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公開番号2025085115
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2023198766
出願日2023-11-24
発明の名称燃料供給装置および発電システム
出願人オリオン機械株式会社
代理人個人
主分類F17C 11/00 20060101AFI20250529BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】燃料電池ユニットに対して十分な量の水素ガス(第2の気体)を継続して供給可能とする。
【解決手段】制御部23が、電子膨張弁13a,13bおよび四方弁14を制御して、いずれかの熱交換器12を温熱源としての凝縮器として機能させ、かつ他のいずれかの熱交換器12を冷熱源としての蒸発器として機能させると共に、ファン15a~15cを制御して、水素ガスGを放出させるキャニスターCに向けて凝縮器において熱交換させた空気を流動させてそのキャニスターCを加熱し、かつ水素ガスGを流入させるキャニスターCに向けて蒸発器において熱交換させた空気を流動させてそのキャニスターCを冷却すると共に、さらに他のいずれかの熱交換器12からの空気の流動量を凝縮器および蒸発器として機能させる2つの熱交換器12,12からの空気の流動量よりも低下させる処理を、開閉弁21a~21c,22a~22cの制御態様に対応させて実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸化剤を含む第1の気体および水素を含む第2の気体を反応させて発電可能に構成された燃料電池ユニットに当該第2の気体を供給可能に構成された燃料供給装置であって、
前記第2の気体を貯蔵可能な複数の貯蔵用容器と、
前記貯蔵用容器の温度を調整する温熱源および冷熱源を構成する冷凍サイクルと、
気体生成装置によって生成された前記第2の気体をいずれかの前記貯蔵用容器に流入させて貯蔵させると共に、他のいずれかの前記貯蔵用容器に貯蔵されている前記第2の気体を放出させて前記燃料電池ユニットに供給させる気体流路切替え部と、
前記冷凍サイクルおよび前記気体流路切替え部を制御する制御部とを備え、
前記冷凍サイクルは、
圧縮機と、
第1の熱交換器、第2の熱交換器および第3の熱交換器の3つの熱交換器と、
冷媒流路における前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器との間に配設された第1の電子膨張弁、および当該冷媒流路における当該第2の熱交換器と前記第3の熱交換器との間に配設された第2の電子膨張弁と、
前記圧縮機から排出された冷媒が、前記第1の熱交換器、前記第1の電子膨張弁、前記第2の熱交換器、前記第2の電子膨張弁および前記第3の熱交換器をこの順で通過して当該圧縮機に吸入される第1の流動方向と、当該第1の流動方向とは逆向きの第2の流動方向とのいずれかで流動するように前記冷媒流路を切り替える冷媒流路切替え部と、
前記第1の熱交換器において前記冷媒と熱交換させた熱交換流体を前記各貯蔵用容器のうちの第1の貯蔵用容器に向けて流動させる第1の流体移動部、前記第2の熱交換器において前記冷媒と熱交換させた前記熱交換流体を当該各貯蔵用容器のうちの第2の貯蔵用容器に向けて流動させる第2の流体移動部、および前記第3の熱交換器において前記冷媒と熱交換させた前記熱交換流体を前記各貯蔵用容器のうちの第3の貯蔵用容器に向けて流動させる第3の流体移動部の3つの流体移動部とを備え、
前記制御部は、
前記第1の電子膨張弁、前記第2の電子膨張弁および前記冷媒流路切替え部を制御して、前記3つの熱交換器のうちのいずれかの当該熱交換器を前記温熱源としての凝縮器として機能させ、かつ当該3つの熱交換器のうちの他のいずれかの当該熱交換器を前記冷熱源としての蒸発器として機能させると共に、
前記3つの流体移動部を制御して、前記各貯蔵用容器のうちの前記第2の気体を放出させる当該貯蔵用容器に向けて前記凝縮器において熱交換させた前記熱交換流体を流動させて当該貯蔵用容器を加熱し、かつ前記各貯蔵用容器のうちの前記第2の気体を流入させる当該貯蔵用容器に向けて前記蒸発器において熱交換させた前記熱交換流体を流動させて当該貯蔵用容器を冷却すると共に、
前記3つの熱交換器のうちのさらに他のいずれかの当該熱交換器からの前記熱交換流体の流動量を前記凝縮器および前記蒸発器として機能させる2つの当該熱交換器からの前記熱交換流体の流動量よりも低下させる処理を、前記気体流路切替え部の制御態様に対応させて実行可能に構成されている燃料供給装置。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記第2の気体を放出させている前記貯蔵用容器の当該第2の気体の貯蔵量が予め規定された下限貯蔵量まで減少したときに、前記気体流路切替え部を制御して、当該第2の気体の貯蔵量が予め規定された放出可能貯蔵量以上の前記貯蔵用容器から当該第2の気体を放出させるように切り替えさせる請求項1記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の気体を流入させている前記貯蔵用容器の当該第2の気体の貯蔵量が予め規定された上限貯蔵量まで増加したときに、前記気体流路切替え部を制御して、当該第2の気体の貯蔵量が予め規定された流入可能貯蔵量以下の前記貯蔵用容器に当該第2の気体を流入させるように切り替えさせる請求項1記載の燃料供給装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の燃料供給装置と、前記燃料電池ユニットと、前記気体生成装置とを備えて構成されている発電システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素を含む第2の気体を燃料電池ユニットに対して供給可能に構成された燃料供給装置、並びにそのような燃料供給装置および燃料電池ユニットを備えて発電可能に構成された発電システムに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献には、発電部において外気(酸素)と燃料(水素)とを反応させて発電することができるように構成された燃料電池が開示されている。