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公開番号
2024169599
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2024162334,2021114477
出願日
2024-09-19,2021-07-09
発明の名称
液体含浸皮膚被覆シート用不織布およびその製造方法、液体含浸皮膚被覆シート、ならびにフェイスマスク
出願人
大和紡績株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
D04H
1/4258 20120101AFI20241128BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約
【課題】液体を含浸させた状態で皮膚に対して良好な密着性を示す、液体含浸皮膚被覆シートを与え得る不織布を提供することを目的とする。
【解決手段】第1セルロース系繊維と、湿潤時強度及び/又は湿潤時見掛ヤング率が第1セルロース系繊維のそれよりも低い第2セルロース系繊維とを含む、セルロース系繊維層を含み、セルロース系繊維層は、第1セルロース系繊維を5質量%以上50質量%以下の割合で、第2セルロース系繊維を30質量%以上95質量%以下の割合で含み、セルロース系繊維層において、第1セルロース系繊維と第2セルロース系繊維とを合わせた割合が、セルロース系繊維層を構成する繊維全体の80質量%以上であり、セルロース系繊維層の表面の湿潤状態でのCD方向における平均摩擦係数の変動が0.013以下であり、セルロース系繊維層の表面について測定される15分後密着力が180gf以上である、液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
第1セルロース系繊維と、湿潤時強度及び/又は湿潤時見掛ヤング率が第1セルロース系繊維のそれよりも低い第2セルロース系繊維とを含む、セルロース系繊維層を含み、
前記セルロース系繊維層は、前記第1セルロース系繊維を、5質量%以上50質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層は、前記第2セルロース系繊維を、30質量%以上95質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層において、前記第1セルロース系繊維と前記第2セルロース系繊維とを合わせた割合が、前記セルロース系繊維層を構成する繊維全体の80質量%以上であり、
前記セルロース系繊維層の表面の湿潤状態でのCD方向における平均摩擦係数の変動が0.013以下であり、前記セルロース系繊維層の表面について測定される15分後密着力が180gf以上である、液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
目付が40g/m
2
以上120/m
2
以下である、請求項1に記載の液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
【請求項3】
前記セルロース系繊維層が接着性繊維を含み、前記セルロース系繊維層を構成する繊維が前記接着性繊維で接着されている、請求項1または2に記載の液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
【請求項4】
前記セルロース系繊維層が、湿潤時強度が1.5cN/dtex以上および/または湿潤時見掛ヤング率が1000N/mm
2
以上である第1セルロース系繊維と、
湿潤時強度が1.2cN/dtex以下および/または湿潤時見掛ヤング率が930N/mm
2
以下である第2セルロース系繊維とを含む、請求項1または2に記載の液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
【請求項5】
前記セルロース系繊維層のみからなる単層不織布である、請求項1または2に記載の液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
【請求項6】
前記第1セルロース系繊維および前記第2セルロース系繊維の一方または両方は、その灰分が0.5質量%以下である、請求項1または2に記載の液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
【請求項7】
前記第1セルロース系繊維の繊維長が20mm以上100mm以下であり、前記第2セルロース系繊維の繊維長が20mm以上100mm以下であり、前記セルロース系繊維層がカードウェブの繊維同士を交絡させてなるものである、請求項1または2に記載の液体含浸皮膚被覆シート用不織布。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体、特に化粧料を含浸させた液体含浸皮膚被覆シートの基材となる不織布およびその製造方法、ならびに当該不織布を用いた液体含浸皮膚被覆シートおよびフェイスマスクに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
人体または動物の皮膚を被覆して、人体または動物の皮膚に所定の物質を付与するために用いられる、液体を含浸させたシートが種々提案され、実用されている。具体的には、有効成分を含む液体(例えば化粧料)を含浸させた液体含浸皮膚被覆シート(フェイスマスクや踵、肘、膝などに使用する角質ケアシート)等が挙げられる。液体含浸皮膚被覆シートの基材としては、不織布が一般的に用いられている。液体含浸皮膚被覆シートは、比較的長い時間、皮膚に密着させて使用することが多いため、密着性、液体の放出性、触感、および利便性、ならびに皮膚に密着させたときの透明性等の点から様々な不織布が基材として提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、湿潤状態で透明性が高い保液シートとして、透明繊維を使用したシートを提案し、その実施例として、酸化チタンを含まない、または0.1質量%以下の割合で含む、再生セルロース繊維および溶剤紡糸セルロース繊維、ならびにポリエステル繊維を使用した実施例を開示している。特許文献2は、高い液保持性を有し、かつ、使用後の汚れの視認性に優れた不織布として、重合度が特定の範囲内にある2種類のセルロース繊維を含む不織布を使用することを提案し、2種類のセルロース繊維の組み合わせとして、レーヨンとリヨセルの組み合わせが示されている。特許文献3は、高い透明性と取り扱い性の向上を目的として、特定の条件を満たすセルロース系繊維が熱接着性繊維によって熱接着されたセルロース系混合繊維を含む不織布を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2013/187404号パンフレット
