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公開番号2024173495
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091946
出願日2023-06-02
発明の名称ガス化装置、ガス化方法、水素製造システム、燃料生成システムおよび発電システム
出願人株式会社マイクロ・エナジー
代理人個人
主分類C01B 3/36 20060101AFI20241205BHJP(無機化学)
要約【課題】 生成ガス中の微細粒子を炉外にださずに炉内に留めることによってガス化効率を向上させること、および、ガス化していない炭素化合物が流出するのを防ぐことによって、フィルター類のメンテナンスにかかる時間を削減できるガス化装置を提供すること。
【解決手段】 ロータリーキルン型の横型ガス化炉1と、横型ガス化炉1でガス化していない炭素化合物を供給するための縦型ガス化炉用供給口と、ガス化していない炭素化合物を排出する縦型ガス化炉用排出口とを有する縦型ガス化炉2と、ガスを排気するためのガス化炉用排気口29と、横型ガス化炉1、縦型ガス化炉2にそれぞれ水蒸気を供給する横型ガス化炉用水蒸気供給手段13、縦型ガス化炉用水蒸気供給手段23と、ガス化炉に供給する水蒸気に酸素を混合する水蒸気酸素混合手段と、横型ガス化炉、縦型ガス化炉をそれぞれ加熱する横型ガス化炉用加熱手段、縦型ガス化炉用加熱手段と、を具備するガス化装置。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素化合物を含有する原料から水素及び一酸化炭素を主体とするガスを生成するためのガス化装置であって、
前記原料をガス化する為のロータリーキルン型の横型ガス化炉と、前記横型ガス化炉の残渣の横型ガス化炉用排出口に接続され、前記横型ガス化炉からガス化していない炭素化合物を供給するための縦型ガス化炉用供給口と、ガス化していない炭素化合物を排出する縦型ガス化炉用排出口とを有する縦型ガス化炉と、
前記ガスを排気するためのガス化炉用排気口と、
前記横型ガス化炉に水蒸気を供給する横型ガス化炉用水蒸気供給手段と、
前記縦型ガス化炉に水蒸気を供給する縦型ガス化炉用水蒸気供給手段と、
前記横型ガス化炉に供給する水蒸気および前記縦型ガス化炉に供給する水蒸気の少なくともいずれか一方に酸素を混合する水蒸気酸素混合手段と、
前記横型ガス化炉を加熱する横型ガス化炉用加熱手段と、
前記縦型ガス化炉を加熱する縦型ガス化炉用加熱手段と、
を具備することを特徴とするガス化装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記ガス化炉用排気口は前記縦型ガス化炉の下部に形成されることを特徴とする請求項1記載のガス化装置。
【請求項3】
前記ガス化炉用排気口の前にガス化していない炭素化合物を保持し、前記ガスを通す保持手段を具備することを特徴とする請求項2記載のガス化装置。
【請求項4】
前記横型ガス化炉は、当該横型ガス化炉を回転可能に接続する接続部を有し、
空気中の窒素と酸素を分離すると共に、当該窒素を前記接続部にシール剤として供給し、当該酸素を前記縦型ガス化炉内に酸化剤として供給する空気分離手段を具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のガス化装置。
【請求項5】
前記ガス化装置は、前記横型及び縦型ガス化炉の温度を検出するガス化炉用温度検出手段を具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のガス化装置。
【請求項6】
前記ガス化装置は、前記ガス化炉用温度検出手段が検出した温度に基づいて前記横型ガス化炉用加熱手段および前記縦型ガス化炉用加熱手段を制御し、前記横型ガス化炉および前記縦型ガス化炉の内部温度をタールの分解温度以上に維持するガス化炉用温度制御手段を具備することを特徴とする請求項5記載のガス化装置。
【請求項7】
炭素化合物を含有する原料から水素及び一酸化炭素を主体とするガスを生成するためのガス化方法であって、
前記原料をガス化するためのロータリーキルン型の横型ガス化炉内で前記原料と水蒸気を加熱して前記ガスを生成する横型ガス化炉ガス生成工程と、
前記横型ガス化炉用排出口に接続され、前記横型ガス化炉からガス化していない炭素化合物を供給するための縦型ガス化炉用供給口と、ガス化していない炭素化合物を排出する縦型ガス化炉用排出口とを有する縦型ガス化炉内で、前記横型ガス化炉から排出されたガス化していない炭素化合物と水蒸気を加熱して前記ガスを生成する縦型ガス化炉ガス生成工程と、
前記横型ガス化炉と縦型ガス化炉で生成された前記ガスを前記横型ガス化炉および縦型ガス化炉の外へ排気する排気工程と、
を有することを特徴とするガス化方法。
【請求項8】
請求項1ないし3のいずれかに記載のガス化装置と、
前記ガス化装置で生成された水素及び一酸化炭素を主体とする合成ガスから、水素成分を分離して、高純度の水素ガスを生成する水素分離手段を具備することを特徴とする、水素製造システム。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれかに記載のガス化装置と、
