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公開番号
2024170294
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-06
出願番号
2024076226
出願日
2024-05-09
発明の名称
マスクブランクス用基板及びその製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
G03F
1/60 20120101AFI20241129BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【解決手段】152mm×152mm角の第一及び第二主表面の2つの主表面を有し、厚さが6.35mmであり、第一及び第二主表面のマップを足し合わせた疑似TTVマップにおいて、基板の主表面の対角線の交点を中心とする主表面の四辺に平行な132mm×104mmの、互いに直交する第一及び第二長方形領域を重ね合わせたときに形成される十字型領域内の、疑似TTVマップのフィッティングにおいて、平面関数を導いた際の一次成分を除いたTTV1マップの最高高さと最低高さの差(TTV1)が35nm以下であり、曲面関数を導いた際の一次成分及び二次成分を除いたTTV2マップの最高高さと最低高さの差(TTV2)が25nm以下であるマスクブランクス用基板。
【効果】露光用マスクを用いた露光、特に、高NAのEUVLによる露光において、露光用マスクを露光装置に静電吸着したときに高平坦な形状となる露光用マスクを与えることができる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
152mm×152mm角の第一主表面及び第二主表面の2つの主表面を有し、厚さが6.35mmであるマスクブランクス用基板であって、
前記第一主表面及び第二主表面の各々の最小二乗平面上の各々の位置を基準とした、第一主表面の高さマップと第二主表面の高さマップとを足し合わせた疑似TTVマップにおいて、
前記基板の主表面の対角線の交点を中心とする前記基板の主表面の四辺に平行な132mm×104mmの第一長方形領域と、該第一長方形領域と直交し、前記基板の主表面の対角線の交点を中心とする前記基板の主表面の四辺に平行な104mm×132mmの第二長方形領域とを重ね合わせたときに形成される十字型領域内の、
前記疑似TTVマップのフィッティングにおいて一次の多項式で近似される平面関数を導いた際の一次成分を除いたTTV1マップの最高高さと最低高さの差(TTV1)が35nm以下であり、かつ前記疑似TTVマップのフィッティングにおいて二次までの多項式で近似される曲面関数を導いた際の一次成分及び二次成分を除いたTTV2マップの最高高さと最低高さの差(TTV2)が25nm以下である
ことを特徴とするマスクブランクス用基板。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記第一主表面の前記十字型領域内の平坦度が35nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランクス用基板。
【請求項3】
152mm×152mm角の第一主表面及び第二主表面の2つの主表面を有し、厚さが6.35mmであるマスクブランクス用基板を製造する方法であって、
前記第一主表面及び前記第二主表面の少なくとも一方の主表面に対する局所加工工程と、該局所加工工程に続く仕上げ研磨工程とを含み、
前記局所加工工程が、
(A)前記第一主表面及び第二主表面の少なくとも一方の主表面を局所加工する工程と、
(B)(A)工程後の前記局所加工した主表面の形状を、前記仕上げ研磨工程前の主表面の形状として測定する工程と、
(C)(B)工程で得られた仕上げ研磨工程前の主表面の形状に対して、予め把握した仕上げ研磨工程での表面形状の変化を適用して、前記局所加工した主表面の前記仕上げ研磨工程後の形状を予測する工程と、
(D)(C)工程で予測された前記仕上げ研磨工程後の形状が、所定のTTVを与える形状か否かを評価する工程と
を含むことを特徴とするマスクブランクス用基板の製造方法。
【請求項4】
前記(D)工程における前記所定のTTVを与える形状が、
(1)前記基板を、前記第一主表面及び第二主表面を略鉛直方向に沿って配置して、前記第一主表面及び第二主表面の中央部の、前記第一主表面及び第二主表面の四辺に沿った132mm×132mmの正方形の四辺を通り水平方向に延びる正四角筒状の算出領域を設定し、
