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公開番号
2024094583
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-10
出願番号
2022211218
出願日
2022-12-28
発明の名称
高純度薬品用容器の製造方法
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
B29C
49/78 20060101AFI20240703BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】 容器内面の表面平滑性に優れ、該ポリエチレン樹脂由来の微粒子が少なく、長期保管後も微粒子の溶出量が少ない高クリーンな高純度薬品容器の製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリエチレン樹脂をブロー成形により容器を製造する方法において、剪断速度が100~900s
-1
の範囲であり、かつ、長さ20mm、直径1.0mmであるダイスを用いたキャピラリーレオメータによる180℃での剪断応力が0.20MPa以下となる剪断速度にて製造することを特徴とする高純度薬品容器の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエチレン樹脂をブロー成形により容器を製造する方法であって、剪断速度が100~900s
-1
の範囲であり、かつ、長さ20mm、直径1.0mmであるダイスを用いたキャピラリーレオメータによる180℃での剪断応力が0.20MPa以下となる剪断速度にて製造する、高純度薬品容器の製造方法。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
ポリエチレン樹脂として、密度が0.950~0.980g/cm
3
、温度190℃、荷重2.16Kgにおけるメルトフローレートが10~50g/分の低分子量エチレン系重合体と、密度が0.920~0.960g/cm
3
、温度190℃、荷重21.6Kgにおけるメルトフローレートが0.01~0.5g/10分の高分子量エチレン系重合体の2成分を含み、該2成分の重量比が40:60~60:40であり、以下の(1)~(4)の性状を有するものである、請求項1に記載の高純度薬品容器の製造方法。
(1)密度(JIS K6922―1)が0.940~0.970g/cm
3
(2)温度190℃、荷重21.6Kgにおけるメルトフローレート(JIS K6922-1)が1.0~15g/10分
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)を用いて得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下の成分が0.30重量%以下
(4)含有金属量がポリエチレン樹脂に対して20PPM以下
【請求項3】
ポリエチレン樹脂が添加剤を含まない、請求項1又は2に記載の高純度薬品容器の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置産業分野、精密工業部品分野及び医薬品等に使用される高純度薬品用容器の製造に好適で、特に容器内面の表面平滑性に優れ、微粒子の発生が少ない高純度薬品用容器の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電子工業分野の著しい発達に伴って、高純度薬品の需要が高まっている。高純度薬品は、例えば、大規模集積回路(LSI)等の電子回路の製造に不可欠の薬品として使用されている。具体的には、ウエハー洗浄・エッチング用、配線・絶縁膜エッチング用、治具洗浄用、現像液、レジスト希釈液、レジスト剥離液、乾燥用等の用途として、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、過酸化水素水、イソプロピルアルコール、キシレン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、メタノール、酢酸、リン酸、アンモニア水、PGMEA(酢酸プロピレングリコールメチルエーテル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)等が用いられている。これらの高純度薬品の容器材料として、高密度ポリエチレン樹脂が用いられている。半導体回路の集積度の向上とともに、これらの薬品中の不純物や微粒子に対する低減化の要求が一層厳しくなっており、この厳しい要求を満足させるために、これらの薬品を充填する容器に対するクリーン性の要求も年々高まっている。また、上記の要求とともに、これら薬品を充填する容器の大型化、の要求も高まっているが、主に大型容器に使用される高粘度な高密度ポリエチレン樹脂においては、流動性の低さから、容器表面荒れによる外観不良が発生しやすくなる。
【0003】
この課題を解決するための方法として、ブロー成形用のダイスやコアにメッキなどのコーティングを行うことにより、樹脂の滑り性を向上させ、シャークスキンを抑制する方法が公知であるが、耐久性のある金属メッキはシャークスキン抑制効果に乏しく、シャークスキン抑制効果に優れるテフロン(登録商標)コーティングなどは耐久性に乏しいため、耐久性とシャークスキン抑制効果を高度に両立する方法が見出されていないのが現状である。
【0004】
パリソンに発生したシャークスキンを消去するために、パリソンを挟み込む金型の温度を高く設定する方法が提案されているが、生産性向上のために冷却効果を高めるべき金型工程で加熱を行うため、生産性向上方法としては不向きである。また、固化速度も遅いため、樹脂由来の微粒子成分が発生しやすくなり、容器のクリーン性が低下する(特許文献1参照)。
【0005】
更には、樹脂の分子量や分子量分布などを特定の範囲することや樹脂に滑材を添加し、樹脂組成物の滑り性を向上させる方法により成形時のシャークスキンを抑制する方法が提案されているが、シャークスキン抑制のために低下させざるを得ない樹脂特性(例えば、耐衝撃性やクリーン性など)が生じてしまう(特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平6-328549号公報
特開2004-269864号公報
特開2009-138122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポリエチレン樹脂をブロー成形した場合に、容器内面の表面平滑性に優れ、かつ該ポリエチレン樹脂の溶出物や劣化物等の汚染物質の溶出を極力抑えた高純度薬品容器の製造方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のポリマー物性を有するポリエチレンを用い、
特定の剪断速度条件でブロー成形を行うことにより、容器内面の表面平滑性に優れ、かつポリエチレン由来の微粒子が少ない高純度薬品容器が得られることを見出し、本発明を開発するに至った。
【0009】
即ち、本発明の各様態は以下の示す[1]~[5]である。
[1]ポリエチレン樹脂をブロー成形により容器を製造する方法であって、剪断速度が100~900s
-1
の範囲であり、かつ、長さ20mm、直径1.0mmであるダイスを用いたキャピラリーレオメータによる180℃での剪断応力が0.20MPa以下となる剪断速度にて製造する、高純度薬品容器の製造方法。
[2]ポリエチレン樹脂として、密度が0.950~0.980g/cm
3
、温度190℃、荷重2.16Kgにおけるメルトフローレートが10~50g/分の低分子量エチレン系重合体と、密度が0.920~0.960g/cm
3
、温度190℃、荷重21.6Kgにおけるメルトフローレートが0.01~0.5g/10分の高分子量エチレン系重合体の2成分を含み、該2成分の重量比が40:60~60:40であり、以下の(1)~(4)の性状を有するものである、[1]に記載の高純度薬品容器の製造方法。
(1)密度(JIS K6922―1)が0.940~0.970g/cm
3
(2)温度190℃、荷重21.6Kgにおけるメルトフローレート(JIS K6922-1)が1.0~15g/10分
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)を用いて得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下の成分が0.30重量%以下
(4)含有金属量がポリエチレン樹脂に対して20PPM以下
[3]ポリエチレン樹脂が添加剤を含まない、[1]又は[2]に記載の高純度薬品容器の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
容器内面の表面平滑性に優れ、該ポリエチレン樹脂由来の微粒子が少なく、長期保管後も微粒子の溶出量が少ない高クリーンな高純度薬品容器の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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