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公開番号
2024172885
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023090923
出願日
2023-06-01
発明の名称
熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物、硬化物及びシート
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
C08L
83/04 20060101AFI20241205BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】高い熱伝導率、低粘度で熱伝導性充填剤の分離沈降を抑えられる、熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
【解決手段】第1液が(B)を含有せず、第2液が下記(E)を含有しない、第1液と第2液からなる熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
(A)アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)40~100μmの水酸化アルミニウム粉末(C-1)、
5μm以上40μm未満の水酸化アルミニウム粉末(C-2)、及び
0.1μm以上5μm未満の熱伝導性充填剤(C-3)
を含み、(C)成分中の(C-1)と(C-2)との合計割合が40~70%であり、(C)成分中の(C-3)の割合が30~60%である熱伝導性充填剤、
(D)シランカップリング剤、
(E)ヒドロシリル化反応白金触媒
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
第1液が下記(A)、(C)、(D)及び(E)成分を含有し、(B)成分を含有せず、第2液が下記(A)、(B)、(C)及び(D)成分を含有し、(E)成分を含有しない、第1液と第2液からなる熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)平均粒子径40~100μmの水酸化アルミニウム粉末(C-1)、
平均粒子径5μm以上40μm未満の水酸化アルミニウム粉末(C-2)、及び
平均粒子径0.1μm以上5μm未満の熱伝導性充填剤(C-3)
を含み、(C)成分中の(C-1)と(C-2)との合計割合が40~70質量%であり、(C)成分中の(C-3)の割合が30~60質量%である熱伝導性充填剤:第1液と第2液を合わせた熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物全体における、(C)成分の合計が90~95質量%、
(D)シランカップリング剤及び下記一般式(1)
TIFF
2024172885000013.tif
25
91
(式中、R
1
は独立に1価炭化水素基であり、R
2
は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、aは5~100であり、bは1~3である。)
で表されるオルガノポリシロキサンから選択される1種以上、
(E)ヒドロシリル化反応白金触媒
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
(D)成分の含有量が、第1液と第2液を合わせた熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物全体における、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、10~500質量部である、請求項1記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項3】
(C-3)成分が酸化アルミニウムである、請求項1記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項4】
(C-1)成分と(C-2)成分の質量比が2:8~8:2である、請求項1に記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項5】
第1液と第2液を合わせた熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物全体において、(A)、(B)、(D)、(E)成分の合計100質量部に対して、(C-1)成分を100~700質量部、(C-2)成分を50~500質量部、(C-3)成分を150~800質量部含有する請求項1記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項6】
JIS K 6268に規定される水中置換法における密度が、3.0g/cm
3
以下であり、ISO 22007-2準拠のホットディスク法における熱伝導率が、3.0W/m・K以上である請求項1記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物の硬化物。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物の硬化物からなる熱伝導性シート。
【請求項9】
上記(C-1)、(C-2)及び(C-3)を混合する工程を有する、請求項1~6のいずれか1項記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を製造する製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物、硬化物及びシート、ならびにその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
発熱性電子部品は使用中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として、様々な放熱技術が用いられている。一般的に、発熱部の付近に冷却部材(ヒートシンク等)を配置し、両者を密接させたうえで冷却部材から効率的に除熱することにより放熱を行っている。その際、発熱部材と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導性の悪い空気が介在することにより熱伝導率が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような現象を防ぐため、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば放熱グリースや放熱シートが用いられている。
【0003】
発熱部材の一例として、オンボードバッテリーチャージャー(OBC)はバッテリー充電時の電流と電圧を自動的に調整しており、電源変換時や充電時には大量の熱エネルギーを発生する。そのため、動作温度を低温に保ち、高い性能を維持するために、熱対策として使われる放熱材料には高い放熱性能が求められる。また、OBCのように絶縁性が必要とされる環境では絶縁性フィラーを充填した放熱材料を使う必要がある。
【0004】
