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公開番号
2024169849
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-06
出願番号
2023086658
出願日
2023-05-26
発明の名称
蓄熱性シリコーン組成物及びその硬化物
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
C08L
83/07 20060101AFI20241129BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】蓄熱性を有するマイクロカプセルの外殻や凝集の破壊なく配合され、蓄熱性に優れ、周辺汚染のない蓄熱性シリコーン組成物及びその硬化物の提供。
【解決手段】
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)蓄熱性充填材として、有機樹脂の外殻を有し、蓄熱材を内包したマイクロカプセル、(D)シリコーンゴムパウダー及び/又はシリコーンレジンパウダー、(E)白金族金属系硬化触媒、(F)付加反応制御剤、及び、(G)表面処理剤を含む、蓄熱性シリコーン組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍量となる量、
(C)蓄熱性充填材として、有機樹脂の外殻を有し、蓄熱材を内包したマイクロカプセル:100~400質量部、
(D)シリコーンゴムパウダー及び/又はシリコーンレジンパウダー:10~200質量部、
(E)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族元素質量換算で0.1~2,000ppm
(F)付加反応制御剤:(A)成分100質量部に対して0.01~4.0質量部、
(G)下記(G-1)及び(G-2);
(G-1)下記式(1)
R
1
a
R
2
b
Si(OR
3
)
4-a-b
(1)
(式(1)中、R
1
は独立に炭素原子数6~18のアルキル基であり、R
2
は独立に炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基であり、R
3
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、aは1~3の数、bは0~2の数であり、但しa+bは1~3の数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物、
(G-2)下記式(2)
TIFF
2024169849000011.tif
25
132
(式(2)中、R
4
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは5~100の数である。)
で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、
から選ばれる1種以上の表面処理剤:(A)成分100質量部に対し10~200質量部、
を含む、蓄熱性シリコーン組成物。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
更に、(H)成分として、下記式(3)
TIFF
2024169849000012.tif
25
132
(式(3)中、R
5
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基、dは5~1,500の数である。)
で表される23℃における動粘度が5~100,000mm
2
/sのオルガノポリシロキサン:(A)成分100質量部に対し0.1~100質量部
を含有する、請求項1に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
【請求項3】
(C)成分の蓄熱材が、融点が0℃以上のパラフィンである、請求項1に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
【請求項4】
(C)蓄熱性充填材の外殻がメラミン樹脂である、請求項1に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
【請求項5】
(C)蓄熱性充填材が平均粒子径20~80μmの凝集粒子である、請求項1に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
【請求項6】
(C)蓄熱性充填材が平均粒子径1~10μmの一次粒子である、請求項1に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の蓄熱性シリコーン組成物の硬化物。
【請求項8】
請求項7に記載の蓄熱性シリコーン組成物の硬化物を有する電気・電子部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱性シリコーン組成物及びその硬化物に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、高集積化が一段と進んでおり、パワー半導体やメモリー等の電子部品から発生する熱の影響がこれまで以上に深刻になっている。電子部品に熱が蓄積されると、電子部品の温度が上昇し、動作不良や故障などを引き起こすおそれがある。電子部品から発生した熱をヒートシンクなどの冷却部材に効率的に逃がすために、多くの熱放散方法及びそれに使用する熱放散部材が提案されている。
【0003】
近年、電子機器の小型化のため、ヒートシンクを用いない放熱設計も検討されており、このような設計では蓄熱材が使用されるケースがある。蓄熱材は物質の状態変化を利用して蓄熱を行うことができる材料であり、この蓄熱材を発熱体と密着させることで、冷却効果が得られる。
ここで、蓄熱材をマトリクス中に分散しやすいように粒子化した蓄熱性充填材として、パラフィンなどの潜熱を有する相変化材をメラミン樹脂等のカプセルで内包したマイクロカプセルがよく知られている。このマイクロカプセルが混合された組成物を硬化させた成形体が、蓄熱成形体として利用されている。具体的には、パラフィンを内包するマイクロカプセルを用いて形成される蓄熱性アクリル系樹脂シートが開示されている(特許文献1)。また、パラフィンを内包するマイクロカプセルが所定量含有された蓄熱性アクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなる蓄熱性シートが開示されている(特許文献2)。
しかしながら、このようなアクリル系樹脂組成物は、耐熱性、耐寒性、耐候性が悪く、長期使用でポリマーが劣化する問題があった。
