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公開番号2025029396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-06
出願番号2023134007
出願日2023-08-21
発明の名称ドア用のスライドラッチ錠
出願人個人
代理人
主分類E05C 1/10 20060101AFI20250227BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約【課題】ラッチ錠の機構をより単純化し、かつ良好な操作性も兼ね備えたスライドラッチ錠を提案する。
【解決手段】ラッチケースとスライドラッチを設け、ラッチケースには縦方向端部内面に指掛り部分を形成した操作窓を設け、スライドラッチには扉先面から出没可能とするラッチヘッドと操作凹部を設けておく。操作凹部は断面が略台形で、吊元側内面を傾斜案内面とする。ラッチケース内にスライドラッチをばね部材とともに組付けてスライドラッチ錠を構成し、扉に装着後に操作用孔を備えた化粧カバーを取り付ける。施錠状態では傾斜案内面が完全に操作窓から露出しており、指等を操作凹部に挿入すると、自然と傾斜案内面を押してスライドラッチを吊元側方向に移動させて解錠し、そのまま連続して指掛り部分を手前に引く動作や、操作凹部の奥面を押し込む動作にて扉を開閉する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
扉を押し引きして開閉するドアの戸先側に設置されるラッチ錠であって、フロント面とケース部分を備えたラッチケースとスライドラッチと化粧カバーを有し、ラッチケースのケース部分には指掛り部分を有した操作窓が設けてあり、スライドラッチは戸先面から出没するラッチヘッドと操作凹部を有したスライド部分とからなり、ラッチケース内にスライドラッチをばね部材とともに組付け、このときケース部分の操作窓とスライド部分の操作凹部が面対して重なり合う状態でスライドラッチ錠を構成し、スライドラッチ錠を扉に掘込んで配置後に扉の両面から化粧カバーを装着し、その状態から指等を操作凹部に挿入してスライドラッチを戸尻方向に移動させる動作にてラッチヘッドが没して解錠状態となり、そのまま扉を手前に開く動作や、押し込む動作にて扉の開閉を実施可能としたことを特徴とするドア用のスライドラッチ錠。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ラッチケースの操作窓の縦方向端部内面に指掛り部分を形成しておき、スライドラッチの操作凹部は縦長で断面が略台形形状にて形成されており、操作凹部の吊元側内面を傾斜案内面として設けておき、扉両面に化粧カバー嵌め込み用孔を設け、化粧カバー嵌め込み用孔に操作用孔を有した化粧カバーを装着し、ラッチヘッドが突出している施錠状態では傾斜案内面が操作用孔と操作窓を通して完全に露出した状態になるように設定し、指等を操作凹部に挿入すると自然に傾斜案内面を押す動作でスライドラッチを吊元側に移動させ、その段階で傾斜案内面はすでに指掛り部分を超えて移動しており、そのまま指掛り部分を引っ掛けて扉を引いて開ける操作と操作凹部の奥面を押して扉を開く操作を実施可能としたことを特徴とする請求項1に記載のドア用のスライドラッチ錠。
【請求項3】
前記スライドラッチの操作凹部は、扉の両面から操作可能なように2か所に設けられており、扉を引いて開く側を表面とし、逆の扉を押して開く側を裏面とすると、戸先面から吊元側方向に所定寸法離れた位置に表面からの操作凹部を設け、さらに吊元側方向に所定寸法離れた位置に裏面からの操作凹部を設け、両者が重ならないように横方向にずらせて配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のドア用のスライドラッチ錠。
【請求項4】
前記スライドラッチの操作凹部は、扉の両面から操作可能なように2か所に設けられており、扉を引いて開く側を表面とし、逆の扉を押して開く側を裏面とすると、戸先面から吊元側に所定寸法離れた位置に表面からの操作凹部を設け、その上下方向に所定寸法ずらせた位置に裏面からの操作凹部を設け、両者が重ならないように上下方向にずらせて配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のドア用のスライドラッチ錠。
【請求項5】
扉両面の化粧カバー嵌め込み用孔を同じ大きさにて同じ位置に設定し、表面側の化粧カバーの戸先方向を伸ばし、裏面側の化粧カバーの戸尻方向を伸ばし、両化粧カバーの外形と扉面に対する位置を同じにすることで、扉への掘込み作業での左右勝手をなくすと共に化粧カバーの両扉面での意匠を似せることが可能になることを特徴とする請求項3に記載のドア用のスライドラッチ錠。
【請求項6】
