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公開番号2025094808
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-25
出願番号2023210575
出願日2023-12-13
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20250618BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】優れた低温定着性及び耐久性を有し、大幅な温湿度変化が繰り返し生じる環境下における保管後のグロス変動を抑制可能なトナー。
【解決手段】結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、該結着樹脂が、結晶性ビニル樹脂及び非晶性ビニル樹脂を含有し、該結晶性ビニル樹脂が、炭素数16~30のアルキル基を少なくとも2つ有する特定のモノマーユニット(a)を該結晶性ビニル樹脂の質量を基準として5.0質量%以上含有し、該非晶性ビニル樹脂が、テトラヒドロフラン不溶分を含有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、結晶性ビニル樹脂及び非晶性ビニル樹脂を含有し、
該結晶性ビニル樹脂が、下記式(1)で表されるモノマーユニット(a)を該結晶性ビニル樹脂の質量を基準として5.0質量%以上含有し、
TIFF
2025094808000011.tif
28
153
式(1)において、R

~R

のうち、少なくとも2つは、それぞれ独立して、-X-COOR

であり、残りはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、Xは単結合、又は炭素数1若しくは2のアルキレン基であり、R

は炭素数16~30のアルキル基であり、
該非晶性ビニル樹脂が、テトラヒドロフラン不溶分を含有する、ことを特徴とするトナー。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記結着樹脂が、前記結着樹脂の質量を基準として前記結晶性ビニル樹脂を20~80質量%含有する、請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記結晶性ビニル樹脂が、前記モノマーユニット(a)を前記結晶性ビニル樹脂の質量を基準として30.0質量%以上含有する、請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
前記結晶性ビニル樹脂において、前記モノマーユニット(a)も含めた炭素数16~30のアルキル基を有するモノマーユニットのうち、前記モノマーユニット(a)の含有割合が、50.0~100.0質量%である、請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項5】
前記結晶性ビニル樹脂の酸価が、3.0mgKOH/g以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項6】
前記結晶性ビニル樹脂が、前記モノマーユニット(a)に加え、前記モノマーユニット(a)とは異なるモノマーユニット(b)を含有し、
前記モノマーユニット(a)のSP値をSPa(J/cm


