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公開番号2024171861
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089124
出願日2023-05-30
発明の名称X線撮影装置
出願人株式会社島津製作所
代理人個人
主分類H01J 35/06 20060101AFI20241205BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】被写体の画像を確実に取得可能であるとともに、再構成した画像において被写体が不鮮明になるのを抑制することが可能なX線撮影装置を提供する。
【解決手段】このX線撮影装置100は、X線管1と、X線管1から照射されて被写体90を透過したX線9aを検出する検出器2と、検出器2ら出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部5cと備えている。X線撮影装置100は、複数の電子放出部13の一部から電子線9bを放出させることにより、被写体90の寸法に応じて、被写体90側から見て、複数の電子線9bの各々の傾斜面151b上の複数の焦点位置94同士の距離95b(および距離96b)が異なるようにX線9aを照射させる制御部8を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電子線を放出するための複数の電子源を各々が有し、基板上において第1方向および第1方向に直交する第2方向の各々に直線状に並ぶ複数の電子放出部と、前記複数の電子放出部の各々から別個に放出される複数の電子線を集束させる集束部と、前記集束部により別個の複数の焦点位置に集束させた前記複数の電子線の各々により発生されたX線を被写体に向けて照射するように傾斜した傾斜面を有するターゲットとを含むX線管と、
前記X線管から照射されて前記被写体を透過したX線を検出する検出器と、
前記検出器から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部と、
前記複数の電子放出部の一部から電子線を放出させることにより、前記被写体の寸法に応じて、前記被写体側から見て、前記複数の電子線の各々の前記傾斜面上の前記複数の焦点位置同士の距離が異なるようにX線を照射させる制御部とを備える、X線撮影装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記被写体の寸法に応じた前記複数の電子放出部の各々の照射パターンに基づいて、第1方向および第2方向の各々に直線状に並ぶ前記複数の電子放出部の一部として、第1方向として前記傾斜面から前記被写体に向かうX線の照射方向に直線状に並ぶ複数の一の電子放出部、および、第2方向として前記照射方向に直交する方向に直線状に並ぶ複数の他の電子放出部の少なくともいずれかから電子線を放出させる制御を行うように構成されている、請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記被写体として寸法が小さい小検査対象に応じた前記照射パターンの場合、隣り合う前記複数の一の電子放出部から、電子線を放出させる制御を行うように構成されている、請求項2に記載のX線撮影装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記被写体として寸法が大きい大検査対象に応じた前記照射パターンの場合、前記複数の他の電子放出部、および、前記複数の一の電子放出部のうちの少なくとも1つおきに配置された一の電子放出部ごとに、の少なくともいずれかにより電子線を放出させる制御を行うように構成されている、請求項2に記載のX線撮影装置。
【請求項5】
前記複数の電子放出部の各々は、
前記ターゲット側から見て、前記照射方向を長手方向とする長方形状または楕円形状になるように並べられた複数の円錐形状の電子源と、
前記複数の円錐形状の電子源の各々から、電子を放出させるための電界を発生するゲート電極とを有する、請求項2に記載のX線撮影装置。
【請求項6】
前記ターゲットは、前記集束部と前記ターゲットとが並ぶ方向に延びる回転軸線回りに回転するように構成されており、
前記制御部は、前記ターゲットを回転させながら、前記照射パターンに基づいて、前記複数の一の電子放出部、および、前記複数の他の電子放出部の少なくともいずれかから電子線を放出させる制御を行うように構成されている、請求項5に記載のX線撮影装置。
【請求項7】
前記X線管は、前記ターゲットから照射されたX線が通過するX線透過窓をさらに含み、
前記傾斜面上の前記複数の焦点位置は、前記被写体側から見て、前記X線透過窓内に収まるように設けられている、請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項8】
前記集束部は、第1方向および第2方向の各々に直線状に並ぶ前記複数の電子放出部のうちの第1方向として前記傾斜面から前記被写体に向かうX線の照射方向に並ぶ複数の一の電子放出部のそれぞれに対向するように配置された複数のレンズ部を有する、請求項1に記載のX線撮影装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、X線撮影装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、X線撮影装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、X線撮影システム(X線撮影装置)が開示されている。このX線撮影システムは、撮影装置(検出器)と、X線放出装置(X線管)と、ドライバ(制御部)とを備えている。撮影装置は、X線放出装置から放出されて対象物を透過したX線を検出するように構成されている。ここで、X線撮影システムでは、撮影装置の検出結果に基づいて、対象物の画像が生成される。
【0004】
上記特許文献1のX線放出装置は、複数の電子放出構造体と、フォーカス構造体と、陽極とを含んでいる。
【0005】
上記特許文献1の複数の電子放出構造体の各々は、複数の電子源を有している。複数の電子放出構造体の各々は、ドライバにより制御されることによって、複数の電子源の各々から放出された電子を陽極に向けて電子ビーム(電子線)として照射するように構成されている。フォーカス構造体は、電子ビームを陽極上の1つの焦点位置に集束させるように構成されている。このような構成を含む複数の電子放出構造体の各々は、基板上に一定のピッチで並んでいる。
【0006】
上記特許文献1の陽極は、照射された電子によりX線を発生させるように構成されている。陽極は、電子ビームの照射方向において、複数の電子放出構造体の各々と対向する位置に配置されている。陽極は、電子ビームの照射方向に直交する方向に延びている。陽極は、照射された電子ビームにより発生したX線を対象物に向けて透過させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6295254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1のような従来のX線撮影システムでは、対象物が比較的小さい寸法である場合、小さい寸法の対象物にX線を確実に当てるために、複数の電子ビームの互いの焦点位置同士が近い方が望ましい。
【0009】
また、対象物が比較的大きい寸法である場合、複数の電子ビームの互いの焦点位置同士を離して、複数の電子ビームのうちの一の電子ビームによるX線が当たる撮影装置の範囲と他の電子ビームによるX線が当たる撮影装置の他の範囲とを離れた位置にすることが望ましい。すなわち、対象物が比較的大きい寸法である場合、一の電子線の焦点位置と他の電子線の焦点位置とを離していないことにより、同じような範囲にX線が照射されるので、撮影装置の検出精度によっては、撮影装置の複数の検出素子の同じ領域においてX線が検出されてしまう。このような場合、複数の画像を再構成する際、画像同士の位置が合っているにも関わらず、位置補正を行うことになるので、画像同士の位置ずれが発生してしまい再構成した画像が不鮮明になる。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1のX線撮影システムでは、対象物の画像を撮影する際、複数の電子放出構造体の各々から別個に照射される複数の電子ビームの互いの焦点位置同士の距離は変わっていないので、小さい寸法の対象物に対しては対象物(被写体)の画像を確実に取得できない場合があるとともに、大きい寸法の対象物に対しては再構成した画像において対象物(被写体)が不鮮明になるという問題点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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