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公開番号2025098407
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214513
出願日2023-12-20
発明の名称複合基板の欠陥検査方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01L 21/66 20060101AFI20250625BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】透光性基板に絶縁層を介して半導体層を形成した複合基板の欠陥を良好に検出することができる複合基板の欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】本発明は、透光性基板に絶縁層を介して半導体層を形成した複合基板における半導体層の欠陥を検出する複合基板1の欠陥検査方法であって、複合基板1の主面に光4を入射させ、複合基板を透過した光の透過光5の強度に基づいて半導体層の欠陥を検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
透光性基板に絶縁層を介して半導体層を形成した複合基板における前記半導体層の欠陥を検出する複合基板の欠陥検査方法であって、
前記複合基板の主面に光を入射させ、前記複合基板を透過した前記光の透過光の強度に基づいて前記半導体層の欠陥を検出する複合基板の欠陥検査方法。
続きを表示(約 95 文字)【請求項2】
前記透光性基板が、ガラス、サファイア、合成石英、水晶及びセラミックからなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる請求項1に記載の複合基板の欠陥検査方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性基板に絶縁層を介して半導体層を形成した複合基板における半導体層の欠陥を検出する複合基板の欠陥検査方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
異種の材料を貼り合せることで、従来には無かった性能の実現や大型の半導体基板の製造が可能となる。その貼り合せは接合技術と呼ばれているが、基板同士を直接接合するためには、貼り合わせを行う表面の平坦性が必要で、基板表面の凹凸を充填する目的で酸化ケイ素など絶縁性の層が使用される。酸化ケイ素などの層を基板の表面に成膜することで凹凸の谷部を充填し、さらにその層を研磨により平坦化することで、直接接合するのに必要な表面の平滑性が得られ、基板表面に別の機能を有する層を接合して、基板表面上に別の機能を有する層を形成することができる。ここで、平滑性とは、うねりや変形の小さな平坦さと表面の細かな凹凸を表す表面粗さの両方が小さく、平らで表面の凹凸が小さいことをいう。
【0003】
基板と層とを直接接合することにより得られた複合基板の一例として、特許文献1に記載の、セラミック基板へ半導体層を接合して得られた、セラミック基板と半導体層とを組み合わせた複合基板がある。この複合基板では、エピタキシャル成長により複合基板に、GaN結晶層を形成することを目的に、単結晶のGaNの熱膨張率に熱膨張率を合わせたセラミック基板を使用した。また、この複合基板では、単結晶のSi層をセラミック基板に接合して、エピタキシャル成長の種結晶として単結晶のSi層をセラミック基板に設けた。これにより、エピタキシャル成長後の室温へ冷却した際に生じる熱応力起因のGaN結晶層の欠陥の発生を防止している。
【0004】
接合によって作製される複合基板は、接合面を非常に平滑な面に仕上げなくてはならない。接合面が荒れている状態だと、2つの接合面の間に、接合面同士が離れている部分が発生し、その部分に空隙が生じるため、加熱時に空隙内のガスの膨張により種結晶の層がセラミック基板から剥がれたり、接合強度が不足して、その部分を起点に種結晶の層に欠陥が生じたりする。このため、特許文献1では、セラミック基板の表面に接合層を形成し、その接合層にてセラミック基板の表面の谷部を充填し、セラミック基板の表面に形成した接合層を研削や研磨で平坦に仕上げ、接合に適した表面状態を作り出している。特許文献1では、セラミック基板からの不純物を防止するため接合層の形成前にバリア層を形成している。このようにして、特許文献1では、接合層を平坦化することで、半導体層である単結晶のSi層を、転写にてセラミック基板の表面に形成している。
【0005】
セラミック基板表面は、研削や研磨の加工時に発生するダメージや粒子の境界(粒界)からの粒子の脱落などで、数ミクロンの凹凸が生じている。この凹凸を酸化ケイ素などの接合層の材料で埋め、さらに平坦化の加工を行っている。セラミック基板の表面の凹凸の谷部を充填するため、谷部よりも厚くなるように、例えば、セラミック基板の表面に酸化ケイ素を堆積して10μm程度の厚みの酸化ケイ素層をセラミック基板の表面に形成し、熱処理後に研磨にてセラミック基板表面から、酸化ケイ素層の厚みが1μm程度になるように、セラミック基板の表面を加工して、直接接合に必要な平滑な面を得ている。この時、セラミック基板の表面の谷部を埋めるために、酸化ケイ素を厚めに堆積する。しかし、研磨にて酸化ケイ素層の厚みを面内均一に仕上げるのは難しく、面内で酸化ケイ素層の厚みにバラツキが生じる。また、酸化ケイ素の堆積についても、プラズマを使った成膜ではセラミック基板は絶縁性であるために、下部電極にあるリフトピンや搬送フォークなど基板の搬送に必要な構造物による電気的な差が生じ、形成される酸化ケイ素層の厚みにばらつきが発生する。この酸化ケイ素層の厚みのばらつきは、セラミック基板の酸化ケイ素層を形成した表面の反射光の干渉により、反射光の色ムラとして複合基板全体に現れる。複合基板の表層の構造がSi/SiO

