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公開番号2025001450
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-08
出願番号2023101047
出願日2023-06-20
発明の名称鋼材及び軟磁性部品
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20241225BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた磁気特性及び優れた冷間鍛造性が得られ、さらに、優れた切り屑処理性が得られる鋼材を提供する。
【解決手段】
本開示による鋼材は、化学組成が、質量%で、C:0.0300%以下、Si:0.20%以下、Mn:0.10~0.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Al:0.050%以下、N:0.0080%未満、O:0.030%以下、及び、Bi:0.0010~0.0300%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、Bi及びMnSの複合析出物の粒径が1.0~10.0μmであり、個数密度が0.9~300.0個/mm2である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
化学組成が、質量%で、
C:0.0300%以下、
Si:0.20%以下、
Mn:0.10~0.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Al:0.050%以下、
N:0.0080%未満、
O:0.030%以下、及び、
Bi:0.0010~0.0300%を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
Bi及びMnSを含有し、円相当径が1.0~10.0μmである複合析出物の個数密度が0.9~300.0個/mm

である、
鋼材。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
化学組成が、質量%で、
C:0.0300%以下、
Si:0.20%以下、
Mn:0.10~0.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Al:0.050%以下、
N:0.0080%未満、
O:0.030%以下、及び、
Bi:0.0010~0.0300%を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
Bi及びMnSを含有し、円相当径が1.0~10.0μmである複合析出物の個数密度が0.9~300.0個/mm

である、
鋼材。
[第1群]
Cu:0.30%以下、
Ni:0.20%以下、
Cr:0.20%以下、及び、
Mo:0.05%以下からなる群から選択される1種以上
[第2群]
B:0.010%以下、
Ti:0.010%以下、
Nb:0.010%以下、及び、
V:0.010%以下からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Ca:0.010%以下、
Te:0.010%以下、
Zr:0.010%以下、及び、
Mg:0.010%以下からなる群から選択される1種以上
[第4群]
Pb:0.090%以下
【請求項3】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第1群を含有する、
鋼材。
【請求項4】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第2群を含有する、
鋼材。
【請求項5】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第3群を含有する、
鋼材。
【請求項6】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第4群を含有する、
鋼材。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の鋼材であって、
式(1)で定義されるBpが4.00~75.00である、
鋼材。
Bp=10×(Mn+10×S+240×Bi) (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量が質量%で代入される。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の鋼材であって、
フェライト結晶粒の結晶粒度番号は7以下である、
鋼材。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の鋼材からなる、
軟磁性部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼材及び軟磁性部品に関し、さらに詳しくは、軟磁性の鋼材、及び、その鋼材を素材として製造される軟磁性部品に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
軟磁性部品は、自動車及び産業機械の電装部品等に用いられている。このような軟磁性部品は例えば、オートマチックトランスミッションや電磁クラッチ、ブレーキ等に使用されるソレノイド、リレーや電磁弁等の部品の鉄心材、磁気シールド材、電動アクチュエータ材、モーター部材及びセンサー部材等である。
【0003】
軟磁性部品では、優れた磁気特性が求められる。具体的には、高い磁束密度と、ヒステリシス損が小さいこと(つまり、低保持力)とが求められる。このような特性が求められる磁気特性部品の素材として、軟磁性の鋼材が用いられる。この鋼材では、合金元素の含有量を低くすることにより、磁気特性を高めている。
【0004】
軟磁性の鋼材を素材とした軟磁性部品の製造方法は、例えば、次のとおりである。鋼材に対して潤滑処理を実施した後、伸線加工を実施する。伸線加工後の鋼材に対して冷間鍛造を実施して、軟磁性部品の最終形状に近い粗形状を有する中間品を製造する。中間品に対して切削加工を実施して、中間品の形状を最終形状に整える。切削加工後の中間品に対して、必要に応じて磁気焼鈍を実施する。以上の製造工程により、軟磁性部品を製造する。
【0005】
上述のとおり、軟磁性部品の素材となる鋼材は、冷間鍛造及び切削加工が施される。そのため、軟磁性部品の素材となる鋼材では、優れた磁気特性だけでなく、優れた冷間鍛造性及び優れた切削加工性が求められる。素材となる鋼材は、合金元素の含有量が低いため、軟質であり、かつ、靭性が高い。そのため、特に、切削加工性の向上が求められている。
【0006】
磁気特性、冷間鍛造性、及び、切削加工性等の向上に注目した軟磁性部品用途の鋼材は、例えば、特公昭51-16363号公報(特許文献1)、特開2003-55745号公報(特許文献2)、特開2007-46125号公報(特許文献3)、及び、特開2018-76556号公報(特許文献4)に提案されている。
【0007】
特許文献1に開示された鋼材は、C:0.05%以下、Si:1.0%以下、及び、Bi:0.03~0.40%を含有し、さらに、Pb:0.03~0.40%、Se:0.03~0.40%、Te:0.01~0.10%、及び、Ca:0.0005~0.0100%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなる。特許文献1では、Biを0.03%以上含有することにより、磁気特性を維持しつつ、切削加工性が高まる、と記載されている。
【0008】
特許文献2に開示された鋼材は、C:0.05%以下、Si:0.1%以下、Mn:0.10~0.50%、P:0.030%以下、S:0.010~0.15%、Al:0.01%以下、N:0.005%以下、O:0.02%以下を満たし、残部が実質的にFeからなり、Mn/Sが3.0以上である。さらに、フェライト結晶粒径が100μm以上であり、フェライト結晶粒内に、粒径0.2μm以上のMnS析出物が0.02~0.5個/μm

存在する。さらに、MnS析出物の平均粒径が0.05~4μmである。特許文献2では、上述の構成により、優れた磁気特性、優れた冷間鍛造性が得られ、さらに、優れた切削加工性が得られる、と記載されている。
【0009】
特許文献3に開示された鋼材は、C:0.0015~0.02%、Mn:0.15~0.5%、及び、S:0.015~0.1%を含有し、MnとSの質量比(Mn/S)が5.7以上である。さらに、金属組織が、フェライト単相組織で、かつ、長径0.1μm以上のFeS析出物が5000個/mm

以下である。特許文献3では、上述の構成により、優れた磁気特性、優れた冷間鍛造性が得られ、さらに、優れた切削加工性が得られる、と記載されている。
【0010】
特許文献4に開示された鋼材は、C:0.0001~0.05質量%、Si:0超~0.5質量%、Mn:0.1~0.5質量%、P:0超~0.02質量%、S:0超~0.1質量%、Al:0超~0.05質量%、及び、N:0.01超~0.1質量%を満たし、残部はFe及び不純物からなり、フェライト組織の面積率が95.0%以上である。この鋼材はさらに、式(1)([N]-(1/2[Al])>0.01)を満たす。特許文献4では、優れた被削性を有し、磁気焼鈍後には優れた磁気特性を発揮する、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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