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公開番号
2024165507
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081763
出願日
2023-05-17
発明の名称
熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
83/04 20060101AFI20241121BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物を提供することを目的とする。
【解決手段】(C)成分に下記一般式(1)で表される加水分解性オルガノポリシロキサンを配合した熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物である。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024165507000018.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">27</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">114</com:WidthMeasure> </com:Image> (式中、R
1
は、独立して炭素数6~10の芳香族炭化水素基であり、R
2
は、独立して炭素数1~10のアルキル基であり、R
3
は炭素数1~4のアルキル基である。aは2または3であり、nは2≦n≦60の整数である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(A)~(F)
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、25℃での動粘度が100~100,000mm
2
/sであるフェニル変性オルガノポリシロキサン:100質量部
(B)1分子中にヒドロシリル基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:上記(A)成分が有するアルケニル基1モルに対して(B)成分中のヒドロシリル基のモル数が0.1~3モルとなる量
(C)下記一般式(1)
TIFF
2024165507000017.tif
27
114
(式中、R
1
は、独立して炭素数6~10の芳香族炭化水素基であり、R
2
は、独立して炭素数1~10のアルキル基であり、R
3
は炭素数1~4のアルキル基である。aは2または3であり、nは2≦n≦60の整数である。)
で表される加水分解性オルガノポリシロキサン:10~300質量部
(D)金属、金属酸化物、金属水酸化物、及び金属窒化物からなる群より選ばれる1種以上の熱伝導性充填剤:組成物全体に対して10~97質量%となる量
(E)白金族金属触媒:前記(A)成分の質量に対し、白金族金属原子に換算した質量基準で0.1~500ppm
(F)ヒドロシリル化反応制御剤:0.05~5質量部
を含むものであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
続きを表示(約 320 文字)
【請求項2】
前記一般式(1)中の前記R
1
がフェニル基であり、前記R
2
がメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項3】
前記熱伝導性シリコーン組成物の23℃での粘度が、1~1,000Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物を硬化してなるものであることを特徴とする熱伝導性シリコーン硬化物。
【請求項5】
熱伝導率が1.0W/m・K以上であることを特徴とする請求項4に記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
CPUのような高集積回路等の電子部品は、使用中の発熱によりその性能が著しく低下する。この問題を解決するために発熱部と冷却部間の空気層に導入することで、熱伝達が効率的になる放熱材料が用いられる。中でも、シリコーン放熱材料は、シリコーンに由来する高い耐熱性、耐候性、電気絶縁性を有することから、幅広い分野で応用されている。また近年、電子機器の小型化・高集積化が進んでおり、発生する熱をより効率よく冷却することが重要であるために、放熱材料の高熱伝導化が求められている。
【0003】
近年では、車載用放熱材料としてエンジンギアの潤滑油であるAutomatic Transmission Fluid(ATF)のように、薬品を含む油中で使用されるケースが増加している。そのため、放熱材料の耐薬品性が求められるようになっているが、汎用的なシリコーン(ジメチルシリコーン)放熱材料ではATFのような有機溶剤環境下において、膨潤や劣化が起こりやすいといった問題がある。また、ATFは加熱され高温状態となることが多く、耐ATF性だけでなく耐熱性も兼ね備える必要がある。
【0004】
耐薬品性を有する放熱材料として、主鎖にパーフルオロポリエーテル構造を有し、熱伝導性フィラーの混合物であるフッ素ゴムを用いた放熱材料が提案されている(特許文献1~3)。しかし、このフッ素ゴムはジメチルシリコーンに比べ低熱伝導率であり、これを補うために熱伝導性フィラーを高充填化させようとすると、グリース状にならないか、組成物が高粘度化するため、作業性及び加工性が悪くなる。さらに、この放熱材料は比重が大きく、高価であるため、代替し得る新たな耐薬品性を有する放熱材料の開発が求められている。
【0005】
フェニルシリコーンは、ジメチルシリコーンに比べ、ベンゼンやトルエンなどの芳香族性溶剤に対する親和性は大きいが、ATFなどの飽和炭化水素類に対する親和性は低い。また、フェニルシリコーンは、ジメチルシリコーンと同程度の熱伝導率を有する。さらに、ジメチルシリコーンよりも酸化劣化が起こりにくいために、より高い耐熱性を有することが知られている(特許文献4、5)。したがって、フェニルシリコーンを組み込んだ放熱材料とすることで、耐薬品性を兼ね備えた放熱材料の提供が可能である。
【0006】
しかしながら、フェニルシリコーンと熱伝導性充填剤の分散剤(ウェッター)が開発されておらず、フェニルシリコーンを用いた組成物及びその硬化物の検討はほとんどされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2015―67736号公報
特開2015―67737号公報
特開2017-082090号公報
特開2007-039621号公報
特開2004―262919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、耐熱性や耐薬品性に優れる熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、下記熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物を提供する。
【0010】
即ち、本発明は、下記(A)~(F)
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、25℃での動粘度が100~100,000mm
2
/sであるフェニル変性オルガノポリシロキサン:100質量部
(B)1分子中にヒドロシリル基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:上記(A)成分が有するアルケニル基1モルに対して(B)成分中のヒドロシリル基のモル数が0.1~3モルとなる量
(C)下記一般式(1)
TIFF
2024165507000001.tif
27
114
(式中、R
1
は、独立して炭素数6~10の芳香族炭化水素基であり、R
2
は、独立して炭素数1~10のアルキル基であり、R
3
は炭素数1~4のアルキル基である。aは2または3であり、nは2≦n≦60の整数である。)
で表される加水分解性オルガノポリシロキサン:10~300質量部
(D)金属、金属酸化物、金属水酸化物、及び金属窒化物からなる群より選ばれる1種以上の熱伝導性充填剤:組成物全体に対して10~97質量%となる量
(E)白金族金属触媒:上記(A)成分の質量に対し、白金族金属原子に換算した質量基準で0.1~500ppm
(F)ヒドロシリル化反応制御剤:0.05~5質量部
を含むものであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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