この燃料電池では、燃料タンクに水素吸蔵合金が収容されており、この水素吸蔵合金から放出される水素を外気中の酸素と反応させることで電力を発生させる構成が採用されている。この場合、水素吸蔵合金から水素が放出されるときには、吸熱反応によって水素吸蔵合金(燃料タンク)の温度が低下する。また、水素吸蔵合金は、その温度が低下することで水素の放出速度(単位時間当りの放出量)が低下することが知られている。したがって、発電に必要とされる十分な量の水素を燃料タンクから発電部に継続して供給するには、燃料タンクの温度低下を防ぎ、水素吸蔵合金から好適に水素が放出され得る温度を維持する必要がある。
【0003】
そこで、この燃料電池では、水素と酸素との反応によって発電部に生じる熱を利用して燃料タンクを加熱することで好適な温度を維持する構成が採用されている。具体的には、この燃料電池は、燃料タンクに固定された固定熱接続部材と、発電部の熱を外部へ放出するための外部放熱部と、固定熱接続部材および外部放熱部のいずれかに発電部の熱を選択的に伝熱する可動式熱接続部材とを備えて構成されている。また、この燃料電池は、可動式熱接続部材が発電部に対して常時接触させられると共に、温度によって形状が変形する形状記憶合金バネとバイアスバネとを備えた駆動部によって可動式熱接続部材を移動させて固定熱接続部材および外部放熱部のいずれか一方に接触させる構成が採用されている。
【0004】
より具体的には、この燃料電池では、駆動部によって可動式熱接続部材が移動させられて発電部と固定熱接続部材とが可動式熱接続部材を介して熱的に接続されることで、発電部に生じた熱が燃料タンクに伝熱され、これにより、水素吸蔵合金が加熱されて、必要とされる水素を放出可能な温度が維持される。また、この燃料電池では、駆動部によって可動式熱接続部材が移動させられて発電部と外部放熱部とが可動式熱接続部材を介して熱的に接続されることで、発電部に生じた熱が燃料タンクに伝熱されずに外部放熱部から放出され、燃料タンクの過剰な温度上昇を回避することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-080587号公報(第5-18頁、第1-10C図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献に開示の燃料電池には、以下のような解決すべき問題点が存在する。すなわち、上記特許文献に開示の燃料電池では、吸熱反応による温度低下に伴って燃料タンク(水素吸蔵合金)からの単位時間あたりの水素の放出量が低下するのを回避するために、発電部に生じる熱を利用して燃料タンクを加熱する構成が採用されている。
【0007】
一方、出願人は、水素ガスの貯蔵部(燃料タンク)を複数備え、発電中の燃料電池ユニット(発電部)に対していずれかの貯蔵部から水素ガスを供給しつつ、水素ガス発生装置によって生成された水素ガスを他のいずれかの貯蔵部に対して流入させて貯蔵させることが可能な発電システムを試作した。この発電システムによれば、燃料電池ユニットに対して水素ガスを供給している貯蔵部の水素ガスの残量が低下したときに、残量が低下した貯蔵部に代えて、水素ガス発生装置によって生成された水素ガスが貯蔵されている他の貯蔵部から燃料電池ユニットに対して水素ガスを供給することにより、燃料電池ユニットによる発電を継続させることができる。また、他の貯蔵部からの水素ガスの供給と並行して、残量が低下した貯蔵部に水素ガス発生装置によって生成された水素ガスを流入させて貯蔵させることにより、新たに水素ガスの供給を開始した貯蔵部の残量が低下したときに、再び貯蔵部を切り替えて水素ガスを継続して供給することができる。
【0008】
この場合、上記特許文献に開示の構成と同様にして、出願人が試作した発電システムにおいても、燃料電池ユニットに対して水素ガスを供給している貯蔵部を加熱することによって単位時間あたりの水素ガスの供給量が低下するのを回避することができる。しかしながら、上記のような貯蔵部の切替え後に、残量が低下した貯蔵部に対して水素ガスを流入させて貯蔵させようとしたときに、切替え直前まで加熱されていた貯蔵部の温度が高温であることで、水素吸蔵合金への水素の吸蔵効率が低下する。このため、十分な量の水素ガスが貯蔵された状態となるまでに長時間を要する結果、燃料電池ユニットに対して水素ガスを供給している貯蔵部の残量が低下して再び貯蔵部を切り替える必要が生じたときに、水素ガス発生装置によって生成された水素ガスを流入させている貯蔵部内に十分な水素ガスが貯蔵されていない状態となることがある。かかる場合には、十分な量の水素ガスが貯蔵されていない貯蔵部から燃料電池ユニットに対する水素ガスの供給を開始することとなり、短時間で、貯蔵部を再び切り替える必要が生じる状態となってしまう。
【0009】
このように、上記特許文献に開示の構成では、貯蔵部(燃料タンク)を加熱することで単位時間あたりの水素ガスの放出量が低下するのを回避することができるものの、水素ガスの供給によって残量が低下した貯蔵部に水素ガスを効率良く貯蔵することができず、結果として、燃料電池ユニットに対して水素ガスを継続して供給するのが困難となることがあるという問題点が存在する。
【0010】
本発明は、かかる解決すべき問題点に鑑みてなされたものであり、燃料電池ユニットに対して十分な量の水素ガス(第2の気体)を継続して供給し得る燃料供給装置および発電システムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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