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公開番号
2024118972
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-02
出願番号
2023025599
出願日
2023-02-21
発明の名称
水素活用システム
出願人
株式会社ハイドロネクスト
代理人
個人
主分類
F17D
1/04 20060101AFI20240826BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約
【課題】都市ガスパイプラインに混入された水素を分離する水素分離膜の加熱に使用されるエネルギー供給を合理的な手法で行うことができ、ガスの濃度の偏りや減圧、下流側の水素量の低下を防止することができ、安全性に優れ水素脆化の発生を未然に防止することが可能な水素活用システムを提供する。
【解決手段】混合ガスは、水素分離膜11によって水素が分離され、水素分離膜11は、ガス式加熱器12と電気式加熱器13のいずれかによって加熱される。ガス式加熱器12は、都市ガスパイプライン1から供給される混合ガスを燃焼させて加熱し、電気式加熱器13は、混合ガスから分離された水素の一部を用いて発電する燃料電池16による電力が蓄電されたバッテリー14から得られる電力によって加熱する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
都市ガスパイプラインに対して水素が供給され、メタンガスと水素とを含む混合ガスから水素精製装置において水素が分離されて、エネルギー生成に活用される水素活用システムであって、
前記水素精製装置は、前記混合ガスから水素を分離する水素分離膜と、水素分離膜を加熱する加熱手段とを備え、
前記加熱手段は、前記混合ガスを燃焼させて加熱するガス式加熱器と、前記混合ガスから分離された水素の一部を用いて発電する燃料電池による電力が蓄電されたバッテリーから得られる電力によって加熱する電気式加熱器とを備え、
前記加熱手段として前記ガス式加熱器と前記電気式加熱器のいずれが用いられるかは、前記混合ガスを前記ガス式加熱器に供給可能か否かによって決定され、前記ガス式加熱器に混合ガスを供給可能である場合には、前記混合ガスを燃焼させて前記ガス式加熱器によって水素分離膜を加熱し、前記ガス式加熱器に混合ガスを供給可能でない場合には、バッテリー電力を用いて前記電気式加熱器により水素分離膜を加熱することを特徴とする水素活用システム。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記水素精製装置から本流の前記都市ガスパイプラインへの戻り流路に取り付けられた混合装置および昇圧機を備えていることを特徴とする請求項1記載の水素活用システム。
【請求項3】
前記都市ガスパイプラインから前記水素精製装置への送り流路に取り付けられた混合装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の水素活用システム。
【請求項4】
前記都市ガスパイプラインへの水素の供給路と、前記都市ガスパイプラインから前記水素精製装置への送り流路とに取り付けられた水素量測定器を備えていることを特徴とする請求項1記載の水素活用システム。
【請求項5】
前記都市ガスパイプラインへの水素の供給路と、前記都市ガスパイプラインから前記水素精製装置への送り流路とに取り付けられた水素検知器を備えるとともに、前記都市ガスパイプラインから前記水素精製装置への送り流路に取り付けられたバルブを備え、前記水素検知器によって水素の漏洩が検知されたときは、前記バルブが閉じられて水素供給が自動的に停止されることを特徴とする請求項1記載の水素活用システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ガスパイプラインに混入された水素を分離して活用する水素活用システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から、脱炭素社会の実現が求められており、水素を用いたエネルギー生成システムに期待が集まっている。特許文献1、特許文献2には、既存の都市ガスパイプラインを利用して、燃料電池等の水素燃料設備の利用を可能とすることを目的とする技術の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-243100号公報
特開2008-248934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの技術においては、混合ガスから水素を分離する際に、水素分離膜の性能を高めて高濃度の水素を得ることが必要であり、これを実現するために、水素分離膜の温度環境を最適化することが必要となる。水素ガスと他の気体との混合ガスから、水素分離膜を用いて水素を効率的に分離するためには、水素分離膜の温度を、300℃から350℃程度の高温状態にすることが必要であり、このための加熱手段が不可欠である。また、その際の加熱に使用されるエネルギーを極力少なくすることが、合理的なエネルギー生成システムに求められる。
【0005】
メタンと水素との混合ガスを水素精製装置に供給するにあたって、水素比率が不安定であると、水素精製装置の性能を十分に発揮することができない。また、水素精製装置から本流の都市ガスパイプラインに混合ガスを戻す場合に、ガスの濃度の偏りと減圧が生じる可能性もある。さらに、都市ガスパイプラインの下流側の水素量は必然的に低下する。
【0006】
都市ガスパイプラインは、極めて長距離区間に亘って設置されるものであるため、上記のような理由により、ガスの濃度の偏りや減圧、下流側の水素量の低下という事態が発生すると、既存の都市ガスパイプラインを利用して、燃料電池等の水素燃料設備の利用を可能とするという本来の目的を達成することができない。また、水素が配管から漏れると、安全性に問題を生じる。
【0007】
また、ガスの濃度の偏りが発生することにより、局所的に水素濃度が高まると、その部分での水素脆化を無視できなくなる。長距離区間に亘って設置された都市ガスパイプラインにおいて、水素脆化が発生した箇所を検知して補修するためには、多くの手間と費用がかかるため、水素脆化の発生を未然に防止することが求められる。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、既存の都市ガスパイプラインに混入された水素を分離するにあたって、水素分離膜の加熱に使用されるエネルギー供給を合理的な手法で行うことができ、ガスの濃度の偏りや減圧、下流側の水素量の低下という事態の発生を防止することができ、安全性に優れ水素脆化の発生を未然に防止することが可能な水素活用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、本発明の水素活用システムは、都市ガスパイプラインに対して水素が供給され、メタンガスと水素とを含む混合ガスから水素精製装置において水素が分離されて、エネルギー生成に活用される水素活用システムであって、前記水素精製装置は、前記混合ガスから水素を分離する水素分離膜と、水素分離膜を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段は、前記混合ガスを燃焼させて加熱するガス式加熱器と、前記混合ガスから分離された水素の一部を用いて発電する燃料電池による電力が蓄電されたバッテリーから得られる電力によって加熱する電気式加熱器とを備え、前記加熱手段として前記ガス式加熱器と前記電気式加熱器のいずれが用いられるかは、前記混合ガスを前記ガス式加熱器に供給可能か否かによって決定され、前記ガス式加熱器に混合ガスを供給可能である場合には、前記混合ガスを燃焼させて前記ガス式加熱器によって水素分離膜を加熱し、前記ガス式加熱器に混合ガスを供給可能でない場合には、バッテリー電力を用いて前記電気式加熱器により水素分離膜を加熱することを特徴とする。
【0010】
水素分離膜を用いて水素を効率的に分離するためには、水素分離膜の温度を、300℃から350℃程度の高温状態にすることが必要であり、このための加熱手段が不可欠である。本発明においては、この加熱手段として、混合ガスを燃焼させて加熱するガス式加熱器と、混合ガスから分離された水素の一部を用いて発電する燃料電池による電力が蓄電されたバッテリーから得られる電力によって加熱する電気式加熱器とを備えている。
(【0011】以降は省略されています)
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