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公開番号
2024173744
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2024083880
出願日
2024-05-23
発明の名称
ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物、並びにそれを用いた13,15-ジメチルヘプタコサン及びその合成中間体の製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
41/48 20060101AFI20241205BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明は、13,15-ジメチルヘプタコサンの製造の為に有用な新規な合成中間体、及び該合成中間体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記合成中間体を用いて13,15-ジメチルヘプタコサンの効率的な製造方法、好ましくは効率的且つ経済的な製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、下記一般式(1B)で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物の製造方法を提供する。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1A):
JPEG
2024173744000053.jpg
23
170
(式中、X
1
はハロゲン原子を表し、及びR
1
は、水素原子、炭素数1~9のn-アルキル基又はフェニル基を表す。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物を下記一般式(2A):
JPEG
2024173744000054.jpg
22
170
(式中、M
1A
はLi、MgZ
1A
、CuZ
1A
又はCuLiZ
1A
を表し、ここで、Z
1A
はハロゲン原子又は4-アルコキシメトキシ-1-メチルブチル基を表し、及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4-アルコキシメトキシ-1-メチルブチル求核試薬に変換し、そして、該4-アルコキシメトキシ-1-メチルブチル求核試薬(2A)の下記式(3):
JPEG
2024173744000055.jpg
19
170
で表されるプロピレン=オキシドへの求核付加反応により、下記一般式(4):
JPEG
2024173744000056.jpg
25
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りである。)
で表される6-ヒドロキシ-4-メチルヘプチル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と、
前記6-ヒドロキシ-4-メチルヘプチル=アルコキシメチル=エーテル化合物(4)をハロゲン化反応に付して、下記一般式(1B):
JPEG
2024173744000057.jpg
25
170
(式中、X
1
及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)を得る工程と
を少なくとも含む、前記ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法。
続きを表示(約 8,100 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法と、
前記ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)を下記一般式(2B):
JPEG
2024173744000058.jpg
24
170
(式中、M
2B
はLi、MgZ
2B
、CuZ
2B
又はCuLiZ
2B
を表し、ここで、Z
2B
はハロゲン原子又は6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル基を表し、及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表される6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬に変換し、そして、該6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬(2B)を下記一般式(5):
X
2
(CH
2
)
11
CH
3
(5)
(式中、X
2
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロドデカン化合物とのカップリング反応に付すことにより、下記一般式(6):
JPEG
2024173744000059.jpg
21
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と、
前記4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物(6)を脱アルコキシメチル化反応に付すことにことにより、下記式(7):
JPEG
2024173744000060.jpg
18
170
で表される4,6-ジメチルオクタデカノールを得る工程と
を少なくとも含む、4,6-ジメチルオクタデカノール(7)の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載のハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法と、
前記ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)を下記一般式(2B):
JPEG
2024173744000061.jpg
25
170
(式中、M
2B
はLi、MgZ
2B
、CuZ
2B
又はCuLiZ
2B
を表し、ここで、Z
2B
はハロゲン原子又は6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル基を表す。)
で表される6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬に変換し、そして、該6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬(2B)を下記一般式(5):
X
2
(CH
2
)
11
CH
3
(5)
(式中、X
2
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロドデカン化合物とのカップリング反応に付すことにより、下記一般式(6):
JPEG
2024173744000062.jpg
21
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と、
