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公開番号2024171688
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088837
出願日2023-05-30
発明の名称液体吐出ヘッドおよび液体を吐出する装置
出願人株式会社リコー
代理人個人
主分類B41J 2/14 20060101AFI20241205BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】下部電極の剥がれの発生を防止し、歩留まりよく製造することができ、かつ信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】液体が吐出されるノズル孔11に連通する液室21が複数形成された液室基板20と、液室基板20上のノズル孔11と対向する面に設けられた振動板30と、振動板30上に、第一の電極41、圧電体42及び第二の電極43がこの順に積層された圧電素子40と、を備え、圧電体42を振動させて振動板30を変形変位させることで、液体をノズル孔11から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、第一の電極41は、液室基板20の液室21が形成されていない領域と対向する領域に開口部44を有し、開口部44は、少なくとも液室21の配列方向Dにおいて隣接する液室21間の領域に設けられている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
液体が吐出されるノズル孔に連通する液室が複数形成された液室基板と、
前記液室基板上の前記ノズル孔と対向する面に設けられた振動板と、
前記振動板上に、第一の電極、圧電体及び第二の電極がこの順に積層された圧電素子と、を備え、
前記圧電体を振動させて前記振動板を変形変位させることで、前記液体を前記ノズル孔から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
前記第一の電極は、前記液室基板の前記液室が形成されていない領域と対向する領域に開口部を有し、
前記開口部は、少なくとも前記液室の配列方向において隣接する液室間の領域に設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、少なくとも前記液室の長辺と平行なスリット状開口を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記液室の長辺と平行な前記スリット状開口の長さは、前記液室の長辺の長さよりも長いことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、前記液室の長辺と平行な一対のスリット状開口と、前記液室の短辺の一方と平行なスリット状開口とが連結した略コの字形状を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記液室の平面視形状が、配列方向に短辺を有する略長方形であり、
前記開口部は、前記液室の長辺と平行な複数のスリット状開口と、前記液室の短辺の一方側に設けられた開口とが連結した櫛歯形状を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記第一の電極と前記第二の電極とを絶縁分離する層間絶縁膜を備え、
前記第一の電極の前記開口部の端部の少なくとも一部が前記層間絶縁膜により被覆されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記第一の電極の端部の少なくとも一部が前記層間絶縁膜により被覆されていることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記振動板と前記第一の電極との間に密着膜を備え、前記密着膜が酸化チタン膜であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記第一の電極の前記開口部は、角部がR形状であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体を吐出する装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドおよび液体を吐出する装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
液体を吐出する装置として、例えば、インク等の液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルと、ノズルに連通し液体を収容した液室(加圧室などともいう)と、圧電素子等のエネルギー発生手段とを備えた構成が知られている。この液体吐出ヘッドでは、電圧が印加された圧電素子が液室の壁の一部を形成する振動板を変形させるように振動する。そして、振動板の変形変位により液室内の液体を加圧することにより、ノズルから液体を吐出させる。
【0004】
液体吐出ヘッドには、振動板上に、圧電素子を構成する下部電極、圧電体及び上部電極を積層形成した、圧電アクチュエータが実用化されている。このような液体吐出ヘッドの製造方法として、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)を応用した半導体デバイス製造技術を用いることが知られている。MEMSを用いた製造では、フォトリソグラフィー等によるレジストパターン形成、エッチング、薬液によるレジスト剥離といったプロセスによりパターニングして、振動板上に下部電極、圧電体及び上部電極の各層が所望のパターンで積層形成されたアクチュエータ基板を形成する。
【0005】
このような技術により製造される液体吐出ヘッドにおいて、圧電素子の下部電極の絶縁破壊を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧電アクチュエータ基板は、積層される各層間の密着性が十分に高いことが必要とされる。しかしながら、シリコン酸化膜等からなる振動板上に、金属または金属酸化膜からなる下部電極を積層する場合において、振動板と下部電極との良好な密着性が得られないという問題がある。
【0007】
振動板との密着性が十分ではない場合、下部電極のパターニング工程において、パターンの端部(角部、隅部)に膜剥がれや膜浮き等(以下、単に「剥がれ」という)が発生し、歩留りの低下を招くという課題がある。
【0008】
また、振動板と下部電極との密着性が不足していると、電圧を印加して圧電体を変形させた際、パターンが大きく内部応力が大きい下部電極の剥がれが発生するおそれがある。さらに、剥がれを生じた下部電極が圧電アクチュエータの意図しない部分に付着してショート等の不具合を生じるおそれがあり、液体吐出ヘッドの製品としての信頼性低下につながるという課題がある。
【0009】
そこで本発明は、下部電極の剥がれの発生を防止し、歩留まりよく製造することができ、かつ信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の液体吐出ヘッドは、液体が吐出されるノズル孔に連通する液室が複数形成された液室基板と、前記液室基板上の前記ノズル孔と対向する面に設けられた振動板と、前記振動板上に、第一の電極、圧電体及び第二の電極がこの順に積層された圧電素子と、を備え、前記圧電体を振動させて前記振動板を変形変位させることで、前記液体を前記ノズル孔から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、前記第一の電極は、前記液室基板の前記液室が形成されていない領域と対向する領域に開口部を有し、前記開口部は、少なくとも前記液室の配列方向において隣接する液室間の領域に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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