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公開番号2024173577
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023168521
出願日2023-09-28
発明の名称発信機の取付構造及び防災装置
出願人ホーチキ株式会社
代理人個人,個人
主分類A62C 35/20 20060101AFI20241205BHJP(人命救助;消防)
要約【課題】従来の問題点を改善して、発信機の点検作業を更に容易なものにして作業効率を向上可能とする。
【解決手段】所定の装置に形成された所定の扉開口部に設けられる電装板に、電装板に形成された操作開口部に着脱自在に保持された保護板の押込みにより保護板の裏面側に位置する押釦スイッチ2410の操作部となるスイッチノブが操作される発信機24を取り付ける発信機の取付構造は、電装扉20の裏面側に設けられ、下側を軸として電装扉20の裏面側で発信機24の押釦スイッチ2410を上下方向に回動させる発信機点検構造を備え、押釦スイッチ2410は、保護板の押込みにより押釦スイッチ2410のスイッチノブが操作される位置から発信機点検構造により下向きに回転されることで電装扉20の裏面側でスイッチノブが操作可能な位置に移動する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
所定の装置に形成された所定の扉開口部に設けられる電装板に、電装板に形成された操作開口部に着脱自在に保持された保護板の押込みにより前記保護板の裏面側に位置する押釦スイッチの操作部が操作される発信機を取り付ける発信機の取付構造であって、
前記発信機の取付構造は、前記電装板の裏面側に設けられ、下側を軸として前記電装板の裏面側で前記発信機の押釦スイッチを上下方向に回動させる発信機点検構造を備え、
前記押釦スイッチは、前記保護板の押込みにより前記押釦スイッチの操作部が操作される位置から前記発信機点検構造により下向きに回転されることで前記電装板の裏面側で前記押釦スイッチの操作部が操作可能な位置に移動することを特徴とする発信機の取付構造。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1記載の発信機の取付構造において、
前記発信機点検構造は、
前記発信機を前記電装板に取り付けるための取付部材の、前記発信機の取付位置に対応して形成された子扉開口部に下側を軸として前記電装板の裏面側で上下回りに開閉自在に設けられ、前記発信機の前記押釦スイッチが取り付けられた子扉と、
前記押釦スイッチの操作部が前記保護板の押込みにより操作される位置となる閉鎖位置で前記子扉を解除可能に保持する子扉保持部と、
前記子扉保持部による前記子扉の保持が解除され、前記子扉が下側を軸として前記電装板の裏面側で下向き回りに開放された場合に、前記押釦スイッチの操作部が前記電装板の裏面側で操作可能な位置となる開放位置で前記子扉の回転を止めるストッパ部と、
を備えたことを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項3】
請求項2記載の発信機の取付構造において、
前記子扉は、上端を下端よりも短くした所定の形状であり、前記下端側が軸支されることで前記上下回りに開閉自在とし、前記上端側が前記子扉保持部により前記閉鎖位置で解除を可能に保持されることを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項4】
請求項2記載の発信機の取付構造において、
前記子扉保持部は、
保持環と当該保持環を着脱自在に係止する係止操作部を備えたパッチン錠を備え、
前記保持環を前記取付部材の前記子扉開口部の上部に配置し、前記係止操作部を前記子扉の上部に設けたことを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項5】
請求項2記載の発信機の取付構造において、
前記子扉保持部は、前記取付部材の前記子扉開口部の上部に、前記取付部材の軸支される面に対して平行、かつ少なくとも前記閉鎖位置にある子扉の上端を保持する位置と前記閉鎖位置にある子扉の上端の保持を解除する位置との間で回動自在に軸支された回転ロックレバーを備えたことを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項6】
請求項2記載の発信機の取付構造において、
前記子扉に、前記発信機の前記押釦スイッチの周囲の所定領域を覆う保護カバーが設けられたことを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項7】
請求項2記載の発信機の取付構造において、
前記ストッパ部により規制される開放位置は、前記所定の装置が備える他の機器に前記押釦スイッチが当接しない位置であることを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項8】
請求項2記載の発信機の取付構造において、
前記ストッパ部は、前記子扉の下端をフ字形に屈曲させて形成した屈曲部を有し、前記屈曲部の端部を前記取付部材の裏面に当接することで前記子扉を前記開放位置で保持し、
