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公開番号2024172863
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090870
出願日2023-06-01
発明の名称ヒンジ
出願人株式会社シブタニ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E05D 7/10 20060101AFI20241205BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約【課題】筐体よりも前方の位置で扉を180°以上開くことができながら、扉が開いた状態でピン操作を行って係止状態に移行させるだけで扉を筐体から取り外し可能な状態にすることができるヒンジにおいて、扉側羽根の意匠性を良くし、扉開閉の際に筐体内の物体を傷つける懸念を無くす。
【解決手段】扉側羽根10の軸筒部12と枠側羽根20の軸筒部23間にピン30が亘った接続状態を維持するための弾性部材40を枠側羽根20とピン30間に配置する。ピン30の軸部31を扉100の前面部101よりも前方に配置する。ピン30の操作レバー部32を軸方向に移動させて扉を取り外し可能なピン退避位置とし、更に操作レバー部32を回転させて係止状態にする。枠側羽根20は、接続状態で軸方向移動を停止した操作レバー部32の回動を規制する第一係止部(22,23c)と、係止状態のときに操作レバー部32の軸方向移動を規制する第二係止部22aとを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
扉に取り付けられる扉側羽根と、筐体に取り付けられる枠側羽根と、前記枠側羽根の軸筒部及び前記扉側羽根の軸筒部に対して軸方向に移動可能に配置されたピンと、前記ピンが前記枠側羽根の軸筒部及び前記扉側羽根の軸筒部間に亘った接続状態を維持する方向へ当該ピンを付勢する弾性部材とを備え、
前記枠側羽根と前記扉側羽根の相対的な回動の中心軸となる前記ピンの軸部が、前記扉の前面部よりも前方に配置されており、
前記扉を開いた状態で前記ピンの操作レバー部を前記弾性部材の付勢に抗して軸方向に移動させるピン移動操作によって前記扉を軸方向に対して直角な方向に取り外し可能なピン退避位置とし、当該ピンを当該ピン退避位置に維持する係止状態に移行させることができるヒンジにおいて、
前記弾性部材が、前記枠側羽根と前記ピンとの間に配置されており、
前記枠側羽根が、前記接続状態で軸方向移動を停止した前記ピンの前記操作レバー部の回動を規制する第一係止部と、前記係止状態のときに前記操作レバー部の軸方向移動を規制する第二係止部とを有することを特徴とするヒンジ。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記枠側羽根が、前記扉に対して左右一方側に位置する側板部を有し、
前記枠側羽根の軸筒部が、前記側板部との間に前記操作レバー部を軸方向に出し入れ可能な空間を形成するように軸方向に延びる切欠き縁を有し、
前記第一係止部が、前記側板部と前記切欠き縁とで構成されており、
前記第二係止部が、前記側板部に設けられ、前記側板部と前記切欠き縁との間に挟まれた前記操作レバー部と軸方向に対向する位置に突き出た突起からなる請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記枠側羽根の軸筒部が、前記第二係止部から外された前記ピン退避位置の前記操作レバー部と軸方向に対向する位置から前記切欠き縁まで前記ピンの軸部周りに延びる螺旋状縁を有する請求項2に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記ピンの軸部が、軸方向の中間部で小径としかつ軸方向の両端側で大径とした段付き軸からなり、
前記操作レバー部が、前記段付き軸の中間部を一体回動可能に掴む割溝部を有する取付部材からなる請求項1から3のいずれか1項に記載のヒンジ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、電気電子機器用のキャビネットに好適なヒンジに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
