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公開番号
2024118486
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-02
出願番号
2023024775
出願日
2023-02-21
発明の名称
放水設備
出願人
能美防災株式会社
代理人
個人
主分類
A62C
37/40 20060101AFI20240826BHJP(人命救助;消防)
要約
【課題】区画放水を行う放水設備において、火災が発生している位置がどの放水区画に該当するのかを容易に判断することができる放水設備を提供する。
【解決手段】本発明に係る放水設備1は、大空間を区画分けし、区画単位で放水を行うものであって、火災時に自動又は手動で発光する発光器9を備え、発光器9は、前記大空間を構成する天井面、壁面又は床面の少なくともいずれかひとつに光を照射して、前記区画の境界線を表示することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
大空間を区画分けし、区画単位で放水を行う放水設備であって、
火災時に自動又は手動で発光する発光器を備え、
該発光器は、前記大空間を構成する天井面、壁面又は床面の少なくともいずれかひとつに光を照射して、前記区画の境界線を表示することを特徴とする放水設備。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
火災を検知した際に火災検知信号を制御部に送信する火災検知器をさらに備え、
前記制御部は、前記火災検知信号を発した前記火災検知器が設けられた区画と、当該区画に隣接する区画との境界線を表示する発光器のみを発光させることを特徴とする請求項1記載の放水設備。
【請求項3】
隣り合う前記境界線を異なる光色で表示することを特徴とする請求項1又は2記載の放水設備。
【請求項4】
前記境界線が表示されている前記天井面、前記壁面又は前記床面に光を照射して、前記境界線の近傍に前記区画の区画記号を表示する第2の発光器をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の放水設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、大空間で火災が発生した際に火災の位置に応じて区画放水を行う放水設備に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路のトンネルには、火災時に放水を行う放水設備が設けられている。トンネル内に設けられる放水設備の例が例えば特許文献1、2に開示されている。
トンネル内で火災が発生するとトンネル内が高温になり、熱によってトンネル内壁が損傷する恐れがある。そこで、特許文献1、2では、火災が発生した際にトンネル内空間やトンネル内壁に向けて霧状に水を噴霧し、トンネル内壁を冷却して損傷を防止している。このようなトンネルの躯体保護のためにトンネル内に水噴霧を行う放水設備は、トンネル内水噴霧設備とも呼ばれている。
【0003】
また、放水設備の他の例として、屋内の大空間に設置される放水設備の例が特許文献3に開示されている。
アトリウムのように天井が高い位置にある場合、天井に消火用のスプリンクラヘッドを取り付けると、スプリンクラヘッドからの放水は床面に到達するまでに水の粒径が小さくなる。水の粒径が小さくなると、火災による上昇気流の影響を受け、火点への降水量が減少する恐れがある。
そこで特許文献3では、床面から4m以内の側壁に放水ヘッドを設置し、側壁からその前方の所定の範囲にわたって放水を行い、上昇気流の影響を受けにくくしている。このように側壁から放水を行って火災を消火する放水設備は、放水型ヘッド等スプリンクラー設備とも呼ばれている。
【0004】
上述したような放水設備において、防護対象が例えばトンネルのような大空間である場合、防護領域全体で放水を行うと無駄な放水が多くなる。そこで、防護領域を区画分けし、区画単位で放水を行う区画放水が実施されている。
区画放水を行う放水設備では、放水ノズル、放水ノズルに水を供給する配管、該配管に設けられた自動弁などを備えた区画設備が区画毎に設けられており、いずれかの区画の自動弁を開放することで配水本管の水が同区画設備内の放水ノズルに供給され、区画放水が行われる。
【0005】
一例として、トンネル内に設置された放水設備(トンネル内水噴霧設備)では、区画放水を下記のように行っている。
火災が発生すると、トンネル内壁に設置された火災検知器がこれを検知し、火災検知信号を発報する。トンネル内には監視カメラが設置されており、発報した火災検知器が設置されている区画を映す監視カメラの映像が監視員室のモニターに表示される。
監視員は、監視カメラの映像から火災の位置を確認し、火災の位置に該当する区画の自動弁を遠隔操作で開放して当該区画の区画設備から放水を実施する。
【0006】
なお、放水型ヘッド等スプリンクラー設備では、区画毎に設置された火災検知器の火災信号に基づいて自動で区画放水を行う場合があるが、自動放水が開始する前に上記と同様に人が区画を選択して区画放水を行うこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2003-278500号公報
特開2016-59648号公報
特開2002-291933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、トンネル内水噴霧設備などの放水設備では、監視員が監視カメラの映像から火災が発生している区画を特定し、遠隔操作で当該区画の自動弁を開放して区画放水を実施している。
しかし、トンネルの内壁等に放水区画の境界線が引かれているわけではないので、隣り合う区画の境界がどこであるのかを監視員は明確に判断できない。したがって、例えば二つの区画の境界付近で火災が発生した場合、火災位置がどちらの放水区画に該当するのかを判断することが難しい。
【0009】
仮に監視員が誤った区画を選択した場合、即ち、火災が発生している区画とは異なる区画で放水を行った場合には、当該区画の自動弁を閉止してから新たな区画の自動弁を開放し、放水区画を切り替える必要がある。しかし、新たな区画の自動弁を開放しても先に開放していた自動弁が閉止するまでは新たな区画で規定の放水量が得られず、適切な放水量になるまでに数秒から数十秒かかることもあって時間のロスが大きかった。
【0010】
よって、誤った区画への放水はできるだけ避ける必要があるが、前述したように、二つの区画の境界付近で火災が発生した場合に、監視員が適切な放水区画を判断するのは難しく問題であった。
また、放水型ヘッド等スプリンクラー設備のように、通常、自動で区画放水を行う放水設備であっても、自動放水の開始前に人の操作で区画放水を行う場合もあるので、同様の問題があった。
(【0011】以降は省略されています)
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