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公開番号2024166200
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024131763,2021531940
出願日2024-08-08,2019-11-26
発明の名称ゲノム編集による遺伝子サイレンシング
出願人シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/09 20060101AFI20241121BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、ゲノム編集による遺伝子サイレンシングのための方法及び組成物を提供すること。
【解決手段】メガヌクレアーゼ(MN)、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、Cas9ヌクレアーゼ、Cfp1ヌクレアーゼ、dCas9-FokI、dCpf1-FokI、キメラCas9/Cpf1-シチジンデアミナーゼ、キメラCas9/Cpf1-アデニンデアミナーゼ、キメラFEN1-FokI、及びMega-TAL、ニッカーゼCas9(nCas9)、キメラdCas9非FokIヌクレアーゼ、及びdCpf1非FokIヌクレアーゼからなる群から選択されるヌクレアーゼを提供した。加えて、本発明は、ゲノム編集による遺伝子サイレンシングのための方法及び組成物を提供し、ゲノム編集によって染色体を再配置するための方法及び組成物も提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
a) 標的ゲノム部位での部位特異的DNA切断が可能なヌクレアーゼを細胞内に導入することと;
b) 単一の標的遺伝子において2つ以上の二本鎖切断を作ることと;
c) 前記二本鎖切断が介在DNA逆位で修復された細胞を選択することと;
d) 前記標的遺伝子の発現を減少させることと:
からなる、前記標的遺伝子の発現を減少させる方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ヌクレアーゼが、メガヌクレアーゼ(MN)、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、Cas9ヌクレアーゼ、Cfp1ヌクレアーゼ、dCas9-FokI、dCpf1-FokI、キメラCas9/Cpf1-シチジンデアミナーゼ、キメラCas9/Cpf1-アデニンデアミナーゼ、キメラFEN1-FokI、及びMega-TAL、ニッカーゼCas9(nCas9)、キメラdCas9非FokIヌクレアーゼ及びdCpf1非FokIヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的遺伝子における前記二本鎖切断が、プロモーター、UTR、エキソン、イントロン、又は遺伝子-遺伝子接合領域に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1に記載の細胞が、一倍体、二倍体、倍数体、又は六倍体ゲノムを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記標的遺伝子が劣性又は半優性である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1つ以上のガイド配列を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のガイド配列が、2つ以上のガイド配列を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞が植物細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ゲノム編集によって染色体を再配置する方法であって:
a.部位特異的ヌクレアーゼによって前記染色体に少なくとも1つの破損を生成することと;
b.再配置を有する染色体を選択することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記部位特異的ヌクレアーゼが、メガヌクレアーゼ(MN)、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、Cas9ヌクレアーゼ、Cfp1ヌクレアーゼ、dCas9-FokI、dCpf1-FokI、キメラCas9/Cpf1-シチジンデアミナーゼ、キメラCas9/Cpf1-アデニンデアミナーゼ、キメラFEN1-FokI、及びMega-TAL、ニッカーゼCas9(nCas9)、キメラdCas9非FokIヌクレアーゼ及びdCpf1非FokIヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年12月4日出願のPCT/CN2018/119155号による利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,300 文字)【0002】
配列表
2018年11月19日に生成された、「81724_ST25.txt」と題される、37C.F.R.§1.821の下で提出された、47キロバイトのサイズのASCIIテキスト形式の配列表。この配列表は、その開示について参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、ゲノム編集による遺伝子サイレンシング、又はゲノム編集による染色体の再配置のための方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
遺伝子サイレンシングは、遺伝子機能を研究し、作物に重要な形質を送達するための重要なツールである。植物における遺伝子サイレンシングの伝統的戦略には、(Cold Spring Harb Symp Quant Biol.2006;71:481-5)、センスRNA転写産物のトランスジェニック過剰発現、ヘアピン転写産物のトランスジェニック発現、アンチセンスRNA転写産物のトランスジェニック発現が含まれる。一方、これらの技術には、いくつかの制約がある。過剰産生されたセンス転写産物については、転写産物は未熟な終止コドンを有さない必要があり、そうでない場合、効率は十分ではなく、安定ではない。ヘアピン及びアンチセンス設計では、同じ組織及び同じ発達段階でのサイレンシングRNAの発現を天然の標的mRNAと一致させることが不可能であるため、RNAサイレンシング効果には漏れがある。