電気電子機器用のキャビネットは、電気電子機器を筐体の前面に開口した入口から電気電子機器を筐体内に収納し、その入口を扉で覆うようになっている。その扉と筐体はヒンジで繋がれている。扉は、ヒンジのピンを回動中心として開閉可能な状態で筐体に対して支持される。筐体の内部に電気電子機器を設置する作業を行う際、扉が作業の邪魔にならないようにするため、扉を筐体から取り外した状態にしてから当該設置作業を行うことがある。このため、その扉の取り外しを容易に行えることが求められる。
【0003】
また、電気電子機器用のキャビネットは、密に並列配置されることがある。例えば、通信サーバを収納するサーバラックは、隣接するサーバラックの筐体同士を隙間なく配置することがある。このような場合、扉を開いて筐体の入口を全開することが可能でありながらも、開いた扉が隣接するキャビネットと干渉しないことが求められる。
【0004】
そのような電気電子機器用のキャビネットに好適なヒンジとして、扉の前面部に取り付けられる扉側羽根と、筐体の前面に取り付けられる枠側羽根と、枠側羽根の軸筒部及び扉側羽根の軸筒部に対して軸方向に移動可能に配置されたピンと、ピンが枠側羽根の軸筒部及び扉側羽根の軸筒部間に亘った接続状態を維持する方向へ当該ピンを付勢する弾性部材とを備えるものがある(特許文献1)。
【0005】
特許文献1に開示されたヒンジは、枠側羽根に対する扉側羽根の回動中心となるピンの軸部が扉の前面部よりも前方に配置されているので、筐体よりも前方の位置で扉を180°以上開くことができる。
【0006】
また、特許文献1に開示されたヒンジは、扉を開いた状態でピンの操作レバー部を弾性部材の付勢に抗して軸方向に移動させるピン押し操作によって扉を軸方向に対して直角な方向に取り外し可能なピン退避位置とし、更に当該操作レバー部を回すピン回し操作によって当該ピンを当該ピン退避位置に維持可能な係止状態に移行させることができるので、扉を開いた状態でピン操作を行って係止状態に移行させるだけで扉を筐体から取り外し可能な状態にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2010-267898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたヒンジは、扉側羽根の軸筒部とピンとの間に弾性部材を配置し、ピンの操作レバー部を旋回したり係止したりするための移動溝部を扉側羽根の後面側に設けた構造であるため、扉の前面部からピンの回動中心までの距離が大きく、したがって、扉の前面部に対する扉側羽根の前方側(手前側)への突出量が大きくなる。このため、キャビネットの前面視において扉側羽根が突出して目立ち、意匠性が悪くなる問題がある。また、ピンの操作レバー部が扉の後面側(筐体の入口側)に向けて突き出ているため、扉を開閉する際に操作レバー部の先端が筐体内の電気電子機器や配線と干渉して傷つけてしまう可能性がある。
【0009】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、筐体よりも前方の位置で扉を180°以上開くことができながら、扉を開いた状態でピン操作を行って係止状態に移行させるだけで扉を筐体から取り外し可能な状態にすることができるヒンジにおいて、扉側羽根の意匠性を良くすると共に、扉を開閉する際に筐体内の物体を傷つける懸念を無くすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するため、この発明は、扉に取り付けられる扉側羽根と、筐体に取り付けられる枠側羽根と、前記枠側羽根の軸筒部及び前記扉側羽根の軸筒部に対して軸方向に移動可能に配置されたピンと、前記ピンが前記枠側羽根の軸筒部及び前記扉側羽根の軸筒部間に亘った接続状態を維持する方向へ当該ピンを付勢する弾性部材とを備え、前記枠側羽根と前記扉側羽根の相対的な回動の中心軸となる前記ピンの軸部が、前記扉の前面部よりも前方に配置されており、前記扉を開いた状態で前記ピンの操作レバー部を前記弾性部材の付勢に抗して軸方向に移動させるピン移動操作によって前記扉を軸方向に対して直角な方向に取り外し可能なピン退避位置とし、当該ピンを当該ピン退避位置に維持可能な係止状態に移行させることができるヒンジにおいて、前記弾性部材が、前記枠側羽根と前記ピンとの間に配置されており、前記枠側羽根が、前記接続状態で軸方向移動を停止した前記ピンの前記操作レバー部の回動を規制する第一係止部と、前記係止状態のときに前記操作レバー部の軸方向移動を規制する第二係止部とを有することを特徴とするヒンジ、という構成1を採用した。
(【0011】以降は省略されています)

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