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公開番号
2025025964
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023131263
出願日
2023-08-10
発明の名称
チタン材、熱処理シミュレーション方法、熱処理シミュレーション装置、プログラム、及び、チタン材の製造方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
14/00 20060101AFI20250214BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】純チタン又はα型チタン合金からなるチタン材であって、分塊加工工程を省略して、直接熱間加工した場合においても、表面欠陥が軽微となるものを開示する。
【解決手段】本開示のチタン材は、純チタン又はα型チタン合金からなり、長手方向に対して垂直な断面において、表層10mmの領域における旧β粒の平均粒子径が10mm以下、且つ、旧β粒の粒子径の標準偏差が5mm以下であり、表層10mmの位置のビッカース硬度と、前記断面の中心のビッカース硬度との差が20HV以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
純チタン又はα型チタン合金からなるチタン材であって、
長手方向に対して垂直な断面において、
表層10mmの領域における旧β粒の平均粒子径が10mm以下、且つ、旧β粒の粒子径の標準偏差が5mm以下であり、
表層10mmの位置のビッカース硬度と、前記断面の中心のビッカース硬度との差が20HV以上である、
チタン材。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
質量%で、
Fe:0~0.50%、
O:0~0.40%、
N:0~0.05%、
C:0~0.08%、
H:0~0.013%、並びに
残部:Ti及び不純物
からなる化学組成を有する、
請求項1に記載のチタン材。
【請求項3】
質量%で、
Al:4.0~6.0%、
Sn:2.0~3.0%、
Fe:0~0.05%、
O:0~0.20%、
N:0~0.05%、
C:0~0.10%、
H:0~0.020%、並びに、
残部:Ti及び不純物
からなる化学組成を有する、
請求項1に記載のチタン材。
【請求項4】
長手方向に対して垂直な断面の形状が、矩形状である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のチタン材。
【請求項5】
長手方向に対して垂直な断面の面積S(mm
2
)に対する前記断面の周長L(mm)の比L/Sが、0.005以上である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のチタン材。
【請求項6】
表層10mmの位置よりも内側の領域が、鋳造組織を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載のチタン材。
【請求項7】
純チタン又はα型チタン合金の熱処理シミュレーション方法であって、
予め設定された温度変化速度で冷却又は加熱した場合における前記純チタン又はα型チタン合金のβ/α変態についての変態開始時間及び時間・温度毎の各相の変態速度を予測する、第1ステップと、
前記第1ステップにおいて予測された時間・温度毎の各相の変態速度に基づき、前記β/α変態に伴う変態潜熱量を時間・温度毎に予測し、予測された前記変態潜熱量を用いた伝熱解析により、前記純チタン又はα型チタン合金の温度変化速度及び各相の相分率の時間変化速度を予測する、第2ステップと、
前記第2ステップにおいて予測された前記温度変化速度を、前記第1ステップにおける前記温度変化速度に導入するか、又は、前記第1ステップと前記第2ステップとを繰り返し行って時間・温度毎の各相の変態速度と温度変化速度の収束計算を行うかによって、連成解析計算を行う、連成解析ステップと、
を備える、熱処理シミュレーション方法。
【請求項8】
前記第1ステップにおいて、前記変態開始時間がβ変態点温度到達時であり、前記各相の変態速度がβ/α変態の変態速度である、
請求項7に記載の熱処理シミュレーション方法。
【請求項9】
前記第1ステップにおいて、前記変態開始時間が熱力学計算における平衡相分率が変化する温度到達時であり、前記各相の変態速度がβ/α変態の変態速度である、
請求項7の熱処理シミュレーション方法。
【請求項10】
前記第2ステップにおいて、三次元の非定常熱伝導方程式を利用して前記伝熱解析を行う、
請求項7~9のいずれか1項に記載の熱処理シミュレーション方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願はチタン材、熱処理シミュレーション方法、熱処理シミュレーション装置、プログラム、及び、チタン材の製造方法を開示する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
