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公開番号
2024166338
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2024160485,2021525090
出願日
2024-09-17,2019-11-06
発明の名称
乳、初乳及び酸性又は甘性ホエーから高度に精製されたラクトフェリン及びラクトペルオキシダーゼを製造する方法
出願人
アルヘル プロジェクティランジェ イン インゼニリング ディー.オー.オー.
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C07K
1/18 20060101AFI20241121BHJP(有機化学)
要約
【課題】高純度な高活性ラクトフェリンの組成物を提供する。
【解決手段】ラクトフェリンタンパク質及び/又はラクトペルオキシダーゼタンパク質を含む画分をこれらのタンパク質の少なくとも一つを含む原料から製造する方法であって、前記原料は、乳、初乳、酸性又は甘性ホエーからなる群から選択され、強カチオン交換体特性を有するモノリスカラムを用いたクロマトグラフィー分離プロセスを利用し、前記分離プロセスにおいて、前記カラムに前記原料を導入後、pH勾配又はpH及び塩を組み合わせた勾配溶出を利用する、方法。さらに、C値が60%超であり、A値が1%超であるラクトフェリン又はラクトペルオキシダーゼを含む組成物が開示されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ラクトフェリンタンパク質及び/又はラクトペルオキシダーゼタンパク質を含む画分をこれらのタンパク質の少なくとも一つを含む原料から製造する方法であって、
前記原料は、乳、初乳、酸性又は甘性ホエーからなる群から選択され、
強カチオン交換体特性を有するモノリスカラムを用いたクロマトグラフィー分離プロセスを利用し、
前記分離プロセスにおいて、前記カラムに前記原料を導入後、pH勾配又はpH及び塩を組み合わせた勾配溶出を利用する、方法。
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【請求項2】
前記pH勾配が、約4.0~約8.0未満のpH範囲内で開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記pH勾配が、約8~13未満のpH範囲内で終了する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記原料が、カラムへの前記原料の導入前に、ろ過される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
約8~約11未満のpH範囲、特に約8.9~約10のpH範囲、又は約5~55mS/cmの範囲内のより高い伝導度において約6.6~約7.5のpH範囲において溶出する画分Aが回収される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
約10.4超~約12のpH範囲、特に約11超~約11.7のpH範囲、又は約5~55mS/cmの範囲内のより高い伝導度において約9.6~約10.7のpH範囲において溶出する画分Bが回収される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記クロマトグラフィー分離プロセスが、
(i)前記原料のpHをpH7未満の値、特にpH6.5未満に調整する工程、
(ii)前記工程(i)の原料を強カチオン交換体特性を有するモノリスカラムと接触させる工程、次いで、
(iii)pH勾配緩衝剤を前記カラムに流し、それによって前記pH値を増加させる工程、及び
(iv)約8~約11未満のpH範囲、特に約8.0~約10のpH範囲、好ましくは約8.2~約10のpH範囲、より好ましくは約8.9~約10のpH範囲、又は約5~55mS/cmの範囲内のより高い伝導度において約6.6~約7.5のpH範囲において溶出し、典型的にはラクトペルオキシダーゼを含む、画分Aを回収する工程、及び/又は
(v)約10超~約12.0のpH範囲、好ましくは約10.4超~約12のpH範囲、より好ましくは11.0超~12.0のpH範囲、特に約11超~約11.7のpH範囲、又は約5~55mS/cmのより高い伝導度において約9.6~約10.7のpH範囲において溶出し、典型的にはラクトフェリンを含む、画分Bを回収する工程、
(vi)任意で、前記画分A及び/又は前記画分Bを、特に、中和、濃縮及び保存などの処理によって、さらに処理する工程、
を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記原料が、前記工程(ii)の前にろ過され、又は前記モノリスカラムが、前記工程(ii)の前に、約7未満、特に約6.5未満のpH値を有する平衡化緩衝剤を用いて平衡化される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記強カチオン交換体特性を有するモノリスカラムが、-SO
3
H修飾モノリスカラム、-COOH修飾モノリスカラム、-OSO
3
H修飾モノリスカラム又は-OPO
3
H修飾モノリスカラムからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記塩勾配が塩の濃度によって行われ、特に前記塩勾配は、約5mS/cm~約55mS/cmの範囲内における伝導度に対応する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラクトフェリンタンパク質又はラクトペルオキシダーゼタンパク質の少なくとも一つを含む原料からラクトフェリンタンパク質又はラクトペルオキシダーゼタンパク質を含む画分を製造する方法並びに高度に精製されたラクトフェリンタンパク質又はラクトペルオキシダーゼタンパク質に関する。
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【背景技術】
【0002】
