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公開番号
2024166759
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023083080
出願日
2023-05-19
発明の名称
紙製バリア材料
出願人
日本製紙株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B32B
29/00 20060101AFI20241122BHJP(積層体)
要約
【課題】新規な紙製バリア材料を提供すること。
【解決手段】紙基材上に水蒸気バリア層を有し、
前記水蒸気バリア層が、ポリウレタン系樹脂と膨潤性マイカを含有し、
水蒸気バリア層の総量100重量部に対して、前記ポリウレタン系樹脂を65重量部以上88重量部以下含有する紙製バリア材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
紙基材上に水蒸気バリア層を有し、
前記水蒸気バリア層が、ポリウレタン系樹脂と膨潤性マイカを含有し、
水蒸気バリア層の総量100重量部に対して、前記ポリウレタン系樹脂を65重量部以上88重量部以下含有することを特徴とする紙製バリア材料。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記ポリウレタン系樹脂のガラス転移温度が、-20℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア材料。
【請求項3】
前記膨潤性マイカのアスペクト比が、300以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙製バリア材料。
【請求項4】
前記膨潤性マイカの体積50%平均粒子径が、10μm以上25μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙製バリア材料。
【請求項5】
前記水蒸気バリア層の総量100重量部に対して、前記膨潤性マイカを5重量部以上35重量部以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の紙製バリア材料。
【請求項6】
前記水蒸気バリア層上に、ガスバリア層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の紙製バリア材料。
【請求項7】
前記ガスバリア層が、水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項6に記載の紙製バリア材料。
【請求項8】
前記水蒸気バリア層の塗工量(乾燥重量)が3g/m
2
以上8g/m
2
以下、前記ガスバリア層の塗工量(乾燥重量)が4g/m
2
以上10g/m
2
以下であることを特徴とする請求項6に記載の紙製バリア材料。
【請求項9】
前記紙製バリア材料の40℃、90%RH条件下における水蒸気透過度が、0.1g/m
2
・day以上15g/m
2
・day以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙製バリア材料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製バリア材料に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
紙製の材料、特に紙製の包装材料にガスバリア性(特に、酸素バリア性)を付与することは、包装される各種製品をガスによる劣化、例えば酸素による酸化などから守るために重要である。
従来から、紙製の包装材料へのガスバリア性の付与には、紙基材上にガスバリア層として、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルム、さらに酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等を紙基材に押し出しラミネートする、または貼合する方法が主に用いられてきた。
紙製の包装材料に耐水性(特に、水蒸気バリア性)を付与することも、包装される各種製品を水蒸気による劣化から守るために重要である。
【0003】
本出願人は、ガスバリア性と水蒸気バリア性を備えた紙製の包装材料として、紙基材上に、水蒸気バリア性樹脂と顔料を含む水蒸気バリア層と、ポリビニルアルコール系樹脂と顔料を含むガスバリア層を有する紙製バリア包装材料を提案している(特許文献1)。
また、このような紙製バリア包装材料において、少なくとも一方の最外層にシーラント層を設けることにより、ヒートシール加工を可能としたものが知られている。例えば、特許文献2には、溶融押し出しラミネート法、ドライラミネート法、直接溶融コート法によりラミネート層(シーラント層に相当)を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2013/069788号
国際公開第2017/170462号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規な紙製バリア材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
1.紙基材上に水蒸気バリア層を有し、
前記水蒸気バリア層が、ポリウレタン系樹脂と膨潤性マイカを含有し、
水蒸気バリア層の総量100重量部に対して、前記ポリウレタン系樹脂を65重量部以上88重量部以下含有することを特徴とする紙製バリア材料。
2.前記ポリウレタン系樹脂のガラス転移温度が、-20℃以上150℃以下であることを特徴とする1.に記載の紙製バリア材料。
3.前記膨潤性マイカのアスペクト比が、300以上であることを特徴とする1.または2.に記載の紙製バリア材料。
4.前記膨潤性マイカの体積50%平均粒子径が、10μm以上25μm以下であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の紙製バリア材料。
5.前記水蒸気バリア層の総量100重量部に対して、前記膨潤性マイカを5重量部以上35重量部以下含有することを特徴とする1.~4.のいずれかに記載の紙製バリア材料。
6.前記水蒸気バリア層上に、ガスバリア層を有することを特徴とする1.~5.のいずれかに記載の紙製バリア材料。
7.前記ガスバリア層が、水溶性高分子を含有することを特徴とする6.に記載の紙製バリア材料。
8.前記水蒸気バリア層の塗工量(乾燥重量)が3g/m
2
以上8g/m
2
以下、前記ガスバリア層の塗工量(乾燥重量)が4g/m
2
以上10g/m
2
以下であることを特徴とする6.または7.に記載の紙製バリア材料。
9.前記紙製バリア材料の40℃、90%RH条件下における水蒸気透過度が、0.1g/m
2
・day以上15g/m
2
・day以下であることを特徴とする1.~8.のいずれかに記載の紙製バリア材料。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、新規な紙製バリア材料を提供することができる。本発明の紙製バリア材料は、水蒸気バリア性に優れている。ガスバリア層を備える本発明の紙製バリア材料は、さらにガスバリア性にも優れている。
本発明の紙製バリア材料は、耐屈曲性に優れ、屈曲時のバリア性の低下が小さい。そのため、本発明の紙製バリア材料は、屈曲が起こりやすい軟包装袋に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
「紙製バリア材料」
本発明の紙製バリア材料は、紙基材と、この紙基材上に水蒸気バリア層を有し、
水蒸気バリア層が、ポリウレタン系樹脂と膨潤性マイカとを含有し、水蒸気バリア層の総量100重量部に対して、ポリウレタン系樹脂を65重量部以上88重量部以下含有する。
【0009】
(紙基材)
本発明において紙基材とは、パルプ、填料、各種助剤からなるシートである。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などを用いることができ、これらの1種、または2種以上を配合して用いることができる。これらの中でも、紙基材中への異物混入が発生し難いこと、使用後に古紙原料に供してリサイクルする際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好となり、特に包装材料として使用した場合の使用価値が高くなることなどの理由から、木材繊維の化学パルプ、木材繊維の機械パルプを用いることが好ましく、木材繊維の化学パルプを用いることがより好ましい。
【0010】
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を必要に応じて使用することができる。
また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の内添助剤を必要に応じて使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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