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公開番号2024167230
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-03
出願番号2024133793,2022129085
出願日2024-08-09,2017-06-20
発明の名称抗PD-L1抗体
出願人カイマブ・リミテッド
代理人個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20241126BHJP(有機化学)
要約【課題】抗PD-L1抗体、PD-L1への特異性を有する1つのドメインを含有する二重特異性抗体、及びIL-2等のサイトカインと融合した抗PD-L1抗体を含む免疫サイトカインを提供する。また、抗体、二重特異性抗体、及び免疫サイトカインを含む、治療方法、使用、および医薬組成物を提供する。
【解決手段】特定の配列で規定されるhPD-L1に特異的に結合し、該hPD-L1への結合について抗体1D05と競合し、モチーフX1GSGX2YGX3X4FD(式中、X1、X2、及びX3は独立して任意のアミノ酸であり、X4は存在するか又は存在しないかのいずれかであり、存在する場合、任意のアミノ酸であり得る)を含有するCDRH3を含むVHドメインを含んでなる、抗体又はその断片が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号1で規定されるhPD-L1に特異的に結合し、該hPD-L1への結合について抗体1D05と競合し、モチーフX

GSGX

YGX



FD (式中、X

、X

、及びX

は独立して任意のアミノ酸であり、X

は存在するか又は存在しないかのいずれかであり、存在する場合、任意のアミノ酸であり得る)を含有するCDRH3を含むV

ドメインを含んでなる、抗体又はその断片。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】


がヒドロキシル含有アミノ酸であり、任意にTであってもよい、請求項1に記載の抗体又は断片。
【請求項3】


が塩基性アミノ酸であり、任意Kであってもよい、請求項1又は2に記載の抗体又は断片。
【請求項4】


がヒドロキシル含有アミノ酸であり、任意にS又はTであってもよい、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【請求項5】


が芳香族アミノ酸であり、任意にWであってもよい、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【請求項6】


が存在しない、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体又は断片。
【請求項7】


が存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体又は断片。
【請求項8】


が脂肪族アミノ酸であり、任意にGであってもよい、請求項7に記載の抗体又は断片。
【請求項9】
hPD-L1に特異的に結合し、該hPD-L1への結合について抗体1D05と競合し、配列番号29若しくは32のCDRH3配列、又は6以下のアミノ酸置換を含有する配列番号29若しくは32のCDRH3配列を含むV

ドメインを含んでなる、任意に請求項1~8のいずれか一項に記載のものであってもよい、抗体又はその断片。
【請求項10】
hPD-L1に特異的に結合し、12~20アミノ酸のCDRH3を含むV

ドメインを含んでなり、ヒトV

遺伝子セグメント、ヒトD遺伝子セグメント、及びヒトJ

遺伝子セグメントの組換えにより誘導され、ヒトJ

遺伝子セグメントがIGHJ5(例えば、
IGHJ5

02)である、抗体又は断片。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
抗体およびその抗体を使用する方法が記載される。特に、ヒトPD-L1抗原に特異的に結合する抗体、および様々な疾患の治療におけるそれらの使用が記載される。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
免疫サイトカイン(抗体-サイトカイン融合タンパク質)は、1990年代初期の文献において最初に報告され、リンホトキシン(TNF-α)またはインターロイキン2(IL-2)等のサイトカインとの全抗体融合からなっていた。マウスにおけるGD2発現腫瘍モデルの後続の研究は、ch14.18抗体およびch14.18-IL2免疫サイトカインの両方が抗腫瘍活性を有したが、遊離IL-2と組み合わせたときでさえも免疫サイトカインが抗体よりもはるかに強力であることを示した(Sabzevari H et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1994,91:9626-30、Pancook JD,et al.,Cancer Immunol.Immunother.,1996,42:88-92、Becker JC,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1996,93:2702-7を参照されたい)。さらに、免疫サイトカインで処置されたが抗体およびIL-2では処置されていない免疫応答性マウスは、CD8

T細胞に依存する適応免疫応答を発達させ、これはその後の腫瘍負荷を防止した(Becker JC,et al.,J.Exp.Med.,1996,183:2361-6、Becker JC,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1996,93:7826-31)。このように、腫瘍微小環境へのIL-2の標的化は、単独で、または遊離サイトカインと一緒に、抗体では不可能である抗腫瘍ワクチン効果を誘導する。関連するヒト化免疫サイトカインhu 14.18-IL2は、単独療法として再発性の非巨大神経芽腫における臨床的な概念証明を果たし、他の治療選択のない患者において有意な数の完全奏功を誘導した(Shusterman et al.,Journal of Clinical Oncology,2010,28(33),4969-4975)。いくつかの刊行物は、この分子が免疫系のいくつかの成分を活性化させて腫瘍細胞(特に、NK細胞およびCD8

