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公開番号
2024175697
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023093585
出願日
2023-06-07
発明の名称
コイル部品
出願人
株式会社村田製作所
代理人
個人
主分類
H01F
27/29 20060101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】実装基板に対する固着強度を高め、かつワイヤと端子電極との接続強度を高めることができる、コイル部品を提供する。
【解決手段】コア2の鍔部5は、実装時において実装基板側に向く実装面7と、巻芯部3側に向く内側端面9と、内側端面9とは反対側の外側端面10と、を有する。端子電極21は、たとえば銀の焼付けによる下地層31と、下地層を覆う錫層32とを含む。下地層31は、実装面7ならびに実装面7から内側端面9および外側端面10の各一部にまで延びるように設けられる。ワイヤ23と端子電極21との接続部分の断面において、下地層31は、内側端面9に沿って延びる部分の先端の高さ方向の位置H1が、外側端面10に沿って延びる部分の先端の高さ方向の位置H2より高く、錫層32は、内側端面9に沿って延びる部分の先端の高さ方向の位置H3が、外側端面10に沿って延びる部分の先端の高さ方向の位置H4より低い。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
軸線方向に延びる巻芯部ならびに前記巻芯部の前記軸線方向における互いに逆の第1端部および第2端部にそれぞれ設けられた第1鍔部および第2鍔部を有する、コアと、
前記第1鍔部および前記第2鍔部にそれぞれ設けられた第1端子電極および第2端子電極と、
前記第1端子電極および前記第2端子電極間に接続されながら前記巻芯部のまわりに巻回された、少なくとも1本のワイヤと、
を備え、
前記第1鍔部および前記第2鍔部の各々は、実装時において実装基板側に向く実装面と、前記巻芯部側に向く内側端面と、前記内側端面とは反対側の外側端面と、を有し、
前記第1端子電極および前記第2端子電極の各々は、下地層と、錫を含む錫層とを含み、
前記下地層は、前記実装面ならびに前記実装面から前記内側端面および前記外側端面の各一部にまで延びるように設けられ、前記錫層は、前記下地層を覆うとともに、前記第1端子電極および前記第2端子電極の各々の少なくとも最外層を形成するように設けられ、
前記内側端面および前記外側端面の延びる方向に沿って前記実装面から離れる方向を高さ方向として、
前記第1端子電極および前記第2端子電極の少なくとも一方の端子電極について、前記ワイヤと前記端子電極との接続部分の断面であって、前記実装面、前記内側端面および前記外側端面のいずれにも直交する断面を見たとき、
(1)前記下地層は、前記内側端面に沿って延びる部分の先端の前記高さ方向の位置が、前記外側端面に沿って延びる部分の先端の前記高さ方向の位置より高く、
(2)前記錫層は、前記内側端面に沿って延びる部分の先端の前記高さ方向の位置が、前記外側端面に沿って延びる部分の先端の前記高さ方向の位置より低い、
コイル部品。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記少なくとも一方の端子電極が設けられる前記第1鍔部および前記第2鍔部の少なくとも一方は、前記実装面に設けられた溝を有し、前記溝は、前記内側端面と前記外側端面とを結ぶ方向に延びかつ前記外側端面側から前記内側端面側に向かってより深くなる勾配を持つ底面を規定しており、前記ワイヤは、前記溝の前記底面において前記端子電極に接続されている、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記少なくとも一方の第1端子電極において、前記下地層は、前記内側端面に沿って延びる部分の先端のすべての前記高さ方向の位置が、前記外側端面に沿って延びる部分の先端のすべての前記高さ方向の位置より高く、前記錫層は、前記内側端面に沿って延びる部分の先端のすべての前記高さ方向の位置が、前記外側端面に沿って延びる部分の先端のすべての前記高さ方向の位置より低い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記下地層は、導電成分として銀を含む導電性ペーストの焼付け層である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記錫層は、めっき層である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記少なくとも一方の端子電極は、前記第1端子電極および前記第2端子電極の双方である、請求項1ないし5のいずれかに記載のコイル部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、巻線型のコイル部品に関するもので、特に、コアに設けられる端子電極の構造に関するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
たとえば特開2005-347588号公報(特許文献1)に記載されるように、巻線型のコイル部品は、概ね、巻芯部ならびにその軸線方向における互いに逆の第1端部および第2端部にそれぞれ設けられた第1鍔部および第2鍔部を有する、コアと、第1鍔部および第2鍔部にそれぞれ設けられた第1端子電極および第2端子電極と、第1端子電極および第2端子電極間に接続されながら巻芯部のまわりに巻回されたワイヤと、を備えている。
【0003】
第1鍔部および第2鍔部の各々は、実装時において実装基板側に向く実装面と、巻芯部側に向く内側端面と、内側端面とは反対側の外側端面と、内側端面および外側端面間を連結する第1側面および第2側面と、を有している。
【0004】
第1端子電極および第2端子電極の各々は、特許文献1のたとえば図1からわかるように、第1鍔部および第2鍔部の各々の実装面を覆うように形成されるとともに、実装面から、実装面に隣接する内側端面、外側端面、第1側面および第2側面の各一部にまで延びるように形成されている。
【0005】
また、特許文献1のたとえば段落0016、0023に記載されるように、端子電極は、下地層電極および上層電極を有している。下地層電極はたとえばAg、Cu等の導電性材料の焼付けによって形成され、上層電極はたとえばNi、Sn等の導電性材料のめっきによって形成される。上層電極では、Sn層を最上層に位置させ、ワイヤと端子電極との接合強度を高めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-347588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、車載市場において、たとえばコイル部品について高い信頼性を有することが求められている。高い信頼性を実現するには、一例として、コイル部品の、実装基板に対する固着強度が高いこと、コイル部品におけるワイヤと端子電極との接続強度が高いこと、などが必要とされる。
【0008】
コイル部品の、実装基板に対する固着強度を高めるためには、コイルの実装時において、はんだフィレットが実装基板から十分な高さをもって形成されなければならない。はんだフィレットの形成には、コアに設けられる端子電極において、鍔部の特に外側端面の一部にまで延びるように形成されている部分が重要な役割を果たす。すなわち、当該部分において、良好なはんだ濡れ性を示すSn層が十分な高さをもって形成されなければならない。
【0009】
また、コイル部品におけるワイヤと端子電極との接続強度を高めるには、十分な量のSnが端子電極からワイヤに向かって供給できなければならない。
【0010】
しかしながら、特許文献1には、上述した要望を十分に満たすことを可能にする技術が明確には記載されていない。
(【0011】以降は省略されています)
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