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公開番号2024171234
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023088199
出願日2023-05-29
発明の名称非水電解質二次電池用負極活物質及びその製造方法並びに水系負極スラリー組成物
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/48 20100101AFI20241204BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】水系負極スラリーを安定化することができ、初期充放電特性を向上させることが可能な負極活物質を提供することを目的とする。
【解決手段】Li化合物が含まれるケイ素化合物(SiOx:0.5≦x≦1.6)からなるケイ素化合物粒子を含み、XAFS分析で表面にSi0~+4成分を含み、構成材料として炭素材及びイオン性物質を含み、少なくともその一部を前記炭素材で被覆され、前記ケイ素化合物粒子及び前記炭素材の少なくともその一部が前記イオン性物質で被覆されている構造を有するか、又は、少なくともその一部を前記イオン性物質で被覆され、前記ケイ素化合物粒子及び前記イオン性物質の少なくともその一部が前記炭素材で被覆されている構造を有し、前記炭素材が特定範囲の被覆量で、前記イオン性物質のカチオン及びアニオンが特定の元素を含むイオンからなる非水電解質二次電池用負極活物質。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
負極活物質粒子を有し、該負極活物質粒子はLi化合物が含まれるケイ素化合物(SiO

:0.5≦x≦1.6)からなるケイ素化合物粒子を含有するものである非水電解質二次電池用負極活物質であって、
XAFSによる分析で表面にSi
0~+4
成分を含んでおり、
前記負極活物質粒子は、構成材料として炭素材及びイオン性物質を含み、
前記負極活物質粒子は、
少なくともその一部を前記炭素材で被覆されており、前記ケイ素化合物粒子及び前記炭素材の少なくともその一部が前記イオン性物質で被覆されている構造を有するものであるか、又は、
少なくともその一部を前記イオン性物質で被覆されており、前記ケイ素化合物粒子及び前記イオン性物質の少なくともその一部が前記炭素材で被覆されている構造を有するものであり、
前記炭素材の被覆量が、前記ケイ素化合物粒子と前記炭素材の被覆層の合計に対し0.3質量%以上、10質量%以下であり、
前記イオン性物質のカチオンが周期表1族元素、2族元素、4族元素及び13族元素から選ばれる少なくとも1つの元素を含むイオンからなり、
前記イオン性物質のアニオンが周期表4族元素、5族元素、13族元素、14族元素及び15族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物のイオン、又は周期表17族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含むハロゲン化物のイオンからなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記イオン性物質の被覆量が前記ケイ素化合物粒子と炭素被覆層の合計に対し0.5質量%以上、10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項3】
前記負極活物質のラマン分光分析によるDバンドとGバンドの強度比Id/Igが0.5≦Id/Ig≦2.0であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項4】
前記負極活物質のラマン分光分析によるSiピーク強度とGバンドの強度比ISi/Igが、0≦ISi/Ig≦2.0であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項5】
前記負極活物質粒子は、比表面積が、0.3m

