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公開番号2025098400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214505
出願日2023-12-20
発明の名称エネルギー貯蔵システム
出願人JFEエンジニアリング株式会社
代理人個人
主分類F17C 6/00 20060101AFI20250625BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】液化空気を媒体としてエネルギー貯蔵と、極低温領域の冷熱を利用してBOGの発生を防止して運用コストを低減できるエネルギー貯蔵システムを提供する。
【解決手段】本発明に係るエネルギー貯蔵システム1は、LNG貯槽10と、LNG払出ラインを流れるLNGの一部をLNG貯槽10に還流させる保冷循環LNG戻りライン181と、LNGの冷熱を利用して空気を液化する空気液化装置50と、液化空気貯槽70と、液化空気払出ラインと、液化空気払出ラインを流れる液化空気の冷熱を利用して保冷循環LNG戻りライン181を流れるLNGを冷却する保冷循環LNG冷却用熱交換器90と、液化空気加熱用熱交換器100と、液化空気払出ラインにおいて液化空気加熱用熱交換器100よりも後流に配設され、液化空気払出ラインを流れる気体の空気を膨張させてタービンの回転力によって発電する空気膨張タービン110と、を有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
LNGを貯留するLNG貯槽と、
前記LNG貯槽に貯留されているLNGを昇圧して払い出すLNGポンプと、
前記LNGポンプによって払い出されたLNGを流すLNG払出ラインと、
前記LNG払出ラインを流れるLNGの一部を前記LNG貯槽に還流させる保冷循環LNG戻りラインと、
前記LNGポンプによって払い出されたLNGの冷熱を利用して空気を液化する空気液化装置と、
前記空気液化装置によって液化された空気を貯留する液化空気貯槽と、
前記液化空気貯槽に貯留されている液化空気を昇圧して払い出す液化空気ポンプと、
前記液化空気ポンプによって払い出された液化空気を流す液化空気払出ラインと、
前記液化空気払出ラインを流れる液化空気の冷熱を利用して、前記保冷循環LNG戻りラインを流れるLNGを冷却する保冷循環LNG冷却用熱交換器と、
前記液化空気払出ラインにおいて前記保冷循環LNG冷却用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出ラインを流れる液化空気を加熱する液化空気加熱用熱交換器と、
前記液化空気払出ラインにおいて前記液化空気加熱用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出ラインを流れる気体の空気を膨張させてタービンの回転力によって発電する空気膨張タービンと、を有することを特徴とするエネルギー貯蔵システム。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記空気膨張タービンは、出口空気の圧力を酸素富化装置の作動に必要は圧力まで低下させて発電する酸素富化用空気膨張タービンであり、
前記LNG貯槽において発生したLNGの蒸発ガスを燃料として発電する発電装置、及び/又は、前記LNGポンプによって払い出されたLNGの気化ガスを燃料として発電する発電装置と、
前記酸素富化用空気膨張タービンの出口に配設され、前記酸素富化用空気膨張タービン出口の空気を透過させて酸素濃度が濃縮された高濃度酸素空気を取り出す酸素富化装置と、
前記酸素富化装置の透過側から排出される高濃度酸素空気を前記発電装置の入口に供給する高濃度酸素空気供給ラインと、
前記発電装置の排ガスを排出する排ガス排出ラインと、
前記排ガス排出ラインを流れる排ガスの一部を分流させ、前記発電装置の入口に還流させる排ガス循環ラインと、
前記液化空気払出ラインにおいて前記液化空気加熱用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出しラインを流れる空気を利用して前記発電装置の入口に還流される排ガスを冷却する排ガス冷却器と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記液化空気払出ラインにおいて前記液化空気加熱用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出ラインを流れる気体の空気を膨張させてタービンを回転させると共に出口空気の圧力を大気圧まで低下させて発電する発電用空気膨張タービンを、さらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
蓄冷材を保有し、前記保冷循環LNG冷却用熱交換器において前記前記液化空気払出ラインを流れる液化空気の冷熱を前記蓄冷材に蓄える蓄冷槽を有し、該蓄冷槽の冷熱を利用して、前記保冷循環LNG戻りラインを流れるLNGを冷却できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエネルギー貯蔵システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液化空気を媒体としてエネルギーを電力に変換可能なエネルギーとして貯蔵するエネルギー貯蔵システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギーの普及に伴い、エネルギー貯蔵システムのニーズが高まっており、液体空気によってエネルギーを貯蔵もその方法の一つとして提案されている。