チタン及びチタン合金は、高い比強度と優れた耐食性とを活かして、航空機の窓枠、配管などの部品、電解槽や熱交換器などの工業用途、屋根や瓦などの建築材、アイゼンなどの登山用品、ゴルフクラブなどの民生品用途に適用されている。また、生体との相性も良いことから、時計やメガネフレームなどの装飾品、インプラントなどの医療用途等にも幅広く使用されている。
【0003】
α相が室温相である純チタン材やα型チタン合金からなる熱間加工用素材の製造工程の一例を説明する。まず、スポンジチタン、母合金、チタンスクラップなどを溶解原料とし、真空アーク溶解法、電子ビーム溶解法、プラズマ溶解法などにより鋳塊(インゴット)を製造する。次に、鋳造由来の粗大組織を破壊するため、鋳塊をβ域又はα域に加熱し、鍛造又は圧延による分塊(ブレークダウン)加工を行い、スラブやビレットなどの熱間加工用素材とする。熱間加工用素材は、引き続き熱間圧延されて板や棒線形状に加工される。これら板や棒は焼鈍・酸洗してそのまま製品になる場合と、要求される寸法や特性に応じてさらに冷間圧延とひずみ除去の焼鈍を行い、最終製品とする場合とがある。なお、分塊加工や熱間加工後は、酸洗や切削による酸化層や表面欠陥の除去を行う。
【0004】
上記の鋳塊は、粒径が数十mmもある粗大な結晶粒からなる。この鋳塊を、分塊加工工程を実施せずに直接熱間圧延すると、hcp構造を有するα相の粗大な結晶粒に起因して粒内及び各結晶粒間の変形異方性により、熱間圧延の初期に表面に凹凸が生じ、最終的に深い表面欠陥となる。このため、熱間加工後に、脱スケール工程などで表面欠陥の除去が必要となり歩留まりを低下させる。なお、この現象はα相が変形異方性の大きいhcp構造であることに起因するため、bcc構造を有するβ相からなるβ型チタン合金や、β相とα相の混合組織であるα+β型チタン合金では変形異方性が比較的小さく、表面欠陥の問題は顕在化しにくい。
【0005】
以上の通り、α相が室温相である純チタン材やα型チタン合金材において、分塊加工工程を省略する場合には、熱間圧延後の表面欠陥を可能な限り抑制するための工夫が必要となる。このような問題点に対して、鋳塊からなる熱間加工用素材に対して加工や熱処理を施したり、熱間圧延方法を工夫して表面欠陥を軽減する方法が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1では、鋳塊の表面から5mmを超える深さまでをβ変態点+30℃以上、β変態点+130℃以下の温度に加熱した後、鋳塊表面をファン空冷以上の冷却速度で冷却する熱処理を実施し、さらに表面を算術平均粗さRaが1~20μmとなるように手入れした後に熱間圧延することで、熱間圧延後の表面性状を良好に保つことができる、α相を主とするチタン材の製造方法が開示されている。
【0007】
特許文献2では、β域加工における表面疵を改善する方法として、事前に鋳塊をβ変態点+50℃以上に2時間以下加熱後、β変態点-50℃以下に冷却する熱処理を実施することで表層の結晶粒を微細化し、粗大な結晶粒の変形異方性による表面欠陥を抑制する製造方法が開示されている。
【0008】
特許文献3では、チタン鋳塊の表層付近の結晶粒を細粒化させるためにひずみを付与し、再結晶温度以上に加熱して表面から深さ2mmを再結晶させた後に熱間加工する方法が提案されている。ひずみを付与する手段としては、ショットブラスト、鍛造やロール圧下などが挙げられている。
【0009】
特許文献4では、チタン鋳塊を930~1000℃で30分~2時間均熱後、β単相温度域で少なくとも1パスあたり10%以上で、2パス以上かつ全圧下率40%以上の圧延を施し、さらにβ変態点温度以下のα単相域又はα+β二相域で圧下率20%以上の圧延を施す熱間加工方法が提案されている。
【0010】
前記のような手段により、鋳塊からなる熱間加工用素材に対して加工や熱処理を施したり、熱間圧延方法を工夫して表面欠陥を軽減可能であるものの、製造条件の厳しい管理が必要となり、製造負荷が大きく、コストや時間がかかるとともに、歩留りが低減する場合もある。また、以上のような熱処理を実現するためには、鋳塊の合金成分、形状(矩形、円柱形状)や寸法に応じて、条件の検討が必要である。この点、従来より、実物を用いた試験や伝熱解析を用いて熱処理条件の検討がなされてきた。しかしながら、従来の方法にあっては、伝熱解析結果と実際に鋳塊に付与される熱履歴とが一致し難く、伝熱解析結果のみから目的とするチタン材を得ることが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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