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公開番号
2025008209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023110169
出願日
2023-07-04
発明の名称
蒸留塔設置方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
E04H
12/00 20060101AFI20250109BHJP(建築物)
要約
【課題】工事の簡素化および短期化ができる蒸留塔設置方法を提供する。
【解決手段】筒状の塔体10の内部に複数のトレイ20が多段の棚状に支持された蒸留塔1を基礎の上に設置する蒸留塔設置方法であって、塔体10を横倒し状態で保持し、横倒し状態の塔体10の内部にトレイ20を設置し、トレイ20が設置された塔体10を正立状態に引き起こして基礎の上に固定する。トレイ20は複数のピース30に分割しておき、ピース30を塔体10の内部に搬入し、塔体10の内部でピース30を組み立ててトレイ20を設置する。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
筒状の塔体の内部に複数のトレイが多段の棚状に支持された蒸留塔を基礎の上に設置する蒸留塔設置方法であって、
前記塔体を横倒し状態で保持し、横倒し状態の前記塔体の内部に前記トレイを設置し、前記トレイが設置された前記塔体を正立状態に引き起こして前記基礎の上に固定する蒸留塔設置方法。
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【請求項2】
前記トレイを複数のピースに分割しておき、前記ピースを前記塔体の内部に搬入し、前記塔体の内部で前記ピースを組み立てて前記トレイを設置する、請求項1に記載の蒸留塔設置方法。
【請求項3】
本発明の蒸留塔設置方法において、前記ピースのうち前記塔体が横倒し状態で上下に隣接する上側ピースと下側ピースとの間のクリアランスを調整する治具として、前記上側ピースの凹凸形状に係合可能な上側係合部と、前記下側ピースの凹凸形状に係合可能な下側係合部と、前記上側係合部と前記下側係合部とを連結する連結部と、を有する連結治具を用い、
前記塔体の内部に前記下側ピースを固定し、前記下側ピースの前記凹凸形状に前記連結治具の前記下側係合部を係合させ、前記連結治具の上方に前記上側ピースを配置し、前記上側ピースの前記凹凸形状を前記上側係合部に係合させ、前記上側ピースを前記塔体に固定する、請求項2に記載の蒸留塔設置方法。
【請求項4】
前記塔体が横倒し状態で下側となる前記塔体の内面と前記トレイの下端部との間のクリアランスを調整する治具として、前記塔体の周方向に延びる本体部および前記本体部と交差する方向へ延びる係合部を有する第1治具と、前記係合部に係合可能な作用部および作業者が操作可能な操作部が屈曲部で連続するL字状の第2治具と、前記塔体の周方向に延びかつ前記本体部の端部を前記塔体の周方向に係止可能な第3治具と、を用い、
前記トレイの下端部に対向する前記塔体の内面に沿って前記第1治具および前記第3治具を配置し、前記第3治具を前記塔体の内面に固定しておき、前記第1治具の前記本体部に前記トレイの下端部を載置し、前記第2治具の前記屈曲部を前記塔体の内面に当接させつつ前記作用部を前記第1治具の前記係合部に係合させ、前記第2治具の前記操作部を操作して前記係合部を持ち上げることにより、前記第1治具の前記本体部の前記第3治具と反対側の部分を持ち上げ、持ち上げられた前記本体部に載置されている前記トレイの下端部を持ち上げて前記塔体の内面との間のクリアランスを調整する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蒸留塔設置方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸留塔設置方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
石油化学などの産業プラントでは、原料から所期の成分を取り出すために蒸留塔が利用されている(特許文献1参照)。
蒸留塔では、原料を塔内に導入し、沸点温度差を利用して特定の成分を蒸留し、塔頂部から回収した蒸気を凝縮器に通して留出液としている。得られた留出液は、一部が製品として取り出され、残りは還流分として蒸留塔へ戻される。
【0003】
産業用の蒸留塔として、複数のトレイが多段の棚状に設置された棚段式の蒸留塔が用いられている(特許文献2参照)。
棚段式の蒸留塔では、垂直に延びる筒状の塔体の内部に、水平な棚板状のトレイが複数、所定間隔で設置される。原料は通常蒸留塔の中間高さに供給され、揮発性の高い蒸気が順次上段のトレイに送られ、塔頂部から回収される。揮発性の低い液相は順次下段のトレイに送られ、塔底部から排出される。
棚段式の蒸留塔のトレイとして、板状のトレイ本体に蒸気を上方へ通すための微細な貫通孔が多数形成されたシーブトレイや、貫通孔から起立する円筒状のライザーにキャップを被せて通過する蒸気で液相を泡立たせるバブルキャップトレイなどが用いられている。
【0004】
蒸留塔においては、稼働に伴って損耗や劣化が避けられず、一定期間ごとに更新工事が行われる。
蒸留塔の更新工事としては、蒸留塔の操業停止期間を最小限とするために、入替え方式が採用されている。すなわち、操業中の蒸留塔の近傍に作業場所を確保し、そこで新規の蒸留塔を垂直に延びる筒状に組み立てる。棚段式であれば、筒状の塔体の内部に複数のトレイを設置しておく。新規の蒸留塔が完成したら、既存の蒸留塔を撤去し、その跡に新規の蒸留塔を搬入して設置する。これにより新規の蒸留塔の施工期間も既存の蒸留塔による操業を継続でき、操業停止期間を最小限にできる。