前記スライドラッチ錠の厚みを扉の厚みに対して掘り込み可能な最大限の厚みにて設定し、操作凹部は戸先面から吊元側方向に所定寸法離れた位置で、表面側と裏面側両方の操作凹部の位置と形状が、扉の厚みの中心線に対して対称に配置され、さらに両操作凹部を隔てる面部分を薄く形成し、扉両面の操作凹部に指等を挿入可能でかつ解錠操作が実施できる十分な深さを確保したことを特徴とする請求項1または2に記載のドア用のスライドラッチ錠。
【請求項7】
前記スライドラッチの操作凹部を略矩形の操作用貫通孔にて形成し、操作用貫通孔の吊元側内面に傾斜案内面を設けておき、ラッチケースの操作窓と扉に設けた化粧カバー嵌め込み用孔を扉の表面側と裏面側ともに同じ位置に配置し、さらに化粧カバーに回転自在にフラップ部材を常に扉面と平行な位置に戻るように捻りばねを介して組付け、フラップ部材を押し込んだ状態のまま傾斜案内面を押してスライドラッチを移動させる動作で解錠し、そのまま扉を押し引きする動作で開閉可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載のドア用のスライドラッチ錠。
【請求項8】
前記スライドラッチのラッチヘッドとスライド部分とを分割し、スライドラッチ錠のフロント部板を外した状態でラッチヘッドを回転させることにより、スライドラッチ錠の左右勝手を変更可能とすると共に、ラッチヘッド用ばね部材を介してラッチヘッドのみがスライド部分内に出没可能なように装着し、扉を閉鎖した最終段階でラッチヘッドのみが没してラッチ受けに係合する構成を併せ持つことを特徴とする請求項1または2に記載のドア用のスライドラッチ錠。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はドアに取り付けられるスライド操作タイプのラッチ錠に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般に扉27に取り付けられるラッチ錠とその操作部材としては、従来からレバーハンドル錠と呼ばれ、図18に示すような略棒状のハンドル22を手で握って回転させることにより施解錠するものが知られている。上記の構成としては扉27を挟み込むように部屋外と部屋内に装着した、角軸24を有するハンドル22と台座21とからなる面付け操作部材と、扉27の戸先側厚み部分に掘り込んで配置した箱形状のラッチケース1とからなる。そしてその機構は、ハンドル22に固定された角軸24をラッチケース1内に設けてあるハブ23の角孔25に貫通させることによりラッチケース1とハンドル22を連動させ、ハンドル22を下方に回転させることにより角軸24と共にハブ23が回転し、そのハブ23の回転動作で縦枠26に設けたラッチ受けに対してラッチヘッド9を出没させて施解錠する方式である。
【0003】
また、これらのハンドル22は手で握って操作するために比較的横方向に長い形状をしており、ハンドル22の先端を握って体重を掛けて操作すると非常に大きな荷重がハンドル22の角軸24とラッチケース1内のハブ23に掛かり、角軸24が捻れてしまったりハブ23が破損することが想定されるため、現行品においては両者共に非常に高強度に設定されている。また同様の荷重がかかることにより、長期間の使用による角軸24とハンドル22の固定部分がぐらつく不具合が頻繁に発生することが問題とされており、特開2004-3356号公報や特開2006-104857号公報等に解決方法が報告されている。
【0004】
さらにはハンドル22の回転操作により施解錠するレバーハンドル方式のものは、扉27を押して開く側、引いて開く側の、どちら側からの開閉においてもハンドル22を下方に一定角度回転させた状態で一旦保持し、そのままさらに扉27を押し引きする必要があり比較的大きな動作が必要である。またハンドル22は手で握って操作することが前提となっており、その結果扉面からかなり離れた位置にハンドル22の握り手部分を持ち出しておかなければならないことになる。するとどうしてもハンドル22の先端部分が扉面から突起状に出っ張った状態になり、通行の際にハンドル22の先端部分に衣服を引っ掛けて破いたり、鞄の紐等を引っ掛けて破損させるようなことが頻繁に起こってしまう。
【0005】
そこで本発明者は、扉面から大きく突出せず、鞄や衣服等を引っ掛ける危険性がないと共に、ハンドル自体に必要以上の大きな荷重をかけることができない構成のラッチ錠の操作ハンドルを特開2019-015070号公報にて報告した。その構成としては、まずラッチ錠は従来の角軸を回転させる動作で施解錠する構成ものを用い、ラッチ錠の角孔に角軸を挿入し、その両端に歯車を角軸に対して回転不可な状態で装着する。するとラッチケースの両外側に歯車が配置されることになり、この歯車の回転動作により角軸が回転してラッチヘッドを出没させることができる構成になる。そしてラッチケースに対して左右方向のみに移動可能に規制された操作部材を設け、操作部材に2か所のラック部分を形成し、ラック部分がラッチケース両側に配置されるように構成しておく。さらに両歯車に両ラック部分が係合した状態で操作部材とラッチケースをばね部材を介して組み付け、扉の戸先側に掘り込んだ状態で配置する。そして操作部材の操作面のみが露出するように両扉面に孔をあけておき、化粧カバーを被せてスライド式のラッチ錠として構成する。
