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公開番号2024166729
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023083033
出願日2023-05-19
発明の名称熱可塑性樹脂材の溶着方法及び溶着装置
出願人株式会社キャンパスクリエイト
代理人個人
主分類B29C 65/14 20060101AFI20241122BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】二つの熱可塑性樹脂材の、深さ方向での溶着位置を制御する。
【解決手段】共に赤外線吸収性を有する第1の熱可塑性樹脂材1と第2の熱可塑性樹脂材2とを接触配置する工程と、第1の熱可塑性樹脂材1の表面側に、固体の放熱体でありかつ赤外光を透過させるヒートシンク3を接触配置する工程と、ヒートシンク3の表面側から赤外光を照射して、第1の熱可塑性樹脂材1と第2の熱可塑性樹脂材2との接触部を赤外光で加熱する工程と、ヒートシンク3の表面側における赤外光の照射位置に流体を吹きつけることにより、赤外光の照射方向における、第1の熱可塑性樹脂材1内の深さ方向での温度分布を制御しつつ、第1の熱可塑性樹脂材1と第2の熱可塑性樹脂材2とを、接触部において溶着するとともに、第1の熱可塑性樹脂材1の表面側から接触部に至る赤外光の経路上における第1の熱可塑性樹脂材1の変性を防ぐ工程とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
共に赤外線吸収性を有する第1の熱可塑性樹脂材と第2の熱可塑性樹脂材とを接触配置する工程と、
前記第1の熱可塑性樹脂材の表面側に、固体の放熱体であり、かつ赤外光を透過させるヒートシンクを接触配置する工程と、
前記ヒートシンクの表面側から前記赤外光を照射して、前記第1の熱可塑性樹脂材と前記第2の熱可塑性樹脂材との接触部を前記赤外光で加熱する工程と、
前記ヒートシンクの表面側における、前記赤外光の照射位置に、流体を吹きつけることにより、前記赤外光の照射方向における、前記第1の熱可塑性樹脂材内の深さ方向での温度分布を制御しつつ、前記第1の熱可塑性樹脂材と前記第2の熱可塑性樹脂材とを、前記接触部において溶着するとともに、前記第1の熱可塑性樹脂材の表面側から前記接触部に至る前記赤外光の経路上における前記第1の熱可塑性樹脂材の変性を防ぐ工程と
を有する熱可塑性樹脂材の溶着方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記流体の熱伝達能力を高めることにより、前記赤外光の照射により前記第1又は第2の熱可塑性樹脂が溶融する位置をより深い方向に移動させる工程をさらに含む
請求項1に記載の熱可塑性樹脂材の溶着方法。
【請求項3】
前記流体の吹きつけ流量を増加させる、又は、前記流体の温度を低下させることにより前記流体の熱伝達能力を高めるようになっている
請求項2に記載の熱可塑性樹脂材の溶着方法。
【請求項4】
前記第1の熱可塑性樹脂材はフッ素樹脂である熱可塑性樹脂
請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂材の溶着方法。
【請求項5】
前記赤外光はレーザ光である
請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂材の溶着方法。
【請求項6】
共に赤外線吸収性を有する第1の熱可塑性樹脂材と第2の熱可塑性樹脂材とが接触配置された状態で、前記第1の熱可塑性樹脂材の表面側に接触配置される、固体の放熱体であり、かつ赤外光を透過させるヒートシンクと、
前記ヒートシンクの表面側から前記赤外光を照射して、前記第1の熱可塑性樹脂材と前記第2の熱可塑性樹脂材との接触部を前記赤外光で加熱する赤外光照射手段と、
前記ヒートシンクの表面側における、前記赤外光の照射位置に、流体を吹きつけることにより、前記赤外光の照射方向における、前記第1の熱可塑性樹脂材内の深さ方向での温度分布を制御しつつ、前記第1の熱可塑性樹脂材と前記第2の熱可塑性樹脂材とを、前記接触部において溶着するとともに、前記第1の熱可塑性樹脂材の表面側から前記接触部に至る前記赤外光の経路上における前記第1の熱可塑性樹脂材の変性を防ぐ流体吹きつけ手段と