前記子扉の回動中心点と前記開放位置で前記取付部材の裏面に当接する前記屈曲部の当接点とを結ぶ直線と前記取付部材の裏面とが成す角度範囲で前記子扉が回動することを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項9】
請求項2記載の発信機の取付構造において、
前記子扉保持部を前記電装板の前面側から視認可能とする覗き窓が前記電装板に設けられたことを特徴とする発信機の取付構造。
【請求項10】
装置前面に形成された所定の扉開口部に設けられ、所定の電装機器として発信機が設けられた電装板と、
装置前面に形成された所定の扉開口部に設けられ、装置内部にアクセスするときに開放される装置扉と、
を備えた防災装置であって、
前記発信機は、請求項1記載の発信機の取付構造により前記電装板に取り付けられ、
前記装置扉の開放により開放された扉開口部から前記発信機の取付構造の前記発信機点検構造にアクセス可能としたことを特徴とする防災装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発信機の取付構造、及び発信機を備えた消火栓装置等の防災装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、高速道路や自動車専用道路等のトンネル内に設置され、火災等の非常時に使用するための防災機器を備えた防災装置が知られている。このような防災装置としては、消火栓装置や消火器箱等がある。例えば、消火栓装置は、開閉自在な消火栓扉を備えた消火栓収納部にノズルを装着したホースやバルブ類等の消火栓機器が収納され、道路に面する前面側から開閉可能な消火器扉を備えた消火器収納部に、例えば2本の消火器が収納され、更に消火器扉に隣接して、消火器扉と同様に前面側から開閉可能な電装扉を備えている。また、電装扉には、前面側に赤色表示灯、発信機、応答ランプ、並びに裏面側に電話ジャック等の電装機器が設けられており、発信機は電装扉の閉鎖状態で前面側から操作可能になっている。
【0003】
ここで、消火器扉と電装扉は、装置前面の各扉開口部に設けられ、通常時、電装扉は、裏面に設けられたねじ穴を備えた取付片に、取付片に相対して筐体側の扉開口部付近に設けられた受け部の通し穴を通したローレットねじ等をねじ込むことで、閉鎖位置で仮止め固定されており、例えば消火器扉は閉鎖位置に仮止め固定された電装扉に対して仮止め固定されている。
【0004】
また、発信機は、発信操作のための押釦スイッチを備えており、押釦スイッチの操作部である押釦が電装扉に設けられた所定の開口部を介して前面側から押圧操作できるようにして電装扉の裏面側から取り付けられており、また、電装扉の開口部の押釦位置の前面側には、透明な有機ガラス板等を使用した保護板(セフテクタ)が前面側から着脱自在に保持されている(特許文献1)。
【0005】
車両事故などに伴う火災時には、利用者が発信機の保護板を前面側から強く押し込むと、押釦スイッチの押釦が押し込まれて押釦スイッチがオン操作され、発信機から発信信号が電気室等の防災受信盤に送信されて防災受信盤から火災警報が出力され、これに伴う応答信号が防災受信盤から消火栓装置側に送られて応答ランプが点灯する。
【0006】
ところで、このような従来の発信機にあっては、定期点検等の際に、発信機を操作して正常に動作することを確認している。この発信機の点検作業時に火災時と同じ操作をする場合、点検終了後に保護板を再び開口部に嵌め込んで元の状態に戻す作業が必要になる。特許文献1においては、保護板は前面側からの押圧を受けて電装扉の前面パネルと押釦の間の空間に脱落するようになっており、保護板を通常位置に戻す作業には専用工具を必要として手間がかかる。或いは、保護板が破壊封板の場合には、保護板を新しいものに交換する作業が必要となり、同じように手間がかかる。
【0007】
このため、発信機の点検に手間と時間が掛かり、トンネル設備等においては所定間隔で設置されている多数の発信機を順次点検していく必要があるため、点検作業の効率が悪いことが問題となる。
【0008】
この問題を解決するために、特許文献2にあっては、特許文献2の図1、図2及び図4に示すように、外扉側に保護板を設け、外扉の裏面側に押釦スイッチが取り付けられた内扉を設け、押釦スイッチの押釦が内扉の前面側に位置するように構成している。このようにして、点検時には外扉のみを開放することで保護版を押圧することなく、即ち保護版を通常状態に保持したまま押しボタン操作を可能とすることで、発信機の点検作業を容易にして点検作業の効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2011-060580号公報
特開2016-018219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような特許文献2の構成においては、経年腐食等によって大気、雨水、融雪剤、粉塵等の影響を受けやすい外扉が内扉に対して固着して開放困難になる等、あらたな不良要因を生じる可能性がある。また、前面側から外扉を比較的簡単に開放可能としているため、専門の点検者だけでなく一般の利用者が不要に外扉を開放してしまう可能性が高まり、好ましくない。
(【0011】以降は省略されています)

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