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公開番号2024167423
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-03
出願番号2024157442,2023122522
出願日2024-09-11,2020-06-30
発明の名称フォトマスクの製造方法及びフォトマスクブランク
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類G03F 1/80 20120101AFI20241126BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【解決手段】透明基板と、ケイ素を含有し、クロムを含有しない第1の無機膜と、クロムを含有し、ケイ素を含有しない第2の無機膜とを有し、第1の無機膜と第2の無機膜とが接して形成されているフォトマスクブランクから、第2の無機膜に接してレジスト膜を形成し、第2の無機膜及び第1の無機膜を、共にフッ素系ドライエッチングによりパターンを形成することによりフォトマスクを製造する。
【効果】本発明によれば、ケイ素含む膜の膜質によらず、レジスト膜の密着性が確保され、ケイ素を含む膜に対するシリル化処理において問題となる、レジスト残渣の問題を回避して、新たな工程を追加することなく、欠陥が少ないフォトマスクを製造することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
透明基板と、ケイ素を含有し、クロムを含有しない第1の無機膜と、クロムを25原子%以上40原子%未満の含有率で含有し、ケイ素を含有しないクロム化合物である第2の無機膜とを有し、上記第1の無機膜と上記第2の無機膜とが接して形成され、上記第1の無機膜が、直接又は1若しくは2以上の他の無機膜を介して上記透明基板上に形成されているフォトマスクブランクからフォトマスクを製造する方法であって、
(A)上記第2の無機膜に接してレジスト膜を形成する工程、
(B)上記レジスト膜をパターニングして、レジストパターンを形成する工程、
(C)上記レジストパターンをエッチングマスクとして、上記第2の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第2の無機膜のパターンを形成する工程、及び
(D)上記第2の無機膜のパターンをエッチングマスクとして、上記第1の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第1の無機膜のパターンを形成する工程
を含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
透明基板と、ケイ素を含有し、クロムを含有しない第1の無機膜と、クロムを25原子%以上40原子%未満の含有率で含有し、ケイ素を含有しないクロム化合物である第2の無機膜と、レジスト膜とを有し、上記第1の無機膜と上記第2の無機膜と上記レジスト膜とがこの順で接して形成され、上記第1の無機膜が、直接又は1若しくは2以上の他の無機膜を介して上記透明基板上に形成されているフォトマスクブランクからフォトマスクを製造する方法であって、
(B)上記レジスト膜をパターニングして、レジストパターンを形成する工程、
(C)上記レジストパターンをエッチングマスクとして、上記第2の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第2の無機膜のパターンを形成する工程、及び
(D)上記第2の無機膜のパターンをエッチングマスクとして、上記第1の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第1の無機膜のパターンを形成する工程
を含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項3】
上記(C)工程におけるフッ素系ドライエッチングと、上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングとが同一条件であり、上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第1の無機膜のエッチングレートに対して、上記(C)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第2の無機膜のエッチングレートが0.3以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
透明基板と、ケイ素を含有し、クロムを含有しない第1の無機膜と、クロムを含有し、ケイ素を含有しない第2の無機膜とを有し、上記第1の無機膜と上記第2の無機膜とが接して形成され、上記第1の無機膜が、直接又は1若しくは2以上の他の無機膜を介して上記透明基板上に形成されているフォトマスクブランクからフォトマスクを製造する方法であって、
(A)上記第2の無機膜に接してレジスト膜を形成する工程、
(B)上記レジスト膜をパターニングして、レジストパターンを形成する工程、
(C)上記レジストパターンをエッチングマスクとして、上記第2の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第2の無機膜のパターンを形成する工程、及び
(D)上記第2の無機膜のパターンをエッチングマスクとして、上記第1の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第1の無機膜のパターンを形成する工程