【0006】
すると、指等を差し込んで操作部材の操作面を左右方向に移動させることでラック部分と係合した歯車と共に角軸が回転してラッチヘッドを没することができ、引き続き扉を押し引きして開閉することができる。また、そのまま放置するとばね部材により操作部材が元の位置に復帰する動作が得られることになる。しかしながらこのラッチ錠の解錠手段は結局ラッチヘッドが横方向へ移動する動作によりなされるものであり、現在頻繁に用いられているラッチ錠はハンドルを回転させる1個の機構によりラッチヘッドを横方向に出没するように設定したものである。それに反して上記の構成はラッチヘッドの直線運動を一旦回転運動に変換し、さらにまた直線運動に変換する二重の構成になっており、非効率であることが否めない。そこでより単純に横方向への解錠操作を直接実施するような構成がより優れていると想定される。
特開2004-3356号公報
特開2006-104857号公報
特開2019-015070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、ラッチ錠の機構をより単純化し、その上での良好な操作性も兼ね備えたスライド式のラッチ錠を提案すると共に、鞄の紐や衣服等を引っ掛ける危険性があるハンドルの突起状部分をさらに薄く面一にすることを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では上記目的を達成するために次の技術手段を講じた。ここで扉の両面を区別するために、以下においては、扉を引いて開く側を表面とし、逆の扉を押して開く側を裏面と表記する。そしてまずフロント面とケース部分を有したラッチケースと、ラッチヘッドとスライド部分を有したスライドラッチを設ける。ラッチケースのケース部分には装着時に両扉面と平行になる両面に操作窓が設けてあり、操作窓の縦方向端部内面に指掛り部分を形成しておく。そしてスライドラッチには戸先面から出没するラッチヘッドと、ケース部分内を左右方向にのみ移動可能な形状のスライド部分が備えられており、スライド部分には扉の両面から指等を挿入してスライド操作を可能とする操作凹部が設けられており、操作凹部は縦長で断面が略台形形状にて形成され、さらに略台形形状の吊元側内面を傾斜案内面として設定しておく。
【0009】
次にラッチケース内にスライドラッチをばね部材とともに組付けてスライドラッチ錠として構成する。この時ラッチケースの操作窓とスライドラッチの操作凹部が重なり合う状態で両者を配置し、ラッチヘッドが突出している施錠状態では傾斜案内面が完全に操作窓から露出した状態に設定しておく。そしてラッチ錠を扉の戸先面から堀込んだ状態で装着し、扉の両面にはスライドラッチの操作凹部が露出するように化粧カバー嵌め込み用孔を設け、化粧カバー嵌め込み用孔に被せるように操作用孔を有した化粧カバーを装着しておく。そして操作用孔からスライドラッチの操作凹部に指等を挿入すると、自然と傾斜案内面を押す動作とともにスライドラッチを吊元側方向に移動させる動作につながり、ラッチヘッドが没して解錠状態となる。この状態では既に操作凹部が移動して指掛り部分を引っ掛けて扉を引く操作が可能になっており、そのまま連続して指掛り部分を手前に引く動作や、操作凹部の奥面を押し込む動作にて扉の開閉が実施可能となる。
【0010】
ここで実際の扉に上記構成のスライドラッチ錠を装着する場合では、扉の戸先面から堀込んで配置することになり、木質の扉等であれば両面に一定の厚みを残す必要があり、その結果スライドラッチ錠のケース部分の厚みにおいては制限が生ずる。またスライドラッチの操作凹部は、扉の両面から操作可能なように表面側裏面側の2か所に設けられるのであるが、同じ位置にて両面から設定するとスライドラッチの操作凹部の深さが十分確保できず、指等を挿入する際の操作性に支障をきたすことが懸念される。そこで上記懸念を解消する第一の手段としては、まず戸先面から吊元側方向に所定寸法離れた位置に表面側の操作凹部を設け、さらに吊元側方向に所定寸法離した位置に裏面側の操作凹部を設け、両者が横方向に重ならないようにずらして配置することで操作凹部の十分な深さを確保することが可能になる。またこの横方向にずらして2か所の操作凹部を設定する手段では、裏面側においては扉の閉鎖状態で縦枠の戸当たりが戸先付近に被さることになるため、表面側の操作凹部を戸先面に近いほうに設定するとよい。
(【0011】以降は省略されています)

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