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公開番号2024114195
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023019796
出願日2023-02-13
発明の名称圧力容器
出願人株式会社FTS
代理人弁理士法人グランダム特許事務所
主分類F17C 13/04 20060101AFI20240816BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】口金に接するシールリングのメンテナンスを容易にする。
【解決手段】圧力容器は、内部に高圧の流体が貯留される樹脂ライナー10と、樹脂ライナー10を包囲する補強層38と、樹脂ライナー10の開口部13に嵌合された筒状の口金20とを備え、口金20は、樹脂ライナー10と一体化された筒状のインナ部材21と、インナ部材21に対して軸線方向の着脱可能に外嵌された筒状のアウタ部材33と、インナ部材21の外周面とアウタ部材33の内周面との間に設けた第1のシールリング25及び第2のシールリング36とを備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
内部に高圧の流体が貯留される樹脂ライナーと、
前記樹脂ライナーを包囲する補強層と、
前記樹脂ライナーの開口部に嵌合された筒状の口金と、を備え、
前記口金は、
前記樹脂ライナーと一体化された筒状のインナ部材と、
前記インナ部材に対して軸線方向の着脱可能に外嵌された筒状のアウタ部材と、
前記インナ部材の外周面と前記アウタ部材の内周面との間に設けたシールリングとを備えている圧力容器。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記インナ部材に対して着脱可能なバルブを備えており、
前記バルブは、前記インナ部材に取り付けた状態において、前記アウタ部材が前記インナ部材から離脱することを規制する離脱規制部を有している請求項1に記載の圧力容器。
【請求項3】
前記インナ部材と前記樹脂ライナーが、嵌合部の凹凸嵌合によって回り止めされている請求項1又は請求項2に記載の圧力容器。
【請求項4】
前記樹脂ライナーは、前記開口部の開口縁から延出して、前記インナ部材の外周面と前記アウタ部材の内周面との間に挟み込まれる筒状部を有しており、
第1の前記シールリングが、前記インナ部材の外周面と前記アウタ部材の内周面とが直接的に対向する領域に配置され、
第2の前記シールリングが、前記筒状部の外周面と前記アウタ部材の内周面との隙間に配置されている請求項1又は請求項2に記載の圧力容器。
【請求項5】
前記樹脂ライナーは、前記開口部の開口縁から軸線方向へ二股に分かれて径方向内側へ延出する一対の円錐板状部を有し、
前記インナ部材は、前記一対の円錐板状部の間に嵌合されるフランジ部を有し、
前記一対の円錐板状部のうち前記樹脂ライナーの外面側の前記円錐板状部の外面に、前記補強層が密着している請求項1又は請求項2に記載の圧力容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力容器に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された圧力容器は、樹脂ライナーと、樹脂ライナーに取り付けられた筒形の口金部とを有する。樹脂ライナーは筒状の注排部を有し、注排部の外周に形成した雄ネジ部には、口金部の内周の雌ネジ部がねじ込まれている。口金部のフランジ状に広がった接面部は、樹脂ライナーの外面に重ねられている。接面部の外面には、樹脂ライナーを包囲する繊維強化樹脂層が密着しているので、口金部は、樹脂ライナーと繊維強化樹脂層から離脱しない状態に保持されている。圧力容器内のガスの圧力が樹脂ライナーの内面に作用すると、口金部の接面部と樹脂ライナーがセルフシール機能を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-102614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の圧力容器は、口金部だけを樹脂ライナーや繊維強化樹脂層から取り外すことができない。そのため、口金部に面するリークパスにおいてシール性能が低下した場合は、口金部のみを交換するといった方法では対処できず、圧力容器全体を交換しなければならなかった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、口金に接するシールリングのメンテナンスを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
内部に高圧の流体が貯留される樹脂ライナーと、
前記樹脂ライナーを包囲する補強層と、
前記樹脂ライナーの開口部に嵌合された筒状の口金と、を備え、
前記口金は、
前記樹脂ライナーと一体化された筒状のインナ部材と、
前記インナ部材に対して軸線方向の着脱可能に外嵌された筒状のアウタ部材と、
前記インナ部材の外周面と前記アウタ部材の内周面との間に設けたシールリングとを備えている。
【発明の効果】
【0007】
シールリングによるシール機能が低下した場合は、アウタ部材をインナ部材から取り外してシールリングを交換することによって、メンテナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1の圧力容器の断面図
口金とバルブを組み付けた状態をあらわす斜視図
バルブとアウタ部材とインナ部材を分離した状態をあらわす斜視図
樹脂ライナーと口金とバルブの組付け構造をあらわす断面図
インナ部材からアウタ部材とバルブを外した状態をあらわす断面図
樹脂ライナーに補強層を形成する工程をあらわす正面図
樹脂ライナーに補強層を形成する固定をあらわす部分拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。下記の複数の実施形態を、矛盾を生じない範囲で任意に組み合わせたものも、発明を実施するための形態に含まれる。
本開示の圧力容器は、
(1)内部に高圧の流体が貯留される樹脂ライナーと、前記樹脂ライナーを包囲する補強層と、前記樹脂ライナーの開口部に嵌合された筒状の口金と、を備えている。前記口金は、前記樹脂ライナーと一体化された筒状のインナ部材と、前記インナ部材に対して軸線方向の着脱可能に外嵌された筒状のアウタ部材と、前記インナ部材の外周面と前記アウタ部材の内周面との間に設けたシールリングとを備えている。本開示の構成によれば、シールリングによるシール機能が低下した場合は、アウタ部材をインナ部材から取り外してシールリングを交換すればよい。よって、口金に接するシールリングのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0010】
(2)圧力容器は、前記インナ部材に対して着脱可能なバルブを備え、前記バルブは、前記インナ部材に取り付けた状態において、前記アウタ部材が前記インナ部材から離脱することを規制する離脱規制部を有していることが好ましい。この構成によれば、アウタ部材とインナ部材を取付け状態に保持するための専用の部品や形状が不要なので、部品点数の増加、又はインナ部材とアウタ部材の形状の複雑化を回避することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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