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公開番号2024171340
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2024087414
出願日2024-05-29
発明の名称固体酸化物形セル用電解質の製造方法および酸化物膜の製造方法
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類H01M 8/124 20160101AFI20241204BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】金属支持体の許容温度以下の温度で焼成するものとしても、緻密な電解質層を容易に得ること。
【解決手段】金属支持体により支持される固体酸化物形セル用電解質の製造方法は、平均粒径が0.1~1μmのサブミクロン粒子のセラミック粉末の焼成体によりサブミクロン粒子層を形成するサブミクロン粒子層形成工程と、平均粒径が2~50nmのナノ粒子のセラミック粉末を溶媒中に分散させた分散液をサブミクロン粒子層に含浸する充填工程と、分散液が充填されたサブミクロン粒子層を金属支持体の許容温度以下の温度で焼成する焼成工程と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
金属支持体により支持される固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
平均粒径が0.1~1μmのサブミクロン粒子のセラミック粉末の焼成体によりサブミクロン粒子層を形成するサブミクロン粒子層形成工程と、
平均粒径が2~50nmのナノ粒子のセラミック粉末を溶媒中に分散させた分散液を前記サブミクロン粒子層に含浸する充填工程と、
前記分散液が含浸されたサブミクロン粒子層を前記金属支持体の許容温度以下の温度で焼成する焼成工程と、
を備える固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記サブミクロン粒子層形成工程は、層の厚みが2~15μmとなるように前記サブミクロン粒子層を形成する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記充填工程を複数回繰り返し実行する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記サブミクロン粒子層形成工程または前記充填工程には、焼結助剤が適用される、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記サブミクロン粒子層形成工程は、前記サブミクロン粒子のセラミック粉末をスラリー濃度50%以上で分散させたペーストを作製して塗布し、
前記充填工程は、前記ナノ粒子のセラミック粉末をスラリー濃度40%以上で分散させた前記分散液を作製して前記サブミクロン粒子層に含浸する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の固体酸化物形セル用電解質の製造方法であって、
前記充填工程は、前駆体と前記ナノ粒子のセラミック粉末とを混合した混合溶液を前記サブミクロン粒子層に含浸する、
固体酸化物形セル用電解質の製造方法。
【請求項7】
酸化物膜の製造方法であって、
前駆体と平均粒径が10nm以下の原料粒子とを混合して混合溶液を作製する第1工程と、
基材上に前記混合溶液を塗布して乾燥させることにより前記基材上に塗布層を形成する第2工程と、
前記塗布層を焼成して前記酸化物膜を得る第3工程と、
を備える酸化物膜の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の酸化物膜の製造方法であって、
前記原料粒子の平均粒径は、5nm以下である、
酸化物膜の製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の酸化物膜の製造方法であって、
前記第1工程は、前記前駆体を原料粒子換算した換算量と前記原料粒子の粒子量との和に対する前記原料粒子の粒子量の割合が50vol%以上となるように、前記前駆体と前記原料粒子とを混合する、
酸化物膜の製造方法。
【請求項10】
請求項7または8に記載の酸化物膜の製造方法であって、
前記第1工程は、ポリピニルピロリドン(PVP)を添加して前記混合溶液を作製する、
酸化物膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書は、固体酸化物形セル用電解質の製造方法および酸化物膜の製造方法について開示する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、固体酸化物形セルに用いられる電解質の製造方法が種々提案されている。例えば、特許文献1には、多孔質アノード層の一方の面側を平滑部材上に配置し、多孔質アノード層の一方の面側に開口する空孔を塞ぐように金属イオン溶液を充填し、これを乾燥させて多孔質アノード層の一方の面に金属イオンを含む膜を形成し、当該膜を焼成することで、多孔質アノード層に電解質を形成するものが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、多孔質体に前駆体水溶液を含浸させ、乾燥により前駆体水溶液中の水等の溶媒を除去した後、800℃以上850℃以下の焼成温度で多孔質体を焼成するものが開示されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、金属支持体の一方の面に電極層を形成し、電極層の金属支持体とは反対側の面に電解質層を形成するものにおいて、電極層や電解質層を、1100℃以下の低温域で焼成処理を行なう湿式法などの低温焼成法や、スプレーコーティング法などにより形成するものが開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、金属支持型固体酸化物形燃料電池用の電解質を形成するものにおいて、二峰性粒度分布、15~40cm
2
/gの範囲内のBET表面積、球状形態のド
ープセリア粉末を焼結助剤および溶媒と組み合わせてスラリーを形成し、スラリーをアノード層に適用し、乾燥させてグリーン電解質を形成し、グリーン電解質を焼成して焼結電解質を形成するものが開示されている。
【0006】
また、特許文献5には、金属またはセラミックの基板上に前駆体溶液を噴霧して堆積させる堆積ステップと、基板の表面に堆積された前駆体を乾燥させる乾燥ステップと、表面の前駆体を加熱する加熱ステップとを繰り返し実行することにより、基板上に酸化物膜を成膜するものが開示されている。
【0007】
また、非特許文献1には、前駆体溶液にポリビニルピロリドン(PVP)を添加することで、厚みの大きな酸化物膜を成膜するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2019-149275号公報
特開2021-91578号公報
特開2020-95984号公報
特表2018-508953号公報
GB2456445A
【非特許文献】
【0009】
Kozuka Hiromitsu, Kajimura Masahiro, "Achievement of Crack-Free BaTiO3 Films over 1μm in Thickness via Non-Repetitibe Dip-Coating", Chem. Lett. (1999) pp. 1029・1030
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の方法において、金属イオン溶液が電解質として成膜される際、熱収縮により欠陥が発生するおそれがある。また、膜厚が3.5μmと薄く、電解質に必要なガスバリア性を十分に確保できないおそれもある。また、特許文献2に記載の方法において、多孔質支持体が有する細孔の内面にナノ粒子が配されるものであり、電解質に必要な緻密成膜を目的としたものではない。さらに、特許文献3に記載の方法において、単に低温焼成法を用いるだけでは緻密な膜を得ることは困難である。スプレーコーティング法を用いれば、緻密な膜を得ることは可能であるが、1回で得られる膜が非常に薄く、必要な膜厚を得るには繰り返し薄膜を積層する必要があり、コスト増を招く。また、特許文献4に記載の方法において、二峰性分布の粒径の粉末をスラリーとするが、粉末の粒径が0.1~0.4μmと比較的大きく、低温焼成では、緻密な膜を得ることは困難である。また、特許文献5に記載の方法では、前駆体溶液の噴霧による薄膜の形成と加熱による前駆体の分解とを繰り返すため、成膜時の割れを回避することはできるものの、成膜に手間と時間がかかり、コスト増を招く。また、非特許文献1に記載の方法では、前駆体溶液にポリビニルピロリドン(PVP)を添加することで、厚みの大きなセラミック層を成膜するものとされているが、PVP添加のみによる手法では、1回の成膜で得られる厚みには限界がある。
(【0011】以降は省略されています)

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