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公開番号
2024169816
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-06
出願番号
2023086581
出願日
2023-05-26
発明の名称
発泡ノズル
出願人
深田工業株式会社
代理人
個人
主分類
A62C
31/12 20060101AFI20241129BHJP(人命救助;消防)
要約
【課題】ノズル元での圧力が低い設備であっても、泡の飛距離の低下量が少なく、発泡倍率が高く、還元時間の長い泡放射が可能な発泡ノズルを提供する。
【解決手段】所定の圧力で圧送された泡消火薬剤の水溶液が噴射される噴射口7a,7b,7c,7d,7eと、空気を送る吸気口6bと、泡消火薬剤の水溶液と空気の混合物を撹拌・混合して前方に泡として送るためのプレイパイプ2とを備えている。プレイパイプ2は先端に向かって内径が徐々に縮径する縮径部4が設けられており、縮径部4の先端の内径は、縮径前の内径の80%~88%とされている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
泡消火薬剤の水溶液を発泡させて放射するための発泡ノズルであって、
所定の圧力で圧送された前記泡消火薬剤の水溶液が噴射される噴射口と、
前記噴射口から噴射された泡消火薬剤の水溶液に空気を送る吸気口と、
前記泡消火薬剤の水溶液と空気の混合物を撹拌・混合して前方に泡として送るためのプレイパイプとを備え、
前記プレイパイプは先端に向かって内径が徐々に縮径する縮径部が設けられており、前記縮径部の先端の内径は、縮径前の内径の80%~88%とされていることを特徴とする発泡ノズル。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
前記噴射口は4つ以上設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発泡ノズル。
【請求項3】
前記噴射口の断面積は、ノズル元圧力が0.5MPa以上の場合において、前記噴射口からの吐出量が500L/min以上となるように調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡ノズル。
【請求項4】
前記噴射口の断面積は、ノズル元圧力が0.35~0.5MPaの場合において、前記噴射口からの吐出量が200~500L/minとなるように調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡ノズル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、油火災などの危険物火災に対し、泡消火薬剤の水溶液を発泡させて放射するためのノズル(以下「発泡ノズル」という)に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
油やアルコールなどの危険物火災においては、泡消火薬剤の水溶液を発泡させて放射する泡消火が行われている。泡消火に用いられる発泡ノズルは、泡消火薬剤の水溶液を噴射する噴射口と、空気を取り入れる吸気口とが設けられており、ベンチュリー効果によって吸気口から空気が吸い込まれる。こうして吸い込まれた空気は、プレイパイプと称される管内で泡消火薬剤の水溶液と撹拌・混合されることにより泡となりながら送り出され、プレイパイプの先端から放射される。
【0003】
発泡ノズルに要求される性能として、次の3つが挙げられる。
1)放射された泡を火元まで届かせるために、泡の放射速度が速く、飛距離が長いこと。2)泡消火薬剤の水溶液を、消火に適した発泡倍率となるように発泡させること。3)泡により火災表面を被覆し、酸素供給を遮る窒息効果と可燃性蒸気の発生を抑制する除去効果とを長時間継続させるために、還元時間(泡が水溶液に戻るまでの時間)が長いこと。
【0004】
従来、還元時間が長くて消火に適した発泡倍率の泡を放出するため、水溶液を噴射する際に乱流や旋回流を起こす構造としたり(特許文献1)、後方に撹拌用の金網を設けたり(特許文献2,特許文献3)することが提案されている。しかし、これらの発泡ノズルは、発泡倍率と還元時間は適切な値となるものの、放射される泡の速度は遅くなり、泡の飛距離が短くなるという欠点を有していた。
【0005】
一方、特許文献4には、発泡ノズルの先端部分に向かって縮径するテーパ部を設けることにより、放射される泡の速度が速くなって泡の飛距離が長くなり、発泡倍率も大きくなるということが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-193201号公報
特開2014-193200号公報
特開2014-94079号公報
特開2006-296491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の発泡ノズルでは、通常、ノズル元での圧力が0.7~1MPa程度で泡放射を行う設計となっており、ノズル元での圧力が0.7MPa未満という低圧力の設備しかない場合、発泡倍率が低くなったり、還元時間が短くなったりするという問題があった。このため、ポンプや配管について、高い圧力で泡放射を可能とする設備とする必要があった。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、ノズル元での圧力が低い設備であっても泡の飛距離の低下量が少なく、発泡倍率が高く、還元時間の長い泡放射が可能な発泡ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記従来の問題を解決するために、ノズル元圧力が0.5MPa程度という低圧力下で使用した場合における、発泡ノズル内での泡の形成過程について鋭意研究を行った。噴射口より噴射された泡消火薬剤の水溶液と吸気口から吸い込まれた空気とは、プレイパイプ内の壁面に衝突しながら混合・撹拌されることにより泡となって放射される。しかし、ノズル元の圧力が0.5MPa程度と低い場合には、プレイパイプ内にて空気と十分に撹拌しきれずに、還元時間が短い泡となっていることが判明した。そして、さらに鋭意研究を行った結果、プレイパイプの先端の内径を80%~88%に縮径すれば、ノズル元での圧力が低い設備であっても、泡の飛距離の低下量が少なく、発泡倍率が高く、還元時間の長い泡放射が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明の発泡ノズルは、泡消火薬剤の水溶液を発泡させて放射するための発泡ノズルであって、
所定の圧力で圧送された前記泡消火薬剤の水溶液が噴射される噴射口と、
前記噴射口から噴射された泡消火薬剤の水溶液に空気を送る吸気口と、
前記泡消火薬剤の水溶液と空気の混合物を撹拌・混合して前方に泡として送るためのプレイパイプとを備え、
前記プレイパイプは先端に向かって内径が徐々に縮径する縮径部が設けられており、前記縮径部の先端の内径は、縮径前の内径の80%~88%とされていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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