前記ガス化装置で生成された水素及び一酸化炭素を合成して液体燃料を生成する液体燃料化装置と、
を具備することを特徴とする燃料生成システム。
【請求項10】
請求項1ないし3のいずれかに記載のガス化装置と、
前記ガス化装置で生成された水素及び一酸化炭素を燃料として電気を発生する発電手段と、
を具備することを特徴とする発電システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素化合物を含有する原料から水素及び一酸化炭素を主体とするガスを生成するためのガス化装置、ガス化方法、水素製造システム、燃料生成システムおよび発電システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、多様なエネルギーの中で次世代のエネルギーとして、水素が注目されている。水素は燃料電池車や家庭用燃料電池などで使用されるが、燃料として使用しても二酸化炭素が発生せず、極めてクリーンなエネルギーだからである。水素は、例えば苛性ソーダの製造過程で発生する水素のように工業プロセスの副産物として製造されるものを利用することができる。また、水素は、水の電気分解によって製造することもできる。特に、再生可能エネルギー由来の電気を用いれば、よりクリーンなエネルギーとすることができる。
【0003】
一方、炭素化合物を含有する原料を高温下で水蒸気と反応させて水素を製造する方法がある。例えば、従来から、炭素化合物を含有する原料をガス化するガス化装置がある(特許文献1)。また、当該ガス化装置で生成されたガスの水素及び一酸化炭素をフィッシャー・トロプシュ合成(FT合成)して液体燃料を生成する燃料生成システムもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2010/021123号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来のガス化装置では、ガス化していない炭素化合物は、微細な粒子は生成ガス中に浮遊して搬送され、後工程で濾過分離して除去され、比較的大きな粒子は灰分と一緒に炉外に排出され、再度ガス化炉に投入されるか、残渣として廃棄処分するのが一般的であった。当該残渣を少なくするために、ガス化していない炭素化合物と水蒸気の反応を促進するための撹拌手段をガス化炉内に設けることが考えられる。しかし、撹拌すると反応効率が向上して生成ガス及び粉塵の発生量が増加する。その結果、炉内流速が速くなり、ガス化していない炭素化合物と水蒸気が生成ガスと共に炉外に搬出される量が増加してしまう。そこで、ガス中に浮遊する微細粒子は炉外でフィルター等により捕集して濾過分離する方法が一般的であるが、ガス量が増加するほど、後工程のガス精製プロセスの構成機器に負荷がかかる。また、当該構成機器を放置すると配管やフィルター類が閉塞して稼働不能となり、全停止に至る可能性が増大するためメンテナンスの頻度が増大する。
【0006】
そこで、本発明は、生成ガス中の微細粒子を炉外にださずに炉内に留めることによってガス化効率を向上させること、および、ガス化していない炭素化合物が流出するのを防ぐことによって、フィルター類のメンテナンスにかかる時間を削減できるガス化装置を提供することを目的とする。また、ガス化方法、水素製造システム、燃料生成システムおよび発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のガス化装置は、炭素化合物を含有する原料から水素及び一酸化炭素を主体とするガスを生成するためのガス化装置であって、前記原料を供給するための横型ガス化炉用供給口とガス化していない炭素化合物を排出する横型ガス化炉用排出口とを有するロータリーキルン型の横型ガス化炉と、前記横型ガス化炉用排出口に接続され、前記横型ガス化炉からガス化していない炭素化合物を供給するための縦型ガス化炉用供給口と、灰分及びガス化していない炭素化合物を排出する縦型ガス化炉用排出口とを有する縦型ガス化炉と、前記ガスを排気するためのガス化炉用排気口と、前記横型ガス化炉に水蒸気を供給する横型ガス化炉用水蒸気供給手段と、前記縦型ガス化炉に水蒸気を供給する縦型ガス化炉用水蒸気供給手段と、前記横型ガス化炉に供給する水蒸気および前記縦型ガス化炉に供給する水蒸気の少なくともいずれか一方に酸素を混合する水蒸気酸素混合手段と、前記横型ガス化炉を加熱する横型ガス化炉用加熱手段と、前記縦型ガス化炉を加熱する横型ガス化炉用加熱手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
ここで、前記ガス化炉用排気口は前記縦型ガス化炉の下部に形成される方が好ましい。
【0009】
また、前記ガス化炉用排気口の前にガス化していない炭素化合物を保持し、前記ガスを通す保持手段を具備する方が好ましい。
【0010】
また、前記横型ガス化炉は、当該横型ガス化炉を回転可能に接続する接続部を有し、空気中の窒素と酸素を分離すると共に、当該窒素を前記接続部にシール剤として供給し、当該酸素を前記縦型ガス化炉内に酸化剤として供給する空気分離手段を具備する方が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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