0.5
とし、該モノマーユニット(b)のSP値をSPb(J/cm


0.5
としたとき、
該SPa及び該SPbが、下記式(2)を満たす、請求項1又は2に記載のトナー。
3.0≦(SPb-SPa)≦21.0 ・・・式(2)
【請求項7】
前記結着樹脂が、前記結着樹脂の質量を基準として前記テトラヒドロフラン不溶分を2.0~50.0質量%含有する、請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項8】
前記結晶性ビニル樹脂が、前記結晶性ビニル樹脂の質量を基準として前記テトラヒドロフラン不溶分を5.0~100.0質量%含有する、請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項9】
前記非晶性ビニル樹脂が、重合性単量体及び架橋剤を含有する組成物の重合体であって、
該架橋剤が、2個以上の重合可能な二重結合を有する、請求項1又は2に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法、静電記録法に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真法などトナーを用いて画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されており、高画質化や省エネルギー化を始めとする性能の向上が求められている。電子写真法では、まず、帯電、露光工程により電子写真感光体(像保持体)上に静電潜像を形成する。次いで、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写工程、定着工程を経て可視化された像(定着画像)を得る。
【0003】
その中でも定着工程はエネルギーを比較的多く要する工程であり、省エネルギー化と高画質化を両立するシステムや材料の開発が重要な技術課題となっている。材料面からのアプローチとして、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を使用する技術が検討されている。結晶性樹脂は、分子鎖が規則的に配列することにより、融点よりも低温においてはほとんど軟化しないため、耐熱保存性に優れる。一方、融点を越えると結晶が急激に融解し、それに伴った急激な粘度の低下が起こる。このため、結晶性樹脂はシャープメルト性に優れ、低温定着性を示す材料として注目されている。
【0004】
結晶性樹脂には、結晶性ポリエステルに代表される、主鎖が結晶化する主鎖結晶性樹脂と、長鎖アルキルアクリレート重合体に代表される、側鎖が結晶化する側鎖結晶性樹脂が知られている。中でも、側鎖結晶性樹脂は結晶化度を高めやすいために、優れた低温定着性を示すことが知られており、広く検討されている。側鎖結晶性樹脂としては、結晶性ビニル樹脂が挙げられる。結晶性ビニル樹脂は長鎖アルキル基を側鎖として有し、側鎖の長鎖アルキル基同士が配向することで、結晶性を示す。
特許文献1には、結晶性ビニル樹脂を使用したトナーとして、長鎖アルキル基を有する重合性単量体と、SP値の異なる非晶性の重合性単量体とを共重合した結晶性ビニル樹脂を使用したトナーが開示されている。
一方、長鎖アルキル基を分子内の側鎖に有する結晶性ビニル樹脂を使用したトナーは、室温付近の弾性率が低いため、耐久性に劣ることが課題となっており、耐久性を改善したトナーが提案されている。
【0005】
特許文献2には、長鎖アルキル基を有する重合性単量体と、SP値の異なる第二の重合性単量体と、重合性架橋剤を含有する組成物との共重合体を結着樹脂として用いたトナーが開示されている。また、特許文献3には、長鎖アルキル基を分子内の側鎖に有する結晶性ビニル樹脂と、重合性架橋剤を添加した非晶性ビニル樹脂とを溶融混錬し、混錬物を結着樹脂として用いたトナーが開示されている。また、特許文献4には、長鎖アルキル基を有する結晶性ビニル樹脂部位と、結晶性を有するビニル樹脂とポリエステル樹脂とが炭素―炭素結合により相互に架橋された非晶性樹脂部位と、を有する樹脂を結着樹脂として用いたトナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-173414号公報
特開2019-219646号公報
特開2019-219643号公報
特開2021-036316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年のトナーにおいては、低温定着性や耐久性に加えて、過酷な温湿度変化に対する保存安定性に対する要求も高まっている。トナーボトルやカートリッジを海上輸送する場合、ドライコンテナのような温湿度管理がなされない状況下においては、高温環境や低温環境に繰り返し曝されることがある。例えば、赤道直下を通る航路では、夜間は22℃前後まで温度低下する一方で、日中は60℃近くまで上昇するというサイクルを毎日繰り返すというような環境に曝される。近年の地球温暖化に伴い、曝される環境は今後一層過酷になっていくことが予想される。
これに対して本発明者らが検討した結果、先行技術文献に記載の結晶性樹脂を含有するトナーは、過酷な輸送環境を想定した環境下において、保管前後の定着画像のグロスが変化する場合があることがわかってきた。
特許文献2~4に記載のトナーは、結晶性樹脂が長鎖アルキル基を側鎖として有する(メタ)アクリレート構造を含有し、かつ化学的架橋構造を同一主鎖骨格又は第二の樹脂骨格中に有することを特徴とする。長鎖アルキル基を側鎖として有する構造が(メタ)アクリレート構造である場合、周囲の長鎖アルキル基との距離が離れているため、温湿度変動の影響で、分子鎖の運動が起きやすいと考えられる。これにより、過酷な輸送環境下で保管を行うと、結晶性樹脂が同一主鎖骨格又は第二の樹脂骨格中の架橋部に取り込まれやすくなると考えられる。これらの点から、本発明者らは、大幅な温湿度変化が生じる環境下での保管前後で定着画像のグロスが変化する理由として、結晶性樹脂の一部が架橋部に取り込まれることでトナーの溶融性が変化するためであると考えている。
以上から、優れた低温定着性と耐久性を有し、かつ大幅な温湿度変化が生じる環境におけるグロス変動を抑制したトナーの実現には更なる改善が求められている。
本開示は、優れた低温定着性及び耐久性を有し、大幅な温湿度変化が生じる環境下における保管後のグロス変動を抑制可能なトナーに向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は以下の構成によって達成される。
本開示は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、結晶性ビニル樹脂及び非晶性ビニル樹脂を含有し、
該結晶性ビニル樹脂が、下記式(1)で表されるモノマーユニット(a)を該結晶性ビニル樹脂の質量を基準として5.0質量%以上含有し、
TIFF
2025094808000002.tif
28
153
式(1)において、R

~R

のうち、少なくとも2つは、それぞれ独立して、-X-COOR

であり、残りはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、Xは単結合、又は炭素数1若しくは2のアルキレン基であり、R

は炭素数16~30のアルキル基であり、
該非晶性ビニル樹脂が、テトラヒドロフラン不溶分を含有する、ことを特徴とするトナーに関する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、優れた低温定着性及び耐久性を有し、大幅な温湿度変化が繰り返し生じる環境下における保管後のグロス変動を抑制可能なトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
貨物船輸送を想定したヒートサイクル試験の温湿度変化の図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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