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公開番号2025123848
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019576
出願日2024-02-13
発明の名称焼結鉱の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C22B 1/20 20060101AFI20250818BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】凝結材としてバイオマス炭を使用する焼結鉱の製造方法において、成品歩留の悪化を抑制する。
【解決手段】点火炉を備え、下方吸引により造粒した配合原料から形成された焼結層の焼結を進行させるDL式焼結機を用いて焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、配合原料の凝結材として、粉コークス又は/及び無煙炭と、バイオマス炭とを使用し、焼結層の表層側から下方吸引される吸引ガスの酸素富化を、点火炉による点火終了直後に開始し、酸素富化開始から酸素富化終了までの酸素富化時間は30秒以上2分以下であり、酸素富化時間において下方吸引される吸引ガスの酸素濃度が30体積%以上50体積%以下であることを特徴とする焼結鉱の製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
点火炉を備え、下方吸引により造粒した配合原料から形成された焼結層の焼結を進行させるDL式焼結機を用いて焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、
前記配合原料の凝結材として、粉コークス又は/及び無煙炭と、バイオマス炭とを使用し、
前記焼結層の表層側から下方吸引される吸引ガスの酸素富化を、前記点火炉による点火終了直後に開始し、
前記酸素富化開始から酸素富化終了までの酸素富化時間は30秒以上2分以下であり、
前記酸素富化時間において下方吸引される前記吸引ガスの酸素濃度が30体積%以上50体積%以下であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記バイオマス炭として、木材炭化物の集合体を圧縮して成形した圧縮成形物を粉砕した粉砕物を使用することを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項3】
前記凝結材中の前記バイオマス炭の配合比率を50質量%以下とすることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項4】
前記酸素富化開始は、点火終了時刻から0秒越え30秒以内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項5】
前記酸素富化開始は、点火終了時刻から0秒越え10秒以内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の焼結鉱の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結鉱の製造方法、特に凝結材としてバイオマス炭を使用した場合に、吸引ガス中の酸素濃度を高めた手法(酸素富化法)を用いる焼結鉱の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
現在、高炉製銑法の主原料は、焼結鉱である。焼結鉱は、通常、次のように製造される。まず、原料となる鉄鉱石(粉)、製鋼ダスト等の含鉄雑原料、橄欖岩等のMgO含有副原料、石灰石等のCaO含有副原料、返鉱、燃焼熱によって焼結鉱を焼結(凝結)させる燃料となる炭材(凝結材とも言う)を、所定の割合で混合し、造粒処理する。次に、造粒処理された配合原料(以下、造粒処理後の配合原料を原料造粒物ともいう)を、ホッパより、下方吸引式のドワイトロイド(DL)式焼結機のパレット上に搭載して、焼結層を形成する。形成した焼結層の上部(表面層)から、点火炉(点火器)により焼結層中の炭材に点火する。そして、連続的に移動するパレットの下方から空気を吸引する。吸引により酸素を供給し、焼結層中の炭材の燃焼を上部から下部に向けて進行させて、炭材の燃焼熱により焼結層を順次焼結させる。焼結により得られた焼結部(焼結ケーキ)は、所定の粒度に粉砕、篩分け等により整粒され、高炉の原料である焼結鉱となる。
【0003】
ここで、非特許文献1および非特許文献2には、下方吸引される大気(吸引ガス)に酸素を富化する方法(酸素富化技術)が検討されており、酸素富化により粉コークスの燃焼速度が速くなり、生産率が向上することが記載されている。具体的には、非特許文献1には、吸引ガス量一定の条件下において下方吸引される大気に酸素を富化させると、焼結排ガス中のCO

濃度およびCO濃度が上昇する結果が開示されている。即ち、吸引ガス量を増加させなくても、酸素富化により単位時間あたりの粉コークス燃焼量が上昇、すなわち、粉コークスの燃焼速度が向上する。
【0004】
非特許文献2には、供給酸素量が一定であれば点火直後に集中して酸素富化することが焼結時間の短縮に有効であり、適正酸素濃度は約28~30体積%、添加時間は約2~3分と推定されることが開示されている。また、吸引する大気中酸素濃度が21体積%以上であれば、成品歩留がほぼ維持されることが開示されている。
【0005】
また、特許文献1には、酸素富化技術として、点火後4分経過した位置から1分~7分間酸素富化時間を確保する位置まで酸素富化する技術(効果:生産率、焼結鉱冷間強度)が開示されている。
特許文献2には、上層部焼成時(表層より150mm以内)において酸素濃度35体積%以上の酸素富化技術(効果:歩留向上)が開示されている。
特許文献3には、焼結ストランドの前半(給鉱側)部分、具体的には全ストランドに対して給鉱側から10%から50%位置で酸素富化する技術(効果:焼結速度向上、増産)が開示されている。
特許文献4には、気体燃料と共に酸素を吹き込む技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2021/172254号
特開平2-73924号公報
特開平11-131152号公報
特開2016-56405号公報
特開2013-237876号公報
【非特許文献】
【0007】
鉄と鋼 Vol.92(2006),p.417-426
鉄と鋼 Vol.87(2001),p.305-312
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、地球環境問題(排出CO

削減)を踏まえて、石炭系の粉コークスや無煙炭からカーボンニュートラルのバイオマス炭の活用が求められている。
【0009】
特許文献5に記載されているように、バイオマスの加熱処理(乾留)によって製造されたバイオマス炭化物(以下、バイオマス炭という)は、多孔質体(低密度)であり、優れた燃焼性を有するため焼結速度を上昇させることができるものの、焼結速度が速くなり過ぎると焼結反応を進行させるための高温保持時間が短くなり、焼結鉱の成品歩留や生産率を低下させてしまうことがある。
【0010】
また、凝結材としてバイオマス炭を使用した場合、以下のような問題もある。ドワイトロイド式焼結機を用いた焼結鉱の製造方法では、焼結層の上層部は、下方吸引により供給される低温の空気で急冷され、高温保持時間が短くなることが知られている。また、ドワイトロイド式焼結機は、原料充填層(焼結層)の上層側ほど細かい粒度の原料が装入されるように構成されている。そのため、原料充填層の上層部には、低密度の粒子が装入されやすく、その配合率が大きくなる(以下、濃化するともいう)という特徴を有する。従って、凝結材としてバイオマス炭を使用した場合、低密度のバイオマス炭は、原料充填層の上層部へ濃化する。原料充填層の上層部に濃化したバイオマス炭の高燃焼性により、上層部における高温保持時間はさらに短くなる。高温保持時間の減少により、焼結層の上層部の歩留低下を引き起こし、生産率を低下させる。
(【0011】以降は省略されています)

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