前記4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物(6)を脱アルコキシメチル化反応に付すことにより、下記式(7):
JPEG
2024173744000063.jpg
19
170
で表される4,6-ジメチルオクタデカノールを得る工程と、
前記4,6-ジメチルオクタデカノール(7)をハロゲン化反応に付すことにより、下記一般式(8):
JPEG
2024173744000064.jpg
19
170
(式中、X
3
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロ-4,6-ジメチルオクタデカン化合物(8)を得る工程と、
前記1-ハロ-4,6-ジメチルオクタデカン化合物(8)を下記一般式(9):
JPEG
2024173744000065.jpg
20
170
(式中、M
2
はLi、MgZ
2
、CuZ
2
又はCuLiZ
2
を表し、ここで、Z
2
はハロゲン原子又は4,6-ジメチルオクタデシル基を表す。)
で表される4,6-ジメチルオクタデシル求核試薬に変換し、そして、該4,6-ジメチルオクタデシル求核試薬(9)を下記一般式(10):
X
4
(CH
2
)
8
CH
3
(10)
(式中、X
4
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロノナン化合物とのカップリング反応に付すことにより、下記式(11):
JPEG
2024173744000066.jpg
19
170
で表される13,15-ジメチルヘプタコサンを得る工程と
を少なくとも含む、13,15-ジメチルヘプタコサン(11)の製造方法。
【請求項4】
下記式:
JPEG
2024173744000067.jpg
22
170
で表される2-メチルテトラヒドロフランを下記一般式(12):
JPEG
2024173744000068.jpg
21
170
(式中、R
2
は炭素数1~9のアルキル基又はフェニル基を表し、及びX
1
は上記で定義した通りである。)
で表される酸ハロゲン化物により開環することにより、下記一般式(13):
JPEG
2024173744000069.jpg
25
170
(式中、X
1
及びR
2
は上記で定義した通りである。)
で表される4-ハロペンチル=アシレート化合物を得る工程と、
前記4-ハロペンチル=アシレート化合物(13)を下記一般式(14):
R
3
M
3
(14)
(式中、R
3
は炭素数1~14のアルキル基又はエチニル基を表し、M
3
は、Li、Na、K、Ag、MgZ
4
、又はCaZ
4
を表し、ここで、Z
4
はハロゲン原子又はR
3
を表す。)
で表される有機金属試薬を用いて脱アシル化することにより、下記一般式(15):
JPEG
2024173744000070.jpg
21
170
(式中、X
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4-ハロ-1-ペンタノール化合物を得る工程と、
前記4-ハロ-1-ペンタノール化合物(15)を下記一般式(16):
JPEG
2024173744000071.jpg
18
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りであり、及びX
5
はハロゲン原子を表す。)
で表されるハロメチル=アルキル=エーテル化合物でアルコキシメチル化することにより下記一般式(1A):
JPEG
2024173744000072.jpg
22
170
(式中、X
1
及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と
を更に含む、請求項1に記載の、ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法。
【請求項5】
下記式:
JPEG
2024173744000073.jpg
24
170
で表される2-メチルテトラヒドロフランを下記一般式(12):
JPEG
2024173744000074.jpg
21
170
(式中、R
2
は炭素数1~9のアルキル基又はフェニル基を表し、及びX
1
は上記で定義した通りである。)
で表される酸ハロゲン化物により開環することにより、下記一般式(13):
JPEG
2024173744000075.jpg
26
170
(式中、X
1
及びR
2
は上記で定義した通りである。)
で表される4-ハロペンチル=アシレート化合物を得る工程と、
前記4-ハロペンチル=アシレート化合物(13)を下記一般式(14):
R
3
M
3
(14)
(式中、R
3
は炭素数1~14のアルキル基又はエチニル基を表し、M
3
は、Li、Na、K、Ag、MgZ
4
、又はCaZ
4
を表し、ここで、Z
4
はハロゲン原子又はR
3
を表す。)
で表される有機金属試薬を用いて脱アシル化することにより、下記一般式(15):
JPEG
2024173744000076.jpg
21
170
(式中、X
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4-ハロ-1-ペンタノール化合物を得る工程と、
前記4-ハロ-1-ペンタノール化合物(15)を下記一般式(16):
JPEG
2024173744000077.jpg
20
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りであり、及びX
5
はハロゲン原子を表す。)
で表されるハロメチル=アルキル=エーテル化合物でアルコキシメチル化することにより下記一般式(1A):
JPEG
2024173744000078.jpg
22
170
(式中、X
1
及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と
を更に含む、請求項2に記載の、4,6-ジメチルオクタデカノール(7)の製造方法。
【請求項6】
下記式:
JPEG
2024173744000079.jpg
26
170
で表される2-メチルテトラヒドロフランを下記一般式(12):
JPEG
2024173744000080.jpg
20
170
(式中、R
2
は炭素数1~9のアルキル基又はフェニル基を表し、及びX
1
は上記で定義した通りである。)
で表される酸ハロゲン化物により開環することにより、下記一般式(13):
JPEG
2024173744000081.jpg
26
170
(式中、X
1
及びR
2
は上記で定義した通りである。)
で表される4-ハロペンチル=アシレート化合物を得る工程と、
前記4-ハロペンチル=アシレート化合物(13)を下記一般式(14):
R
3
M
3
(14)
(式中、R
3
は炭素数1~14のアルキル基又はエチニル基を表し、M
3
は、Li、Na、K、Ag、MgZ
4
、又はCaZ
4
を表し、ここで、Z
4
はハロゲン原子又はR
3
を表す。)
で表される有機金属試薬を用いて脱アシル化することにより、下記一般式(15):
JPEG