【0004】
また、蓄熱性充填材は、充填効率を高めるために、マイクロカプセルの一次粒子をスプレードライ等で凝集させ、大粒径化させた粒子を用いることがある。しかし、大粒径粒子だけを充填すると、組成物の滑らかさが失われ、流動性や成形性が低下してしまう問題があった。これらの問題を解決するため、オルガノポリシロキサンに熱伝導性粒子と、パラフィンなどを内包したマイクロカプセルとを配合した材料が開示されている(特許文献3)。
しかしながら、マイクロカプセルと熱伝導性粒子をオルガノポリシロキサン中に分散した場合、混合時の負荷によりマイクロカプセルの外殻が破損し、内部の蓄熱材が漏れだすことがあった。この場合、流出した蓄熱材による周辺の汚染や、所望の蓄熱効果が得られないという問題が発生する。
さらに、熱伝導性粒子の衝突負荷によりマイクロカプセルの凝集が崩れることで、マイクロカプセルが高充填化できず、結果として所望の蓄熱効果が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-29985号公報
特開2007-31610号公報
特開2014-208728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、蓄熱性を有するマイクロカプセルの外殻や凝集の破壊なく配合され、蓄熱性に優れ、周辺汚染のない蓄熱性シリコーン組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、蓄熱性充填材として蓄熱材が内包されたマイクロカプセルと、共充填材としてシリコーンゴムパウダー及び/又はシリコーンレジンパウダーとを用いることで、マイクロカプセルの外殻や凝集を破壊することなく、蓄熱性シリコーン組成物や、該組成物を硬化させた蓄熱性シリコーン硬化物(蓄熱性シリコーンシート)が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の蓄熱性シリコーン組成物及びその硬化物を提供するものである。
【0008】
[1]
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍量となる量、
(C)蓄熱性充填材として、有機樹脂の外殻を有し、蓄熱材を内包したマイクロカプセル:100~400質量部、
(D)シリコーンゴムパウダー及び/又はシリコーンレジンパウダー:10~200質量部、
(E)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族元素質量換算で0.1~2,000ppm、
(F)付加反応制御剤:(A)成分100質量部に対して0.01~4.0質量部、
(G)下記(G-1)及び(G-2);
(G-1)下記式(1)
R
1
a
R
2
b
Si(OR
3
)
4-a-b
(1)
(式(1)中、R
1
は独立に炭素原子数6~18のアルキル基であり、R
2
は独立に炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基であり、R
3
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、aは1~3の数、bは0~2の数であり、但しa+bは1~3の数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物、
(G-2)下記式(2)
TIFF
2024169849000001.tif
25
132
(式(2)中、R
4
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは5~100の数である。)
で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、
から選ばれる1種以上の表面処理剤:(A)成分100質量部に対し10~200質量部、
を含む、蓄熱性シリコーン組成物。
[2]
更に、(H)成分として、下記式(3)
TIFF
2024169849000002.tif
24
132
(式(3)中、R
5
は独立に炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基、dは5~1,500の数である。)
で表される23℃における動粘度が5~100,000mm
2
/sのオルガノポリシロキサン:(A)成分100質量部に対し0.1~100質量部
を含有する、[1]に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
[3]
(C)成分の蓄熱材が、融点が0℃以上のパラフィンである[1]または[2]に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
[4]
(C)蓄熱性充填材の外殻がメラミン樹脂である[1]~[3]のいずれか1項に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
[5]
(C)蓄熱性充填材が平均粒子径20~80μmの凝集粒子である[1]~[4]のいずれか1項に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
[6]
(C)蓄熱性充填材が平均粒子径1~10μmの一次粒子である[1]~[5]のいずれか1項に記載の蓄熱性シリコーン組成物。
[7]
[1]~[6]のいずれか1項に記載の蓄熱性シリコーン組成物の硬化物。
[8]
[7]に記載の蓄熱性シリコーン組成物の硬化物を有する電気・電子部品。
【発明の効果】
【0009】
本発明の蓄熱性シリコーン組成物は、蓄熱性充填材として、有機樹脂の外殻を有し、蓄熱材が内包されたマイクロカプセルと、共充填材としてシリコーンゴムパウダー及び/又はシリコーンレジンパウダーとを、特定の組成及び比率で配合することにより、蓄熱性が高く、均一かつ安定な組成物を容易に提供することを可能とした。また、本発明のシリコーン組成物から得られる蓄熱性シリコーン硬化物(蓄熱性シリコーンシート)は、マイクロカプセルの凝集が維持されることで、高い蓄熱効果が得られ、蓄熱材のブリードによる周辺汚染の心配もない。さらに、低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できる柔軟性及び圧縮性を有する。
したがって、本発明は、電子部品から発生した熱を効率的に逃がすための冷却部材として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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