現地施工をさらに短縮するため、蒸留塔を高さ方向に複数分割したものを別途の工場で施工しておき、各部分を現場へ搬入したうえ既存の蒸留塔の撤去跡に順次積み上げ、分割部分の端部開口どうしを突き合わせて全周溶接して連結し、これにより蒸留塔の全体を完成させることも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-16379号公報
特開2010-126370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した蒸留塔の更新工事においては、塔体の組み立て作業を、設置状態と同じく塔体を縦置きにした正立状態で行われていた。
このような蒸留塔とくに棚段式の組み立て作業では、以下のような課題があった。
第1に、塔体内部へのトレイの搬入は、クレーンでトレイを吊り上げ、塔体の上端に形成された作業用の開口から塔体内部へと吊り降ろしていた。クレーンによる吊り下げは、複数のトレイの設置ごとに繰返し行われ、長期間にわたりクレーンを占有していた。
第2に、塔体内部にトレイを設置する作業員は、塔体上端の開口や塔体中段辺りに形成されたマンホールから出入りする。このため、地上から塔体上端や中段まで作業員が往復できるように、蒸留塔の周辺に大規模な作業足場を組む必要があった。
第3に、既存の蒸留塔の近傍で組み立てられる新規の蒸留塔は、基礎が仮設であるため、塔転倒防止用のワイヤーを周囲に向けて設置する必要がある。このため、新規の蒸留塔を組み立てる作業場所としては、四方に延びるワイヤーを設置できる広い敷地面積が必要であった。
このように、従来の蒸留塔の組み立て作業では、長期間のクレーン占有、大規模な作業足場、あるいは広大な作業場所が必要であり、これらによって工事の煩雑化および長期化が避けられず、その解消が望まれていた。
このような蒸留塔の組み立てにおける工事の煩雑化および長期化の解消は、既存の蒸留塔の更新工事に限らず、蒸留塔の新規設置工事においても望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、工事の簡素化および短期化ができる蒸留塔設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、筒状の塔体の内部に複数のトレイが多段の棚状に支持された蒸留塔を基礎の上に設置する蒸留塔設置方法であって、
前記塔体を横倒し状態で保持し、横倒し状態の前記塔体の内部に前記トレイを設置し、前記トレイが設置された前記塔体を正立状態に引き起こして前記基礎の上に固定する。
【0009】
このような本発明では、蒸留塔の基礎の近傍に作業場所を確保し、そこで各工程を実施する。基礎としては、蒸留塔の更新工事であれば稼働中の蒸留塔が設置されている既存の基礎が用いられ、蒸留塔の新規設置工事であれば新規に形成された基礎が用いられる。
確保された作業現場においては、筒状の塔体を横倒し状態で支持する。塔体は、塔体が上下方向に延びる正立状態で基礎に固定されるものであるが、トレイの設置作業の際には塔体が水平方向に延びる横倒し状態としておく。
筒状の塔体を横倒し状態で支持することで、塔体端部の開口が地上近くに配置される。そして、塔体端部の開口に最小限の仮設階段などを設置すれば、作業員が容易かつ安全に塔体内部へ進入できる。作業員は、トレイとなる部材を持って塔体端部の開口から塔体内部に入り、奥側から手前側へと順次トレイを設置してゆく。設置の際、塔体が横倒し状態であるので、正立状態で水平面となる各トレイは縦方向の壁状に配列される。
このように、本発明では、塔体内部へのトレイの搬入は作業員により行うことができ、各トレイの設置時にはトレイを塔体の内面で支持することができ、塔体内部への複数トレイの設置の工程ではクレーンを使用しないで済む。そして、クレーンの使用は、塔体を正立状態に引き起こして基礎に固定する作業など最小限にすることができ、クレーンの使用を大幅に削減できる。
また、本発明では、作業員が出入りする端部開口が地上近くとなるため、大がかりな足場や高所作業を解消でき、転倒防止用のワイヤーを設置する必要もなくなり、組立施工に必要な敷地面積も大幅に削減できる。
以上により、蒸留塔設置工事における作業の煩雑化および長期化を解消でき、工事の簡素化および短期化が実現できる。
【0010】
本発明の蒸留塔設置方法において、前記トレイを複数のピースに分割しておき、前記ピースを前記塔体の内部に搬入し、前記塔体の内部で前記ピースを組み立てて前記トレイを設置することが好ましい。
このような本発明では、複数のピースの各々を、例えば作業員が持ち上げられるサイズおよび重さとしておくことで、クレーンを用いずに塔体内部に搬入し、塔体内部で組み立ててトレイとする作業を容易にできる。
複数のピースとしては、トレイの平面形状(蒸留塔が正立状態で上面に現れる形状)を短冊状、格子状、あるいは放射状に分割したものが利用できる。複数のピースを組み立ててトレイとする構成としては、塔体の内部に支持枠を設置しておき、この支持枠に複数のピースを順次装着する構成が利用できる。支持枠としては、ダウンカマーと呼ばれる堰の役割を兼ねたビームが利用できる。あるいは、ピースの裏面に構造部材を一体または別体で形成しておき、ピースの組み立て時に構造部材どうしを接続し、塔体内部のトレイ設置部位に形成されている受部材に接続する構造としてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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