2024173744000082.jpg
20
170
(式中、X
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4-ハロ-1-ペンタノール化合物を得る工程と、
前記4-ハロ-1-ペンタノール化合物(15)を下記一般式(16):
JPEG
2024173744000083.jpg
19
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りであり、及びX
5
はハロゲン原子を表す。)
で表されるハロメチル=アルキル=エーテル化合物でアルコキシメチル化することにより下記一般式(1A):
JPEG
2024173744000084.jpg
21
170
(式中、X
1
及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と
を更に含む、請求項3に記載の、13,15-ジメチルヘプタコサン(11)の製造方法。
【請求項7】
下記一般式(1B):
JPEG
2024173744000085.jpg
23
170
(式中、X
1
はハロゲン原子を表し、及びR
1
は水素原子、炭素数1~9のn-アルキル基又はフェニル基を表す。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物を下記一般式(2B):
JPEG
2024173744000086.jpg
23
170
(式中、M
2B
はLi、MgZ
2B
、CuZ
2B
又はCuLiZ
2B
を表し、ここで、Z
2B
はハロゲン原子又は6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル基を表し、並びにR
1
は上記で定義した通りである。)
で表される6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬に変換し、そして、該6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬(2B)を下記一般式(5):
X
2
(CH
2
)
11
CH
3
(5)
(式中、X
2
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロドデカン化合物とのカップリング反応に付すことにより、下記一般式(6):
JPEG
2024173744000087.jpg
21
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と、
前記4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物(6)を脱アルコキシメチル化反応に付すことにより、下記式(7):
JPEG
2024173744000088.jpg
19
170
で表される4,6-ジメチルオクタデカノールを得る工程と、
前記4,6-ジメチルオクタデカノール(7)をハロゲン化反応に付すことにより、下記一般式(8):
JPEG
2024173744000089.jpg
18
170
(式中、X
3
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロ-4,6-ジメチルオクタデカン化合物(8)を得る工程と、
前記1-ハロ-4,6-ジメチルオクタデカン化合物(8)を下記一般式(9):
JPEG
2024173744000090.jpg
19
170
(式中、M
2
はLi、MgZ
2
、CuZ
2
又はCuLiZ
2
を表し、ここで、Z
2
はハロゲン原子又は4,6-ジメチルオクタデシル基を表す。)
で表される4,6-ジメチルオクタデシル求核試薬に変換し、そして、該4,6-ジメチルオクタデシル求核試薬(9)を下記一般式(10):
X
4
(CH
2
)
8
CH
3
(10)
(式中、X
4
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロノナン化合物とのカップリング反応に付すことにより、下記式(11):
JPEG
2024173744000091.jpg
18
170
で表される13,15-ジメチルヘプタコサンを得る工程と
【請求項8】
下記一般式(1):
JPEG
2024173744000092.jpg
24
170
(式中、X
1
はハロゲン原子を表し、及びR
1
は、水素原子、炭素数1~9のn-アルキル基又はフェニル基を表し、並びにnは、1又は2を表す。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物。
【請求項9】
請求項8に記載の一般式(1)のnが1であり、下記一般式(1A):
JPEG
2024173744000093.jpg
23
170
(式中、X
1
はハロゲン原子を表し、及びR
1
は、水素原子、炭素数1~9のn-アルキル基又はフェニル基を表す。)
で表される、請求項8に記載のハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物。
【請求項10】
請求項8に記載の一般式(1)のnが2であり、下記一般式(1B):
JPEG
2024173744000094.jpg
24
170
(式中、X
1
はハロゲン原子を表し、及びR
1
は、水素原子、炭素数1~9のn-アルキル基又はフェニル基を表す。)
で表される、請求項8に記載のハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物、並びにそれを用いた13,15-ジメチルヘプタコサン及びその合成中間体の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ヒアリ(英名:Red imported fire ant、学名:
Solenopsis
invicta
)は南米原産の衛生害虫であり、米国及び台湾では毎年多くのペット及び人がヒアリに刺されている。ヒアリに刺されると猛烈な痛みを感じると報告されており(下記の非特許文献1)、時にはアナフィラキシーショック等のアレルギー症状が出て死に至ることもある。そのため、各国でヒアリの侵入及び定着を強く警戒しているが、既に定着している米国、中国、台湾及びオーストラリア等では、ヒアリの防除方法として、殺虫剤を使用した防除方法の他に、微胞子虫原虫(
Kneallhazia
solenopsae
)又は昆虫病原糸状菌白きょう病菌(
Beauveria
bassiana
)を活用した防除方法、並びに体表炭化水素を活用した防除方法等が検討されている(下記の非特許文献2)。
【0003】
ヒアリの体表炭化水素としては、ヘプタコサン、13-メチルヘプタコサン、13,15-ジメチルヘプタコサン、3-メチルヘプタコサン及び3,9-ジメチルヘプタコサンが知られている(下記の非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Rong-Nan Huang et al.,Int. J. Environ. Res. Public. Health.,2021,18,5055.