ラクトフェリン(LF)及びラクトペルオキシダーゼ(LPO)は、乳、ホエー及び初乳中に存在する機能性の微量タンパク質である。LFは、様々な生理的変化及び環境変化に対応可能な80kDaのグリコシル化タンパク質であり、そのために、ホストの防御の最前線において重要な成分だと考えられている。LFの構造特性は、Fe
3+
恒常性機能に加えて、全てのトランスフェリンに共通する機能である、広範囲の細菌、菌類、酵母、ウイルス及び寄生生物に対する広範なスペクトラムの抗菌活性;抗炎症活性及び抗発がん活性;並びにいくつかの酵素機能をもたらす[1]。LPOは、病原微生物に対する乳腺及び新生児の腸管の保護において極めて重要な役割を果たしており、様々な発がん物質の分解及び過酸化効果に対する動物細胞の保護に関与している[2]。
【0003】
LFは、鉄を結合させることができる。天然LFは、15~20%のホロLFを含み、ホロLFは鉄を含む。残部はアポLFであり、アポLFは鉄を含まない[32]。理論上では、アポLFはやや低い鉄飽和度を有する(既に結合した鉄-A値)。アポLFのA値の理論値は、約3%未満である。さらに、アポLFは、高い鉄結合ポテンシャル(鉄容量-C値)を有する。アポLFのC値は、約50%超である。高純度及び非変性のアポLFは、70%超のより高いC値を有するポテンシャルを有している。一方で、ホロLFは高いA値(50%超)及び低いC値(10%未満)を有する。単離LFのC値が高いほど、LFの鉄結合ポテンシャルが高くなる。活性LFは微生物の増殖に必要な鉄を除去するため、高い鉄結合ポテンシャルはより高レベルの抗菌活性をもたらす。
【0004】
最近では、LF及びLPOは、(I)ヘパリンリガンドを有するポリ(メタクリル酸グリシジル)を有する常磁性粒子による単離[3]、(II)カチオン性界面活性剤(例えば、臭化セチルジメチルアンモニウム)の使用[4]、(III)様々なクロマトグラフィー法(例えば、カチオン交換又はアフィニティークロマトグラフィー)[1、2、5~10]、及び(IV)他の方法(例えば、疎水性イオン液体[11])などの多くの様々な方法によって、乳及び乳加工副生成物(例えば、ホエー)から単離される。一般的に、クロマトグラフィー法、特にイオン交換クロマトグラフィーは、LFを比較的低コストで速く分離する方法を代表している[12]。クロマトグラフィー法はまた、そのロバスト性及び繰り返し性のために他の方法に勝る。LF及びLPOのクロマトグラフィー精製における最も一般的な方法では、強カチオン交換樹脂粒子及び膜又はモノリスカラムを用いる[13~15]。
【0005】
現在のクロマトグラフィーは、(I)流速の増加に伴い、細孔内での拡散物質移動に起因してピークが広がるため、流速が増加する場合には、同じ分解能を得るために勾配の傾斜を緩やかにする必要があること、(II)増加した流速は、クロマトグラフィー工程の時間を減少させるが、同時に溶出体積を増加させること、及び(III)カラム長さによりカラムの圧力損失が大きくなり、流速の制限要因となることなどのいくつかの難点を有する。
【0006】
クロマトグラフィー精製工程において、乳又はホエー中に存在するLF及びLPOは、所定の条件下で強カチオン交換体の表面に結合し、その後、高pH又は高塩濃度を有する緩衝剤を用いて溶出画分中に収集される。分離プロセスを簡略化するため、多くの場合、LF及びLPOは、ステップモードにおいて高イオン強度又はpH>9のどちらかを有するいくつかの緩衝液を用いて溶出される。このような方法は、一つのクロマトグラフィー工程において、所望のタンパク質の画分について比較的高い純度(60~95%)をもたらすことが多い。脱塩、濃縮及び純度向上のため、限外ろ過法が微量の低分子量不純物を除去するために導入されることが多い。得られたタンパク質濃縮物は、その後、凍結乾燥又は噴霧乾燥によって乾燥されることが多い。Wang他は、凍結乾燥LFが噴霧乾燥LF(≒5%)に比べてより少ない水(約2~3%)を含むが、それに対して噴霧乾燥LFはわずかに低い変性度及び6~7%高い抗酸化活性を示し、新鮮な液体LFに近いことを示した[18]。噴霧乾燥[1]は、損傷のない分子構造及び高い抗酸化能力を有するアモルファスLF粉末を製造するために確信を持って用いられている。
【0007】
欧州特許第0418704号[19]は、表面スルホン酸基を有する樹脂粒子を含むイオン交換クロマトグラフィーカラムを用いた、鉄と結合可能な乳タンパク質の分離、精製及び回収のプロセスを記載している。LFは、pH/伝導度ステップ溶出モード(pH/conductivity step elution mode)によって単離され、最終生産物の純度は90%超と主張されている。また、微量の低分子量不純物を除去するために限外ろ過法が必要とされ、最終的にLPO及びLFの純度は90%以上とされている。
【0008】
欧州特許出願公開第1466923号[20]に記載されたプロセスは、強酸性カチオン交換樹脂(粒子)を用いたクロマトグラフィー工程を含み、単離LFの純度が79~91%の範囲内にある。
【0009】
国際公開第2006/119644号[21]は、LFを精製し、溶液中で安定化させ、活性を向上させる方法を記載している。このプロセスは、既に単離された低純度のLFをさらに精製することを意図している。精製は、ある濃度の荷電した除外溶質を含む酸性水溶液の存在下で疎水性吸着剤(粒子)を用いて行われる。得られるLFの最終純度は、95%超であった。
【0010】
米国特許第5861491号[13]は、組み換えヒトLF(rhLF)をコードする導入遺伝子の発現によって生成されたヒトLFを含むヒトLF及び他の関連LF種を、乳、典型的には牛乳から単離する方法を記載している。一般に、hLFを含む乳又は乳画分は、強カチオン交換樹脂への非LFタンパク質及び他の物質の結合を抑制するために、比較的高いイオン強度において強カチオン交換樹脂と接触させられる。そして、樹脂粒子は遠心分離によって乳から分離され、所定のカチオン交換樹脂に結合したLFは、その後、ステップモードにおいて様々な塩濃度を有するいくつかの緩衝液を用いて溶出される。hLF及びbLFの上位画分(top fractions)の純度は、約95%超である。
(【0011】以降は省略されています)
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