しかしながら、空気を液化する際の圧縮動力が極めて大きいために充放電効率が低いというデメリットが存在していた。
【0003】
この点、特許文献1には、空気を液化天然ガス(LNG)及び液体水素(LH
2
)で段階的に冷やすことで低圧で液化し、冷熱が使われたLNG及びLH
2
を発電設備の燃料に、液化空気を酸化剤として発電設備に供給する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-8132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、空気の冷却に用いるLNGの供給元については何らも記載されていないが、LNGの供給元の一般的なものとしてLNG貯槽が挙げられる。
LNG貯槽には大気からの自然入熱やポンプからの仕事入熱などによって内部のLNGが蒸発し、ボイルオフガス(以下、「BOG」という)が発生する。
BOGを放置するとLNG貯槽の設計圧力を超過することになるので、BOGを処理する必要があり、一般的には、LNG貯槽からBOGを抜き出し、圧縮して送ガス配管に合流させることで処理されている。
しかし、BOGの圧力はほぼ大気圧であるため、高圧に圧縮するには多大な動力が必要になり、運用コストを増大させるという問題がある。
【0006】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、液化空気を媒体としたエネルギー貯蔵と、極低温領域の冷熱を利用したBOG発生防止による運用コストの低減と、を両立できるエネルギー貯蔵システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るエネルギー貯蔵システムは、LNGを貯留するLNG貯槽と、
前記LNG貯槽に貯留されているLNGを昇圧して払い出すLNGポンプと、
前記LNGポンプによって払い出されたLNGを流すLNG払出ラインと、
前記LNG払出ラインを流れるLNGの一部を前記LNG貯槽に還流させる保冷循環LNG戻りラインと、
前記LNGポンプによって払い出されたLNGの冷熱を利用して空気を液化する空気液化装置と、
前記空気液化装置によって液化された空気を貯留する液化空気貯槽と、
前記液化空気貯槽に貯留されている液化空気を昇圧して払い出す液化空気ポンプと、
前記液化空気ポンプによって払い出された液化空気を流す液化空気払出ラインと、
前記液化空気払出ラインを流れる液化空気の冷熱を利用して、前記保冷循環LNG戻りラインを流れるLNGを冷却する保冷循環LNG冷却用熱交換器と、
前記液化空気払出ラインにおいて前記保冷循環LNG冷却用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出ラインを流れる液化空気を加熱する液化空気加熱用熱交換器と、
前記液化空気払出ラインにおいて前記液化空気加熱用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出ラインを流れる気体の空気を膨張させてタービンの回転力によって発電する空気膨張タービンと、を有することを特徴とするものである。
【0008】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記空気膨張タービンは、出口空気の圧力を酸素富化装置の作動に必要は圧力まで低下させて発電する酸素富化用空気膨張タービンであり、
前記LNG貯槽において発生したLNGの蒸発ガスを燃料として発電する発電装置、及び/又は、前記LNGポンプによって払い出されたLNGの気化ガスを燃料として発電する発電装置と、
前記酸素富化用空気膨張タービンの出口に配設され、前記酸素富化用空気膨張タービン出口の空気を透過させて酸素濃度が濃縮された高濃度酸素空気を取り出す酸素富化装置と、
前記酸素富化装置の透過側から排出される高濃度酸素空気を前記発電装置の入口に供給する高濃度酸素空気供給ラインと、
前記発電装置の排ガスを排出する排ガス排出ラインと、
前記排ガス排出ラインを流れる排ガスの一部を分流させ、前記発電装置の入口に還流させる排ガス循環ラインと、
前記液化空気払出ラインにおいて前記液化空気加熱用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出しラインを流れる空気を利用して前記発電装置の入口に還流される排ガスを冷却する排ガス冷却器と、を有することを特徴とするものである。
【0009】
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記液化空気払出ラインにおいて前記液化空気加熱用熱交換器よりも後流に配設され、前記液化空気払出ラインを流れる気体の空気を膨張させてタービンを回転させると共に出口空気の圧力を大気圧まで低下させて発電する発電用空気膨張タービンを、さらに備えたことを特徴とするものである。
【0010】
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、蓄冷材を保有し、前記保冷循環LNG冷却用熱交換器において前記前記液化空気払出ラインを流れる液化空気の冷熱を前記蓄冷材に蓄える蓄冷槽を有し、該蓄冷槽の冷熱を利用して、前記保冷循環LNG戻りラインを流れるLNGを冷却できるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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