Robert K. Vander Meer et al.,J. Chem. Ecol.,1989,15(7),2115-2125.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記で述べた通り、ヒアリの体表炭化水素としては、ヘプタコサン、13-メチルヘプタコサン、13,15-ジメチルヘプタコサン、3-メチルヘプタコサン、及び3,9-ジメチルヘプタコサンが知られている。本開示では、それら体表炭化水素のうちの13,15-ジメチルヘプタコサンに焦点を絞るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、該13,15-ジメチルヘプタコサン自体は既知化合物であるが、その製造方法は知られていない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、13,15-ジメチルヘプタコサンの製造の為に有用な新規な合成中間体、及び該合成中間体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記合成中間体を用いて13,15-ジメチルヘプタコサンの効率的な製造方法、好ましくは効率的且つ経済的な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、1,3-ジメチル骨格を有する各種化合物を網羅的に合成することができる鍵中間体がハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物であることを見出した。そして、本発明者らは更に、該ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物の安価且つ効率的な製造方法、並びに該ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物からヒアリの体表炭化水素化合物である13,15-ジメチルヘプタコサンを効率的に製造する製造方法を見出し、本発明を為すに至った。また、上記製造方法は、工業的な製造においても適していることが判った。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、
下記一般式(1A):
JPEG
2024173744000001.jpg
22
170
(式中、X
1
はハロゲン原子を表し、及びR
1
は、水素原子、炭素数1~9のn-アルキル基又はフェニル基を表す。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物を下記一般式(2A):
JPEG
2024173744000002.jpg
23
170
(式中、M
1A
はLi、MgZ
1A
、CuZ
1A
又はCuLiZ
1A
を表し、ここで、Z
1A
はハロゲン原子又は4-アルコキシメトキシ-1-メチルブチル基を表し、及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4-アルコキシメトキシ-1-メチルブチル求核試薬に変換し、そして、該4-アルコキシメトキシ-1-メチルブチル求核試薬(2A)の下記式(3):
JPEG
2024173744000003.jpg
18
170
で表されるプロピレン=オキシドへの求核付加反応により、下記一般式(4):
JPEG
2024173744000004.jpg
23
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りである。)
で表される6-ヒドロキシ-4-メチルヘプチル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と、
該6-ヒドロキシ-4-メチルヘプチル=アルコキシメチル=エーテル化合物(4)をハロゲン化反応に付して、下記一般式(1B):
JPEG
2024173744000005.jpg
23
170
(式中、X
1
及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表されるハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)を得る工程と
を少なくとも含む、ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、
ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法、例えば、上記の第1の態様に従うハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法、又はそれ以外の製造方法、例えば本明細書の実施例5~7のいずれか1つに記載のハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)の製造方法と、
該ハロアルキル=アルコキシメチル=エーテル化合物(1B)を下記一般式(2B):
JPEG
2024173744000006.jpg
24
170
(式中、M
2B
はLi、MgZ
2B
、CuZ
2B
又はCuLiZ
2B
を表し、ここで、Z
2B
はハロゲン原子又は6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル基を表し、及びR
1
は上記で定義した通りである。)
で表される6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬に変換し、そして、該6-アルコキシメトキシ-1,3-ジメチルヘキシル求核試薬(2B)を下記一般式(5):
X
2
(CH
2
)
11
CH
3
(5)
(式中、X
2
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロドデカン化合物とのカップリング反応に付すことにより、下記一般式(6):
JPEG
2024173744000007.jpg
19
170
(式中、R
1
は上記で定義した通りである。)
で表される4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物を得る工程と、
該4,6-ジメチルオクタデシル=アルコキシメチル=エーテル化合物(6)を脱アルコキシメチル化反応に付すことにより、下記式(7):
JPEG
2024173744000008.jpg
19
170
で表される4,6-ジメチルオクタデカノールを得る工程と
を少なくとも含む、4,6-ジメチルオクタデカノール(7)の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、
上記の4,6-ジメチルオクタデカノール(7)の製造方法と、
上記4,6-ジメチルオクタデカノール(7)をハロゲン化反応に付すことにより、下記一般式(8):
JPEG
2024173744000009.jpg
19
170
(式中、X
3
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロ-4,6-ジメチルオクタデカン化合物(8)を得る工程と、
上記1-ハロ-4,6-ジメチルオクタデカン化合物(8)を下記一般式(9):
JPEG
2024173744000010.jpg
18
170
(式中、M
2
はLi、MgZ
2
、CuZ
2
又はCuLiZ
2
を表し、ここで、Z
2
はハロゲン原子又は4,6-ジメチルオクタデシル基を表す。)
で表される4,6-ジメチルオクタデシル求核試薬に変換し、そして、該4,6-ジメチルオクタデシル求核試薬(9)を下記一般式(10):
X
4
(CH
2
)
8
CH
3
(10)
(式中、X
4
はハロゲン原子を表す。)
で表される1-ハロノナン化合物とのカップリング反応に付すことにより、下記一般式(11):
JPEG
2024173744000011.jpg
20
170
で表される13,15-ジメチルヘプタコサンを得る工程と
を少なくとも含む、13,15-ジメチルヘプタコサン(11)の製造方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)
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