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公開番号
2025101217
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2023217893
出願日
2023-12-25
発明の名称
磁気冷凍材料の製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B22F
1/00 20220101AFI20250630BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】特性劣化が少なく耐食性の高い磁気冷凍材料を生産性良く製造できる磁気冷凍材料の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の磁気冷凍材料の製造方法は、粒度が150μm以上500μm以下の粉末を含む磁気冷凍材料の粉末を、液温が30℃以下のメッキ液中で電気Cuメッキすることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
粒度が150μm以上500μm以下の粉末を含む磁気冷凍材料の粉末を、液温が30℃以下のメッキ液中で電気Cuメッキすることを特徴とする磁気冷凍材料の製造方法。
続きを表示(約 470 文字)
【請求項2】
前記磁気冷凍材料が、一般式:La(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
(0.05≦x≦0.2、0.3≦z≦3)で表される化合物から構成される請求項1に記載の磁気冷凍材料の製造方法。
【請求項3】
前記メッキ液が、塩基性のメッキ液である請求項1又は2に記載の磁気冷凍材料の製造方法。
【請求項4】
前記メッキ液が、ピロリン酸銅メッキ液である請求項3に記載の磁気冷凍材料の製造方法。
【請求項5】
前記メッキ液中に、傾斜バレルを浸漬し、該傾斜バレル中で前記磁気冷凍材料の粉末を電気Cuメッキする請求項1又は2に記載の磁気冷凍材料の製造方法。
【請求項6】
前記傾斜バレルが、目開きのない穴なしバレルである請求項5に記載の磁気冷凍材料の製造方法。
【請求項7】
メディアとともに、前記磁気冷凍材料の粉末を電気Cuメッキする請求項1又は2に記載の磁気冷凍材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、特性劣化がなく耐食性の高い磁気冷凍材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
フロン類がオゾン層破壊物質であり、地球温暖化ガスでもあることから、環境保全のためにフロンを用いない新規冷凍空調システムが注目されている。フロンに代わる冷媒の開発が活発に行われているが、性能、コスト及び安全性の面において満足できる新規冷媒の実用化には至っていない。
【0003】
一方、従来の冷凍空調システムとは異なり、磁場の増大に伴うエントロピーの変化(磁気熱量効果、ΔS)を利用する磁気冷凍システムが注目されている。ΔSの絶対値が大きな材料としてはMn(As
1-x
Sb
x
)(特許文献1)やLa(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
(特許文献2)等が挙げられる。特に前者はΔSが-30J/kgKと非常に大きく、優れた磁気冷凍材料になりうる。しかし、Mn(As
1-x
Sb
x
)の成分のAsが毒性を示すため実質的には適用が困難である。La(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
は、ΔSが-25J/kgKとMn(As
1-x
Sb
x
)に次いで大きく、かつ構成元素は毒性を示さず、レアメタルではないことから最も有望視されている物質である。また、ΔSの変化は磁気熱量効果を示す物質の磁気転移温度(T
c
)付近に限られ、一種類の材料では、ある一点の温度でしか動作できないため、実質的に広い温度差を作り出す必要がある冷凍システムはできない。そこで、動作温度を変化させるために成分の一部を他の元素で置換するといった方法がとられる。
【0004】
これらの物質は室温近傍(-70~+70℃程度)で動作することが要件となる。しかし、気体冷凍では生成が困難な極低温を生成する手段として用いられてきた従来の磁気冷凍とは異なり、上記動作温度における磁気冷凍では格子振動が無視できないために磁気熱量効果が低下するという問題があった。この問題については、この格子振動を蓄熱効果として利用することで解決できる。そして、この格子振動を蓄熱効果として利用するAMR(Active Magnetic Regenerative)サイクルが開発され、磁気熱量効果を利用した室温近傍での冷凍空調システムが現実味を帯びてきた。
【0005】
AMRサイクルでは水等の熱媒体が通過可能な隙間を有した状態で磁気冷凍材料が充填される(ベッド部と呼ばれる)。熱媒体は隙間を通じて高温端および低温端に移動できる。低温端側に熱媒体がある状態で、永久磁石等で磁場をベッド部に印加し磁気冷凍材料のエントロピーを低下させ、磁気冷凍材料の温度を上昇させる。熱媒体を低温端側から高温端側に移動させる。このとき、熱媒体は磁気冷凍材料から熱を受け取って、高温端側に移動し、高温端で熱交換器を用いて排熱する。続いて永久磁石の磁場を取り去り磁気冷凍材料のエントロピーが上昇するとともに温度が低下する。熱媒体を高温端側から低温端側に移動させる。このとき、熱媒体は磁気冷凍材料により冷却される。冷却された熱媒体は熱交換器で吸熱する。このサイクルを繰り返していくことで、高温端と低温端との間に温度差を発生させ、冷凍サイクルが作られる。
【0006】
前述したLa(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
は、La(Fe
1-x
Si
x
)
13
の結晶格子間に水素を導入して得られる。AMRサイクルでは磁気冷凍材料は水等の媒体が流れている状態で接触し続ける。このため、La(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
を磁気冷凍材料として使用した場合、磁気冷凍材料の粉体をそのまま充填すると、その大きな比表面積も相まって腐食による変質が起こり、それに伴って、磁気冷凍材料は微粉化する。そして、磁気冷凍材料の微粉化がもたらす目詰まりや、腐食による磁気冷凍材料の磁気熱量効果の低下が実用上大きな問題となっている。また、格子間に侵入した水素は500℃以上の真空中で放出されるため、La(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
の熱交換に有利なバルク体を作製するために、水素化したLa(Fe
1-x
Si
x
)
13
H
z
の粉末を焼結することは困難である。これに関し、特許文献3には、水素の脱離を防ぎつつ、適度な空隙を有するバルク体を製造する方法が記載されている。
【0007】
また、非特許文献1には、多孔質なバルク体を作製した場合の熱伝導率の低下に対処するために、La(Fe,Si)ベースの合金に無電解Cuメッキを施すことが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-28532号公報
特開2006-89839号公報
特開2005-120391号公報
【非特許文献】
【0009】
Julia Lyubina, Ullrich Hannemann, Lesley F. Cohen, and Mary P. Ryan, “Novel La(Fe,Si)13/Cu Composites for Magnetic Cooling”, Adv. Energy Mater. 2012, 2, 1323-1327.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献3では、磁性粒子の周囲にSn又はSn合金系の金属皮膜を被覆し、その後不活性ガス雰囲気中100℃~300℃の熱処理を施して磁性粒子を互いに結合し、所定の空隙率有するバルク体としている。しかし、それぞれの磁性粒子を結合するためにSnを含有する金属皮膜で半田接合をしているため、そのバルク体は、熱伝導率の点で劣る懸念があり、また、金属被膜を多層被膜とする場合には、バルク体の生産性の点でも懸念がある。
(【0011】以降は省略されています)
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