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公開番号2024168807
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085765
出願日2023-05-24
発明の名称タンクシステム
出願人株式会社IHIプラント,株式会社IHI
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F17C 13/02 20060101AFI20241128BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】メンブレンを有する地上式貯蔵タンクへ大気中の水分が侵入することを長期間抑止可能とする。
【解決手段】地上式貯蔵タンク10は、コンクリート壁とメンブレン4との間に介装される樹脂製ライナと、保冷空間に充填配置される保冷パネルとを備え、保冷空間環境調整部20は、保冷空間Kに調湿ガスを供給する調湿ガス供給部21と、保冷空間Kの圧力が大気圧以上かつ低温液化ガスXの貯蔵空間の気層部Rの圧力を超えない規定値となるように少なくとも調湿ガス供給部21を制御する制御部26とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
メンブレンとコンクリート壁との間に形成された保冷空間を有すると共に低温液化ガスを貯蔵する地上式貯蔵タンクと、
前記保冷空間の環境を調整する保冷空間環境調整部と
を備え、
前記地上式貯蔵タンクは、
前記コンクリート壁と前記メンブレンとの間に介装される樹脂製ライナと、
前記保冷空間に充填配置される断熱材と
を備え、
前記保冷空間環境調整部は、
前記保冷空間に調湿ガスを供給する調湿ガス供給部と、
前記保冷空間の圧力が大気圧以上かつ低温液化ガスの貯蔵空間の気層部の圧力を超えない規定値となるように少なくとも前記調湿ガス供給部を制御する制御部と
を備える
ことを特徴とするタンクシステム。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記保冷空間の圧力と大気圧と前記貯蔵空間の気層部の圧力とに基づいて、少なくとも前記調湿ガス供給部を制御することを特徴とする請求項1記載のタンクシステム。
【請求項3】
前記保冷空間環境調整部は、前記保冷空間から前記調湿ガスを排出する調湿ガス排出部を備えることを特徴とする請求項1または2記載のタンクシステム。
【請求項4】
前記保冷空間環境調整部は、前記保冷空間の前記低温液化ガス成分を検出するガス検出部を備えることを特徴とする請求項1または2記載のタンクシステム。
【請求項5】
非常時に前記低温液化ガスの気化ガスを前記地上式貯蔵タンクから排出する安全弁システムと、
前記安全弁システムによって前記地上式貯蔵タンクから排出された前記気化ガスを除害する除害設備と
を備え、
前記保冷空間環境調整部は、前記ガス検出部にて前記低温液化ガス成分が検出された場合に、前記安全弁システムを介して前記保冷空間のガスを前記除害設備に供給する
ことを特徴とする請求項4記載のタンクシステム。
【請求項6】
前記調湿ガスは、窒素ガスであることを特徴とする請求項1または2記載のタンクシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクシステムに関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、コンクリート壁とメンブレンとを備える低温タンクが開示されている。特許文献1に開示された低温タンクは、コンクリート壁とメンブレンとの間に充填される保冷パネルを備える。このような低温タンクは、メンブレンに囲まれた空間にLNG(Liquefied Natural Gas)等の低温液化ガスを貯留する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実開昭59-125698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、低温液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクは、様々な種類がある。特許文献1に開示されたようなメンブレンを備える貯蔵タンクは、地下に埋設された状態で形成されるものが多い。このような地下式の低温タンクの周囲には、地盤を凍結することで生じる凍土が存在する。このような凍土によって、外部の水分がコンクリート壁を透過して低温タンクの内部に侵入することが防止される。しかしながら、近年、メンブレンを備える大型の貯蔵タンクを地上に形成することが提案されている。このようなメンブレンを備える地上式の貯蔵タンクにおいては、外部から大気中の水分が侵入することを防止するために、コンクリート壁とメンブレンとの間にライナを配置することが考えられる。ところが、貯蔵する低温液化ガスの種類によっては、樹脂製のライナが採用される場合がある。このような樹脂製ライナは、完全なガス密性を有するものではない。このため、長期間の使用により大気中の水分が僅かであってもコンクリート壁とメンブレンとの間に侵入する可能性がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、メンブレンを有する地上式貯蔵タンクへ大気中の水分が侵入することを長期間抑止可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の態様は、タンクシステムであって、メンブレンとコンクリート壁との間に形成された保冷空間を有すると共に低温液化ガスを貯蔵する地上式貯蔵タンクと、上記保冷空間の環境を調整する保冷空間環境調整部とを備え、上記地上式貯蔵タンクが、上記コンクリート壁と上記メンブレンとの間に介装される樹脂製ライナと、上記保冷空間に充填配置される断熱材とを備え、上記保冷空間環境調整部が、上記保冷空間に調湿ガスを供給する調湿ガス供給部と、上記保冷空間の圧力が大気圧以上かつ上記低温液化ガスの貯蔵空間の気層部の圧力を超えない規定値となるように少なくとも上記調湿ガス供給部を制御する制御部とを備えるという構成を採用する。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記制御部が、上記保冷空間の圧力と大気圧と上記貯蔵空間の気層部の圧力とに基づいて、少なくとも上記調湿ガス供給部を制御するという構成を採用する。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様において、上記保冷空間環境調整部が、上記保冷空間から上記調湿ガスを排出する調湿ガス排出部を備えるという構成を採用する。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第1~第3のいずれかの態様において、上記保冷空間環境調整部が、上記保冷空間の上記低温液化ガス成分を検出するガス検出部を備えるという構成を採用する。
(【0011】以降は省略されています)

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