T細胞)を殺滅し、その後の腫瘍負荷に抵抗するためにT細胞メモリーを発達させる能力について記載している(Yamane et al.2009;Expert Opi,Investig.Drugs,18(7):991-1000、Neal et al.,2004,Clin.Cancer Res.,1010,4839-4847)。
【0003】
IL-2に基づく免疫サイトカインは著しい副作用を有し得るため、近年は効能を維持しながら毒性を低減させることに努力の焦点が当てられている。一例はセレクチン(EMD 521873)であり、これは、IL-2Rβの結合における重要な残基であるIL-2の20位のトレオニンについてアスパラギン酸の置換を有する(Gillies et al.,Clinical Cancer Research,2011,17(11),3673-3685)。壊死組織に結合するセレクチンは、第I相試験における、中間IL-2Rを上回る高親和性IL-2Rに対するその選択性、および良好な忍容性にもかかわらず、良好な抗腫瘍活性を有することが示されている(Laurent et al.,Journal of Translational Medicine,2013,11(1),5.http://doi.org/10.1186/1479-5876-11-5)。
【0004】
WO2012/178137(Gillies)および関連する雑誌論文(Gilles,Protein Engineering,Design and Selecti
on,2013,26(10),561-569)は、腫瘍標的化抗体との軽鎖免疫サイトカイン融合について、およびIL-2Rβγを通したシグナル伝達を減少させるサイトカインのN末端部分におけるトランケーションの導入によるIL-2活性の調節について記載している。IL-2Rβγを特異的に標的とするIL-2融合タンパク質は、野生型(Vasquez-Lombardi et al.Nat Comm,2017,DOI:10.1038/ncomms15373)と比較して増加した毒性を有することが示されており、これは、IL-2Rβγ結合を減少させることが副作用の点で有益であり得るという概念を支持する。
【0005】
適応免疫応答は、T細胞およびB細胞と呼ばれる2つの主要クラスのリンパ球の活性化、選択、およびクローン増殖を含む。抗原に遭遇した後、T細胞は増殖し、抗原特異的エフェクター細胞に分化する一方、B細胞は増殖し、抗体分泌細胞に分化する。T細胞活性化は、T細胞と抗原提示細胞(APC)との間のいくつかのシグナル伝達事象を必要とする多段階プロセスである。T細胞活性化が起こるためには、休止T細胞に2種類のシグナルを送達しなければならない。第1の種類は、抗原特異的T細胞受容体(TcR)によって媒介され、免疫応答に対する特異性を付与する。第2のシグナルである共刺激型シグナルは、応答の大きさを制御し、T細胞上のアクセサリー受容体を介して送達される。
【0006】
一次共刺激シグナルは、そのリガンドB7-1またはB7-2の関与の際に、活性化CD28受容体を介して送達される。対照的に、同じB7-1またはB7-2リガンドによる抑制性CTLA-4受容体の関与は、T細胞応答の減弱をもたらす。したがって、CTLA-4シグナルはCD28によって媒介される共刺激に拮抗する。高抗原濃度では、CD28の共刺激は、CTLA-4の阻害効果を無効にする。CD28およびCTLA-4発現の一次的な制御は、自己免疫の発達を保護しながら、活性化シグナルと阻害シグナルとの間のバランスを維持し、有効な免疫応答の発達を確実にする。
【0007】
プログラム死1(PD-1)は、CD28ファミリーのメンバーである50~55kDaのI型膜貫通受容体である。PD-1は、T細胞活性化の制御に関与し、T細胞、B細胞、および骨髄細胞上に発現される。PD-1に対する2つのリガンドであるPDリガンド1(PD-L1)およびリガンド2(PD-L2)が同定されており、これらは共刺激特性を有する。
【0008】
分化のクラスター(CD274)またはB7ホモログ1(B7-H1)としても知られているプログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)は、PD-1受容体の活性化または阻害を調節するB7ファミリーのメンバーである。PD-L1のオープンリーディングフレームは、2つの細胞外Igドメイン(N末端V様ドメインおよびIg C様ドメイン)と、疎水性膜貫通ドメインと、30アミノ酸の細胞質側末端とを含む、290アミノ酸の推定1型膜貫通タンパク質をコードする。30アミノ酸の細胞内(細胞質)ドメインは、明らかなシグナル伝達モチーフを含まないが、タンパク質キナーゼCリン酸化の潜在的部位を有する。
【0009】
PD-L1の完全なアミノ酸配列は、NCBI参照配列NP_054862.1(配列番号1)に見出すことができ、これは、例えば、Dong,H.,et al.(1999),「PD-L1,a third member of the B7 family,co-stimulates T-cell proliferation and
interleukin-10 secretion」 Nat.「Med.」5(12),1365-1369を含む多くの雑誌論文に言及する。PD-L1遺伝子は、チンパンジー、アカゲザル、イヌ、ウシ、マウス、ラット、ニワトリ、およびゼブラフィッシュにおいて保存されている。PD-L1のマウス形態は、PD-L1のヒト形態と69%のアミノ酸同一性を有し、また保存構造も共有する。
【0010】
ヒトにおいて、PD-L1は、活性化およびアネルギー性/枯渇T細胞を含むいくつかの免疫細胞型上、ナイーブおよび活性化B細胞上、ならびに骨髄樹状細胞(DC)、単球、およびマスト細胞上に発現される。PD-L1はまた、膵島、肝臓のクッパー細胞、血管内皮および選択された上皮、例えば気道上皮および尿細管上皮を含む非免疫細胞上で発現され、その発現は炎症エピソード中に増強される。PD-L1発現はまた、乳癌(トリプルネガティブ乳癌および炎症性乳癌を含むがこれらに限定されない)、卵巣癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌を含む肺癌、腎細胞癌腫を含む腎癌、胃癌、食道癌、膀胱癌、肝細胞癌、頭頸部の扁平上皮癌(SCCHN)、ならびに膵臓癌、黒色腫、およびブドウ膜黒色腫を含むいくつかの腫瘍上で増加したレベルで見出された。
(【0011】以降は省略されています)

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