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公開番号
2024171620
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023088728
出願日
2023-05-30
発明の名称
磁気光学素子用透明セラミックスおよび磁気光学デバイス
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
35/44 20060101AFI20241205BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】イオン半径の大きい希土類元素を含有する複合酸化物としても、従来と比較して熱伝導率が高く、ハイパワーまで適用できる透明性を有する磁気光学素子用透明セラミックスおよび磁気光学デバイスを提供する。
【解決手段】磁気光学素子用透明セラミックスは、式(1)で表される複合酸化物の焼結体を含み、
(Tb
1-x-y
R1
x
R2
y
)
3
Al
5
O
12
式(1)
(R1はY又はLu、R2はGd又はLa、0<x≦0.4、0<y≦0.4、0.05≦x+y≦0.45)
複合酸化物における希土類元素の平均イオン半径が式(2)を満たす。
平均イオン半径=(1-x-y)D
Tb
+xD
R1
+yD
R2
<104.2式(2)
(D
Tb
はTb
3+
、D
R1
はR1
3+
、D
R2
はR2
3+
の8配位サイトでのイオン半径)
磁気光学デバイスは、上記透明セラミックスをファラデー回転子110として備える光アイソレータである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表される複合酸化物の焼結体を含む磁気光学素子用透明セラミックスであって、
(Tb
1-x-y
R1
x
R2
y
)
3
Al
5
O
12
・・・式(1)
(式中、R1はYおよびLuからなる群から選択される元素、R2はGdおよびLaからなる群から選択される元素であり、0<x≦0.4、0<y≦0.4、0.05≦x+y≦0.45である。)
前記複合酸化物における希土類元素の平均イオン半径が、下記式(2)を満たす磁気光学素子用透明セラミックス。
平均イオン半径=(1-x-y)D
Tb
+xD
R1
+yD
R2
<104.2・・・式(2)
(式中、D
Tb
はTb
3+
の8配位サイトでのイオン半径、D
R1
はR1
3+
の8配位サイトでのイオン半径、D
R2
はR2
3+
の8配位サイトでのイオン半径である。)
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
焼結助剤としてScを3質量%以下で更に含む請求項1に記載の磁気光学素子用透明セラミックス。
【請求項3】
焼結助剤としてSiを100質量ppm以上、1000質量ppm以下で更に含む請求項1又は2に記載の磁気光学素子用透明セラミックス。
【請求項4】
上記R1がLu、上記R2がGdである請求項1又は2に記載の磁気光学素子用透明セラミックス。
【請求項5】
熱伝導率が4.5W/m・K以上である請求項1又は2に記載の磁気光学素子用透明セラミックス。
【請求項6】
1060nmにおける直線透過率が78%以上である請求項1又は2に記載の磁気光学素子用透明セラミックス。
【請求項7】
ベルデ定数が30Rad/T・m以上である請求項1又は2に記載の磁気光学素子用透明セラミックス。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の磁気光学素子用透明セラミックスを用いて構成される磁気光学デバイス。
【請求項9】
上記磁気光学素子用透明セラミックスをファラデー回転子として備え、上記ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上、1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである請求項8記載の磁気光学デバイス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気光学素子用透明セラミックスおよび磁気光学デバイスに関し、より詳細には、光アイソレータなどの磁気光学デバイスを構成するのに好適な磁気光学素子用透明セラミックスおよびそれを用いた磁気光学デバイスに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、高出力化が可能となってきたこともあり、ファイバーレーザーを用いたレーザー加工機の普及が目覚しい。ところで、レーザー加工機に組み込まれるレーザー光源は、外部からの光が入射すると共振状態が不安定化し、発振状態が乱れる現象が起こる。特に発振された光が途中の光学系で反射されて光源に戻ってくると、発振状態は大きく撹乱される。これを防止するために、通常、光アイソレータが光源の手前等に設けられる。
【0003】