特開2016-69762号公報
特許第6587608号公報
特許第6093487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、液体を含浸させた状態で皮膚に対して良好な密着性を示す、液体含浸皮膚被覆シートを与え得る不織布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つの要旨によれば、湿潤時強度が1.5cN/dtex以上および/または湿潤時見掛ヤング率が1000N/mm
2
以上である第1セルロース系繊維と、
湿潤時強度が1.2cN/dtex以下および/または湿潤時見掛ヤング率が930N/mm
2
以下である第2セルロース系繊維とを含む、セルロース系繊維層を含み、
前記セルロース系繊維層は、前記第1セルロース系繊維を、5質量%以上50質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層は、前記第2セルロース系繊維を、30質量%以上95質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層において、前記第1セルロース系繊維と前記第2セルロース系繊維とを合わせた割合が、前記セルロース系繊維層を構成する繊維全体の80質量%以上であり、
前記セルロース系繊維層の目付は、40g/m
2
以上である、
液体含浸皮膚被覆シート用不織布が提供される。
【0007】
本開示の別の要旨によれば、第1セルロース系繊維と第2セルロース系繊維とを含む、セルロース系繊維層を含み、
前記第1セルロース系繊維は灰分が0.5質量%以下の溶剤紡糸セルロース繊維であり、
前記第2セルロース系繊維が、下記(1)ないし(3)
(1)横断面が単一構造を有し、かつ以下の式により求められる横断面の凹凸度が2.0以下である、ビスコースレーヨン、
凹凸度=L
2
/(4π・S)
(式中、Lは横断面の周長、Sは横断面の面積である。)
(2)横断面が単一構造を有し、横断面の輪郭が円形、楕円形もしくは繭玉形、または切れ目を有する円形、楕円形もしくは繭玉形である、ビスコースレーヨン、
(3)横断面が単一構造を有し、かつ以下の式により求められる横断面の扁平度が1.80以上であり、かつ以下の式により求められる横断面の凹凸度が2.50以下である、ビスコースレーヨン
扁平度=a/b
(式中、aは横断面の任意の二点を結ぶ最長の線分Aの長さであり、bは線分Aに対して垂直であり、かつ線分Aと平行な線分とともに横断面に外接する長方形または正方形を構成する線分の長さである。)
凹凸度=L
2
/(4π・S)
(式中、Lは横断面の周長、Sは横断面の面積である。)
から選択される1または複数のビスコースレーヨンであり、
前記セルロース系繊維層は、前記第1セルロース系繊維を、5質量%以上50質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層は、前記第2セルロース系繊維を、30質量%以上95質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層において、前記第1セルロース系繊維と前記第2セルロース系繊維とを合わせた割合が、前記セルロース系繊維層を構成する繊維全体の80質量%以上であり、
前記セルロース系繊維層の目付は、40g/m
2
以上である、
液体含浸皮膚被覆シート用不織布が提供される。
【0008】
本発明のさらに別の要旨によれば、第1セルロース系繊維と、湿潤時強度及び/又は湿潤時見掛ヤング率が第1セルロース系繊維のそれよりも低い第2セルロース系繊維とを含む、セルロース系繊維層を含み、
前記セルロース系繊維層は、前記第1セルロース系繊維を、5質量%以上50質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層は、前記第2セルロース系繊維を、30質量%以上95質量%以下の割合で含み、
前記セルロース系繊維層において、前記第1セルロース系繊維と前記第2セルロース系繊維とを合わせた割合が、前記セルロース系繊維層を構成する繊維全体の80質量% 以上であり、
前記セルロース系繊維層の表面の湿潤状態でのCD方向における平均摩擦係数の変動が0.013以下であり、前記セルロース系繊維層の表面について測定される15分後密着力が180gf以上である、液体含浸皮膚被覆シート用不織布が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の液体含浸皮膚被覆シート用不織布によれば、湿潤状態での密着性に優れ、かつ触感が滑らかであるとともに、取り扱いやすい液体含浸皮膚被覆シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例または比較例で使用したセルロース系繊維Aの横断面を示す電子顕微鏡写真である。
実施例または比較例で使用したセルロース系繊維Bの横断面を示す電子顕微鏡写真である。
実施例または比較例で使用したセルロース系繊維Cの横断面を示す電子顕微鏡写真である。
実施例または比較例で使用したセルロース系繊維Dの横断面を示す電子顕微鏡写真である。
実施例または比較例で使用したセルロース系繊維Eの横断面を示す電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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