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公開番号
2024165516
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081774
出願日
2023-05-17
発明の名称
ダンパ装置
出願人
THK株式会社
,
曙ブレーキ工業株式会社
代理人
弁理士法人インテクト国際特許事務所
,
個人
主分類
F16F
9/53 20060101AFI20241121BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】特別な制御を行わずに、コイルが作り出す残留磁束を解消し、ダンパ装置に生じる残留減衰力を継続的に解消するダンパ装置を提供する。
【解決手段】磁界により見かけ上の粘度を調整可能な機能性流体を封入したダンパ本体と、ダンパ本体に対して軸方向にスライド自在なシャフトとを備え、シャフトの外周には、軸方向に延びる螺旋状のねじ溝とを備え、ダンパは、静止体と、回転体とを備え、静止体は、磁界を発生する電磁部を備え、電磁部は、軸中心に線材が巻回されるコイルと、コイルを収容する磁路形成部材と、永久磁石とを備え、磁路形成部材は、機能性流体を充填する筒状空間を有し、永久磁石は、磁路形成部材の内部であって磁界による磁路上に配置され、回転体は、ねじ溝と螺合する回転係合部と、軸方向に円筒状に延びる回転円筒部とを備え、回転円筒部は、磁路形成部材と隙間を形成した状態で筒状空間に挿入される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
磁界により見かけ上の粘度を調整可能な機能性流体を封入したダンパ本体と、
前記ダンパ本体に対して軸方向にスライド自在なシャフトとを備え、
前記シャフトの外周には、軸方向に延びる螺旋状のねじ溝とを備え、
前記ダンパ本体は、静止体と、回転体とを備え、
前記静止体は、前記磁界を発生する電磁部を備え、
前記電磁部は、軸中心に線材が巻回されるコイルと、前記コイルを収容する磁路形成部材と、永久磁石とを備え、
前記磁路形成部材は、前記機能性流体を充填する筒状空間を有し、
前記永久磁石は、前記磁路形成部材の内部であって前記磁界による磁路上に配置され、
前記回転体は、前記ねじ溝と螺合する回転係合部と、軸方向に円筒状に延びる回転円筒部とを備え、
前記回転円筒部は、前記磁路形成部材と隙間を形成した状態で前記筒状空間に挿入されることを特徴とするダンパ装置。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のダンパ装置において、
前記永久磁石は、前記永久磁石の磁束が前記磁路の磁束を打ち消す向きに配置されることを特徴とするダンパ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のダンパ装置において、
前記永久磁石は、前記コイルと同軸の環状に配置されることを特徴とするダンパ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のダンパ装置において、
前記永久磁石は、隣り合う前記永久磁石と隙間を介して複数配置されることを特徴とするダンパ装置。
【請求項5】
請求項3に記載のダンパ装置において、
前記永久磁石は、前記回転円筒部の内径側に配置されることを特徴とするダンパ装置
【請求項6】
請求項1に記載のダンパ装置において、
移動体の車輪にサスペンション装置として取付けられることを特徴とするダンパ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパ装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、磁気粘性流体等の機能性流体を用いたダンパであって、ダンパケースと回転体との間に機能性流体を介在させ、電磁コイルによって減衰力を制御可能とする回転ダンパが知られている。このようなダンパは、電磁コイルに直流電流を印加することによりダンパケース内に磁界を生じさせ、機能性流体中の強磁性体粒子等がダンパケースと回転体との間に鎖状のクラスターを形成して、このクラスターのせん断抵抗により減衰力を生じさせる。
【0003】
このようなダンパでは、電磁コイルに対する電流の制御によって減衰力の調整やオンオフが可能となる。例えば、特許文献1に示すように、直流電源からの直流電圧によって電磁コイルが発生する磁束に応じて減衰力を生じさせる機能性流体を封入したダンパの制御装置であって、前記電磁コイルに交流電圧を印加するための交流電源と、前記交流電源を制御して前記電磁コイルに対する前記交流電圧として定常波交流電圧を所定周期継続した後に漸次減衰する減衰波交流電圧を印加させる電圧制御部と、を備えることを特徴とするダンパの制御装置が知られている。
【0004】
このようなダンパの制御装置によれば、電磁コイルを通電していないオフ時の残留磁束の影響による減衰力(以下、「残留減衰力」と称する)が生じても、定常波交流電圧と減衰波交流電圧とにより、機能性流体が形成する鎖状クラスターを破壊することができ、残留減衰力を除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-128056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のダンパの制御装置を自動車等のショックアブソーバーに用いようとすると、ダンパに振動が入力される度に残留減衰力が発生し、路面の凹凸が目まぐるしく変化するような場面では、交流電圧の制御が煩雑になり、連続的な振動の入力に対して残留減衰力を除去するのが困難であるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、コイルが作り出す残留磁束とは逆向きの磁束を永久磁石によって作り出すことで残留磁束を打ち消し、残留減衰力を継続的に解消することができるダンパ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明に係るダンパ装置は、磁界により見かけ上の粘度を調整可能な機能性流体を封入したダンパ本体と、前記ダンパ本体に対して軸方向にスライド自在なシャフトとを備え、前記シャフトの外周には、軸方向に延びる螺旋状のねじ溝とを備え、前記ダンパ本体は、静止体と、回転体とを備え、前記静止体は、前記磁界を発生する電磁部を備え、前記電磁部は、軸中心に線材が巻回されるコイルと、前記コイルを収容する磁路形成部材と、永久磁石とを備え、前記磁路形成部材は、前記機能性流体を充填する筒状空間を有し、前記永久磁石は、前記磁路形成部材の内部であって前記磁界による磁路上に配置され、前記回転体は、前記ねじ溝と螺合する回転係合部と、軸方向に円筒状に延びる回転円筒部とを備え、前記回転円筒部は、前記磁路形成部材と隙間を形成した状態で前記筒状空間に挿入されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るダンパ装置によれば、特別な制御を行わずに、コイルが作り出す残留磁束を解消し、ダンパ装置に生じる残留減衰力を継続的に解消することができる。また、例えば、本発明に係るダンパ装置を自動車等のショックアブソーバーに用いた場合、路面の凹凸が目まぐるしく変化し、ダンパ装置に振動が入力される度に残留減衰力が発生するような場面であっても、煩雑な交流電圧の制御を必要とせず、連続的な振動の入力に対して容易に残留減衰力を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係るダンパ装置を示す断面図。
図1におけるA-A断面図。
本発明の実施形態に係るダンパ装置の入力電流と減衰力を示すグラフ。
本発明の実施形態に係るダンパ装置の永久磁石の配置の一例を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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