光アイソレータは、ファラデー回転子と、ファラデー回転子の光入射側に配置された偏光子と、ファラデー回転子の光出射側に配置された検光子とからなる磁気光学デバイスである。また、ファラデー回転子は、光の進行方向に平行に磁界を加えて利用する磁気光学素子である。このとき、光の偏波線分はファラデー回転子中を前進しても後進しても一定方向にしか回転しなくなる。更に、ファラデー回転子は光の偏波線分が丁度45度回転される長さに調整される。ここで、偏光子と検光子の偏波面を前進する光の回転方向に45度ずらしておくと、前進する光の偏波は偏光子位置と検光子位置で一致するため透過する。他方、後進する光の偏波は検光子位置から45度ずれている偏光子の偏波面のずれ角方向とは逆回転に45度回転することになる。すると、偏光子位置における戻り光の偏波面は偏光子の偏波面に対して45度-(-45度)=90度のずれとなり、偏光子を透過できない。こうして前進する光は透過、出射させ、後進する戻り光は遮断する光アイソレータとして機能する。
【0004】
上記光アイソレータを構成するファラデー回転子として用いられる材料として、従来からTGG(Tb
3
Ga
5
O
12
)結晶またはセラミックス、TAG(Tb
3
Al
5
O
12
)セラミックスが知られている(特許文献1、特許文献2)。また、本願発明者らはこれまで、TAGのAサイトの一部をYやLuで置換した(Y
x
Tb
1-x
)
3
Al
5
O
12
(以下、「Y-TAG」という)または(Lu
x
Tb
1-x
)
3
Al
5
O
12
(以下、「Lu-TAG」という)を開発してきた(特許文献3、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-213552号公報
特許第6438588号公報
特許第6879264号公報
特許第6881390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
TGG結晶は、現在標準的なファイバーレーザー装置用として広く搭載されているが、高い吸収係数を有するために、使用できるレーザー出力は80Wが限界と言われている。一方、TAG結晶は、TGG結晶よりも高い回転角性能を有し、TGG結晶よりも高い出力のレーザーに対応可能であるが、吸収係数はTGG結晶と同程度であり、高出力化には限界がある。Y-TAGセラミックスは、吸収係数はTAGセラミックスよりも低くなり、より高出力化が可能であるが、熱伝導率が低くなるため、200W以上のハイパワーレーザーには搭載できない。KTF単結晶は、吸収係数が非常に小さいため、ハイパワー用途としては筆頭であるが、レーザー損傷閾値が低いために、短パルスのレーザーでは損傷を起こす可能性がある。
【0007】
また、Y-TAGやLu-TAGは、これらの特徴として、(1)Tbの濃度が薄いためにTAGやTGGより吸収係数が小さい、(2)ベルデ定数は従来材料のTGGと同等程度、(3)熱伝導率は従来材料のTGG以上、であり、従来材料よりもハイパワー用ファラデー回転子として使用可能である。これまで、TAG系ファラデー回転子に置換する希土類元素は、Yまたは原子番号66から71に限定されていた。Yまたは原子番号66から71の希土類元素は、8配位、3価のイオン半径が104pm以下であり、アルミニウムガーネットが安定に生成するためである。原子番号57から64の希土類元素は、8配位、3価のイオン半径が104pmより大きく、TAGのAサイトに置換するとアルミニウムガーネットが生成しない、ということが一般的であった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、イオン半径の大きい希土類元素を含有する複合酸化物としても、従来のファラデー回転子と比較して、熱伝導率が高い一方、吸収係数も最良のグループであり、100W以上のレーザー光を照射しても熱レンズによるビーム径の変化率が10%以下であるため、ハイパワーまで適用できる実用的な透明性を有し、セラミックス焼結体のためスケールアップも容易な、磁気光学素子用透明セラミックスおよびそれを用いた磁気光学デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、その一態様として、磁気光学素子用透明セラミックスであって、下記式(1)で表される複合酸化物の焼結体を含み、
(Tb
1-x-y
R1
x
R2
y
)
3
Al
5
O
12
・・・式(1)
(式中、R1はYおよびLuからなる群から選択される元素、R2はGdおよびLaからなる群から選択される元素であり、0<x≦0.4、0<y≦0.4、0.05≦x+y≦0.45である。)
前記複合酸化物における希土類元素の平均イオン半径が、下記式(2)を満たす。
平均イオン半径=(1-x-y)D
Tb
+xD
R1
+yD
R2
<104.2・・・式(2)
(式中、D
Tb
はTb
3+
の8配位サイトでのイオン半径、D
R1
はR1
3+
の8配位サイトでのイオン半径、D
R2
はR2
3+
の8配位サイトでのイオン半径である。)
【0010】
本発明の磁気光学素子用透明セラミックスは、焼結助剤としてScを3質量%以下で更に含んでもよい。また、本発明の磁気光学素子用透明セラミックスは、焼結助剤としてSiを100質量ppm以上、1000質量ppm以下で更に含んでもよい。上記R1はLuであり、上記R2はGdであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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