を含み、
上記(C)工程におけるフッ素系ドライエッチングと、上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングとが同一条件であり、上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第1の無機膜のエッチングレートに対して、上記(C)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第2の無機膜のエッチングレートが0.3以上である
ことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項5】
透明基板と、ケイ素を含有し、クロムを含有しない第1の無機膜と、クロムを含有し、ケイ素を含有しない第2の無機膜と、レジスト膜とを有し、上記第1の無機膜と上記第2の無機膜と上記レジスト膜とがこの順で接して形成され、上記第1の無機膜が、直接又は1若しくは2以上の他の無機膜を介して上記透明基板上に形成されているフォトマスクブランクからフォトマスクを製造する方法であって、
(B)上記レジスト膜をパターニングして、レジストパターンを形成する工程、
(C)上記レジストパターンをエッチングマスクとして、上記第2の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第2の無機膜のパターンを形成する工程、及び
(D)上記第2の無機膜のパターンをエッチングマスクとして、上記第1の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりパターニングして、第1の無機膜のパターンを形成する工程
を含み、
上記(C)工程におけるフッ素系ドライエッチングと、上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングとが同一条件であり、上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第1の無機膜のエッチングレートに対して、上記(C)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第2の無機膜のエッチングレートが0.3以上である
ことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項6】
上記(C)工程及び(D)工程をフッ素系ドライエッチングにより連続して実施することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項7】
上記第2の無機膜の膜厚が、1nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項8】
上記フォトマスクブランクが、上記他の無機膜として形成された、クロムを含有し、ケイ素を含有しない第3の無機膜を有し、該第3の無機膜が、上記第1の無機膜の上記透明基板側に接して形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項9】
上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第1の無機膜のエッチングレートに対して、上記(D)工程におけるフッ素系ドライエッチングによる上記第3の無機膜のエッチングレートが0.3未満であることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
透明基板と、ケイ素を含有し、クロムを含有しない第1の無機膜と、クロムを25原子%以上40原子%未満の含有率で含有し、ケイ素を含有しないクロム化合物である第2の無機膜とを有し、上記第1の無機膜と上記第2の無機膜とが接して形成され、上記第1の無機膜が、直接又は1若しくは2以上の他の無機膜を介して上記透明基板上に形成されていることを特徴とするフォトマスクブランク。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路などを製造する際に使用するフォトマスクの製造方法及びこの方法で好適に用いられるフォトマスクブランクに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体加工においては、特に大規模集積回路の高集積化により、回路パターンの微細化がますます必要になってきており、回路を構成する配線パターンの細線化や、セルを構成する層間の配線のためのコンタクトホールパターンの微細化技術への要求がますます高まってきている。そのため、これらの配線パターンやコンタクトホールパターンを形成する光リソグラフィーで用いられる、回路パターンが書き込まれたフォトマスクの製造においても、上記微細化に伴い、より微細かつ正確に回路パターンを書き込むことができる技術が求められている。
【0003】
より精度の高いフォトマスクパターンをフォトマスク基板上に形成するためには、まず、フォトマスクブランク上に高精度のレジストパターンを形成することが必要になる。現在行われているリソグラフィーでは、描画しようとしている回路パターンは使用する光の波長をかなり下回るサイズになっており、回路の形状をそのまま4倍にしたフォトマスクパターンを使用すると、実際の光リソグラフィーを行う際に生じる光の干渉などの影響で、レジスト膜にフォトマスクパターン通りの形状は転写されない。そこで、これらの影響を減じるため、フォトマスクパターンは、実際の回路パターンより複雑な形状(いわゆるOPC:Optical Proximity Correction(光学近接効果補正)などを適用した形状)に加工する必要が生じる場合もある。そのため、フォトマスクパターンを得るためのリソグラフィー技術においても、現在、更に高精度な加工方法が求められている。
