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公開番号2024085823
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200571
出願日2022-12-15
発明の名称脱出シュート
出願人個人,個人
代理人個人
主分類A62B 3/00 20060101AFI20240620BHJP(人命救助;消防)
要約【課題】迅速に且つ安全に避難することができ、しかも、使い勝手の良い低コストな脱出シュートを提供する。
【解決手段】脱出シュート1は、上下に並ぶ4つの足場ユニット4と、各足場ユニット4を上下一列に所定の間隔をあけて連結する4つの連結ロープ5と、各足場ユニット4を互いに近づけると蛇腹状に折り畳まれる一方、互いに離間させると筒状に展延する柔軟性を有するカバー部材6と、マンションの所定の位置に吊下げる把持ロープ3とを備える。各連結ロープ5の上端部分には、マンションの所定の位置に取り付ける第1フック部5aが設けられる。カバー部材6の側面には、避難者がカバー部材6の内側と外側とを行き来可能な出入口部6aが設けられる。足場ユニット4は、避難者を支持可能な支持プレートと、避難者が通過可能な避難用通過口と、避難用通過口を開閉可能な扉部材9とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
避難者が建物からの脱出に使用する脱出シュートであって、
上下に並ぶ複数の板状をなす足場ユニットと、
上下に延び、且つ、前記足場ユニットの外周縁部に沿って並設され、当該各足場ユニットを上下一列に所定の間隔をあけて連結する複数の連結ロープと、
前記各足場ユニットを囲うように設けられ、且つ、前記避難者が上下に通過可能に構成され、前記各足場ユニットを互いに近づけると蛇腹状に折り畳まれる一方、互いに離間させると筒状に展延する柔軟性を有するカバー部材と、
該カバー部材の内側に上下に延びる姿勢となるよう前記建物の所定の位置に吊下げ可能に構成され、前記避難者が脱出時に把持する把持ロープと、を備え、
前記各連結ロープの上端部分には、前記建物の所定の位置に取付可能な取付部が設けられ、
前記カバー部材の側面には、前記避難者が前記カバー部材の内側と外側とを行き来可能な出入口部が設けられ、
前記足場ユニットは、前記避難者を支持可能な支持プレートと、前記避難者が上下に通過可能に開口する避難用通過口と、該避難用通過口を開閉可能な扉部材と、を備えていることを特徴とする脱出シュート。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の脱出シュートにおいて、
前記カバー部材の側面には、前記出入口部を開閉可能な非常ドア部が設けられ、
該非常ドア部は、前記カバー部材側面の一部領域が囲われるように当該カバー部材を切断することにより形成された当該切断部分の内側領域で構成され、
前記非常ドア部と前記カバー部材の前記非常ドア部を除く領域とは、線ファスナーによって繋ぎ合わされるようになっていることを特徴とする脱出シュート。
【請求項3】
請求項1に記載の脱出シュートにおいて、
前記カバー部材は、不透明な樹脂材で形成されていることを特徴とする脱出シュート。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の脱出シュートにおいて、
隣り合う2つの前記足場ユニットにおける一方の前記足場ユニットの前記支持プレートは、他方の前記足場ユニットの前記避難用通過口と上下に対応する位置となっており、
隣り合う2つの前記足場ユニットにおける一方の前記足場ユニットの前記避難用通過口は、他方の前記足場ユニットの前記支持プレートと上下に対応する位置となっていることを特徴とする脱出シュート。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1つに記載の脱出シュートにおいて、
前記足場ユニットは、平面視で環状をなすフレーム部材を備え、
該フレーム部材は、当該フレーム部材の内部一側領域を覆うように前記支持プレートが取り付けられる一方、内部他側領域が前記避難用通過口として設定され、
前記扉部材は、当該扉部材の前記支持プレート側が上下動するよう前記フレーム部材に回動可能に支持されていることを特徴とする脱出シュート。
【請求項6】
請求項5に記載の脱出シュートにおいて、
前記足場ユニットは、前記扉部材を下方に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする脱出シュート。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1つに記載の脱出シュートにおいて、
前記足場ユニットは、格子状に延びる可撓性ロープからなる補強ネットを備え、
該補強ネットは、前記支持プレートの下面全域を覆う位置に設けられていることを特徴とする脱出シュート。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1つに記載の脱出シュートにおいて、
