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公開番号2024123631
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031210
出願日2023-03-01
発明の名称平底円筒タンク
出願人川崎重工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F17C 13/00 20060101AFI20240905BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】裏当て材が付設された平底円筒タンクの底板の下方領域について、パージ処理を確実に行えるようにする。
【解決手段】三重殻タンク1は、外槽2、中間槽3および内槽4を備える。内槽底板41は、複数枚の底板ピース41の周縁同士を溶接して形成されている。一対の底板ピース41Pの溶接ラインWLに沿って、内槽底板41の裏面には裏当て材45が配置されている。裏当て材45は、溶接ラインWLを基準とする裏当て材45の一方の側面45Cの空間と他方の側面の空間45Dとを連通させる、通気路としての溝452を有している。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数枚の底板ピースの周縁同士を溶接して形成される底板と、
前記底板ピースの溶接ラインに沿って、前記底板の裏面に配置される裏当て材と、
前記溶接ラインを基準とする前記裏当て材の一方の側面の空間と他方の側面の空間とを連通させる通気路と、
を備える平底円筒タンク。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の平底円筒タンクにおいて、
前記通気路が、前記裏当て材の下面に形成された溝からなる、平底円筒タンク。
【請求項3】
請求項1に記載の平底円筒タンクにおいて、
前記通気路が、前記裏当て材の下面において所定間隔を置いて下方へ突設された一対の凸部で形成されている、平底円筒タンク。
【請求項4】
請求項1に記載の平底円筒タンクにおいて、
前記通気路が、前記裏当て材の下面を支持するよう所定間隔をおいて敷設された一対のスペーサで形成されている、平底円筒タンク。
【請求項5】
請求項1に記載の平底円筒タンクにおいて、
前記底板の下方領域に存在するガスをパージするパージガスを送気する送気管路と、
パージされたガスを前記下方領域から前記平底円筒タンクの外部へ排気する排気管路と、をさらに備える、平底円筒タンク。
【請求項6】
請求項5に記載の平底円筒タンクにおいて、
前記排気管路のパージされるガスの受け入れ開口は、前記底板の径方向中央付近に配設されている、平底円筒タンク。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の平底円筒タンクにおいて、
前記底板を有するタンク本体に収容される流体が、液化水素である、平底円筒タンク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、低温液化ガス等を貯留する平底円筒タンクに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
液化水素や液化天然ガスなどの低温液化ガスを貯留するタンクとして、円形の底板、円筒状の側板およびドーム状の屋根を備えた平底円筒タンクが知られている。上記の底板、側板および屋根は、複数枚の板ピースを溶接して組み立てられる。前記底板の場合、平板状の底板ピースの周縁同士が、裏当て材を沿わせた状態で溶接される。
【0003】
平底円筒タンクの初期使用時やメンテナンス時に、タンク内部やタンク周囲の保冷層などに存在している気体を所要のガスに置換するパージが必要となる場合がある。特許文献1には、内槽および外槽を有する二重殻構造の平底円筒タンクにおいて、内槽底板の下部に配設されている底部保冷層のパージを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-261397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
底板ピース同士の溶接ラインの裏側に裏当て材を敷設して底板を組み立てる場合、底板と保冷層との間に、裏当て材で取り囲まれた閉空間が生じることがある。この場合、平底円筒タンクの底板の下方領域に対してパージ処理を行っても、前記閉空間にパージ対象の空気やガスが残存する不具合が生じ得る。
【0006】
本開示の目的は、裏当て材が付設された平底円筒タンクの底板の下方領域について、パージ処理を確実に行い得る平底円筒タンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面に係る平底円筒タンクは、複数枚の底板ピースの周縁同士を溶接して形成される底板と、前記底板ピースの溶接ラインに沿って、前記底板の裏面に配置される裏当て材と、前記溶接ラインを基準とする前記裏当て材の一方の側面の空間と他方の側面の空間とを連通させる通気路と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、裏当て材が付設された平底円筒タンクの底板の下方領域について、パージ処理を確実に行い得る平底円筒タンクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本開示の平底円筒タンクの一実施形態に係る三重殻タンクを概略的に示す断面図である。
図2は、内側底部保冷層の構造を示すタンク底部の断面図である。
図3(A)は、裏当て材の正面図、図3(B)は、図3(A)のIIIB-IIIB線断面図である。
図4(A)は、内槽底板の下部への裏当て材の配置状態を示す正面図、図4(B)は、図4(A)のIVB-IVB線断面図である。
図5は、内側底部保冷層へのパージガスの送気・排気例を説明するための、タンク底部の上面図である。
図6(A)は、第1変形例に係る裏当て材および通気路の正面図、図6(B)は、図6(A)のVIB-VIB線断面図である。
図7は、第2変形例に係る裏当て材および通気路の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本開示に係る平底円筒タンクの実施形態を詳細に説明する。本開示の平底円筒タンクは、低温液化ガスを貯留する地上据え置き式のタンクである。貯留される低温液化ガスは、例えば液化水素、液体ヘリウム、液体窒素、液化天然ガスまたは液化石油ガスなどである。以下の実施形態では、一例として、タンク内に収容される流体が液化水素である、三重殻の平底円筒タンクを例示する。もちろん、本開示の平底円筒タンクは三重殻タンク以外の多重殻タンク、例えば二重殻タンクであっても良い。
(【0011】以降は省略されています)

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