :0.0050%以下、
B :0.0005%以下、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式によって定義される炭素当量Ceqが0.360~0.450である鋼片を、1100~1350℃の温度域で加熱し、粗圧延して、粗圧延H形鋼とし、
前記粗圧延H形鋼を中間圧延するに際して、
前記粗圧延H形鋼の圧延方向に対して垂直な断面において、前記粗圧延H形鋼の高さと平行な方向を第3方向とし、前記圧延方向および前記第3方向に対して垂直な方向を第4方向としたときに、
前記粗圧延H形鋼の第3方向における端であり、かつ、前記粗圧延H形鋼のフランジの前記第4方向における端からの距離が前記フランジの前記第4方向における長さの1/6である位置における表面温度が920℃超1100℃以下の温度域で15%以上圧下し、かつ前記表面温度が920℃以下の温度域で15%以上圧下して、中間圧延H形鋼とし、
前記中間圧延H形鋼を仕上圧延するに際して、
前記中間圧延H形鋼の圧延方向に対して垂直な断面において、前記中間圧延H形鋼の高さと平行な方向を第5方向とし、前記圧延方向および前記第5方向に対して垂直な方向を第6方向としたときに、
前記中間圧延H形鋼の第5方向における端であり、かつ、前記中間圧延H形鋼のフランジの前記第6方向における端からの距離が前記フランジの前記第6方向における長さの1/6である位置における表面温度が730℃以上の温度域で、前記中間圧延H形鋼を圧延し、放冷して、H形鋼を得る、
上記(1)に記載のH形鋼の製造方法。
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15 ・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は、H形鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合は0を代入するものとする。
【請求項4】
前記鋼片の化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ti:0.025%以下、
V:0.050%以下、
Cr:0.20%以下、
Mo:0.200%以下、
Ni:0.30%以下、
Cu:0.30%以下、
W:0.30%以下、
Ca:0.0050%以下、および
Zr:0.0050%以下、
から選択される1種以上を含有するものである、
請求項2に記載のH形鋼の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、H形鋼およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、高層ビルなど建築物の大型化および高層化が進んでおり、構造上の主要な強度部材として、厚手の鋼材が利用されている。しかし、一般に、鉄鋼材料は、製品の厚さが増大するほど、高い強度と高い靱性とを両立するのが難しくなる傾向にある。
【0003】
このような問題に対し、特許文献1には、Ca-Al系酸化物による旧γ粒径の微細化効果を利用して21℃における靱性を確保しつつ、加速冷却を施すことで高い強度を確保する技術が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、Mg-S系介在物による旧γ粒径の微細化効果を利用して21℃における靱性を確保しつつ、加速冷却を施すことで高い強度を確保する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/80818号
国際公開第2014/142060号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に開示される鋼材は、熱間圧延後に水冷が施され、ベイナイト分率が80%以上の金属組織を有するため、強度を確保できる。しかし、21℃より低い温度での靱性を得る観点から、改善の余地が残されている。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決し、高い強度および優れた靱性を有するH形鋼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のH形鋼およびその製造方法を要旨とする。
【0009】
(1)フランジの厚さが40~100mmであるH形鋼であって、
化学組成が、質量%で、
C :0.130~0.190%、
Si:0.05~0.50%、
Mn:1.20~1.70%、
P :0.030%以下、
S :0.030%以下、
Nb:0.005~0.050%、
Al:0.001~0.070%、
N :0.0010~0.0070%、
O :0.0050%以下、
B :0.0005%以下、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式によって定義される炭素当量Ceqが0.360~0.450であり、
前記H形鋼の圧延方向に対して垂直な断面において、前記H形鋼の高さと平行な方向を第1方向とし、前記圧延方向および前記第1方向に対して垂直な方向を第2方向としたときに、
前記フランジの前記第2方向における端からの距離が、前記フランジの前記第2方向における長さの1/6であり、かつ、前記H形鋼の前記第1方向における端からの距離が、前記フランジの厚さの1/4である位置における金属組織が、
ポリゴナルフェライトおよびパーライトの合計面積率が90%以上であり、かつ、前記ポリゴナルフェライトの平均結晶粒径が35.0μm以下であり、
降伏応力が320MPa以上であり、
引張強さが430MPa以上であり、
0℃でのシャルピー試験の吸収エネルギーが100J以上である、
H形鋼。
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15 ・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は、H形鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合は0を代入するものとする。
【0010】
(2)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ti:0.025%以下、
V:0.050%以下、
Cr:0.20%以下、
Mo:0.20%以下、
Ni:0.30%以下、
Cu:0.30%以下、
W:0.30%以下、
Ca:0.0050%以下、および
Zr:0.0050%以下、
から選択される1種以上を含有するものである、
上記(1)に記載のH形鋼。
(【0011】以降は省略されています)

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