前記足場ユニット又は前記カバー部材には、前記建物の所定の位置に引っ掛け可能な1つ以上の係合爪が設けられていることを特徴とする脱出シュート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、火災や地震等の災害が発生した際において、建物の2階以上に住んでいる避難者が建物の外側へと脱出する際に使用する脱出シュートに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、火災や地震等の非常時においてマンションやアパ―ト等の建物から効率良く、且つ、安全に脱出するのを目的とした避難装置や避難用ツールが一般的に知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている避難装置は、建物のベランダに設置可能に構成されており、可撓性ワイヤを網状に組んで得た吊下ネットと、回転軸心が水平方向に延び、且つ、外周面に吊下ネットの一端が固定された巻上ホイールと、該巻上ホイールを一方に回転させることにより吊下ネットを巻き上げる一方、他方に回転させることにより吊下ネットを下方に繰り出すウインチ機構とを備えている。そして、非常時には、ウインチ機構を作動させて吊下ネットを建物の外側に繰り出して展開状態にした後、避難者は、吊下ネットの網目に手や足を掛けて当該吊下ネットを伝って下側へと降りることにより建物から脱出するようになっている。
【0004】
また、特許文献2に開示されている避難用ツールは、上下に細長く延びる筒状をなし、ベランダ等から建物の外側に垂れ下げられる避難用ロープを内部に挿通させたパイプ部材を備え、該パイプ部材は、避難用ロープに沿って上下にスライド可能になっている。パイプ部材の上端寄りの位置には、パイプ部材のスライド動作にブレーキを掛けるハンドブレーキが設けられる一方、パイプ部材下端には、 避難者が足を載せる足場部材と、パイプ部材のスライド動作にブレーキを掛けるフットブレーキとが設けられている。そして、非常時には、避難用ロープをパイプ部材に挿通させた後、避難用ロープとパイプ部材とをベランダの外側に垂らし、その後、避難者がパイプ部材を把持するとともに足場部材に足を掛け、且つ、避難用ロープに沿って下方にスライドさせるパイプ部材の速度をハンドブレーキとフットブレーキとで調整しながら、避難用ロープを伝って下側へと降りることにより建物から脱出するようになっている。
【0005】
さらに、特許文献3に開示されている避難用ツールは、上下に延びる避難用梯子を覆う筒状をなしており、当該避難用梯子を避難者が上り下りする側をネット部としている。該ネット部は、上側領域と下側領域とが長手方向に緊張した伸縮性狭幅部である一方、中途部領域が横方向に緊張した非伸縮性広幅部となっている。そして、非常時において避難者が避難用梯子を降りる際、横方向に伸縮性を有する伸縮性狭幅部において避難者を緊迫状態で支えて当該避難者の不安感を取り除くことができるようになっている。また、避難者が避難用梯子を降りる際において、伸縮性狭幅部と非伸縮性広幅部との境界の段差部分において避難者の休憩を可能にするだけでなく、上記境界部分において避難者が避難用梯子から足を踏み外した際に引っ掛かるようにして避難者の転落を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-284786号公報
特開2006-280869号公報
実開昭48-69700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の避難装置は、吊下ネットの巻き上げ動作、或いは、繰り下げ動作をウインチ機構により行う構造になっているので、設備導入にコストが嵩んでしまう。また、避難者が上下に延びる姿勢の吊下ネットにしがみ付きながら当該吊下ネットを伝って下側へと降りる必要があるため、もし仮に足を踏み外してしまうと転落してしまうおそれがある。
【0008】
また、特許文献2の避難用ツールは、降りる速度の調整を避難者自身が2つのブレーキを操作して行わなければならず、非常時の緊迫した状況下においては焦って操作を誤ってしまうおそれがある。それに加えて、避難者がパイプ部材にしがみ付いた状態で建物の下側へと降りる構成になっており、避難者の周囲には当該避難者を支えるものがないので、避難者に不意に衝撃が加わると勢い余って転落してしまうおそれがある。さらには、非常時において下側から上側へと登ることができないので、例えば、逃げ遅れた避難者を下から助けに登るといったことができないという課題もある。
【0009】
さらに、特許文献3の避難用ツールは、上側領域と下側領域とが狭幅となっているので、避難者がツール内を移動し難くて避難時に掛かる時間が増加するおそれがある。また、非常時において避難用梯子を覆うように避難用ツールを装着する必要があり、使用前準備が煩雑で使い勝手が悪いという課題もある。さらには、避難用ツールが避難用梯子の全域を覆う構成となっているので、非常時において避難用梯子を高層階から地上へと掛け渡す場合、中層階や低層階の避難者が避難する際に避難用ツールが邪魔になって避難用梯子を使用することができない。したがって、階層毎に避難用ツールと避難用梯子とが必要となるので、導入コストが嵩んでしまう。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、迅速に且つ安全に避難することができ、しかも、使い勝手の良い低コストな脱出シュートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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