(2)前記第一主表面に正対している状態で、前記第一主表面から前記算出領域内の部分を切り出して、第一領域面とし、
(3)前記算出領域の正四角筒の中心軸上の任意の1点である基準点を通り、前記中心軸に直交する鉛直面を基準平面として設定し、前記基準点を通り、前記算出領域の正四角筒と前記鉛直面との交線である正四角形の四辺のいずれか1辺に平行な回転軸を設定して、前記第一主表面に正対している状態から、前記回転軸に沿って、前記基板を180度回転させて、前記第二主表面に正対している状態で、前記第二主表面から前記算出領域内の部分を切り出して、第二領域面とし、
(4)前記第一領域面及び第二領域面の各々において最小二乗平面を算出し、
(5)前記第一領域面及び第二領域面を、前記第一領域面及び第二領域面の各々の最小二乗平面上の各々の位置を基準とした第一領域面の高さマップ及び第二領域面の高さマップに変換し、
(6)前記第二領域面の高さマップを、前記回転軸を通り、前記回転の90度方向に沿った垂直面を基準として対称移動させて第二領域面の反転高さマップとし、
(7)前記基準平面上の各々の位置(X座標、Y座標)において、前記第一領域面の高さマップの高さと、前記第二領域面の反転高さマップの高さとを足し合わせて予想疑似TTVマップを作成し、
(8)前記予想疑似TTVマップにおいて、前記基板の主表面の対角線の交点を中心とする前記基板の主表面の四辺に平行な132mm×104mmの第一長方形領域と、該第一長方形領域と直交し、前記基板の主表面の対角線の交点を中心とする前記基板の主表面の四辺に平行な104mm×132mmの第二長方形領域とを重ね合わせたときに形成される十字型領域内の予想疑似TTVマップにおいて、
前記予想疑似TTVマップのフィッティングにおいて一次の多項式で近似される平面関数を導いた際の一次成分を除いたTTV1’マップの最高高さと最低高さの差(TTV1’)が35nm以下であり、かつ前記予想疑似TTVマップのフィッティングにおいて二次までの多項式で近似される曲面関数を導いた際の一次成分及び二次成分を除いたTTV2’マップの最高高さと最低高さの差(TTV2’)が25nm以下である形状
であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィに用いるマスクブランクス用基板及びその製造方法に関し、特に、露光光にEUV(Extreme Ultra Violet)光が用いられるフォトリソグラフィの転写用マスクを製造するために用いられるマスクブランクスに好適なマスクブランクス用基板及びその製造方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
近年、AIやIoTに関心が集まることで、膨大なデータの演算処理が必要となっており、それに伴い、演算処理の高速化や省電力化が求められている。この要求に応えるためには、ICチップの性能向上が必要であり、一般に、電気配線の微細化が、有効な手段として採用されている。配線の微細化には、主に、高NA化や露光光の短波長化などが採用されているが、近年は、極端紫外(EUV)光を用いたEUVリソグラフィー(EUVL)が実用化されつつある。
【0003】
EUVLにおいて、露光用マスクは重要な要素の一つであり、露光用マスクの原板(マスクブランクス)用のガラス基板の平坦度を向上させることは、正確な露光を実現するために極めて重要である。通常のガラス基板の製造方法としては、両面同時研磨が主流であるが、両面同時研磨だけでは、EUVLに使用できるほど良好な平坦度は得られない。高い平坦度を実現するためには、片面ずつの研磨により表面形状に合わせた平坦度の修正が必要であり、これには局所エッチングや局所研磨などの局所加工技術が利用されている。これらは、基板主表面上の相対的に凸な領域を除去することで、基板全体を平坦に近づける手法である。また、露光装置の波面補正機能を用いることで、露光用マスクの表面形状を光学的に補正し、光学的に高平坦な露光用マスクとして使用できる。
【0004】
近年の微細化の流れによって、EUVLにも高NAが求められるようになり、平坦度の要求値が加速度的に厳しくなってきた。平坦度の要求は、もはや研磨技術の追求だけでは不可能な域にまで達しており、単なる平坦度を指標とするよりは、むしろ露光に使用できるような形状のガラス基板を選択的に製造することが求められるようになってきた。