/バリア層/セラミック基板となっている場合、Si表面、Si/SiO

界面、SiO

/バリア層界面の各場所で反射光がそれぞれ干渉し合う。そして、波長によって干渉の状態が変わることから色合いが各層の膜厚によって変化する。このこと自体には問題ないが、エピタキシャル成長の種結晶となる単結晶Si層の欠陥を検査する際に、この反射光の強弱が問題を引き起こす。
【0006】
単結晶Si層を例に挙げて、半導体層を説明する(以下、単結晶Si層を単にSi層という場合がある。)。なお、以下の例では、Si層が半導体層に対応し、酸化ケイ素層が絶縁層に対応する。通常、Si層の欠陥検査は、図2に示すように、照明を当て基板表面をカメラもしくは顕微鏡で拡大観察し、Si層の欠損や傷を周囲との明るさの違いで検出することで行う。図2には示していないが、複合基板をカメラに対して相対的に移動させることで、複合基板全面の検査を行っている。使用するカメラの種類や視野を拡大するためのレンズの組合せは、検出したい欠陥の大きさにより選択される。図2の反射光による欠陥検出方法について、図3を使って説明する。図3のように、照明光4の一部はSi層11の表面で反射し、逆にSi層のない部分は光の反射が少なく基板10へ透過していくので暗くなり、周囲より暗い部分を欠陥と認識することができる。しかし、Si層11の下に酸化ケイ素層12を備えた複合基板の場合、図4に示す通り、Si層11や酸化ケイ素層12を透過した光が、Si層11と酸化ケイ素層12の界面、または酸化ケイ素層12と基板10の界面で反射し、内部での反射光14と表面の反射光とでは光の光路長の違うため光の干渉が起き、透過した層の厚みにより反射光の強弱が発生する。このため、層の厚みの違いにより明暗の違いが発生し、単純に周囲より暗いというだけではSi層11の欠陥の存在を判定できない場合が生ずる。つまり、各層の厚みの組み合わせによって、Si層に欠陥がなかったとしても、非常に明るい部分と暗い部分が発生し、その明暗の差から欠陥の誤検知が発生する場合がある。枚数が少ない場合は人が実物と検査結果を見比べて、誤検知であるか否かを判別すればいいが、工業的には検査装置にて自動で検査され、そこで合否を機械的に判断することが求められる。
【0007】
高倍率のレンズを使い半導体層の表面のみを観察する装置を使う手法もある。こうすることで検査範囲(視野)を狭くでき、かつ撮影深度(ピントの合う高さの範囲)も狭くできるので、周囲の反射光の色合いを受けにくくすることができ、反射光の干渉自体を緩和することができる。しかし、この場合は非常に小さな欠陥(例えば、0.1μm~数十μm)の検出は可能となるが、大きめの欠陥(0.1mm~数mm)は分割されて検出され、大きめの欠陥を検出することが容易ではない。このことから、複合基板の表層の半導体層の欠陥を高速で正確に検出する方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許6719600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、透光性基板に絶縁層を介して半導体層を形成した複合基板の欠陥を良好に検出することができる複合基板の欠陥検査方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、複合基板の主面に光を入射させ、複合基板を透過した光の透過光の強度に基づいて半導体層の欠陥を良好に検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]透光性基板に絶縁層を介して半導体層を形成した複合基板における前記半導体層の欠陥を検出する複合基板の欠陥検査方法であって、
前記複合基板の主面に光を入射させ、前記複合基板を透過した前記光の透過光の強度に基づいて前記半導体層の欠陥を検出する複合基板の欠陥検査方法。
[2]前記透光性基板が、ガラス、サファイア、合成石英、水晶及びセラミックからなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる上記[1]に記載の複合基板の欠陥検査方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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