/g以上5.0m

/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項6】
前記負極活物質のX線回折により得られるLi

SiO

ピークに起因する2θ=18.7°付近のピークからシェラー式により算出される結晶子サイズが3nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項7】
前記負極活物質のX線回折により得られるSi(220)結晶面に起因する結晶子サイズが0.5nm以上5nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項8】
前記ケイ素化合物粒子のメディアン径が0.5μm以上20μm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項9】
前記カチオンを構成する周期表1族元素が、Li、Na若しくはKであるか、前記カチオンを構成する周期表2族元素が、Mg若しくはCaであるか、前記カチオンを構成する周期表4族元素が、Zrであるか、又は、前記カチオンを構成する周期表13族元素が、Alであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
【請求項10】
前記アニオンを構成する酸化物の周期表4族元素が、Tiであるか、前記アニオンを構成する酸化物の周期表5族元素が、Nbであるか、前記アニオンを構成する酸化物の周期表13族元素が、B若しくはAlであるか、前記アニオンを構成する酸化物の周期表14族元素が、C若しくはSiであるか、前記アニオンを構成する酸化物の周期表15族元素が、Pであるか、又は、前記アニオンを構成するハロゲン化物の周期表17族元素が、Fであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解質二次電池用の負極活物質及びその製造方法並びに水系負極スラリー組成物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、モバイル端末などに代表される小型の電子機器が広く普及しており、さらなる小型化、軽量化、及び、長寿命化が強く求められている。このような市場要求に対し、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、小型の電子機器に限らず、自動車などに代表される大型の電子機器、家屋などに代表される電力貯蔵システムへの適用も検討されている。
【0003】
その中でも、リチウムイオン二次電池は小型かつ高容量化が行いやすく、また、鉛電池、ニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
【0004】
上記のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、及び、セパレータと共に電解液を備えており、負極は充放電反応に関わる負極活物質を含んでいる。
【0005】
この負極活物質としては、炭素系活物質が広く使用されている一方で、最近の市場要求から電池容量のさらなる向上が求められている。電池容量向上のために、負極活物質材としてケイ素を用いることが検討されている。なぜならば、ケイ素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも10倍以上大きいため、電池容量の大幅な向上を期待できるからである。負極活物質材としてのケイ素材の開発はケイ素単体だけではなく、合金、酸化物に代表される化合物などについても検討されている。また、活物質形状は、炭素系活物質では標準的な塗布型から、集電体に直接堆積する一体型まで検討されている。
【0006】
しかしながら、負極活物質としてケイ素を主原料として用いると、充放電時に負極活物質が膨張及び収縮するため、主に負極活物質表層近傍で割れやすくなる。また、活物質内部にイオン性物質が生成し、負極活物質が割れやすい物質となる。負極活物質表層が割れると、それによって新表面が生じ、活物質の反応面積が増加する。この時、新表面において電解液の分解反応が生じるとともに、新表面に電解液の分解物である被膜が形成されるため電解液が消費される。このためサイクル特性が低下しやすくなる。
【0007】
これまでに、電池初期効率やサイクル特性を向上させるために、ケイ素材を主材としたリチウムイオン二次電池用負極活物質材料、電極構成についてさまざまな検討がなされている。
【0008】
具体的には、良好なサイクル特性や高い安全性を得る目的で、気相法を用いケイ素及びアモルファス二酸化ケイ素を同時に堆積させている(例えば特許文献1参照)。また、高い電池容量や安全性を得るために、ケイ素酸化物粒子の表層に炭素材(電子伝導材)を設けている(例えば特許文献2参照)。さらに、サイクル特性を改善するとともに高入出力特性を得るために、ケイ素及び酸素を含有する活物質を作製し、かつ、集電体近傍での酸素比率が高い活物質層を形成している(例えば特許文献3参照)。また、サイクル特性を向上させるために、ケイ素活物質中に酸素を含有させ、平均酸素含有量が40at%以下であり、かつ集電体に近い場所で酸素含有量が多くなるように形成している(例えば特許文献4参照)。
【0009】
また、初回充放電効率を改善するためにSi相、SiO

、M

O金属酸化物を含有するナノ複合体を用いている(例えば特許文献5参照)。また、サイクル特性改善のため、SiO

(0.8≦x≦1.5、粒径範囲=1μm~50μm)と炭素材を混合して高温焼成している(例えば特許文献6参照)。また、サイクル特性改善のために、負極活物質中におけるケイ素に対する酸素のモル比を0.1~1.2とし、活物質、集電体界面近傍におけるモル比の最大値、最小値との差が0.4以下となる範囲で活物質の制御を行っている(例えば特許文献7参照)。また、電池負荷特性を向上させるため、リチウムを含有した金属酸化物を用いている(例えば特許文献8参照)。また、サイクル特性を改善させるために、ケイ素材表層にシラン化合物などの疎水層を形成している(例えば特許文献9参照)。
【0010】
また、サイクル特性改善のため、酸化ケイ素を用い、その表層に黒鉛被膜を形成することで導電性を付与している(例えば特許文献10参照)。特許文献10において、黒鉛被膜に関するRAMANスペクトルから得られるシフト値に関して、1330cm
-1
及び1580cm
-1
にブロードなピークが現れるとともに、それらの強度比I
1330
/I
1580
が1.5<I
1330
/I
1580
<3となっている。また、高い電池容量、サイクル特性の改善のため、二酸化ケイ素中に分散されたケイ素微結晶相を有する粒子を用いている(例えば、特許文献11参照)。また、過充電、過放電特性を向上させるために、ケイ素と酸素の原子数比を1:y(0<y<2)に制御したケイ素酸化物を用いている(例えば特許文献12参照)。
(【0011】以降は省略されています)

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