【0005】
そのような性能に深く関連する指標として、ガラス基板のTTVが挙げられる。TTVは、単一成分系のガラス基板の性能評価に用いられてきた。板厚分布(TTVマップ)を測定するには、透過光学系が適しており、単一成分系ガラスのTTVマップの測定は容易であった。しかし、EUVLに用いられるような複数成分系のガラス基板には、ガラス成分濃度の揺らぎに起因する屈折率分布が生じ、TTVマップの光学的な精密測定は困難であった。そのため、第一主表面と第二主表面の表面形状をそれぞれ足し合わせることで得られる疑似的なTTVマップ(以下、疑似TTVマップ)を用いる必要があった。
【0006】
例えば、国際公開第2016/098452号(特許文献1)には、表裏両主表面に対して従来の両面研磨と局所加工を施した基板を用いて作製された反射型マスクを、露光装置にチャックして露光転写を行ったときに高い転写精度を得るためには、静電チャックされているときの基板の表側主表面の形状を、露光装置の波面補正機能で補正可能なゼルニケ多項式で定義可能な形状(仮想表面形状)に近くすれば、基板が表側主表面の形状の変化に影響を与えるような板厚ばらつきを有していても、露光装置の波面補正機能で補正がしやすい傾向の板厚ばらつきとすることができ、そのような基板を有する転写用マスクが、転写パターンを転写対象物に対して高精度で露光転写することができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2016/098452号
特開2010-194705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
国際公開第2016/098452号(特許文献1)記載の方法は、露光装置への吸着時の表側主表面と裏側主表面の合成平面を算出する過程、この合成平面をゼルニケ多項式でフィッティングする過程、及び合成平面からフィッティング形状を差し引いて光学補正後の表面形状を予想する過程で構成されている。しかし、この方法では、直径104mmの円形領域内の平坦度を規定しており、実際に露光に用いられる領域(132mm×104mm角)に対して不十分である。更に、ルジャンドル多項式の第4項目から第6項目までの比較的高次の項を除外してしまうことで、最外周の急峻な形状が強く補正される傾向がある。その場合、本来は露光上悪影響のあるような形状に対しても補正がかかってしまうことで、あたかも良好なTTVであるかのように評価されることになる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、露光用マスクを用いた露光、特にEUVLによる露光において、次世代の高NAのEUV露光に対して極めて有利な転写精度を実現可能な露光用マスクを与えるマスクブランクス用基板、及びそのようなマスクブランクス用基板を生産性良く製造できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、152mm×152mm角の第一主表面及び第二主表面の2つの主表面を有し、厚さが6.35mmであるマスクブランクス用基板において、第一主表面及び第二主表面の各々の高さマップを足し合わせて疑似TTVマップを作成し、この疑似TTVマップにおいて、主表面の対角線の交点を中心とする主表面の四辺に平行な132mm×104mmの第一長方形領域と、これと直交し、主表面の対角線の交点を中心とする主表面の四辺に平行な104mm×132mmの第二長方形領域とを重ね合わせたときに形成される十字型領域を設定したとき、十字型領域内において、疑似TTVマップのフィッティングにおいて一次の多項式で近似される平面関数を導いた際の一次成分を除いたTTV1マップの最高高さと最低高さの差(TTV1)が35nm以下であり、かつ疑似TTVマップのフィッティングにおいて二次までの多項式で近似される曲面関数を導いた際の一次成分及び二次成分を除いたTTV2マップの最高高さと最低高さの差(TTV2)が25nm以下であるマスクブランクス用基板が、露光機の静電吸着時に十分に高平坦となり、良好な転写性能を有する露光用マスクを提供できることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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