を有する熱可塑性樹脂材の溶着装置。
【請求項7】
前記流体吹きつけ手段は、前記流体の熱伝達能力を高めることにより、前記赤外光の照射により前記第1又は第2の熱可塑性樹脂が溶融する位置をより深い方向に移動させる制御手段を含む
請求項6に記載の熱可塑性樹脂材の溶着装置。
【請求項8】
前記ヒートシンクに対する前記赤外光の照射位置は、前記ヒートシンクの表面方向に変化させられるようになっており、
前記流体の熱伝達能力を、前記赤外光の照射位置に応じて変化させることにより、前記第1の熱可塑性樹脂内の深さ方向での前記温度分布の、異なる照射位置間での均一性を向上させるようになっている
請求項1に記載の熱可塑性樹脂材の溶着方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂材の溶着方法及び溶着装置に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、熱可塑性樹脂材どうしをレーザ光を用いて溶着する技術が記載されている。この技術によれば、レーザ光を透過するヒートシンクを、一方の熱可塑性樹脂材の表面側に配置することにより、熱可塑性樹脂材の表面側の変性(損傷)を防ぎつつ、熱可塑性樹脂材どうしを溶着することができる。
【0003】
しかしながら、表面側の熱可塑性樹脂材の厚さが大きくなると、表面側の熱可塑性樹脂材が変性しやすくなる。これを避けるためにレーザ光強度を下げると、二つの熱可塑性樹脂材の接触部における温度が溶着領域に達せず、溶着ができないという問題を生じる。特に、赤外線吸収特性が高いPTFEやPFAにおいてはこの問題が顕著になる。
【0004】
下記特許文献2は、空気をレーザ照射位置の周辺に吹き付けることで溶融領域の拡大を防ぐことを提案している。しかしながらこの技術は、樹脂の厚さ方向において溶着位置を制御するための技術ではない。
【0005】
下記特許文献3は、冷却ガスを、溶着位置における樹脂表面に吹き付けることによって、レーザ光による樹脂の損傷を防ぐことを提案している。しかしながらこの技術も、樹脂の厚さ方向において溶着位置を制御するための技術ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4279674号公報
特開2016-83853号公報
特開2012-24986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、樹脂の厚さ方向において溶着位置を制御する方法について種々研究を重ねた結果、レーザ照射位置におけるヒートシンクに流体を吹き付けることによりこれを達成できるという知見を得た。
【0008】
本発明は、前記した知見に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、熱可塑性樹脂材の深さ方向での溶着位置を制御することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の項目に記載の発明として表現することができる。
【0010】
(項目1)
共に赤外線吸収性を有する第1の熱可塑性樹脂材と第2の熱可塑性樹脂材とを接触配置する工程と、
前記第1の熱可塑性樹脂材の表面側に、固体の放熱体であり、かつ赤外光を透過させるヒートシンクを接触配置する工程と、
前記ヒートシンクの表面側から前記赤外光を照射して、前記第1の熱可塑性樹脂材と前記第2の熱可塑性樹脂材との接触部を前記赤外光で加熱する工程と、
前記ヒートシンクの表面側における、前記赤外光の照射位置に、流体を吹きつけることにより、前記赤外光の照射方向における、前記第1の熱可塑性樹脂材内の深さ方向での温度分布を制御しつつ、前記第1の熱可塑性樹脂材と前記第2の熱可塑性樹脂材とを、前記接触部において溶着するとともに、前記第1の熱可塑性樹脂材の表面側から前記接触部に至る前記赤外光の経路上における前記第1の熱可塑性樹脂材の変性を防ぐ工程と
を有する熱可塑性樹脂材の溶着方法。
(【0011】以降は省略されています)

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