【0005】
本開示は、染色体逆位を作り出すためのゲノム編集を用いた新規な遺伝子サイレンシング方法を提供する。ゲノム編集は、例えば国際公開第18057863号、国際公開第2017180915号、及び国際公開第2017023974号のように、サイレンシングされるべき遺伝子のプロモーターに転写調節因子を近づけることを除いて、遺伝子サイレンシングでは用いられてこなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、標的遺伝子の発現を減少させる方法を提供し、該方法は、標的ゲノム部位での部位特異的DNA切断が可能なヌクレアーゼを細胞内に導入することと、単一の標的遺伝子において2つ以上の二本鎖切断を作ることと、二本鎖切断が介在DNA逆位で修復された細胞を選択することと、標的遺伝子の発現を減少させることとからなる。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼは、メガヌクレアーゼ(MN)、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、Cas9ヌクレアーゼ、Cfp1ヌクレアーゼ、dCas9-FokI、dCpf1-FokI、キメラCas9/Cpf1-シチジンデアミナーゼ、キメラCas9/Cpf1-アデニンデアミナーゼ、キメラFEN1-FokI、及びMega-TAL、ニッカーゼCas9(nCas9)、キメラdCas9非FokIヌクレアーゼ及びdCpf1非FokIヌクレアーゼからなる群から選択される。本方法のいくつかの実施形態では、標的遺伝子における二本鎖切断は、プロモーター、UTR、エキソン、イントロン、又は遺伝子-遺伝子接合領域に位置する。これらの方法は、細胞が一倍体、二倍体、倍数体、又は六倍体(hexiploid)のゲノムを有する場合に用いられ得る。これらの方法は、標的遺伝子が優性、劣性、又は半優性の場合に用いられ得る。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ、2つ又はそれを超えるガイド配列を利用することができる。この方法は、植物細胞において有用であるが、任意の細胞に適用可能である。
【0007】
本開示は、ゲノム編集によって染色体を再配置する方法を提供し、該方法は、部位特異的ヌクレアーゼによって染色体に少なくとも1つの破損を生成することと、再配置を有する染色体を選択することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、メガヌクレアーゼ(MN)、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、Cas9ヌクレアーゼ、Cfp1ヌクレアーゼ、dCas9-FokI、dCpf1-FokI、キメラCas9/Cpf1-シチジンデアミナーゼ、キメラCas9/Cpf1-アデニンデアミナーゼ、キメラFEN1-FokI、及びMega-TAL、ニッカーゼCas9(nCas9)、キメラdCas9非FokIヌクレアーゼ、及びdCpf1非FokIヌクレアーゼからなる群から選択される部位特異的ヌクレアーゼを利用することができる。本方法のいくつかの実施形態では、染色体再配置は、欠失、重複、逆位、又は転座を含む。本方法のいくつかの実施形態では、染色体再配置は、遺伝子発現の改変を引き起こす。本方法のいくつかの実施形態では、遺伝子発現の改変は、前駆体mRNAレベル、又は成熟mRNAレベル、又は翻訳レベルでの調節を含む。本方法のいくつかの実施形態では、染色体再配置は、染色体が種間雑種のような1つの核に分類され得る場合に、2つの種由来の染色体を含む。本方法のいくつかの実施形態では、染色体再配置は、少なくとも2つの対立遺伝子又は異なる対立遺伝子由来の2つの成分を融合することによって、新たな対立遺伝子生成をもたらす。本方法のいくつかの実施形態では、染色体再配置は、プロモーター、エキソン、イントロン、又は転写ターミネーターを標的とする。本方法のいくつかの実施形態では、染色体再配置は、再配置された遺伝子と配列類似性を有する異なる遺伝子の遺伝子発現の改変を引き起こす。本方法の更なる実施形態では、欠失、重複、逆位、又は転座は、19塩基対以上である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
構築物22602(左)を用いた形質転換事象のグラフ表示であり、ここで、エキソン5における2つの編集は、事象RIET142202A130Aにおける欠失又は事象RIET142202A049Aにおける逆位をもたらし、また構築物22604(右)を用いた形質転換事象の表示であり、ここで、エキソン5における2つの編集は、事象RIET142300A014Aにおける欠失又は事象RIET142500B024A049Aにおける逆位をもたらした。
内因性遺伝子座からのDEP1の発現を測定するためのワークフローを示す。
事象RIET142202A130AからのT1種子の遺伝子型判定からのPCR産物のゲル電気泳動。
DEP1に欠失を有する植物の隣の野生型イネ植物。
RNA単離のためにサンプリングされた2~3cmのイネ植物。
FI植物17SBC500140、17SBC500143、17SBC500146、及び17SBC500149からのrtPCR産物のゲル電気泳動。
欠失又は挿入を有するF1植物におけるDEP1のエキソン5のグラフ表示(上)及びゲル電気泳動によって分離されたrtPCR産物(下)であり、DEP1産物は、定量され、イネユビキチン遺伝子OS03g0234200の発現比に対して正規化された。
2つの転座で同定されたE0植物、RIET142500A084AからのDEP1のエキソン5のグラフ表示。
染色体転座及び重複について選択するために、2つ以上のゲノム編集標的がどのように使用され得るかを示す概略図。
逆位がどのように遺伝子サイレンシングに導くことができるかを示す概略図。
六倍体又は倍数体ゲノムの遺伝子オルソログをサイレンシングするために、染色体逆位によるサイレンシングがどのように使用され得るかを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
配列表における配列の簡単な説明
配列番号1は、DENSE AND ERECT PANICLE 1のコード配列である
【0010】
配列番号2は、ベクター22603由来のgRNA-B及びgRNA-D発現カセットである
(【0011】以降は省略されています)

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