また、熱伝導性材料に使われる絶縁かつ高熱伝導性の熱伝導性充填剤として、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムが挙げられる。しかしながら、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムは、モース硬度が8以上と大きく、SUSやSiCから構成されるディスペンサ構成部品を摩耗する懸念がある。特に、2液付加硬化型放熱材料は、一般に計量吐出装置を使用し、定積吐出を行った後、スタティックミキサーで2液を混合して塗布されるが、計量・吐出するディスペンサ構成部品への摩耗アタック性がしばしば問題となり、使用する過程で計量吐出部品の精度が低下するという課題がある。その点、水酸化アルミニウムはモース硬度が3と小さく、ディスペンサ構成部品への摩耗アタック性の懸念は少ない。
【0005】
ただ、水酸化アルミニウムは、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムと比較して熱伝導率が低く、高い熱伝導率を有する熱伝導性組成物を得るためには、熱伝導性充填剤の量を増やす必要がある。しかしながら、単純に水酸化アルミニウムの含有量を増やしていくと、組成物の粘度が上昇して吐出が困難になる。逆に作業性を良化させるために、組成物の粘度を低減させると、ベースオイルのオルガノポリシロキサンと熱伝導性充填剤の比重差によるオイル分離が大きくなり、保管時の充填剤の沈降分離が課題となる。そこで、粒径の大きい水酸化アルミニウムを使用することで、同じ充填量で熱伝導率を高める方法が考えられるが、大粒径の水酸化アルミニウムを使用して熱伝導性充填剤を90質量%以上充填させた具体例はない。
【0006】
特許文献1には、平均粒子径が50μm以下の水酸化アルミニウム粒子を用いた熱伝導性シリコーン組成物が例示されている。シリコーン組成物の熱伝導率を上げるためには平均粒子径の大きい熱伝導性充填剤を使うことが考えられるが、平均粒子径50μmを超える水酸化アルミニウムを用いた例は例示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5940325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、高い熱伝導率を得るために組成物中の熱伝導性充填剤の割合を高めつつ、低粘度で生産性に優れ、塗布設備の低摩耗性が得られ、経時での組成物中の熱伝導性充填剤の分離沈降を抑えられる、熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物、硬化物、シート及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)平均粒子径の異なる水酸化アルミニウム粉末と、平均粒子径0.1μm以上5μm未満の熱伝導性充填剤とを、特定の量及び特定の比率で配合し、(D)シランカップリング剤及び加水分解性基を有する特定のオルガノポリシロキサンから選択される1種以上、(E)ヒドロシリル化反応白金触媒を含有し、第1液が下記(A)、(C)、(D)、(E)を含有し、(B)を含有せず、第2液が下記(A)、(B)、(C)、(D)を含有し、(E)を含有しない、第1液と第2液からなる熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物とすることで、上記課題を解決することを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0010】
従って、本発明は下記発明を提供する。
1.第1液が下記(A)、(C)、(D)及び(E)成分を含有し、(B)成分を含有せず、第2液が下記(A)、(B)、(C)及び(D)成分を含有し、(E)成分を含有しない、第1液と第2液からなる熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)平均粒子径40~100μmの水酸化アルミニウム粉末(C-1)、
平均粒子径5μm以上40μm未満の水酸化アルミニウム粉末(C-2)、及び
平均粒子径0.1μm以上5μm未満の熱伝導性充填剤(C-3)
を含み、(C)成分中の(C-1)と(C-2)との合計割合が40~70質量%であり、(C)成分中の(C-3)の割合が30~60質量%である熱伝導性充填剤:第1液と第2液を合わせた熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物全体における、(C)成分の合計が90~95質量%、
(D)シランカップリング剤及び下記一般式(1)
TIFF
2024172885000001.tif
28
103
(式中、R
1
は独立に1価炭化水素基であり、R
2
は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、aは5~100であり、bは1~3である。)
で表されるオルガノポリシロキサンから選択される1種以上、ならびに
(E)ヒドロシリル化反応白金触媒
2.(D)成分の含有量が、第1液と第2液を合わせた熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物全体における、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、10~500質量部である、1記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
3.(C-3)成分が酸化アルミニウムである、1又は2記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
4.(C-1)成分と(C-2)成分の質量比が2:8~8:2である、1~3のいずれかに記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
5.第1液と第2液を合わせた熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物全体において、(A)、(B)、(D)、(E)成分の合計100質量部に対して、(C-1)成分を100~700質量部、(C-2)成分を50~500質量部、(C-3)成分を150~800質量部含有する、1~4のいずれかに記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
6.JIS K 6268に規定される水中置換法における密度が、3.0g/cm
3
以下であり、ISO 22007-2準拠のホットディスク法における熱伝導率が、3.0W/m・K以上である1~5のいずれかに記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物。
7.1~6のいずれかに記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物の硬化物。
8.1~6のいずれかに記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を硬化物からなる熱伝導性シート。
9.上記(C-1)、(C-2)及び(C-3)を混合する工程を有する、1~6のいずれかに記載の熱伝導性2液付加硬化型シリコーン組成物を製造する製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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