【0004】
フォトマスクパターンの形成においては、通常、透明基板上に遮光膜や位相シフト膜などを有するフォトマスクブランクの上にレジスト膜を形成し、電子線によるパターンの描画を行い、現像を経てレジストパターンを得て、得られたレジストパターンをエッチングマスクとして、遮光膜や位相シフト膜などをエッチングして遮光膜パターンや位相シフト膜パターンなど(フォトマスクパターン)へと加工するが、レジスト膜の膜厚を変更せずに維持したままで、より微細化したフォトマスクパターンを加工しようとすると、パターン幅に対する膜厚の比、いわゆるアスペクト比が高くなってしまい、レジストパターンの形状が劣化して、パターン転写がうまくいかなくなったり、場合によってはレジストパターンの倒れや剥がれを起こしたりしてしまう。そのため、フォトマスクパターンの微細化に伴いレジスト膜を薄くする必要がある。
【0005】
一方、ドライエッチング時のレジストパターンの負担を減らすために、ハードマスクを使用するという方法は、古くより試みられており、例えば、特開昭63-85553号公報(特許文献1)では、MoSi
2
膜上にSiO
2
膜を形成し、SiO
2
膜のパターンを、塩素を含むガスを用いてMoSi
2
膜をドライエッチングする際のエッチングマスクとして使用することが記載されている。また、例えば、特開平7-49558号公報(特許文献2)には、位相シフト膜の上に遮光膜としてクロム膜を形成し、クロム膜の上にハードマスク膜としてSiO
2
膜を形成して、SiO
2
膜のパターンを、クロム膜のエッチング時のハードマスクとして用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭63-85553号公報
特開平7-49558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フォトマスクパターンの微細化に伴い、レジスト膜及びレジストパターンの密着性が重要となっているが、ケイ素を含む膜の表面にレジスト膜を形成し、これをレジストパターンに加工し、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、ケイ素を含む膜を加工する場合、ケイ素を含む膜とレジスト膜との密着性が低いため、微細なフォトマスクパターンを形成しようとすると、レジスト膜が、レジスト膜からレジストパターンを形成する際の現像工程において剥離してしまう問題がある。この問題を回避するためには、ケイ素を含む膜の表面を、ヘキサメチルジシラザンなどによりシリル化する処理が有効であることが知られている。
【0008】
しかし、シリル化処理を施すと、被処理表面の疎水性が高くなってしまい、水系洗浄が難しくなる。そのため、レジスト膜からレジストパターンを形成する際の現像後の洗浄工程で、レジスト残渣などが多数残り、欠陥となってしまうことが問題となる。一方、ケイ素を含む膜の側からレジスト膜との密着性を改善する手段としては、例えば、SiO
2
膜などのケイ素を含む膜の表面の組成を、レジスト膜との密着性がよい組成に調整する方法があるが、ケイ素を含む膜に求められる本質的な特性である光学特性やエッチング特性などを損なうことなく、レジスト膜との密着性を改善しようとすると、ケイ素を含む膜の組成の変更では、自由度が低い。また、レジスト膜との密着性を考慮して、ケイ素を含む膜の表面の組成を調整してしまうと、エッチングのコントロール性が悪く、また、導電性を付与しにくいという問題もある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、フォトマスクブランク及びフォトマスクに設けられるケイ素を含む膜に要求される特性を損なうことなく、ケイ素を含有する膜に対してレジスト膜を形成した場合に生じる、ケイ素を含有する膜とレジスト膜との密着性の問題(レジストパターンの倒れや剥がれ)を回避し、また、洗浄時のレジスト残渣などによる欠陥の発生を抑制して、フォトマスクを製造する方法、及びこの方法に好適なフォトマスクブランクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、透明基板と、ケイ素を含有し、クロムを含有しない第1の無機膜とを有するフォトマスクブランクからフォトマスクを製造する場合において、第1の無機膜に接してクロムを含有し、ケイ素を含有しない第2の無機膜を形成することにより、レジスト膜との密着性を確保できること、更に、クロムを含有し、ケイ素を含有しない膜である第2の無機膜を、フッ素系ドライエッチングによりエッチングできる膜、具体的には、フッ素系ドライエッチングにより同一条件でエッチングしたとき、第1の無機膜のエッチングレートに対して0.3以上のエッチングレートを有する膜とすることにより、第2の無機膜に接してレジスト膜を形成し、レジスト膜からレジストパターンを形成し、第2の無機膜、第1の無機膜の順に、これらを共にフッ素系ドライエッチングでパターニングすれば、ケイ素を含む膜に対するシリル化処理において問題となる、レジスト残渣の発生を回避して、微細なフォトマスクパターンを精度よく形成できることを見出し、本発明をなすに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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